ある日、男子高校生が起きてみると、
自分の体がーー女の子になってしまっていた…!?
憑依空間初(最初で最後?)の
女体化小説です!
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「おう、崎野!」
一人の男子生徒がペットボトルのお茶を2本持ちながら教室に入ってきた。
とある高校では、いつものような時が流れていた。
昼休み。
教室の座席で弁当を食べる男子高校生、
崎野 薫(さきの かおる)は、
友人の須藤 照春(すどう てるはる)が
飲み物を1階の自動販売機に買いにいくと言っていたので、
お使いを頼んだのだった
「へい、お待たせ」
須藤が崎野に緑茶を差し出すと、
崎野は顔をしかめた。
「--おい、俺はウーロン茶しか飲まないって
言っただろ?」
ふてくされた顔で言う崎野。
「へへっ…冗談だよ」
須藤がもう一つのペットボトル、ウーロン茶を差し出した。
「--ったくよぉ」
崎野がすねた様子で言う。
崎野は”美少年”的な男子生徒で
顔立ちは中性的。
一見すると男だか女だか分からないような雰囲気もあった。
もちろん、行動やスポーツで鍛えられた体から、
すぐに男だと分かるのだが。
「-ーはっ、お前がすねても可愛くねぇぞ、崎野」
須藤が笑う。
「---女の子がすねてたら、こう、、
心にズキュンとくるんだけどな!」
須藤が緑茶を飲みながら言う。
崎野はウーロン茶を飲みながら笑って言った。
「へへ、っかしよ、女ってケチだよな。
俺がもし可愛い美少女だったら、
男たちをいっぱい楽しませてあげるのにさ!」
崎野が言うと須藤が「へっ!口だけなら何とでも言えるぜ!」と笑う。
「ホラ、こうスカートをめくったりしてさぁ!!」
崎野がスカートをめくるようなしぐさをして笑う。
「---やめとけやめとけ。
男のお前が何を言っても、そんなことできっこねぇんだから」
須藤の言葉に崎野は「まぁな」と言って、
ウーロン茶を飲み干した。
その日は何事もなくー
いつものように一日を過ごし、
いつものように眠りについた。
しかしーー。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
翌日。
快眠していた崎野が自宅のベットで目を覚ますと
”違和感”を感じた。
「あ?なんか俺…」
そこまで言って声を止める。
「--な、、、なんだぁ?この声?」
とても可愛らしい声が出る。
「--ちょちょちょ…なんだコレ?」
自分の体を見る。
昨日までの筋肉のある体ではなく、
弱弱しい、けれども可愛らしい体。
「---おお??」
伸びている髪。
短髪だった崎野にとっては変な感覚。
そして胸のふくらみ。
「な、、、は??え???えぇ??」
意味も分からず声を出す崎野。
そしてーー
慌てて洗面台に駆け付けて、鏡を見て
悲鳴をあげた。
「うわあああああああっ!」
女の子の可愛い声が響いたーーー。
「--じっ、、、じっちゃん!!!」
崎野は、幼いころに両親を亡くしており、
祖父と二人暮らしだ。
崎野は慌てて祖父のもとに向かうと、
「寝て、起きたら女の子になっていた」と説明した。
「---そうか……
ちょっと待っておれ」
落ち着いた様子で言う祖父。
祖父は、10分ほどすると戻ってきた。
「---学校には事情を話しておいた。
とりあえず、いつも通り、登校しなさい」
祖父が言う。
「へ??い、、いいのかよ?
転校生のふりでもするのか?」
可愛い声で崎野が言うと、祖父は首を振った。
「崎野薫としてー、
女子高生として登校できるように手配しておいた」
冷静に言う祖父。
「は???ど、、どうやって学校を納得させたんだよ!
唐突すぎるだろ!」
可愛い声で叫ぶ崎野ーー。
「---それを説明している時間はない」
祖父が言う。
「どうして!」
崎野が叫ぶと、祖父は言った。
「今回の話は1話しかない。尺の都合じゃ」
祖父の言葉に崎野が叫ぶ
「は?意味わかんねー!何の話してるんだよ?」
「お前には関係のないことじゃ。
それと…これを着ていけ。
JKらしくな。」
祖父がクローゼットから高校指定のセーラー服と
スカートを持ってきた。
「は!?じっ、じっちゃん、何でそんなものうちに
あるんだよ!」
崎野が叫ぶ。
「--ご都合主義じゃ。いいから着なさい」
じっちゃんに言われて、しぶしぶ袖を通す崎野。
「って…なんかスースーする…
落ち着かないよ…」
崎野が言うと、
じっちゃんが「似合っておるぞ」とイヤらしい笑みを浮かべた。
「---ほら、遅刻するぞ!
いきなさい!」
祖父に言われて、崎野は玄関に向かった。
「くそっ!何がどうなってんだよ!」
玄関に向かう崎野に祖父は声をかけた。
「それと、せっかく女の子になったんだ。
文中での名前表記は「崎野」じゃなくて「薫」にしなさい」
じっちゃんが言う。
崎野ーーいや、薫が振り向いた。
「----あ、、頭いかれちまったのか、じじい…?」
”おかしな人”を見る目で薫がじっちゃんを見つめた。
だが、じっちゃんの表情は真剣だった。
「--もういい、行ってきます!」
走りながら学校に向かう薫。
「さみぃぃ~~~!」
叫ぶ薫。
今は冬だ。
足がスースーしてとても寒い。
しかも、走っているから、スカートがヒラヒラして
通行人のおじさんたちがこっちを見ている。
「うっ・・・」
顔を赤らめる薫。
「お・・・俺は男だぞ!男の見て楽しいのかよ」
薫が不機嫌そうにつぶやきながら学校に到着すると
「ヒュー!」と男子生徒たちから声があがった。
「---お~~~!崎野!
いや、、、薫ちゃんよ!可愛いじゃねぇか!」
親友の須藤が言う。
「---おい、ふざけるな」
顔を赤くして言う薫。
元々男女兼用の名前だったのが腹立たしい。
「---お、、俺は男だぞ!」
叫ぶ薫。
だが、その声は可愛らしい。
「お~~~~可愛いね!」
須藤がふざけた調子で言い、
そして近づいてきた。
「--ちょっとだけ!」
須藤が、薫の胸に手を伸ばす。
パン!
薫が須藤の手をはたいた。
「--さ、触るなよ」
恥ずかしそうに言う薫。
「--おいおい、崎野!つれないなぁ!
男なんだからいいだろ~?」
そう言う須藤。
だが、何故か、薫には胸を触られることが
恥ずかしかった。
”これが、女の子の気持ち…”
薫はそう思った。
「と・・・とにかく、、やめろ、、触らないでくれ」
恥ずかしそうにしながら言う薫。
だが、周囲のクラスメイトたちは楽しそうだった。
昼休み。
「あぁ…邪魔だなぁ…!」
長い黒髪をうっとおしそうにどかす薫。
「---」
ニヤニヤしながら数名の男子生徒が
女体化した薫を見ている。
「くっそ…俺がJKになっちゃうなんてよ…」
髪をイライラした様子で、
乱す薫。
その時だったー。
「ホラ、そんな風にしないの」
背後から、幼馴染のクラスメイト、波野 綾子(なみの あやこ)が
声をかけてきた。
「…だってよぉ、この髪、邪魔で…」
薫がそう言いかけると、綾子が薫の髪をつかんだ。
「仕方ないわね…」
綾子が、薫の髪を束ねて結んでいく。
数分後―ー。
邪魔な髪の毛が無くなった。
「--ほら!見て!」
綾子が笑いながら鏡を差し出す。
薫は…ポニーテール姿になっていた。
「---お、、、いいねぇ!邪魔にならない!」
薫が満足そうに笑う。
「あと、ここ寒いのどうにかならないかな?」
スカートからはみだしている生足を指さして言う。
「---慣れなさい」
綾子が笑う。
「---って、だいたい何で俺がスカート穿かなきゃいけないんだよ!
っか、トイレどっちいけばいいんだよ!まったく…」
ふてくされる薫。
「---ヒュー!うなじ!うなじ!触らせろよ!」
男子生徒たちが叫んでいる。
「うるせぇ!俺は男だ!」
薫が振り返って叫ぶと、男子生徒たちはニヤニヤしながら黙り込んだ。
「--ったく」
不機嫌そうに座席に戻る薫。
そこに、須藤がやってきた。
今日もお茶を2本持っている。
「へい。お待たせー。」
麦茶を渡す須藤。
それを見て薫がすねた様子で言う。
「---っだから俺はウーロン茶…」
頬を膨らませて言う薫。
昨日とは違い、
女の子らしさに溢れる怒り方だった。
「---崎野…可愛いじゃねぇか」
須藤が真顔で言う。
「バ…ッ…バカ!俺は男だ!」
薫は顔を真っ赤にしながら目を逸らした。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
放課後。
クラスメイトの一人から空き教室に呼び出された薫はそこに向かう。
「---呼んだか?」
3人の男子生徒が居た。
「あぁ!崎野!スカートめくってみてくれよ!」
一人が言う。
「---は!?嫌だよ」
薫が言うと、他の男子生徒のひとリがニヤニヤしながら言う。
「いやいや、お前、自分が女ならスカートめくってくれるって
言ってたじゃねぇか!」
そう言うクラスメイト。
だがー。
「や…やめろって…」
薫は顔を赤らめる。
いざ、自分がスカートを穿いてみると、
恥ずかしい…
女物の下着も見えてしまう…
「いいから見せろよ!」
クラスメイトの一人がスカートに手をつかむ。
「やっやめ…変態!」
薫が振り払う。
だが残りの二人が薫を掴み、
動けないようにした。
「やっ…やめっ…やめろ!やめろぉ!」
もがく薫。
だが、クラスメイトたちはスカートをめくり、
存分に薫の体を堪能している。
「---くくっ、興奮してきたぜ!
崎野、俺とやっちまおうぜ!」
「---ふ、ふざけるな!男同士でできるかよ!」
薫が可愛い声で叫んだ。
その時だったー。
「やめてやれ…」
親友の須藤が空き教室に入ってきた。
「須藤…」
クラスメイトたちは大人しくなる。
「---崎野…大丈夫だったか?」
優しく微笑む須藤。
それを見て、薫は不覚にもドキッとしてしまった。
女体化したせいだろうか…。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
それから半年。
薫は、男に戻ることはなかった。
何かと、クラスメイトからイヤらしい目で見られたが
その都度、須藤が守ってくれた。
いつしか、須藤と薫の距離は近づいていた。
そしてーーー。
暖かい春の季節ー。
女らしい仕草が身についていた薫。
だが、学校ではあくまで男として振る舞った。
「---崎野、今日も可愛いな」
須藤が言う。
「バカ野郎!俺は男だ!」
薫が叫ぶ。
いつもの光景。
けれどーーー
放課後ーーーー
二人は、人通りのない道を歩いていた。
「--今日も可愛いな、崎野」
須藤がもう一度言う。
「---うん、ありがとう」
顔を赤らめて言う薫。
本当の女子高生のようだ。
二人はーーー
”内緒で付き合っていた”
クラスの男子から守ってれる須藤。
そんな須藤のことがーー
”男”なのにーー
好きになってしまった。
そしてーーー
薫は
”須藤と二人のときだけ、女の子”に
なるようになった。
「---」
須藤が薫の頬に手を触れる。
「--もう立派な女の子だもんな」
須藤が言うと、
薫は
「わ、、、わたしは男…」
と言いかけて恥ずかしそうに目を逸らしながら言った。
「---うん…ありがとう…」
と。
「--あ、そうだ。
今日誕生日だったよな、ホラ!」
須藤がプレゼントを鞄から取り出して笑う。
薫が欲しがっていたアクセサリーだ。
「わぁ…嬉しい!ありがとう…!
須藤くん…だいすき♡」
薫はーー
この半年で、須藤の前では
すっかり”女”になってしまっていた。
「うふふ・・・♡ うれしい…♡」
アクセサリーを見つめながら嬉しそうに笑う薫は、
もう、女の子そのものだった。
学校では”男”として振る舞うが、
2人のときの薫はーー”女の子”だったーー。
須藤は思う。
”あの日、女体化薬をウーロン茶に入れて正解だったな” と。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
さらに2か月後…。
映画を見に行った二人は、
上映が終わり、映画館から出てきた。
「何よ、あの酷い映画!」
おしゃれな格好をした薫が不機嫌そうに言う。
「まぁ、そう言うなよ」
須藤が笑う。
「だって!女の子のこと、あんなにひどい目に
遭わせるなんて、わたし、許せない!」
映画の内容はー
女の子を酷い目に遭わせる系統のモノだった。
「---でも、お前も男じゃないか」
須藤が薫に言う。
だが、薫はためらうことなく答えた。
「わたしは女よ!」
とーーー。
「---」
須藤が薫の方を見る。
「--わたしを、、ちゃんと女として見てくれてる…?」
薫が目を潤ませて言う。
完全に女の目だ。
「---」
須藤は微笑んだ。
「あぁ、…薫、、、
おまえは俺だけの女だー」
須藤が薫を抱きしめると、薫は嬉しそうに「うん♡」と答えた。
須藤はーー
薫のことが男の頃から好きだった。
だがー世間体もある。
だから、女体化薬を飲ませ、
女になってもらったのだ。
「---わたし、須藤くんだけの女になる!
だから、須藤くんもわたしだけを見て!」
そう言う薫を、
須藤は微笑みながら見つめた。
「あぁ、ずっと一緒だよ。薫ー」
おわり
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
コメント
女体化作品を書いてみました!
たぶん最初で最後になります!
1話だけなので駆け足になっちゃいました!笑
コメント
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これは……じいちゃんもグルだな( ˘ω˘ )
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> これは……じいちゃんもグルだな( ˘ω˘ )
尺の都合で真相は闇の中…(笑)
明らかにグルな雰囲気が漂ってますね!