一人暮らしをスタートさせた男子大学生。
しかし、アパートの”隣人”が突如、
”僕はあなたに女になってほしい”と、
無理矢理彼を女体化させようと迫り来るー…。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「ーーふぅー。これで、大体は片付いたかなー」
男子大学生の笹田 洋介(ささだ ようすけ)は、
部屋の中を見回しながらそんな言葉を口にすると、
少し疲れた様子で息を吐き出すー。
彼はー、今日、実家からこのアパートに
引っ越してきて、人生初めての一人暮らしを
スタートさせた男子大学生ー。
ようやく、引っ越しの片付けがひと段落して、
ひと息ついているところだったー。
”ーどう?もう引っ越しは終わった?”
スマホを確認すると、
そんなメッセージが届いていることに気付いたー。
おなじ大学に通う幼馴染ー、
そして、彼女でもある
奥寺 菜々(おくでら なな)からのメッセージだ。
”結構大変だったけど、ようやくひと段落したよー”
洋介はベッドに座りながら、彼女の菜々にそう返事を返すと、
”お疲れ様!今度遊びに行ってもいい?”と、
そんな返事がすぐに帰って来る。
「ーははー…」
洋介は少しだけ笑いながら周囲を見渡すと、
”菜々が来るまでにちゃんと家の中をしっかり片付けておかないとな”と、
そんな返事を返したー。
続けて、大学に通う親友や両親からもメッセージが届きー、
それに返信をしようとしていると、
”♪~~~”と、部屋のインターホンが鳴るのに気づいたー。
「ー?」
既に、荷物は届いているし
引っ越しの業者も帰っているー。
誰が来たのだろうかー。
同じアパートの近くの部屋の人たちには
荷物を運び始める前に既に挨拶をしているしー、と、
少しだけ首を傾げながらも、
洋介はまだ慣れない手つきで部屋に備え付けられた
インターホンを操作して、
”来客”を確認するー。
すると、画面には、
この部屋ー…205号室の隣の部屋に住む
隣人・204号室の影沼 卓夫(かげぬま たくお)の姿が
映し出されていたー。
先程、荷物を搬入する際にも、
洋介の方から同じ階の住人には挨拶をしていて、
その際にこの影沼 卓夫にも挨拶をしているー。
卓夫は眼鏡をかけた細身の男で、
恐らくは20代後半から30代前半ぐらいー。
先程、挨拶をした際には
少しジロジロと見られたような気はしたものの、
特別、変な印象を持ったりすることはなかったー。
「ーえっと、影沼さんーでしたよね?
どうかされましたか?」
洋介はそう言葉を口にすると、
インターホン越しに卓夫は少しだけニヤッと笑みを
浮かべてから、
”はいーそうですー影沼ですー”と、そう言葉を口にしたー。
洋介は何の用か分からずに少し困惑しながらも、
「えっとー、何か御用でしょうかー?」と、そう言葉を口にすると、
卓夫はインターホン越しに、カメラに映すようにして
液体の入った小さな容器を取り出したー。
「ー?」
その行動の意味が分からず、洋介は困惑するー。
その上で、「それは何でしょうかー…?」と、
そう聞き返すと、
カメラ越しに卓夫は言ったー。
”これは、女体化薬と言って
飲むと女になれる薬ですー”
とー。
「ーーーーー」
隣人の卓夫の言っている言葉の意味が分からないー。
女になることができる薬?
いったい、何を言っているのだろうかー。
そう思いつつ
「え、えっと…え?どういうことですかー?」と
思わず聞き返すと、
”これを飲むと、女になれるんですよー”と、
卓夫は少し興奮した様子で
そんな言葉を口にしたー。
「ーーえ…あ~~…はいーそうですかー…」
心底困惑した様子の洋介ー。
いきなりやってきて
”女体化する薬なんですよ”などと言われても
どう反応していいか困ってしまうー。
そもそも、飲んだだけで男が女になることが
できる薬なんて聞いたことがないし、
そんなものがあるとも思えないー。
戸惑いの表情を浮かべたまま
「そ、それでー…えっとー…ご用件は何でしょうか?」と、
そう言葉を口にする洋介ー。
洋介にとって”このアパート”が、
始めての一人暮らしとなる
言わば”記念するべき場所”だー。
それなのにー、
隣人が変な人だったりしたら最悪だー。
いや、既に引っ越し初日の洋介の部屋の
インターホンを鳴らして
”これは女体化薬です”などと言ってくる相手が
まともとは思えないー。
隣人で”ハズレ”を引いた可能性が頭の中をよぎり、
洋介は暗い表情を浮かべるー。
現代風に言えば”隣人ガチャ”でハズレを引いたかもしれないー。
そんな絶望を感じてしまうー。
”ーこの女体化薬、飲んで女になってみないかいー?”
用件を聞かれた隣人の卓夫は、そんな言葉を口にしたー。
「ーーは…はい????」
洋介は裏返った声で返事をしてしまうと、
続けて「な、何を言ってるんですか?」と、そう言葉を口にしたー。
新生活初日から隣人と揉めたくはないー。
ただ、いきなり”女体化薬”とか訳の分からないことを言われた挙句、
”女になってみないかい?”などと言われてしまうと、
困ってしまうー。
「ーーお、俺はそういうことは考えたことがないですしー、
それに、男から女になったりすると、
色々、大学とかも大変だと思うのでー」
洋介はなんとか穏便に済ませようと、
言葉を選びながらそこまで口にすると、
隣人の卓夫は”まぁそうだよね。その気持ちは分かりますよー”と、
静かに頷いたー。
何とか理解して貰えたー。
そんな風に思い、洋介は少しだけ安堵の表情を浮かべると、
「ーせっかくお声かけ頂いたのに、すみませんが、
このままじゃないと色々困るのでー」と、
そう言葉を口にして、会話を終えようとしたー。
がーー
”でも、僕はねー”
卓夫は、洋介の言葉などまるで聞いていないかのように
そう言葉を口にすると、
”僕は笹田さんーあなたに女になってほしいー”と、
インターホンに顔をグッと近づけながらそう言葉を口にしたー。
細身の、強そうにはとても思えない男の言葉ー。
がー、言ってることの内容と、
その雰囲気に気圧されてしまうー。
「ーな、な、い、一体何が目的ですかー…!?」
洋介は困惑しながら卓夫が自分を女体化させようとする理由を
聞き出そうとするー。
何が目的なのか、全く理解ができないー。
そう思っていると、
卓夫はモニターの向こうで笑みを浮かべながら言ったー。
”へへへーさっき挨拶に来たとき、思ったんだー。
笹田くんー、あなたは女体化したらきっと美人になれるー
その、素質があるー”
と、興奮した様子でー。
「ーそ、そんな素質、俺にはありませんし、
女になりたいって思ったこともありませんしー、
そもそも”笹田 洋介”って名前のまま女になったら
滅茶苦茶困るんで!!
それに彼女もいますし、女になるわけでにはいかないんです」
洋介は何とか理解してもらおうとそう言葉を続けるー。
すると、卓夫は
”ふ~ん…そっかー。あなたなら美人になれるんだけどなぁ”
と、そう言葉を口にするー。
その上で
”残念だなぁー笹田くん”と、そう言葉を口にすると、
そのまま、それ以上何も言わずに卓夫は
洋介の家の前から離れて、
ゆっくりと自分の部屋のある方向へと歩いて行ったー。
「ーーはぁ…はぁ…」
何とか、卓夫を追い払うことに成功した洋介ー。
が、”隣人”に、おかしなことを言ってくる人がいる、
という事実に、
新生活スタートを何だかんだで楽しみにしていた洋介は
一気に暗い気持ちになってしまって、
頭を抱えるのだったー。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
翌日ー。
「はぁー」
洋介は大学に向かう準備をしながら
思わずため息を吐き出すー。
もしも、この先も隣人の卓夫が
何か変なことを言ってきたらどうすれば良いのかー。
そんな、不安ばかりが膨らんでしまうー。
しかし、そればっかりを考えていても仕方がないー。
とにかく、今は大学に行かなくてはー。
そう思いつつ支度を終えて
「残りの片づけは帰ってきたらやろうー」と、
荷物のほうを見つめると、
そのまま玄関から出て、部屋の扉を閉める。
隣の部屋に変な人がいる以上、
戸締りはしっかりとしておかなくてはいけない。
「ーーよし」
戸締りを確認した洋介は、そのまま大学に向かおうと
アパートの廊下を歩き始めるー。
がー、その時だったー。
「ーー!?」
背後から、突然ハンカチのようなものを口に当てられた洋介ー。
洋介はそのまま、意識を失ってしまうと、
背後から洋介にハンカチを当てた204号室の住人・卓夫は
ニヤニヤしながら倒れた洋介を見つめるー。
「ーーふふふふー
僕はあなたに女になってほしいんだー。
逃がさないよー」
そう言葉を口にすると、
卓夫はそのまま洋介を自分の部屋ー
204号室の中に引きずり込んで行くのだったー…。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「ーーーーーぅ…」
遠のいていた意識が戻るー。
洋介はすぐに、自分が”何かをされた”ことを思い出して
周囲を見渡すと、
そこには美少女系のフィギュアがまるで博物館のように
並んでいたー。
「ようこそ笹田くんー。僕の楽園へ」
その言葉と共に部屋の奥から、
隣人の卓夫が姿を現すー。
その姿を見て、洋介はすぐに
「い、いったい何のつもー…」と、そう声を上げるもー、
そこで、言葉を止めたー
何故ならーー…
自分の”口”から出た声が、
”自分の声”ではなかったからー。
自分の口から出た声がー
”可愛らしい女”の声になっていたからー。
「ーーなっ…」
洋介が激しく動揺した様子でそう言葉を口にすると、
隣人の卓夫は「じゃ~ん」と言いながら、
鏡を洋介に向けて来たー。
すると、そこにはー、
自分でも信じられないほどに”美少女”のような姿になった
洋介が映し出されていたー。
「ーま、ま、まさかーー
お、俺にー昨日言ってた女体化薬をー…!?」
洋介は可愛らしい声のまま、必死にそう叫ぶー。
卓夫はニヤニヤしながら頷くと
「僕の言った通りー。やっぱりあなたは女になれば可愛くなると思ったんだーふひ」
と、そう言葉を口にするー。
「ーふ、ふ、ふ、ふざけるな!元に戻せ!」
女体化してしまった洋介は涙目でそう叫ぶも、
卓夫は「悪いねー。男になる薬はないんだーへへ」と、
そう言葉を口にしながらニヤニヤと笑みを浮かべるー。
「でも、僕の見込んだ通りだー。
笹田くんーあなたは男でいるよりも、女になった方が輝くよー
むふふふふふふふ」
卓夫は気味の悪い笑い声を上げると、
「僕はねー、美女を見るのが大好きなんだー。
可愛いは、目の保養ー。
可愛いこそ、正義ー。
可愛い女を見ていると、僕はそれだけで幸せなんだー。
だからーーこうして笹田くんーいいや、”笹田ちゃん”にも
女になってもらったんだー」と、
そんな言葉を口にしたー。
「そ、そんなことはどうでもいい!いいから元に戻せ!」
女体化した洋介は心底慌てた様子でそう言葉を口にするー。
しかし、卓夫はニヤニヤしながら
「怒った顔も可愛いねぇー。興奮するよー」と、
邪悪な笑みを浮かべたー。
ゾワッとした悪寒を感じながら、
女体化した洋介は、卓夫の部屋の玄関の方に向かって走り出すー。
「ーむふふふーーー逃げる姿まで可愛いー。最高だよ」
卓夫はニヤニヤしながら、なおもそんな言葉を口にすると、
そのまま洋介を追いかけることはせず、
部屋の中で一人、ニヤニヤと笑みを浮かべるのだったー。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「く…くそっ…なんだよこれ…なんだよこれ…!」
激しく動揺しながら、
女体化した洋介は、自分の部屋に駆け込むと、
自分の姿を鏡で見つめるー。
そこには、”どう考えても女”になってしまった
洋介の映っているー。
顔も、髪も、肌も、胸も、声もー、
何もかもが女ー。
「ーー嘘だろ……?」
これだけ”女体化した”という事実を見せ付けられても、
なおも現実を受け入れることができない女体化した洋介ー。
がー、自分の胸に触れた洋介は、
その胸が本物であることをイヤでも自覚すると、
「ーどうすればいいんだよー…俺ー」と、
その場で呆然としながら鏡を見つめることしかできなかったー。
②へ続く
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
コメント
隣人によって、
強引に女体化させられてしまった洋介くん…!
この先も大変なことになりそうデス…!
今日もお読み下さり、ありがとうございました~!★!

コメント