<MC>彼女が突然洗脳された!?

仲良しだった彼女が、
突然”洗脳”されてしまったー。

彼はなんとか、彼女の心を取り戻そうとするも…?

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”イケメン”
周囲からそんな風に言われている男子高校生、
加城 祐太郎(かしろ ゆうたろう)は、
最近、悩んでいたー。

幼馴染の彼女、
倉川 流花(くらかわ るか)に、避けられているのだー。

いやー
それだけではないー
流花は、生徒会副会長の男子生徒・
荻宮 介司(おぎみや かいじ)という男子と
やたらと仲良くしているのだー

「--どうしてなんだ!流花!」
叫ぶ祐太郎ー。

しかしー
流花は祐太郎の方を見るやいなやー
「たすけて…」と介司にしがみついたー。

まるで”別人”-

いつも、流花は穏やかで優しい性格なのにー
まるで”化け物”を見るような目で、祐太郎の方を見つめているのだー。

「--はぁ」

昼休みー
祐太郎がため息をつくと、
祐太郎の親友である、丸本 惣之助(まるもと そうのすけ)が
肩を優しく叩いたー

「そうおちこむなって」
惣之助の言葉に、
祐太郎は「そんなこと言われても…」と、悲しそうな表情を浮かべるー

「まぁ…流花ちゃんの”豹変”は俺も確かに気になるけどさ…」
惣之助も心配そうに考え込むー

祐太郎と流花はとても仲良しだったー。

だがー、
先週ぐらいからだろうかー。
流花は突然、祐太郎を気持ち悪いものを見るかのような目で
見始めて、生徒会副会長の男子生徒・介司と
付き合い始めたのだったー。

「--まぁ、そう気を落とすなって。
 直接理由は聞いてみたのかよ?」

惣之助の言葉に、祐太郎は「いや」と首を振るー。

何となく、”どうして俺を避けるんだ!?”とは
聞きにくいー。

自分が、何かしたのかもしれないしー
それならー…

「--とにかく、LINEでもメールでもいいから、
 流花ちゃんと直接話してみろよ。
 流花ちゃんだって、
 あれだけ仲良しだったんだから、
 何か理由があるはずだぜ?

 直接は答えてくれないかもしれないけど、
 LINEとかメールなら、答えてくれるかもしれないぜ」

惣之助の言葉に、
祐太郎は「そうだな」と、頷くと、
祐太郎は、スマホを手にしたー。

ー!

「--くそっ」
祐太郎が呟くー。

「どうした?」
惣之助が首を傾げると、
祐太郎は、流花のLINEの連絡先まで消されてる…と、
表情を歪めたー。

「--メールは?」
惣之助が言うと、
祐太郎は「知らない」と首を振ったー

LINEで主にやり取りをしていたため、
メールアドレスは知らないのだー

「ツイッターは?」
惣之助が不安そうに呟くが、
祐太郎は、流花のツイッターアカウントを知らなかったし、
そもそも祐太郎は、あまりツイッターもやっていないー。

「--スマホの管理、しっかりしとけよ…」
苦笑いする惣之助ー。

流花に消されたのかー
それとも、やたらと流花にベタベタしている生徒会副会長の介司に
消されたのかー

それは分からないー

けれどー
このままでは連絡もできないー

惣之助が祐太郎のスマホを「ちょっと貸せよ」と、受け取ると、
少しいじくってから、
流花の電話番号が表示された画面にして、
スマホを祐太郎に返したー。

メッセージの送信画面ー。

「--電話番号から、メッセージ送ってみろよ」
惣之助の言葉に、
祐太郎は「あ、そっか、送れるんだったな」と
苦笑いしたー。

「-とにかく、理由を流花ちゃんに聞いてみないと
 始まらないだろうからな」
惣之助の言葉に、
祐太郎は「色々ありがとう」と、感謝の気持ちを述べたー。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

夜ー

帰宅した祐太郎は、スマホを手に、
流花に、メッセージを送るー。

電話番号を利用したメッセージ送信ー。

「どうしちゃったんだよ…流花…」
祐太郎は、そう戸惑いながら、流花からの返事を待ったー。

いつも一緒に笑い合っていた流花ー。
その流花が敵意をむき出しにしてー
あろうことか、介司という男子と仲良くしているー

”浮気”されたのだろうかー。

いやー。
流花はそんなことしないー。

「--!」
流花からの返事がすぐに届いたー。

”もうわたしに関わらないで!”

強い口調の返事ー。

”な、なんで、、どうして!?
 あいつに何かされたのか!?”
祐太郎は、流花にすぐにそう返事を送ったー。

流花がおかしくなり出したのは
生徒会副会長の荻宮 介司と仲良くし始めてからだー

荻宮 介司に何かされたのだろうかー。

”--介司のこと、悪く言ったら許さない”
流花からそう返事が来たー

「--くそっ!」
祐太郎は、流花の豹変に心を痛めながら、そう呟いたー

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

翌日ー

「--洗脳?」
信じられない言葉に、祐太郎は耳を疑ったー

「ああ」
親友の惣之助がうなずくー。

「る、、流花が、洗脳されてるってこと?」
祐太郎がそう言うと、惣之助は頷くー。

「--俺の友達がさ、見てたんだー
 荻宮のやつが、流花ちゃんに何度も何度も
 言い寄ってるのをー」

惣之助の言葉に、祐太郎は
「で、でも洗脳って、話が飛躍しすぎじゃないか?」と
首を傾げるー。

惣之助は「いや、、それがさ…」と呟くー。

「---流花ちゃんが豹変する直前に、
 荻宮のやつ、後輩に「人を洗脳できるとしたらどうする?」とか
 「俺にはそれが出来るんだ」って言ってたらしくてさ」

惣之助の言葉に、
祐太郎は「そんな……」と唖然とするー。

惣之助は、その後輩から確認した、と
”洗脳”というサイトをスマホで見せて来たー

「他人を洗脳できる薬みたいなのを販売してるサイトがあるみたいでさ…
 荻宮のやつ、これで流花ちゃんを…」

惣之助が、暗い表情で言うー。
祐太郎は唖然としたー

彼女の流花が豹変したのはー
生徒会副会長の荻宮介司に洗脳されたからー。

そう、考えると、合点がいくー。

「---くそっ!どうしたらー」
祐太郎の言葉に、惣之助は「流花ちゃんを説得して目を覚まさせるかー、
それとも荻宮を追い詰めるかー」、と、いくつかの作戦を提案した。

祐太郎は怒りの形相で、
「決まってる…!両方だ!」と叫ぶー。

流花を助けるためなら、なんだってするー。
流花を助けるためなら、どんなことだってー

惣之助は、祐太郎の怒りに驚くような表情を浮かべるー。

祐太郎は、すぐに動き出したー。

「お願いだよ流花!目を覚ましてくれ!」
祐太郎が教室で叫ぶー

流花は舌打ちしながら
「いい加減にして!」と叫ぶー

にらみ合う祐太郎と流花ー。

いつも笑みを絶えなかった日常を思い出しながら
祐太郎は流花の肩に手を振れるー。

「--目を覚ましてくれ!流花!」
祐太郎の必死の想いー。

けれど、それは流花には伝わらなかったー
手を振り払う流花ー。

「ふん」と、流花はそのまま立ち去って行ってしまうー。

どよめくクラスメイトたちー。
”流花は洗脳されているんだ!”と、祐太郎が叫んだことによって
クラスが騒然としているのだー

”妄想やばくね?”と、
祐太郎を疑うような声まで聞こえて来たー。

祐太郎は怒りの形相で、今度は、荻宮介司のところに向かうー。

「洗脳?僕が?」
介司はとぼけたような表情で答えたー

「俺は絶対お前を許さないー。
 流花を返せ!」
祐太郎が、介司に迫るー

介司は「おい!ちょっと待ってくれ!」と
祐太郎の方を見つめるー。

「--俺の流花に何をした!」
祐太郎が叫ぶー。

だが、介司は、笑いながら「何もしてないさ」と答えるー。

介司は、祐太郎の手を振りほどくと、
「--洗脳とか、訳の分からないこと言うの、やめてくれよ!」と
捨て台詞を吐いて、そのまま立ち去っていくー。

「---」
祐太郎は少しだけ戸惑ったー。

荻宮介司が”嘘”をついているような反応には
見えなかったからだー。

確かに流花が介司に洗脳された場面を直接見たわけではないー。

けれどー
親友の惣之助がそう言っていたし、
実際に荻宮介司が、”洗脳”というワードを口にしていたのだというー。

さらにはー
”洗脳”の力を販売するサイトが存在しているのも事実だし、
流花の急な豹変から”洗脳”が行われているのは
やはり、間違いないー。

「-俺は、どうすれば…」
祐太郎は、そう呟きながら、廊下を歩くー

「----------」
そんな由太郎の様子を
親友の惣之助は笑みを浮かべながら
廊下の物影から見つめていたー。

「-流花!頼む!俺の話を聞いてくれ!」

祐太郎はーー
荻宮介司の方を追求するのをやめて、
とにかく”流花の目を覚まさせよう”と考えたー。

どうしてもー
荻宮介司の反応から、”流花を洗脳した張本人”という
人物像が浮かんでこなかったー。

だからー
まずは流花をなんとか正気に戻してー
それから黒幕を見つけ出してー

と、祐太郎は考えたー

「---ーしつこい!うるさい!」
流花が声を荒げたー

普段、声を荒げることのない流花が
声を荒げたことに、祐太郎は驚いてしまうー。

「--あんた、最低!」
流花が敵意に満ちた目で祐太郎を睨むー。

祐太郎は、驚いて、困惑してー
そして、悲しみに暮れるー。

”もうだめだー”
祐太郎はそう思ったー。
”洗脳”なんて信じてもらえない、と
先生にも、誰にも相談していなかったけれどー

もう、先生に言うしかないー

祐太郎は、そんな風に考え始めていたー。

だがー
その翌日ー

「---加城 ちょっといいか?」
生徒指導室の先生に、祐太郎は呼び出されていたー。

先生から言われた言葉は、
驚きの言葉だったー。

”ストーカー”

祐太郎が、流花のストーカーであると、
先生は決めつけたのだー。

「--お、、俺が!?ちょ!?ふざけないでください!」
祐太郎が叫ぶー。

そしてー
流花が洗脳されていることー
洗脳したのは生徒会の荻宮介司であることを叫ぶー。

「--俺の彼女を、荻宮は洗脳して奪ったんです!
 なのに何で俺がストーカーなんですか!」

祐太郎は怒りの形相で、先生にそう言い放つと、
ついに”我慢の限界”という様子で、
生徒指導部を飛び出しー

荻宮介司のいる教室に駆け込んだー

「--流花を元に戻せ!」
祐太郎が介司を殴るー

「-流花の洗脳を、、流花の洗脳を解け!
 俺は、お前を、、許さないぞ!」
祐太郎が叫びながらーー
何度も何度も介司を殴るー。

介司は何かを必死に叫んでいたがー
祐太郎にその声は届かないー

そしてー

「もうやめて!いい加減にしてよ!」
流花が泣きながら叫ぶー。

先生たちも駆けつけるー。

唖然とする周囲ー。

「--流花…!流花はこいつに洗脳されt--

「--されてない!」
大声で叫ぶ流花ー。

「--わたし、加城くんと付き合ったことなんて一度もないし、
 幼馴染なんかじゃない!

 それに、介司とわたしは去年からずっと付き合ってる!

 加城くん、いったい、何考えてるの!?
 おかしいよ!」

その言葉に、祐太郎は「え…」と周囲を見渡すー。

周囲の顔は”流花の言い分は本当”であるという顔だったー。
先生も言うー

「加城ー
 お前は倉川 流花の幼馴染なんかじゃないぞ。
 住所も全然違う。学校も高校に入るまで違うー。

 それに、荻宮と倉川が去年から付き合ってるのも間違いないー」

その先生の言葉にー
祐太郎は笑ったー

「--お、、お、、そ、、そっか、
 お前ら、、お前らみんな洗脳されてるんだっ!

 お前らみんな!!!」

”狂ったやつ”

祐太郎を見る目は、それだったー

先生に連行されていく祐太郎ー。

祐太郎の顔が鏡に映るー。
祐太郎は、イケメンでもなんでもなかったー。
その顔は、生気のない顔ー

連行された祐太郎は、”退学処分”となったー。

荻宮への暴力ー
流花へのストーカー行為ー

そして、支離滅裂な言動ー

「-----」
退学になった祐太郎が保護者に連れ帰られるのを見て
”親友”の惣之助は笑みを浮かべたー

”洗脳されていたのは、お前だよー
 この、俺になー”

とー。

加城 祐太郎は、
イケメンなどではなく、
流花の幼馴染などでもなく、
流花と付き合ってもいなかったー

気持ち悪がられて、孤立していたタイプの男子ー。

惣之助は、親友などではなかったー。
惣之助は祐太郎を、退学に追い込もうと、
祐太郎を”洗脳”したのだー

洗脳されていたのは流花ではないー
祐太郎自身ー

自分をイケメンと思い込まされー
惣之助を親友を思い込まされー
流花を彼女だと思い込まされー
流花を幼馴染だと思い込まされたー。

そして、
惣之助が”流花が洗脳された”と吹き込んだことによりー
洗脳されている祐太郎は、暴走ー

結果ー、
彼女でも幼馴染でもなんでもない流花にしつこく付きまといー
挙句の果てに、本当の彼氏である介司を殴りつけー
退学になったのだー

「--じゃあな、加城ー」
惣之助は邪悪な笑みを浮かべると、
退学なった祐太郎の背中を見つめながら、
中指を突き立てたー

おわり

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

コメント

彼女が洗脳されてると思ってたら
自分が洗脳されていた、というお話でした~!

お読み下さり、ありがとうございました!!

小説
憑依空間NEO

コメント

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