昔からイタズラが大好きだった彼女はー、
エイプリルフールのその日ー、
”親友”に対して
”憑依されちゃった”という、とんでもない嘘をつこうと画策するー。
そして、それを実行に移した彼女はー…?
・・・・・・・・・・・・・・・・・
「ふふふふー」
彼女は、笑みを浮かべながら友達に対して
メッセージを送信していたー。
”じゃあ、明日の朝10時ね!”
そんなメッセージを送信し終えた
坪内 奈美(つぼうち なみ)は、嬉しそうに笑みを浮かべるー。
明日の10時ー、
同じ高校に通う親友の宮坂 詩織(みやさか しおり)と
会う約束をしたのだー。
いつも真面目で、しっかり者のお姉さんー
そんな感じの詩織ー。
ドジで、悪戯好きの奈美とは正反対のタイプだー。
けれど、性格は違えど、お互いに何となく
居心地がいいのか、
奈美は2年生の時に同じクラスになった詩織と意気投合し、
今では”親友”と呼べる間柄になっていたー。
今は3月31日ー。
数日後には”3年生”としての高校生活が始まりー
クラスも変わるー。
詩織とは、つい昨日も
”また同じクラスになれるといいね~!”などと、
そんな話をしたばかりだったー。
そしてー。
明日は”エイプリルフール”ー
悪戯好きの奈美は、親友の詩織に対して
”ある嘘”をつこうとしていた
それはー…
”わたし、憑依されちゃった”という、とんでもない嘘だったー。
ちょうど、2月に一緒に映画を見に行った際に、
悪霊が人々に憑依する”ホラー映画”を見たことがあって、
それをネタに、奈美はエイプリルフール当日の明日、
詩織を呼び出して、そんなドッキリを仕掛けようとしていたのだー。
「ーーーふふふふふふー
詩織、どんな顔して驚くかなぁ」
奈美は、入念に”明日”の”嘘”のための練習を始めるー。
「ーーくくくー この女の身体は俺のものだー」
「ーー返してほしければ、そこに土下座して謝ってみろー!」
「ーえへへーこんな感じかなー?」
奈美は楽しそうに演技をしながら、
「あ、そうだー」と、笑みを浮かべながら鏡の前で呟くー。
「ー”女同士なんだし”キスしてみようぜー」
そんな演技をしてから、顔を赤らめて
「えへへ~詩織とホントにキスできちゃったらびっくりしちゃう~!」と、
一人で恥ずかしそうに笑うー。
そんなエイプリルフールのドッキリのための”憑依された練習”を一人続ける奈美は、
結局、日付が変わる頃まで一人で楽しそうに練習を続けてー、
翌日、エイプリルフール当日を迎えるのだったー。
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エイプリルフール当日ー。
「ーーーえへへ」
奈美は友達の詩織を驚かせるために
”憑依された演技”のリハーサルを心の中でしながら、
待ち合せ場所へと向かっていたー。
”思った以上に詩織がびっくりしちゃったらどうしようー?”
奈美はそんなことを思いながらも、
ニヤニヤが止まらず、
「いけないいけないー」と、一人言葉を口にするー。
外で歩きながら一人でニヤニヤしてたら、
ヤバい子になっちゃうー、と、そんなことを思いつつ、
待ち合せ場所にやってくるー。
待ち合せ場所もー、
”あえて”人がほとんど来ないような
廃墟になっている空き地を選んだー。
この方が”これからつく嘘”の雰囲気が出る、と、
奈美はそう思ったからだー。
「ーーふふふーエイプリルフールは楽しまなくちゃね」
奈美がそんなことを呟いていると、
やがてー、「ーーー奈美ーお待たせ」と、背後から
声がしたー。
奈美は”あえて”いつもより少し派手な格好で
この場にやってきていてー、
友達の詩織もすぐにそれに気づいたのか、
「あれれ…?なんだか奈美、今日はいつもと雰囲気が違うね?」と、
少し不思議そうな表情を浮かべながら
そんな言葉を口にしたー。
「ーーーー」
奈美は詩織に背を向けたまま、深呼吸をすると、
”詩織を驚かせなくちゃ”と、意を決して、
「ーーふふふふふーよく来てくれたねー」と、
そう言葉を口にしながら振り返ったー。
詩織は少し戸惑ったような表情を浮かべながら
「ーそれにしても、こんな場所に待ち合わせってーー
ここに、”なにか”あるのー?」
と、そう言葉を口にするー。
とても、近くにお店がある雰囲気ではないしー、
女子高生が待ち合わせに使うような場所には見えないー。
詩織は困惑しながら、奈美のほうを見ると、
やがて、奈美は笑みを浮かべながら言葉を口にしたー。
「ーくくくー”お前の友達の身体”は俺が頂いたー」
とー。
「ーーーえっ…」
詩織の表情から笑顔が消えるー。
そして、すぐに詩織は口を開くー
「そ、それってー…ど、どういうことー?」
とー。
「へへへー言葉の通りだよー
”俺”が、この身体を乗っ取って
好き勝手動かしてるんだー」
奈美は一生懸命”憑依されている演技”をしながら、
エイプリルフールのドッキリを詩織に仕掛けていくー。
「ひ、ひ、憑依ってー…そんなー」
詩織は戸惑うー。
「ーーな、何の冗談ー?」
詩織のその言葉に、奈美は「冗談だと思うか~?」と
笑みを浮かべながら言うと、
そのまま自分の胸を揉み始めたー。
”人があまり来ない場所”を選んだのには、
こういうことをしても、周囲に見られる心配がない場所にしたいー、という
気持ちもあったー。
周囲から見られていると思うと、いくらドッキリでも
なかなかこういうことはやりにくいー。
「ーーー…ーーーあ…あなたは、”誰”なのー?
”奈美”じゃないのー?」
詩織が困惑した様子でそう言葉を口にするー。
それを見て、奈美はニヤニヤすると、
「へへー何度も言ってるだろ?この女の身体は
俺が”憑依”して乗っ取っていて、
今、この女の意識は眠っている状態なんだー。」
と、そう説明したー。
そんな”演技”をしながら、
詩織の反応を見て楽しみつつ、
ドキドキしている奈美ー。
詩織は、その言葉を聞いて、
「ー”奈美”をどうするつもりー?」と、そう言葉を口にするー。
「へへへー…
せっかく奪った身体だからなー
そう簡単に返すつもりはないー」
奈美はそう言いながら、事前に頭の中に思い浮かべていた通り、
”キス”を要求しようと、言葉を口にしようとするー。
がー
詩織は「奈美の意識はないってことー?」と、そう確認の言葉を口にしたー。
「ーまぁなー。この女の意識は俺が憑依した時点で
”眠ってる”から、意識はねぇよー」
奈美はそう言うと、
詩織は「そうー」と、そう言葉を口にしたー。
最初のうちは動揺していた詩織ー。
しかし、話を続けるうちに、詩織はだんだんと落ち着きを
取り戻していて、
今、この瞬間に至っては、思った以上に平然とした表情を浮かべていたー。
奈美は”ちょっとちょっとー、親友のわたしが憑依されたって言うのに、反応薄くないー?”
と、内心で少し不満を感じながら詩織のほうを見つめると、
詩織は笑みを浮かべたー。
”ーええ…もしかして、嘘ってバレたー!?”
詩織の反応が途中からだんだんと冷静な対応に変わり始めていたのは、
たぶんー、”エイプリルフールネタだとバレたから”だと、
そう思い始めた奈美は、戸惑いの表情を浮かべながら
”もう種明かししちゃおー”と、そう心の中で呟くー。
がーー、その言葉を言い出す前に、
詩織が笑いながら言ったー。
「ーなんだーじゃあ”俺”と同じかー」
とー。
「ーーーは?」
奈美が表情を歪めると、
詩織は「いやー、俺も実はこの女に憑依しててさー」と、
そう言いながら、奈美の方に近付いて来るー。
「ー2年前ーだったかなー
下校中のコイツに”憑依”してさー
それ以降、ずっとコイツとして生きてるんだよー。
高校入学の時からず~っと、この身体でJKやってるんだー ふふー」
詩織は、突然とんでもないことを言い始めたー。
「ーーーーえ……ーーー…」
奈美は戸惑いの表情を浮かべながらも、
”あ~これ、嘘ってバレちゃって、詩織も付き合ってくれてるって感じかなー”
と、心の中でそう解釈すると、
「ーーへへー…そっかー…へへへへーじゃあ、仲間だなー」と、
奈美はそう言葉を口にするー。
あくまでも”エイプリルフールの嘘”を続けるつもりだー。
「ーまさか、親友が憑依されるなんて思わなかったけどー…
まぁ、せっかくだし、女の身体を乗っ取ってる者同士、
仲良くしようぜー」
詩織がそう言葉を口にすると、
奈美はだんだんと違和感を抱き始めたー。
詩織の性格上ー、奈美の”憑依されちゃった”というドッキリに
気付いたら、”そういう嘘はあまり良くないと思うけどー”みたいな
感じで叱られるイメージだったー。
少なくとも、真面目な詩織はその嘘に乗って
こんな演技をするような子ではない、と、奈美はそう思っていたー。
だからこそ、奈美は次第に違和感を感じていくー。
「ーへへーどうする?せっかくだし、
このあと、一緒に色々楽しまないかー?」
詩織はそう言うと、
「ー普段はさ、”わたし”真面目な女子高生演じてるからー、
たまにはなー」と、そう言葉を口にするー。
そして、少し間を置いてから
「ーあぁ、何年も”女子”やってるからー、
”わたし”って言う方がもう口癖になっちゃってー」と、そう言いつつ、
「今も久しぶりに俺の本来の口調で話してるけど、
今は逆にこの方が違和感すごくてさー」と、ヘラヘラと詩織は笑うー。
「ーーへ…へぇ~…」
奈美は、憑依された演技を続けることを忘れそうになりながら
やっとの思いでそう返事をすると、
詩織はなおも笑いながら続けたー。
「ーお前もさー、”そのうち”わたし、あ、いやー、俺と同じようにー
元の喋り方の方が違和感感じるようになるぜー?」
詩織のそんな言葉に、奈美は心底困惑するー。
「ーで、どうする?二人で”お楽しみ”しちゃうかー?
どうせ、”女同士”なんだしー、な?へへー」
詩織のその言葉に、奈美はドキッとしながらも
「ーーえ…えっとー……」と、戸惑いを露わにしながら
「ーき、今日は急用を思い出してー」と、それだけ言うと、
そのまま詩織を置いて立ち去っていくー。
「ーーあっ!おいっ!」
一人残された詩織は少し不満そうにしながらも、
「ーーあ~~~…言わねぇほうが良かったかー?」と、
そんな言葉を口にしたー。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
春休み明けー
高校生活最後の1年間が始まり、
教室にやってきた奈美は、
他の友達と話をしている最中の詩織の姿を見かけると、
少し気まずそうな表情を浮かべながら、
詩織のほうに近付いていくー。
親友の詩織とは、今年もクラスが一緒だったー。
本当なら、素直に喜びたいところではあるものの、
エイプリルフールの日の出来事が、どうしても頭の中を
よぎってしまうー。
そんなことを思いつつも、
「ーー詩織ー…おはよー…」と、
奈美がそう言葉を掛けると、
詩織は振り返って「あ、奈美!おはよ~!」と、
”いつものように”そう言葉を口にしたー。
やっぱり、あの日の詩織の振る舞いは
”エイプリルフールネタ”だったのだと、
奈美は心の中で少しだけ安堵するー。
その後も詩織とは”いつもの調子”で会話をしながら、
楽しい時間を過ごすー。
初めてクラスが一緒になった子とも、
1年の時以来の子とも、
去年から引き続き同じクラスの子とも、
楽しく会話をしながら、座席に着席するー。
”な~んだ…心配して損しちゃった”
奈美は、エイプリルフールの日の詩織の
”「ー2年前ーだったかなー
下校中のコイツに”憑依”してさー
それ以降、ずっとコイツとして生きてるんだよー。
高校入学の時からず~っと、この身体でJKやってるんだー ふふー」”
と、いう言葉を思い出しながら、
少しだけ安堵の息を吐き出すのだったー。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
しかしーーー
その放課後ーーー
詩織と二人になったタイミングで、詩織は口を開いたー。
「ーーで?学校では今まで通りでいいのか?」
「ーーえ…?」
奈美は呆然としながら振り返ると、
詩織は言ったー。
「ーお前と俺は仲間だからなー。
お前に合わせてやるぜー?」
とー。
「ーーえ…し、詩織ー…
エイプリルフールはもうとっくにおわっ…」
奈美が戸惑いながらそう言うと、
詩織は「ん?エイプリルフール?」と首を傾げるー。
その反応を見て、奈美は
”もしかしてー…エイプリルフールネタじゃないの…?”と、
詩織のほうを見つめながら、青ざめることしかできなかったー…
おわり
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
コメント
今年もエイプリルフールネタで
お話を書いてみました~~!★
憑依の”嘘”をついたら、
相手は本当に”憑依”されていて…?
と、いうお話でした~!★
このあと…
大変なことになるかもですネ~笑
お読み下さりありがとうございました~~!

コメント
憑依したフリして相手が本当に憑依されてたらビックリしますよネ!!★
ビックリどころか青ざめますネ(-_-;)汗
自分も無名さんの女友達に憑依して無名さんにこのネタをしたら
無名さんも学生時代の劇、以降憑依されてました…とオチなのデス(*´艸`)笑
やっぱり…!☆笑
感想ありがとうございます~~!★
わわわ~~!★
私も実は憑依されていて…★!