仲良し姉妹の絆を砕こうとする男ー
手始めに、姉に憑依して…
今回も、簡単に
絆は”砕ける”はずだったー。
しかし…
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「わたしは、大好きだよ!」
妹の雅美は、
憑依された姉・菜津に暴行を加えられてもー
笑顔でそう言い放ったー
「-----は…?」
菜津は顔をヒクヒクさせながら雅美の方を見るー
この上ない屈辱だと、
そう思ったー。
今までー
菜津に憑依している男は、何人もの絆を
憑依で砕き、その様子を見ては
快感を覚えていたー。
だがー
なんだー?
この雅美という妹は、
姉の菜津に理不尽な暴力を振るわれてもー
あまりそれを、気に留める様子がないー。
「---いいでしょ?お姉ちゃん!!
ちょっとだけだから~!」
雅美が、手にした漫画の1ページを
開きながらほほ笑むー
漫画のワンシーンのように
姉妹で抱き合ってイチャイチャしたいというのだー
”くそっ”
菜津は表情を歪めるー
この姉妹が仲良しなのは、当然、知っているー
だがーここまでだとは。
元々、険悪な間柄の恋人や姉妹、友情を引き裂いてもつまらないー
だから、男はいつも
”仲良し”な組み合わせを狙って憑依しー
その”絶対に壊れることのなかったであろう絆”を
破壊するのが楽しいのだー。
しかしー
この雅美という妹は…
「ほらほら!ぎゅ~!」
雅美が嬉しそうに菜津に抱き着くー
「---くそっ!離せ!離れろぉぉぉぉぉぉ!」
菜津がもがくー
”こうなったら”
菜津に憑依している男は、燃えるー。
”ここまで強い絆”をぼろくそにしてやればー
さらにーー
「---まずは」
菜津がニヤリと笑みを浮かべたー
”予定変更”
先にー
姉の菜津に憑依し、妹の雅美から菜津に対する信頼を破壊しようとしたがー
こいつは手ごわそうだー
ならー
姉の菜津から妹の雅美に乗り換えてー
雅美を乗っ取ったうえで、先に姉・菜津から妹・雅美に対する信頼を破壊するー
「--雅美ーーー」
菜津は、菜津に抱き着いてきている雅美を見つめながら
にっこり微笑んだー
”お前の身体、貰うね”
心の中でそう呟いてー
菜津は、雅美にキスをしたーー
・・・・・・・・・・・・・・
「-----」
1階にいた母親の辻子が表情を歪めるー
さっきから、2階が騒がしいー
長女の菜津も、二女の雅美も既に帰宅しているから
そのどちらかだとは思うけれど、
とにかく、騒がしいー
「なにしてるの~?」
辻子が呼びかけるが、返事がないー
「も~!」
そう思いながらも、
晩御飯の支度の最中で、離れることができない辻子は
キッチンへと戻るー
ドタバタドタバタと響き渡る音ー
一瞬、辻子は”喧嘩?”と首を傾げたが
あの二人が喧嘩するとは思えない-
今までも、これからもー
夫の晴信は今日は残業で遅くなるー
三人分の晩御飯を作りながら
辻子は”やれやれ”という様子で、
2階から響き渡る音に気を配ったー
・・・・・・・・・・・・・・・・・
「----えへへ♡」
ー!?
姉の菜津が表情を歪めるー
「やっと、その気になってくれたんだ!嬉しい♡」
妹の雅美が笑うー
姉の菜津からキスをしてくれたー
そう、思って、雅美は喜んでいたー
「---え?!?!」
菜津が表情を歪めるー
「-もういっか~い!」
雅美が嬉しそうに菜津をぎゅーっと抱きしめて
キスをするー
「--な、、な、、やめ!やめろ!離れろ!」
菜津が大声で叫ぶー
自分が菜津の身体であることも忘れて
男口調で叫ぶー
「-え~?どうして~?
お姉ちゃんとわたしは、ずっと仲良しって
言ったでしょ?」
ほほ笑む雅美ー
「---くそっ!!うるせぇぇんだよ!!!」
菜津は唾が激しく飛び散るほどに怒鳴ると、
雅美を突き飛ばしたー。
”くそっ!何故だ”
菜津は自分の手を見つめるー
仲良しの姉が急に暴れ始めたのにも関わらず、
妹の雅美は、それでも姉の菜津とイチャイチャしたがってるし、
妹の雅美に乗り移ろうとして、キスをしたのに
憑依できなかったー
「--いいか?わたしは、あんたのことが大っ嫌いなんだよ!」
菜津は表情を限界まで歪めながら叫んだー
「バカ!ブス!アホ!ビッチ女!!!!」
菜津が、ヤケクソになって、悪口を吐き捨てるー
「--あ~~~~!とにかくうぜぇって言ってんだよ!」
菜津が机を蹴り飛ばしながら叫ぶー
菜津の身体に慣れていないからか、バランスを崩して
菜津はそのまま尻餅をついてしまうー
「クスクスクス」
雅美が、自分で机を蹴って尻餅をついた姉・菜津を見て
笑っているー
「笑うんじゃねぇ!」
顔を真っ赤にしながら叫ぶ菜津ー。
怒りのあまり、綺麗な手が激しく震えているー
怒りの震えだー
”どうすればいい?”
こいつは、ドMなのか?
菜津は頭をフル回転させるー。
”この妹は、姉に対して”過剰なまでに心酔”している”
菜津に憑依している男は、
過去の経験則から、そう判断したー
”だったら、この”お姉ちゃんを失望させてあげればー””
菜津は笑みを浮かべたー
「---ははははははは!はははははははは!」
尻餅をついたまま突然笑い出す菜津ー。
妹の雅美は「ど、、どうしたの?」と首をかしげているー
「実はわたしね~~!男大好きで、
学校に3人彼氏がいるの~~!
既に10人とエッチもしたよ!」
菜津が笑うー
”ほ~ら、お姉ちゃんに失望しろ~”
「--えっ!」
雅美が衝撃的な発言を聞いた、と言わんばかりに
表情を歪めたー
「---ふふふふ、どう~?
最低な女でしょ?」
菜津が、鼻をほじりながら言うー
”下品な仕草に幻滅しろぉぉぉぉぉぉぉ!”
姉妹の絆を何としてでも引き裂いて見せるー
別に、この姉妹を諦めて
他のターゲットを見つけても良いのだがー
ここで引いたら負けな気がするー
そう思った男は、意固地になっていたー
「----すっご~い!」
妹の雅美が手を叩いて笑うー
「-もっとお姉ちゃんのこと、尊敬しちゃう!」
そう言うと、抱き着いてくる雅美ー
「--はぁ!?ちょ、やめろ!離せ!」
菜津が暴れるー
雅美が、菜津に嬉しそうにキスをするー
「-くそっ!イカレ女め!くそっ!」
菜津がもがきながら叫ぶがー
雅美は、「お姉ちゃん!暴れないで~!」と笑うー。
「---あぁぁぁぁ…くそっ!!!」
”こうなったら、最終手段だ”
菜津が表情を歪めるー
これだけはやりたくなかったがー
もう、やるしかないー
「--うああああああああああああ!!!!」
菜津が大声をあげて、
髪を振り乱しながら雅美を蹴り飛ばすと、
その場で学校の制服を引きちぎるようにして
脱ぎ始めたー
「え…お姉ちゃん!?何してるの!?」
雅美が叫ぶー
菜津は狂ったような笑みを浮かべながら
胸やアソコを触りながらー
激しく喘ぎ声を上げ始めるー
”おらあああああああ!姉さんに失望しろぉぉぉぉぉぉぉぉ”
「わわ!」
雅美が顔を赤らめるー
「やっぱお姉ちゃん、スタイルいいよね!綺麗…!」
”そこかよ!”
菜津に憑依している男は心の中で叫ぶー
こいつ、どうやったら、姉のことを嫌いになるんだー?
そう思いながら、
「失望しろおおおおおおおおおおおおおおお!」と
叫びながらー
菜津は、その場で激しく放尿したーー
雅美に菜津の尿が飛び散るー
「あひひひひひひひひひひ」
菜津はそのまま、腰が砕けたように座り込むとー
今、放尿した尿を、四つん這いになって
舐め始めたー
「---すごっ!」
妹の雅美が、何やら状況が分かってない!と言わんばかりの
表情で呟いたー
「----」
菜津が、尿を舐めるのをやめて、
雅美の方を見るー
”こ、、ここまでしたのに…”
唇を噛みしめる菜津ー
「ここまでしたのに…くっそぉおぉおおおおおおおおお!」
菜津は、それだけ言うと、そのまま、意識を失って
うつ伏せになって倒れたー
”くそっ!くそっ!くそくそくそくそくそくそくそ”
霊体に戻った男ー
菜津の身体から抜け出して、宙に舞い戻った男は呟くー
どうしてー?
妹の雅美は想像以上に
お姉ちゃんが大好きだったー
確かに仲良しなことは、
事前に二人を追跡して、気付いていたけれど、
ここまでとはー
「---あぁぁぁぁぁ…腹立つぜ」
”初めての敗北”
男は、それを味わったー
人間の絆など、脆いー
落とせば叩き割ることのできる硝子のようにー
ちょっと”刺激”を与えてやれば、すぐに
壊れるー
そう、思っていたー
だがー
この姉妹はーー
「--くそっ!簡単には壊れない絆もあるってことか」
男はそう呟くと、
自分の身体に戻るため、その場から
退散していったー。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「----う…」
裸の状態…
悲惨な姿で目を覚ました姉・菜津は
悲鳴を上げるー
「きゃあああああああああああああ!」
しかもー
何だか濡れているー
「え……?」
自分がお漏らししているー?
鏡に映った自分の姿はー
髪が乱れー
近くには、引きちぎられたかのような
制服が転がっていたー
”絆を砕く男”に
憑依された成れの果てー、
とでも言うのだろうか。
菜津にとって地獄のような光景が、
そこには広がっていたー
「---お姉ちゃん…?」
妹の雅美が心配そうに、
姉・菜津の方を覗くー。
「---ま、、まさ、、、こ、、これは…?」
菜津が戸惑っている
雅美は、今までのことを説明したー
急に暴力を振るわれたりしたことをー
「--え…そ、、そんなこと…わたしっ!」
菜津は必死に叫んだー
憑依されていた菜津に、憑依されている間の
記憶は存在しないー
雅美に暴力を振るった…
なんてことも、当然分からないのだ。
「---…それよりもお姉ちゃん!」
妹の雅美がニコニコしながら
漫画を開いたー
「これ!やろ!」
姉妹が抱き合ってエッチなことをしているシーンが
描かれている漫画ー
「--えっ!?」
菜津が戸惑うー
返事を確認する前に、
雅美は「決まり~!」と飢えたメスのような表情を
浮かべながら姉の菜津に襲い掛かったー
雅美が放り投げた百合漫画からは、
今日の日付のレシートがこぼれ落ちていたー
・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・
数時間前ー
姉・菜津が下校中に”絆を砕く男”に
憑依されたのとほぼ同時刻ー
妹の雅美も下校中に
”偶然”、別の男に狙われて憑依されていたー
”百合を心から愛する男”にー
「---ひっ…!?」
下校中に憑依された妹・雅美はー
その足で、エッチな百合の漫画を購入しー
事前に調べた姉・菜津と妹・雅美の
仲良しな関係を利用し、
妹・雅美の身体で女同士のエッチを
堪能しようとしていたー
姉・菜津に憑依した”絆を砕く男”と
妹・雅美に憑依した”百合を愛する男”は
互いに相手が憑依されていることを知らないままー
会話を交わしていたー
絆を砕く男が菜津の身体で、妹・雅美に暴力を振るっても
雅美が動じなかったのは、そのためー
雅美も別の男に憑依されていたからー
そして今ー
ついにその時がやってきたー
”事前に調べた感じだと、
お姉ちゃんが妹に暴力を振るうような感じはなかったけどー
裏では暴力振るったり、放尿したりするお姉ちゃんだったんだなぁ~”
妹・雅美に憑依した男は笑うー
だがー
そんなことはどうでもいいー
「--うふふふふふ♡
お姉ちゃん~~
焦らしプレイはもう終わりだよ~~!
エッチさせろ!!!!」
雅美は狂った笑みを浮かべながらそう叫んだー
おわり
・・・・・・・・・・・・・・・・・
コメント
結局、絆も砕け散りそうな感じも…?笑
お読み下さりありがとうございました~!
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