アパートの隣の女がうるさいー。
彼は、日々、怒りを募らせていた。
そんな彼がある日「幼児化薬」を手に入れて…
※リクエスト作品デス!
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「もう少し、綺麗にしてくれませんか」
うるさい女だー。
彼はそう思った。
アパートの隣に住む女ー、
狭川 裕子(さがわ ゆうこ)。
30代の綺麗な女なのだが、
とても口うるさい。
キャリアウーマンだか何だか知らないが、
とにかく”できる女”という感じだ。
しかし、
彼、北本 正幸(きたもと まさゆき)に
とっては裕子の存在は不愉快なだけであった。
正幸を”独身ニート”扱いし、
毎日毎日小言を言ってくるのだ。
「--ねぇ、聞いてます?」
裕子が怒りっぽく言う。
ゴミ置き場をもう少し綺麗に利用しろと言うのだ。
「はいはい」
正幸は、言い返せばヒステリックに喚き散らかされる
だけだと判断して、裕子を無視して自分の部屋に入る。
まったく、ウルサイ女だ。
しかもー
ごみ置き場を散らかしているのは、正幸ではない。
他の住人だ。
しかしなぜか、裕子は正幸を目の仇にしている。
”中年独身ニート”という
謎のレッテルを貼られているが、
そもそもそれも間違っている。
正幸はニートではない。
フリーターではあるが、ニートではないのだ。
上から目線の裕子。
非常に腹が立つ。
正幸は、毎日毎日、怒りを溜めこんでいたー
そんなある日ー
「ん…?」
正幸の家のポストに小さな封筒が入っていた。
その中には、
ピンク色の液体が入った小さな容器ー。
「なんだこれ…?」
正幸は不思議に思いながら同封されていた紙を開く。
するとそこにはー
”ご当選おめでとうございます”
と書かれていた。
思い出したー。
正幸は、半月ほど前に
ネットで”人を幼児化させる薬”という
怪しげな薬のキャンペーンに応募したのだった。
そんなもんあるわけねぇだろ、と思いながら
応募したそれが届いたのだー。
「へぇ…」
正幸が、”幼児化薬”に応募したのは、
ある目的があったからだー。
それは、隣人の裕子に”仕返し”するーという目的。
幼児化薬を裕子に使い、
裕子を幼児化させ、
その困った顔を拝んでやろうー。
彼は、そう思っていた。
「…毒物とかじゃないよな?」
正幸はそう呟く。
今度、自治会の集まりがある。
裕子は、地域の集まりにも熱心に
出席している。
近所の他の住民によれば
独身であることに焦り、密かに
出会いを求めているのだとかー。
「幼児化の薬を盛るなら、その日だな」
正幸はにやりと微笑んだ。
この薬がもしも幼児化薬ではなく
毒物の場合はー
自分は犯罪者になってしまうが、
そのリスクを負ってでも
正幸は試したいと思った。
この”幼児化薬”をー。
自分を見下す近所のOLを、
逆に見下してやるのだー。
・・・・・・・・・・・・・・
自治会の集まりの日ー
「---」
正幸の手は震えていたー。
裕子が立ち上がり、席を外した。
今ならこの”幼児化薬”を
裕子の飲んでいるお茶に
混ぜることができる。
「----…」
ごく少量の液体だ。
入れても、お茶の色に影響は出ないだろう。
「--ーーー」
正幸は手を震わせていた。
もしもこれが毒物だったらー?
怪しげな懸賞で当たった”幼児化薬”
本当に、そんなものが存在するのかー?
これは、ただの栄養剤か何かなのではないか?
色々な考えが正幸の中で
浮かんでは、また、消えて行くー。
「---……」
仮に、もしも本当に幼児化の薬だったとしてー
どんな効果が出る?
どこまで幼児化する?
正幸は色々なことを考えながら、
ひとつの結論に達した。
”やっぱり、やめておこうー”
とー。
どんなにウザい女だったとしても
もしもこの薬で命を奪ってしまったら
後味が悪い―。
裕子が座っている座席の前に立っていた
正幸は、液体の入った小さな容器の
キャップを閉じようとする。
その時だったー
ドン!
走り回っていた地域の子供が、
正幸にぶつかった。
「あー…」
正幸は目を見開く。
ピンク色の液体が、裕子のお茶に落ちて―
そしてー溶けて行く。
「し…しまった!」
正幸が叫ぶ。
これはまずいー。
裕子のお茶に薬が入ってしまった。
慌てて自分の湯飲みと交換しようとする正幸。
しかしー
「ちょっと!」
裕子が戻って来てしまった。
「--なに、ちょろちょろしてんのよ!?」
裕子がいつもの様子で正幸に
敵意をむき出しにする。
「あ、いや…」
正幸はとっさにその場を離れてしまうー
「--!!」
裕子が、お茶を飲んでしまったー
”幼児化薬”の入ったお茶をー
「あ…」
正幸は、”もう手遅れだ”と感じたー
裕子は、特に苦しむ様子もなく、
そのまま普通に、他の近隣住民と
話をしているー
「---…」
正幸は安堵した。
裕子は死にもしてないし
幼体化もしていない。
つまりー
”幼児化薬”はイタズラだったのだー
・・・・・・・・・・・・・・・・・
3日後ー
昨日、一昨日と特に
裕子に異変はなかった。
いつも通り。
「---はぁ」
コンビニでのバイトを終えて帰宅した正幸は、
ふと、裕子がポストに郵便物を取りに来ているのを
見て、違和感を感じた。
いつもズボン姿の裕子が、
今日はミニスカート姿だった。
「---…?」
正幸は、違和感を感じながらも
そのまま自分の部屋へと入る。
「♪~」
一方の裕子はご機嫌だった。
昨日ぐらいからだろうかー。
肌の調子がとてもいい。
最近は30代中盤にさしかかったこともあり、
肌が衰えてきていたー
けどー
昨日から、なんだか肌の調子がいい。
うるおいが戻ってきた感じー。
そして今日はさらにー。
まるで自分が20代のころに
戻ったかのようだ。
最近は足にも自信が無くなって来ていて
隠すような服装ばかりだったが
今日は、久々に若い頃よく着ていたミニスカートを
はいてみた。
若い頃の美脚ー
それが戻ってきた。
鏡の前でポーズを決める裕子。
「ふふ…なんだか、若返ったきぶん♪」
裕子は、ご機嫌だったー。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
それからも、裕子の肌の
調子はどんどん良くなった。
まるで大学時代の自分かのようなー
そんな錯覚を覚えるほどにー
顔もー
髪もー
昔に戻ったかのようにー
「ふふふふん♪」
裕子は、毎日毎日が
楽しくて仕方が無かった。
肌の衰えが嘘かのように
無くなり、昔の美貌を取り戻している。
「ーーー♪」
だがー
「---!!!」
正幸には”その意味”が良く分かっていた。
「---ま、、まさか…」
あれから1週間ー。
裕子自身は、自分の肌の調子が
良くなったぐらいにしか思っていなかったものの、
”幼児化薬”を盛った正幸には
その意味がよく分かっていた。
そしてー
裕子の外見上の変化はー
第3者である正幸が見ても
分かるほどになっていた。
「--……あら…?」
裕子は正幸の視線に気づき、
正幸の方を見つめる。
また何か小言を言われるのだろうか。
正幸はそう思って身構えたがー
裕子は軽く微笑むだけで何も言わなかった。
裕子は、とても上機嫌だったー
これから自分に起きることを知らずー…。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
それからさらに1週間が経過したー
裕子の肌の調子はますます良くなっていくー
だがー。
さすがに裕子も”異変”に気付いた。
単なる肌のうるおいだけじゃないことにー
「---な、、何これ…?」
身長が、わずかだが縮んでいるー
いや、胸も少し小さくなっている。
どんなに肌の調子が良くなったのだとしても
この変化は”ありえない”
「わ、、私…何だか…?」
裕子は、この日、初めて不安を覚えた。
肌の調子が良くなっているのではないー。
何かが、自分の身に起きているー
そしてー
裕子はふと思うー
自分はー
”若返っている”のではないかー
と。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「--あの薬…」
正幸は不安になった。
隣人の裕子は明らかに”若く”
なっている。
本人が気付いているかどうかは
分からない。
だがー
早いところ病院に行ってもらった方がいい。
正幸は、
意を決して、隣人である裕子の家の
インターホンを押した。
「---……」
どんなことを言われようともー
犯罪者になってしまおうともー
本当のことを打ち明けようー
正幸はそう思った。
罪の意識に耐え切れなくなってしまった。
「は~い!」
扉が開き、中から出てきたのはーーー
「---!!」
正幸は思わず、目を疑った。
ツインテール姿の可愛らしい女子高生ぐらいの少女が
裕子の家から出てきたのだー
「---あ、、、」
正幸は気づく。
この子こそが、隣人の裕子であると。
「--」
見た感じ、女子高生ぐらいまで若返っていることに気付いた
正幸は、真剣な表情で裕子を見つめた。
「大事な話がありますー」
と。
裕子は、不思議そうな顔をして、
正幸を自宅に招き入れた。
「---話ってなんですか~?」
裕子が笑いながら、正幸の方を見る。
正幸に対して刺々しい雰囲気だった
隣人の裕子の様子は変わっていたー
まるで、無邪気な少女のようだー。
もしかすると、思考にまで影響を
与えているのかもしれないー
「-ーーあ、聞いてくださいよ~!
わたし、最近何だかとっても
若々しくなったんですよ~
ほら!肌もつるつる~!」
嬉しそうにはしゃぎながら言う裕子。
裕子の方を見ながら正幸は、
真実を打ち明けようとするー
”あなたに、幼児化する薬を盛りました”
とー。
だがー
「--どうしたんですか~?
そんな難しいカオして~!」
裕子が笑う。
そんな裕子を見ていてー
正幸は思う。
”本人が幸せそうなんだから、いいじゃないか”
とー。
そしてー
”悪い考え”も浮かんだー
さっきまで罪悪感に支配されていたのは確かだが、
いざ、裕子が若返っているのを見て、
”この先どうなるのか見てみたい”と
そう思ってしまった。
「--…あ、いや、」
正幸は立ち上がる。
「やっぱり話はいいです」
そう言うと、正幸は笑みを浮かべた。
「---俺が誰だか、分かりますよね?」
口元を三日月に歪めて笑う正幸ー
”幼児化”の過程で
記憶まで戻っているのか―
それとも、違うのかー。
それを確かめたかった。
「うん!知ってますよ~!
お隣の北本さん!ふふふ」
裕子は笑った。
記憶はあるようだー。
正幸はさらに笑みを浮かべたー
”高校生ぐらいまで肉体が若返った裕子”は
自分が若返ったことに疑問を感じていないのか?
それとも分かっていて、喜んでいるのかー?
それは分からない。
だがー
正幸は、自分にきつく当たっていた隣人の裕子が
若返って無邪気に喜んでいる姿を見て
なんだか勝ち誇った気分になり、
快感を感じていた。
「--くくく、お邪魔しました」
正幸はそう言うと、裕子の部屋から出て、
自分の部屋へと戻るのだった。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
裕子は、何が何だか
分からなくなってきていたー
「--あれれ~?わたし、、なんか変~!」
正幸が裕子の家を訪れてから三日ー
裕子は小学生ぐらいの身体にまで
退行していたー
「きゃははははは!ふしぎ~!」
家の中で飛び回る裕子。
不安はあるー
しかし、その不安を考えることが
できないほどに、脳も幼くなりつつあった。
スマホが鳴る。
”もしもし?狭川さん?
無断欠勤がこれ以上続くとー”
スマホのメッセージを確認する裕子。
急に裕子は涙目になる。
身体が小さくなってしまった為に
サイズが合わなくなった
ぶかぶかの服を身につけながら
スマホをベットに投げつける。
「こんな格好で、いけるわけないもん!」
裕子は頬を膨らませた。
どうすればいいー?
何が起きているの?
裕子はそう思った。
やはり、病院に行った方がいい。
裕子は意を決して
近くの病院に駆け込んだー
しかしー
「--あれれ~?
お父さんかお母さんはどうしたのかな?」
裕子が、保険証を出しても
病院の受付は信じてくれなかった。
「---ち、、違うもん!
わたしが狭川裕子だもん!」
裕子は叫ぶ。
受付のお姉さんに向かって。
しかしー
受付のお姉さんは失笑した。
目の前にいるのは、どう見ても
あどけない少女だ。
このような少女が、
30代なわけがない
保険証と裕子の顔を見ながら
受付のお姉さんは笑う。
「お父さんか、お母さんと
一緒に来てもらえるかな?」
とー
「ち、、違うもん!
わ、、わたしが裕子だもん!」
裕子は、ぶかぶかの服のまま
走り去るー。
病院でも見てもらえないー。
なんだか言いだすのが怖くて
身体がこんなに小さくなるまで
病院に行かなかった自分を裕子は責めた。
落ち込んだ様子で、自宅まで
走って戻ってきた裕子ー
「--あれれ?どうしたのかな?」
そんな裕子を、正幸は見つけた。
正幸は、その雰囲気から、
相手が幼児化した裕子だと悟る。
「--あ…」
裕子が身体を震わせる。
「あれれ~?もしかして
狭川さんじゃないですか~?」
正幸が勝ち誇った表情で言う。
まさかー
まさかここまで効果が出るとは思わなかった。
正幸は笑みを浮かべたー
これじゃー小学生じゃないか!
とー
すごい!
この薬の効果は、どこまで続くのかー。
正幸は、一瞬”不安”になったがー
すぐに笑みを浮かべた
”幼児化薬”なんて誰も信じないだろうー
問題になることなんて、ありえない、
と。
「た…助けて…」
裕子が呟く。
「--助けて!」
とー。
「くくく…」
正幸は笑う。
”どうしたの~?”
と子供に声をかけるようにして…
「わ、、わたし…
わたし、どんどん小さくなってってるの!」
裕子が叫んだ。
「---そう~。それは困ったね~?」
正幸はバカにしたような笑みを浮かべながら
呟いた。
裕子の状況がおかしくてたまらない
服もぶかぶか。
小さくなったのに無駄に化粧はしていて、
とてもアンバランスな感じだ。
「--お願い!助けて!」
裕子が叫ぶ。
「--いつも、俺に小言ばかり言ってましたよね~?」
正幸はケラケラ笑いながら言った。
「--中年独身ニートの俺に助けを求めるんですか~?」
正幸は見下すようにして言った。
そう。
これだ。
正幸はこの瞬間を待っていた。
幼体化していく裕子を
こうして見下す瞬間を。
「ーー助けてよぉ…
わたし…小さくなっちゃうよぉ…」
裕子がその場に泣き崩れる。
子供のように大声で泣いている。
「--」
正幸は、近所に見られるとまずいと思って、
裕子を家の裕子の家の中に入れた。
「助けてよぉ~」
裕子が泣きじゃくっている。
正幸はそんな裕子の頭を優しく撫でた。
「だいじょうぶ…
お兄ちゃんが守ってあげるから」
正幸はニヤニヤしながらそう声をかけた。
「ほんと~?」
裕子が泣きながら言う。
「あぁ、約束する。お兄ちゃんとの約束だ」
裕子に手を差出し、
正幸は、約束した。
「(くくく…わ、笑っちゃダメだ…)」
正幸は笑いをこらえながら裕子の方を見る。
おかしくてたまらない。
あの生意気な隣人がー
今や、小学生のような姿になって、
泣きじゃくっている。
「--元に戻す方法を調べてあげるから、
裕子ちゃんは安心して家にいるんだよ」
正幸はそう呟いた。
”幼体化”する前の裕子であれば
”裕子ちゃん”なんて呼ばれたら激怒しただろうー
しかしー
今は違う。
裕子は嬉しそうに微笑んでいる。
「ありがとうお兄ちゃん!」
「どういたしまして」
正幸は、そう言いながら、裕子の部屋から
外に出て、自分の部屋へと戻った。
(バーカ!)
正幸は笑うー。
幼児化薬ー
恐ろしい薬だ。
もしー
もしもこのまま進めば―
生意気な隣人の裕子はどうなってしまうのだろうー。
正幸はにやりと笑みを浮かべるー。
どうなってしまうのか、
結果が楽しみだー
と…。
・・・・・・・・・・・・
それから数日。
「あ!正幸おにいちゃ~ん!」
玄関から入ってきた正幸の姿を見て、
裕子は嬉しそうに正幸に抱き着いた。
「ふふふ~裕子ちゃん」
正幸は、裕子の頭を撫でる。
すでに裕子は、
入学前ぐらいの少女の姿になっていたー
知能もそれに伴って落ちているのか、
本当の幼女のようだー。
「--新しいお洋服買ってきてあげたよ~」
正幸がそう言うと、裕子は無邪気に「わ~い!」と
万歳しながら叫ぶ。
正幸はチラリと家の中を見つめたー
いつからなのだろうかー。
裕子の家事がそのまま止まっているー。
最初は、若返って行く自分に
違和感を感じ、恐怖していたのだろうー。
だがー
今はー
もう、何も分かっちゃいない。
「--さ~、今日もお兄ちゃんが
ご飯作ってあげるぞ~」
正幸が笑いながら言うと
裕子は「わ~!お兄ちゃんだいすき~!」と嬉しそうに叫んだ。
憎たらしい隣人ー
でも、今は可愛らしい隣人へと変わった。
正幸は、先週からバイト以外の時間を
裕子と共に過ごした。
本当に娘が出来たかのようなー
そんな感覚。
「よ~し!お兄ちゃんと一緒にお風呂に
入るか~!」
「うん~!」
正幸は、いつの間にか
幼女になった裕子のことが
好きになっていたー
本当の娘のように、
裕子を可愛がる。
夜ー
裕子を寝かしつけると、
正幸は、そのまま裕子の部屋から
出て、自分の部屋に戻ろうとするー
もう、4、5歳ぐらいだろうかー。
どこまで幼児化は進むのだろうー。
「--お兄ちゃん…」
玄関から出て行こうとした正幸に
裕子が声をかけた。
「---ん?」
正幸は立ち止まって微笑む。
「--わたし…消えちゃうのかな…?」
小さくなった裕子が目から涙をこぼす。
「----」
振り返った正幸は言葉を返せないー
「--お兄ちゃん…わたし、、怖いよ…
お兄ちゃん…」
裕子が、目からボロボロと涙をこぼしている。
小さくなってもー
考えが幼くなってもー
裕子は、自分に待ち受ける運命を
理解しているのかもしれないー
「---…」
正幸は切ない気持ちになって、
玄関から裕子の方に戻って行く。
「--大丈夫さ…大丈夫」
正幸は、そう言って、裕子の頭を撫でてー
裕子が安心して眠れるように
子守唄を歌ってあげたー。
裕子は、落ち着いて眠りにつくー
正幸は、裕子の部屋から出たー。
夜空を見上げながら正幸は呟く。
「ごめんなさい…」
とー。
幼女になった裕子を
可愛がり初めてから、正幸は、
罪悪感に再び支配されていたー
小さな子に泣きつかれてもー
もう、どうすることもできないー
このままだと裕子はー
「---」
正幸は、自分の罪悪感に押しつぶされそうに
なりながら、自分の部屋へと戻った。
翌日ー
バイトが終わると、正幸は
裕子の部屋に駆け込んだ。
そこにはー
「ぎゃあ…おぎゃあ…おぎゃあ!」
赤ん坊にまで戻った裕子が
一人、泣き続けていたー
「--ゆ、裕子ちゃん!」
正幸は駆け寄る。
どんなに、
どんなにあやしても
裕子が泣き止むことはないー
裕子は、自分に起きていることを理解し
恐怖し、泣き続けているのかもしれないー
正幸は、ふと、机の上に置かれている裕子の
日記に目をやる。
最後のページには
子供のような字で
「こわいよ」
と書かれていたー
その日記を見る正幸ー
そこにはー
自分がどんどん若返って行くことへの
恐怖がつづられていたー
正幸は、強い罪悪感に襲われて
赤ん坊になった裕子を抱きかかえた。
どんなにー
どんなに
言葉をかけても
裕子は泣きやまないー
そしてー
最後には裕子は、胎児のような姿になりー
そのまま光のようになって
消えてしまった。
「あ…あ…」
正幸は膝を折る。
憎たらしい隣人ー
可愛らしい隣人ー
自分はなんてことをしてしまったのだと…。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
それから数日ー
正幸は廃人のような生活を送っていた。
自分は、人ひとりの人生を狂わせてしまった。
”おにいちゃん”
裕子の可愛らしい笑みが浮かぶー
憎たらしい隣人だったー
けれどー
その人生を壊す資格なんてー
正幸は目から涙をこぼしたー
そして、
冷蔵庫に入れていた小さな容器を手にするー
”幼児化薬”
その、残りー。
正幸は、涙をこぼしながら叫ぶ。
「すみませんでしたー」
と。
正幸は、残りの幼児化薬を飲みほして、
その場に寝転んだー
「すみません…すみません…」
後を追っても許してもらえるはずなどないー。
そう思いながらも、正幸は
空になった容器をゴミ箱に
投げつけて、考えるのをやめたー
おわり
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
コメント
憑依空間からは逸れた内容でしたが
幼児化小説のリクエストにお応えしてみました!
う~ん…
どんな感じに書くのが正解だったのでしょうか~?汗
お読み下さりありがとうございました!
コメント
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ぶかぶかの服を着た小学生の裕子がすごく可愛いなぁ
抱きしめたいし手を繋ぎたいし妹にして可愛がりたい
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> ぶかぶかの服を着た小学生の裕子がすごく可愛いなぁ
> 抱きしめたいし手を繋ぎたいし妹にして可愛がりたい
コメントありがとうございます~☆!
愛でるのも良いかもですネ~ふふふ
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>コメントありがとうございます~☆!
>愛でるのも良いかもですネ~ふふふ
おっしゃる通りでございます
もっとこういう小説見たいなぁ
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> >コメントありがとうございます~☆!
> >愛でるのも良いかもですネ~ふふふ
>
> おっしゃる通りでございます
> もっとこういう小説見たいなぁ
笑
考えておきますネ~