近所の男の子のことが大好きな
女子大生・真愛美。
常軌を逸脱した愛が、裕翔くんを襲うー…
---------------------
「-----」
裕翔が帰宅するー。
「---えっ!?!?!?!?」
「あはははははははは~~~~!」
裕翔の母親・杏子の笑い声が聞こえるー
「---ど、、どうしたんだ!?」
父親の剛志の声ー。
「--お父さん!?お母さん!?」
裕翔がランドセルを放り投げて
部屋に駆け込むと、
母親の杏子が服を引きちぎりながら
一人、大笑いしていたー
”--ふふふふ”
霊体になった真愛美がその光景を
見つめながら、不気味に笑うー。
”まずは、鬼婆から”
真愛美は、裕翔の母である、杏子に憑依して、
杏子の思考と記憶を滅茶苦茶にした。
あらゆる部分をかき回して
あらゆる部分を破壊したー。
「はははははっ!ひひひひひひひ!
あははははははははっ♡」
笑いながら狂ったように飛び跳ねたり、
走ったり、謎の動きをする杏子ー
「おい!どうしたんだ!おい!」
剛志が叫ぶ。
「お、、お母さん!!」
裕翔が叫ぶー
”裕翔くん…
そんな顔、しなくていいんだよ?”
真愛美は笑うー。
”だってー
これから、わたしが裕翔くんの
お母さんの代わりになるんだから…”
裕翔の母親ー
杏子を”破壊”するー
そしてー
自分が裕翔の”お母さん”になるー
お母さんでありー
お姉さんでありー
将来の結婚相手でもあるー
まさに、
無敵のステータスを手に入れることになる。
”ふふふ…ふふふふふ”
「お母さん!お母さん!」
「--あははははははっ!!あああぁぁぁぁ~~!!
ひひ、ひゃはははははははは!!」
狂ったように飛び跳ねながら
ボロボロになった服をさらに引きちぎっていくー
まともな考えなどできるはずがないー
杏子の頭の中をごちゃごちゃにしてやったのだから、
もう、”狂人”でしかないー。
真愛美は自分の身体に戻るー
「裕翔くぅん…♡」
裕翔のことを想像しながら
気持ちよさそうに自分の身体を触る真愛美ー
「ふふ…裕翔…裕翔…裕翔くぅん…♡」
真愛美の部屋にはーーー
高校時代の真愛美と、
少し年齢の離れた”弟”の写真が飾られているー。
「---お姉ちゃんと…遊ぼぉ?」
真愛美が少しだけさみしそうな表情で呟くー
”お姉ちゃん…僕…死ぬのかな…?”
苦しそうに呟く弟の姿が目に浮かぶー
「-ー大丈夫…!大丈夫だからー!」
高校時代の真愛美が叫ぶー
”死にたくないよぉ… お姉ちゃん…”
泣きながら叫ぶ弟ー
弟はーー
死んだー。
病気だったー
真愛美と、弟の陸翔(りくと)はー
少し歳が離れていたからだろうかー、
とても仲良しだった。
何もしてあげることができなかったー。
苦しむ弟を前に、何にもすることができなかったー
”大丈夫だからー”
”助けてあげるからー”
色々な言葉をかけたのに、
何にも、何にもすることができなかったー
弟・陸翔の遺体を前に
真愛美は泣き崩れたー
わたしは、口だけのお姉ちゃん…
なんにも、できない
クチダケ、オネエチャン・・・
「----」
真愛美は、その日を境に変わってしまったー
自分の弟と同じぐらいの年齢の男の子に
異常なまでの興味を示すようになったー。
そしてー
大学に入り、真愛美は、出会ってしまったー
近所の男の子・裕翔とー。
弟を失ってからー
異常なまでに”男の子が好き”になった真愛美ー
でもー
その中でも裕翔は特別だったー
どことなく、似ているー
名前もー
容姿もー
「裕翔…♡ お姉ちゃんが守ってあげるからね…」
真愛美は、静かにそう呟いたー
・・・・・・・・・・・・・・・・・
数日後ー
裕翔の母・杏子の奇行は収まることなく、
杏子は入院することになったー
「---」
頭を抱える父・剛志。
息子の裕翔を放っておくことはできないー
だが、仕事に行かないわけにもいかない。
自分が稼がなければ、裕翔も杏子も
支えることができないからだ。
剛志は、自分の母親と父親を頼ろうとしたー。
妻・杏子の母と父は既に他界している。
そのため、頼るなら自分の両親だ。
幸い、裕翔もおばあちゃん、おじいちゃんに
なついているし、二人も、裕翔のことを
とても可愛がっている。
連絡を取る剛志ー
しかしーーー
”裕翔?あぁ、いたねぇ、そんなのも”
”ごめんねぇ、わしら、裕翔に興味ないんだ”
「--え」
電話が切れるー
祖父母のおかしな対応ー
これもー
”真愛美”の仕業ー。
徹底的に裕翔の両親を調べ上げて
”頼れる存在”を突き止めー、
手当たり次第憑依してー
”裕翔に対する興味・関心”を
全て奪い去ったー
♪~~~
インターホンが鳴る。
「---佐々原です」
「---」
剛志は、真愛美がやってきたことに
違和感を感じながら玄関を開ける。
「あ、ごめんなさい。なんだか、大変みたいだって聞いて
いても立ってもいられなくなって…」
真愛美が控えめに言う。
「---何か用か?」
剛志が不機嫌そうに言う。
「よければ、わたしが裕翔くんの面倒をー」
「--ふざけるな!」
剛志が声を荒げたー
「……こんなこと言いたくないんだが
君、何か杏子にしたのか!?
杏子、記憶が飛んでるって怯えてた!
君に文句を言ってからだ!
きみ、何か杏子に…」
剛志がそこまで言うと、
真愛美はクスリと笑ったー
「”同じ”になりますか?」
冷たい声ー
この世の”狂気”を含んだかのような声ー。
「---!!!」
剛志は、恐怖を感じたー
剛志からすれば、単なる小娘ぐらいの年齢でしかない
真愛美だがー
恐怖を感じたー
気圧されているー
「き、、、きみ…な、、なにか…」
剛志は、そう言おうとしたー
だが、
真愛美は冷たい目で剛志を見つめた。
「--わたし、裕翔くんの味方ですよ。
裕翔くんを助けたい
裕翔くんを幸せにしたい
裕翔くんに尽くしたい
裕翔くんを傷つけるものは許さない
裕翔くんを奪うものは許さない
裕翔くんの敵は許さない」
真愛美がにこにこしながら
狂ったように呟き続けるー
「--わ、、わ、、わかった…」
剛志が冷や汗をかきながら言うー
「ゆ、、ゆ、、ゆ、裕翔を頼む…」
生きた心地がしないー
そう思いながら、剛志は裕翔を”託した”
・・・・・・・・・・・・・・・・・
その日から、
裕翔・剛志・真愛美の共同生活が始まった。
「わ~い!お姉ちゃん!」
裕翔が真愛美に抱き着く。
「うふふふ~裕翔くん~!これからは
ずーっと、ずっと、いっしょだよ!」
真愛美が裕翔をぎゅーっと抱きしめる。
裕翔が顔を赤くしているー
剛志は、憑依されずに
なんとかそのまま自由にさせられていたー
だが、少しでも裕翔に近づくと、
真愛美が剛志を睨むー
剛志が”そのまま”にされている理由はー
”家庭を保つため”
だったー。
真愛美と裕翔だけで暮らしていれば
色々と支障があるー。
生活費もそうー
世間体もそうー。
”親”をどっちか残しておく必要があったのだー。
「--お姉ちゃん、裕翔くんのためならなんでもするからね~!」
真愛美が、肩や太ももを見せる格好をしながら、
顔を赤らめている裕翔に頬をすりすりさせたー
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
夜ー
大学行事で疲れていた真愛美は
先に眠りについていたー
「---裕翔」
父の剛志が、神妙な面持ちで言う。
「--どうしたの?」
裕翔が言うー
「裕翔……あのお姉ちゃんには気を付けるんだ…」
剛志が呟くー
言うしかないー
全部、本当のことをー。
そして、一緒に遠くに引っ越すしかないー
真愛美の手の届かない範囲にー。
妻・杏子に何をしたのかは知らないが、
このままだと大変なことになるー。
だからー
ガラッ
扉が開いたー
寝室から真愛美が出てくるー
「---!!!!」
剛志は黙り込んでしまう。
真愛美は、たまたま目が覚めて
飲み物を飲みに来ただけのようだったー
だがー
剛志は、それ以上、裕翔に伝えることはできなくなったー
「------魔王」
真愛美はボソッと呟いたー
そしてー
次の日からー
剛志は帰ってこなくなったー
憑依されて
”必要以外はビジネスホテル”と、
頭に刻み付けられてしまったー
真愛美の”報復”
「--わたしに気をつけろ?
わたしは、裕翔くんを守っているのに…
魔王は、追い出さなくちゃ!
魔王から、裕翔くんを守らなくちゃー!」
剛志は、帰ってこなくなりー
真愛美は、裕翔を独占するようになったー
「裕翔く~ん!」
裕翔が帰宅すると、裕翔を抱きしめる真愛美。
大学から帰ってくると裕翔のために
一生懸命家事をこなし、
裕翔を喜ばせようと、
毎日色々な衣装で裕翔を出迎えた。
「お姉ちゃんとお風呂入ろっか♡」
真愛美が嬉しそうに言うー。
「--ふふふふ…ふふふふふ」
真愛美はとてもご機嫌そうだったー
しかしー
「裕翔……あのお姉ちゃんには気を付けるんだ…」
裕翔は、
父親・剛志が帰ってこなくなる直前の言葉が
ひっかかっていたー。
お姉ちゃんのことは大好きだー。
でもーお父さんやお母さんのことも
裕翔は大好きだったー
「--ねぇ、お姉ちゃん」
裕翔が言うー
ナース姿の真愛美が振り返る。
「なぁに~?」
すごく嬉しそうな真愛美。
「お父さんは…いつ帰ってくるの?」
裕翔が言うー
「お母さんは…?」
裕翔は不安そうにしているー
「---」
真愛美は笑顔のまま答える。
「---そんなこと、気にしなくていいの!」
「--気にするよ!」
裕翔が叫んだー
「僕、お姉ちゃんのことは大好きだ。
でもーー
お父さんやお母さんも大好きだ!」
裕翔が言う-
真愛美の表情から、笑みが消えたー
「---…そっかそっか」
真愛美がうなずくー
何度も何度もうなずき続けるー
「-魔王と鬼婆に…
洗脳されちゃってるのね…
かわいそうな裕翔くん」
真愛美が呟くー
「--な、、なに言ってるの…?」
裕翔は、真愛美を”怖い”と思ったー
「--いっぱいいっぱい、ぎゅーしてあげるから」
愛の力で、魔王と鬼婆の洗脳から解き放つー
真愛美は裕翔を優しく、ぎゅーっと抱きしめるー。
ナース服姿の真愛美の胸があたるー。
裕翔は顔を真っ赤にしながら戸惑うー
”裕翔くんが、
こんなこと言うはずがないー
裕翔君の両親ー
いいえ、魔王と鬼婆が、裕翔くんを洗脳しているに
違いないわ”
真愛美の中の狂気的な妄想が膨れ上がっていくー
もはや、留まることを知らないー
助けなくちゃ
助けなくちゃー
今度は、口だけのお姉ちゃんにならないからー
「---離してよ!」
裕翔が叫んだー
真愛美を突き飛ばすー
「え…」
突き飛ばされた真愛美は、唖然としている。
「--お姉ちゃんがお父さんとお母さん…
それに菜津ちゃんにも、何かしたの!?」
裕翔が叫ぶー
子供の勘は、時に、鋭いー
真愛美は唖然としたままー
「---…………」
裕翔くんーー
どうしてーー?
目の前に
弟の幻覚が見えるー
”お姉ちゃんは、口だけ”
口だけ
口だけ
口だけ
”お姉ちゃんは、僕に
大丈夫、助かるって言ってくれたのにー
僕は、助からなかったー”
弟・陸翔の幻覚が見えるー。
「--違う…
わたし、わたし、、、
口だけじゃない…!」
真愛美が一人で叫び出す。
裕翔は、「お姉ちゃん…?どうしたの…?」と
怖がりながら真愛美の方を見ているー
「違う…違う違う違う!
うあああああああああああああああ!!!!」
真愛美が悲鳴を上げるようにして泣き出すー
そしてーー
「--そうだーーー
みつけた!裕翔くんを、助ける方法ーー」
「--え?」
裕翔は震えていたー
真愛美が、怖いー
「--そうだよ…
わたしが、、わたしが裕翔くんになればよかったんだ!
裕翔くんと、ひとつになればよかったのよ…!」
真愛美がクスクスと笑うー。
わたしがー
裕翔くんに憑依して、ひとつになればー
裕翔くんをわたしがずっとずっと守ることができる
「--ユウト クン ワタシトヒトツニ ナロ?」
真愛美の目は、完全に正気を失っていたー
「--お、、、おねえ…」
真愛美が消えるー
裕翔が、恐怖で足をがくがくさせながら、
涙をこぼすー
そしてー
「うぁっ!」
裕翔がぶるんと震えたーー
「--う、、、うふ、、、ふふふふふふふふふ」
裕翔が涙を浮かべたまま笑いだすー
「ふふふ、うふふふふふ
わたしが、、わたしが裕翔くんに…♡
えへへ…へへへへへ…へへへへへへへ」
裕翔は興奮しながら、ズボンが張り裂けそうなほどに
アソコを勃起させたー
「えへへ…へへ…
お姉ちゃんが、、お姉ちゃんが、裕翔くんを
ずぅっと、ずぅっと、守ってあげるからねぇ…
ひひ、ひひひひひひ…
あはははははははははは♡」
わたしはーーー
裕翔くんとひとつにー
裕翔くん
お姉ちゃんが、守ってあげるからねー
ずっと ずっと いっしょ。
もう、離さないよー
おわり
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
コメント
普段あまり書かない感じの憑依モノを書いてみましたー!
毎日書いているので、たまには感じのお話も…。
今日もありがとうございました!!
コメント
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裕翔君に入った真愛美、両親もいない中でこれからどう生活していくのでしょうか…。
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コメントありがとうございます~!
父親は家に帰ってこないだけで、
働き続けているので、
お金は大丈夫ですし、
必要となれば、また憑依してうまくやると思います~笑
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なんかこの話のオチ、だいぶ前のブラコンの姉の話に非常に近いですね。
それにしても、いくら今は可愛くても、裕翔が成長したらいずれショタコンの真愛美の好みからは大きく外れる気がします。
小さい頃はすごく可愛くても、成長したらかなり微妙な感じになっちゃうCMの子役とかもいますし。
最終的に真愛美は裕翔に興味なくして新たな獲物をターゲットにしそうです。
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コメントありがとうございます~!
毎日書いていると、どうしてもオチが似てしまうことはありますネ~!
おそらく、また真愛美はいつか、別のターゲットを
見つけてしまいそうデス…!