<MC>友達の様子がおかしい①~異変~

”友達の様子がおかしい”ー。

友達に違和感を感じ始めた彼女は、
その原因を独自に調べていくー。

そして、彼女がたどり着いた答えは
”その友達は操られている”という恐るべき答えだったー…。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「ーーーはぁー」

昼休みー。
教室で大きくため息を吐き出した
篠田 柚香(しのだ ゆずか)ー。

そんな彼女の様子に気付いた
クラスメイトの山塚 宗平(やまづか そうへい)は、
「柚香ー。どうかしたのか?」と、
心配そうに声を掛けるー。

「ーーえ…?あ、うんー…
 実はー…」
宗平に声を掛けられた柚香は、
戸惑いの表情を浮かべながら
「ーー架純(かすみ)の様子が変でー」と、
そう言葉を口にするー。

「ーー架純? あぁ、藤坂(ふじさか)さんのことー?」
宗平が少しだけ考えるような仕草をしてから、
そう返事をすると、
柚香は静かに頷くー。

「うんー…何だか最近わたしに冷たくてー
 避けられているような感じがするのー
 今まで、そんなことなかったのにー」
柚香が、そんな風に宗平に対して伝えると、
宗平は少しだけ下を向いたあとに、
「何か思い当たることはあったりする?」と、
そう言葉を口にするー。

がー、柚香は少しだけ表情を曇らせると、
「ー特に…何も」と、そう返事をしたー。

「ーーそっかぁ……
 ーーまぁでも、みんな色々あるんだろうし、
 思い当たることがないなら、しばらくそっとしておくのが
 いいんじゃないかな?」

宗平がそんな風に提案すると、
柚香も「うんー…そうだよねー」と、納得した様子で頷くー。

宗平はそんな柚香の様子を見つめながら
少し暗い雰囲気になってしまったことを悟ったのだろうかー。

明るい雰囲気で「ーまぁ、ほら、何か困ったことがあったら
何でも相談に乗るから」と、宗平はそう言葉を口にした。

その言葉を聞いた柚香も少し明るく微笑みながら頷くと、
「ごめんねー。愚痴みたいな話を聞かせて」と、穏やかな口調で、
けれども申し訳なさそうに言葉を続ける。

「はは、いいさー。彼女が困ってたら
 助けるのが彼氏ってもんだろ?」
宗平のその言葉に、柚香は「ふふー、ありがと」と、
そう言葉を口にするー。

一見すると、少し派手な雰囲気もある宗平ー。
ただ、柚香を思う気持ちは本物なのか、
いつも柚香のことを心配するような素振りを見せているー。

「ーあ、そうだー。来週のテストの勉強とか、
 今日の放課後、どう?」
宗平がそう言葉を口にすると、
柚香は「あ、うんーいいよ!」と、そんな風に言葉を口にするー。

「ーーーーーー」
そんな二人の会話を少し離れた場所から見つめている男子生徒の姿があったー。

土田 啓太(つちだ けいた)ー。
大人しいタイプの男子生徒で、
気弱な性格の持ち主ー。

そんな啓太が、柚香と宗平の方をじーっと見つめると、
不快そうな表情を浮かべながら
何かをボソッと呟いたー。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「ーーー架純ーあのさー…」

数日後ー
柚香は、親友だった架純にそう声を掛けるー。

がー、
架純は柚香に対して敵意をむき出しにすると、
「話しかけないで!」と、そう声を荒げるー。

「ーー!」
普段、声を荒げるようなこともない架純の
豹変ぶりに、柚香は驚いたような表情を浮かべると、
架純はそのまま「吐き気がする」とだけ言い残して
立ち去ろうとするー

「ーーちょ…ちょっと!架純!!
 わ、わたし、何かしたー!?」
柚香は立ち去ろうとする架純に対して
そう叫ぶと、
架純は立ち止まるー。

「何かしたなら、謝るから!!
 だからーー」
柚香がそこまで言うと、
架純は大きくため息を吐き出すー。

そして、架純はうんざりした様子で
柚香の方を振り返ると、
吐き捨てるようにして言ったー。

「もう、あんたと話すことは何もないー」
とー。

「~~~~~…」
架純の言葉に、柚香は只々戸惑いの表情を浮かべて
その場に立ち尽くすー。

架純はそんな柚香を無視して立ち去っていくと、
一人残された柚香は「どうしちゃったのー…?架純ー」と、
心配そうにそう言葉を口にするのだったー。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「ーーーえ?
 やっぱり藤坂さんの様子がおかしいー?」

宗平の家で、柚香が昨日の出来事を伝えると、
宗平は暗い表情を浮かべながら
「やっぱ、しばらくそっとしておくしかないんじゃないか?」と、
そう言葉を口にするー。

「ーーうん…それはそうなんだけどー」
柚香はそう言葉を返すと、
「急に、あんな風になっちゃうなんてー」と、
不思議そうに、そして不安そうに言葉を続けるー。

「ーーー…まぁ、柚香の気持ちはよく分かるよー。
 でも、柚香に思い当たるところはないんだろ?」
宗平が不安そうにそう返すと、
柚香は今一度「うんー」と、そう頷くー。

「だったら…あまり気にしない方がいいんじゃないかなー
 無理にさー、距離を詰めようとすると
 余計に嫌がられるかもしれないし、
 何かあったのかもしれないから、少しの間
 そっとしておくのが一番いいと思う」

宗平はそれだけ言葉を口にすると、
「それと、俺の方でも何か分かったら柚香にちゃんと伝えるからさ」と、
穏やかな口調で柚香にそう言い放つー。

その言葉に、柚香も静かに頷くと、
「ーそうだねー。ありがとうー」と、お礼の言葉を口にしたー。

「ーーよし、じゃ、勉強するかー」
宗平は気を取り直した様子でそう言葉を口にすると、
柚香も「うん」と、そう言葉を口にして、勉強をし始めるー。

ただー、それでも柚香は
友達の架純が急に豹変したことに対して
不安を感じずにはいられなかったー。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

それからも、柚香は
宗平にも内緒で、密かに親友の架純のことを
調べていたー。

どうして架純はあんな風に変わってしまったのかー。

どうしても、架純が変わってしまった理由が、
柚香には思い当たらなかったー。

そんな風に思いつつ、密かに架純の様子を探っていた
ある日のことだったー。

「ーーーーー」
放課後になると、架純は周囲の目を気にするかのような
素振りを見せながら、昇降口ではなく
別の方向に向かって歩いていくー。

”架純ー…どこに向かうつもりなのー?”
そんなことを思いつつ、柚香は架純を尾行すると、
架純は空き教室の一つに、キョロキョロしながら
入って行ったー。

「ー…架純ー」
柚香は心配そうな表情を浮かべつつ、
その空き教室の外から中を確認するー。

すると、その教室の中には、架純以外、
もう一人誰かがいるようだったー。

”ーーわたしは絶対に柚香を許さないー”
そんな言葉が聞こえて来るー。

「ーーー架純ー…」
自分のいないところでも、憎しみの言葉を
吐き捨てている架純の姿を見て、
柚香は心底悲しそうに言葉を口にするー。

”~~~~~~~”
架純は、何かを口にしているー。

しかし、さっきの言葉とは違い、
そんなに大きな声ではなかったせいで、
空き教室の外から盗み聞きしている状態の
柚香にはその内容がハッキリとは聞こえてこないー。

”~~それでいいよ”

もう一人ー、教室内にいるのは男子生徒のようだー。
会話内容はハッキリとは聞こえないものの、
それだけは聞こえたー

”ーー洗脳ー”
ふと、そう聞こえたー。

架純と一緒にいる男子生徒が確かにそう呟いたー。

「ーーーせ、洗脳ー…?」
その言葉の意味は知っているー。
柚香は戸惑いながらそう言葉を口にすると、
”意のままにー”と、
架純がそう呟いているのが聞こえたー。

柚香は青ざめながら、
教室の中に誰がいるのかを確認しようとして、
見つからないようにしつつ、少しだけ中を覗き込むとー…

そこにはー
クラスメイトで大人しいタイプの男子生徒・土田 啓太の姿が見えたー。

「ーーあ、アイツはー…」
柚香は表情を歪めるー。

啓太はいつも教室の隅っこにいて
何を考えているか分からない不気味な生徒だー。
柚香もよく、この啓太から視線を向けられているように感じることがあって、
少し前にも”もう関わらないでほしい”と、注意したことがあるぐらいだー。

その啓太が、どうして架純と一緒にいるのだろうかー。

しかも洗脳がどうとか、何やら不気味なことを
話しているー。

”ーーうん。啓太の言う通りにするー”
架純のそんな声が空き教室の中から聞こえて来たー。

「ーーー!!!」
柚香は表情を歪めるー。

架純と啓太が学校内で話をしている場面は
少なくとも架純の記憶では一度もない気がするー。

それに、その架純が啓太のことを名前呼びしているところにも
柚香は強い違和感を覚えたー。

”まさかー…架純、アイツに何かされてー…”
柚香は険しい表情を浮かべながら
そんなことを考えるー。

がー、その時だったー。

”じゃあ、そろそろわたしは行くね”
架純のそんな声が中から聞こえて来たー。

「ーーー!」
柚香は今ここで架純と啓太に見つかってしまったら
大変なことになる、と、そう思いながら
架純が空き教室から出て来る前に、
その場を慌てて離れるのだったー。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

架純の様子がおかしい理由ー

それはー…

「ーーあり得ないー…洗脳なんてできるわけがー」
帰宅した柚香は、頭を抱えながら部屋の中でため息を吐き出すー。

けれどー、仮に架純が啓太に操られているのだとしたら
最近の架純の態度は十分に理解することができるー。

柚香が、架純に対して何かをした覚えはないし、
架純にあんな風に敵意を向けられる理由に
思い当たることも一切ないー。

それなのに、あのような状況になっていることの説明がつかないー。

「ーーアイツに何かされたんだとしたらー…
 ーーー…いったい、どうしたらー…」

柚香は表情を曇らせるー。

”手がかり”を掴めたのはよかったー。
けれど、どうしたらいいのか分からないー。

もしも架純が本当に操られているのだとしたら
方法は分からないけれど、
柚香自身も”それ”の餌食になってしまう可能性は
十分に考えられるー。

そうなってしまったらー…

「ーーー無理無理無理ー…あり得ないー」
柚香はもしも自分が啓太に操られて
意のままにされてしまったらー?ということを
頭の中で想像してしまい、ゾッとした表情を浮かべるー。

あんな風にはなりたくないー。
あんな奴に操られるなんてありえないー。

そんな風に思いながらも、
「でもー…」と、柚香は静かに呟くー。

「ーーー」
柚香は昔から良くも悪くも頑固だー。
良く言えば”意思が強い”ー。

だから、仮に啓太が術のようなものを使って
他人を操るー…の、だったとしても
それを乗り越えることができるーー
そんな風にも感じていたー。

「ーーー…ーー架純を助けなくちゃー」
柚香はそう呟くー。

けれどー、柚香は甘く見ていたー。
”操られる”ということをー。
自分の意思がどんなに強くても、
逆にどんなに弱くても、
その力には抗うことはできないー、
ということをー。

ちょうど、宗平から電話が掛かって来たのに気づくと、
柚香は「あ、宗平ー。うんー。わかったー」と、
宗平といつものように雑談をしながら
”そうだー、ついでに架純のこともちょっと相談してみようかな”と、
静かにそう言葉を口にしたー。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

その翌日ー。

朝に宗平と合流した柚香は、
宗平からある言葉を口にされていたー。

「ーー…え…か、架純の件には関わらないほうがいいー?」
柚香が戸惑いながら聞き返すと、
宗平は悲しそうな表情を浮かべながら呟いたー。

「ーーだってー、土田のやつ、人を操るとかなんとか言ってたんだろー…?
 ーー彼女がそんな危ないことに首を突っ込むのは…放っておけねぇよ」
宗平はそう言うと、
「ーー俺がなんとかする。だから柚香は危険なことはしないでくれ」と、
そう言葉を続ける。

その言葉を聞いた柚香は戸惑いながらも、
「ーーうんーー…わかったー危ないことはしないよー」と、
そう約束するのだったー。

②へ続く

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コメント

友達が操られている…?
そんなお話デス~!!!

隠された秘密(?)も、明日のお楽しみ~!

今日もありがとうございました~!

「友達の様子がおかしい」目次

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