<女体化>いやいや困るんだけど!?②~困惑の果てに~(完)

男子トイレに入ると女体化してしまうー…

そんな、とんでもない体質になってしまった彼。
戸惑いの中、彼は原因として”あること”を思い浮かべ、
その確認を急ぐー。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

”え…?どういうことー? わたしは何ともないけど??”

最初に昨日の同窓会に参加していた
”高校時代に一番仲の良かった男子”に連絡を取ったものの、
まだ大学から帰っていないのか、あるいはバイト中か何かか、
連絡は繋がらず、
その後、昨日”秘伝のタレ”を持ってきていた純一郎にも連絡を入れたものの
やはり繋がらなかったー。

その二人には、LINEで”連絡ができるようになったら連絡してほしい”と
送っておき、
仕方がなく、”元カノ”の峰島由紀子に対して連絡を取っていたー。

”仕方なく”というのは、別に元カノだからではないー。
当時、ちゃんと円満に別れることは出来ていて、後ろめたいものは何もないー。

ただ、相手が”女子”であるため、もし昨日、秘伝のタレとやらを食った参加者
全員に影響が出ているのであれば、できれば”男子”に確認したかったー。

それだけのことだー。

”何かあったの?”
由紀子が心配そうに、そして興味深そうに聞いてくるー

「あぁ、い、いや、大したことじゃないんだー。
 なんともないならよかったー」

帰宅した陽平は今は”男”に戻っているー。
そのため、特に生活に支障はなく、普通に喋ることが出来るー。

”え~?何かあったから電話してきてるんでしょ?”

確かに。
由紀子の指摘は最もだったー

「ーーあぁ…いやー…う~ん…その、ちょっと今朝からお腹の調子が悪くてー
 それで、あいつの、ほら、森村が持ってきてた秘伝のタレ、
 あれが原因なんじゃないかって思ったけどー、
 みんなが平気なら、たまたまだと思うしー」

”女体化”のことを伏せながらそう言葉を口にすると、
由紀子は少しだけ笑いながら
”あははー昨日の、タレねー”と、言葉を口にするー。

”わたしも焼き鳥、ちょっと食べたけど、特に体調は悪くないよー
 でも、他のみんなは分からないけど”

そんな言葉に、陽平は「ありがとうー。参考になったよ」と、
穏やかに言葉を口にすると、少し雑談をして、
由紀子との会話を終えたー。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

しばらくしてー、
由紀子よりも先に連絡を入れた二人からも、
連絡が入ったー。

結果ー、
親友も、秘伝のタレを持ってきた純一郎も、
何の異変もなく、普通に過ごしているとのことだったー。

”どういうことだー?”

最初は、純一郎の秘伝のタレのせいだと思ったが、
他の参加者にこういうことが起きていない以上、
違う気がするし、
少なくとも”お前の秘伝のタレのせいで!”とは言えないー。

”他のみんなも食っただろ?”と
言われてしまえば、それまでだー。

じゃあー
何故ー…

そんなことを考えながら
”とりあえず、お風呂に入ろう”と、
服を半分ほど脱ぎながら、”その前にトイレ”とトイレに向かった陽平はー
”あの”感覚を感じたー

「ーーえっ…」
上着を脱いでいた陽平は、女体化した自分の胸を
直接見てしまい、顔を真っ赤にするー。

「ーえっ…!?う、うわっ!?」
思わず胸を隠そうとする陽平ー。

別に誰が見ているわけでもないのだが、
何となくそんな反応を反射的にー
”可愛い声”でしてしまったー。

”そ、そうだー”
慌ててトイレを飛び出すと、また、”フワッ”とするような
感触が全身を一瞬、駆け抜けて
そのまま”男”に戻ったー

「マ…マ、マジかー…男子トイレだけじゃないのかよー」
陽平は呆然としながらトイレのほうを振り返るー

どうやら、”男子トイレ限定”ではなく、
トイレに入っただけで女体化してしまうらしいー。

どうしてトイレなのかは分からないが、
とにかく、トイレに入ると女体化してしまい、
トイレから出ると男に戻るー。

「ーーく…くそっー…」
そう思いながら仕方がなく、一度服を着て、
そのままトイレに入って再び女体化する。

「~~~~~~~~~~」
”落ち着かない”と言いたげな表情を浮かべながら
なんとか女としての2度目のトイレを終えると、
”お風呂でも女体化したりしないだろうな?”と、
不安に感じながら、そ~っと、お風呂に足を踏み入れたー。

ーーーーが…
幸い、と言うべきだろうか。
お風呂では女体化することなく、そのまま男として
お風呂に入ることができるようになったー。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「ーへ~…家のトイレでも女になっちまったのか」

翌朝ー。
大学で陽平から昨日の出来事を聞かされた勝春は
苦笑いしながらそう呟くー。

「ーーーホント、参ったよー。
 今朝もやっぱり女になっちゃったしー、
 トイレに入るだけで女になるとか、ホント、困るんだけどー…」

陽平がそう言いながら、
「ーどうせこんなになるなら、いっそのこと完全に女になるとかさー
 家にいる間だけ女になるとかさー
 そういう方が良かったよな」と、本音か、それともただの愚痴か、
そんな言葉を口にしたー

「ーははは、よりによってトイレだもんなー。
 日常生活でも不便そうだし」
勝春がそう言うと、陽平は笑いながら、
「昨日の夜なんて”女 トイレ 仕方”とか、そんな検索まで
 しちゃったしー
 なんかこうー”何やってんだろ俺”みたいなむなしさが、さー」
と、自虐的に笑ったー

「ー確かに、この大学生になってトイレのやり方を検索することに
 なるなんて、誰も思わないもんな」

勝春がそう言うと、「で、どうする?女子トイレにでも入るか?」と
笑ながら冗談を口にするー。

陽平は「おいおいーカツ。すぐそういう方向に行くー」と、
呆れ顔で笑うと、
「入らないよー」と、穏やかな様子で首を横に振ったー。

陽平はその理由を語るー。

一つは”男子トイレ”と”自宅のトイレ”で女体化したからと言って、
女子トイレでも女体化するとは限らないことー。

2つめは、この服装のままだと、女子トイレに入って仮に女体化しても
”男っぽい服装のまま”トイレに入ることになるー。
陽平は、元々”中性的な服装”をあまり持っていないために、
どうしても違和感が生じてしまうし、何なら、女体化の際に
少し身体のサイズも変わることも確認済みで、
不自然にぶかぶかな服を着ている女、という状態になってしまう。

そして最後にー

「ーーこんな体質でも、俺は男だからなー」
陽平はそう言い放つと、勝春は「ははーそうだな」と
少しだけ笑いながら
「で、トイレは慣れたか?」と、笑いながら尋ねたー。

「いやいや…そんなすぐには慣れないけどー、
 まぁ、数をこなしていくうちに慣れるんじゃないかなー
 
 家のトイレはどうってことないし、
 外でもすぐ個室に突っ込めばなんとかなると思うしー」

陽平が少し恥ずかしそうにそんな言葉を口にすると、
勝春は「前向きだなぁ」と笑いながらー、
「でもまぁ、”逆”じゃなくて良かったよなー」と、
陽平を安心させるためか、そう呟くー。

「逆?」
陽平が不思議そうに首を傾げると、
勝春は「いや、だってお前が女子でトイレに入ると”男になる”だったら、
かなりまずくね?捕まる可能性高そうだしー」
と、そんなことを口にしたー。

「ーーーあ~~~~」
もし、”俺が元々女だったらー”
”トイレに入ると男体化する”体質だったらー。

確かに、今よりもさらに大変なことになりそうだし、
男子トイレを利用するにしても、男体化する前に
自分がスカートを履いたりしていたら
”スカートを履いた男”が男子トイレに入ってくるような
そんな光景になってしまうー。

「ーた、確かになー。とりあえず
 ラッキーだってことにしておくか」

陽平はそれだけ呟くと、
複雑ながらも”とりあえずこの体質で生きていくこと”を
決意するのだったー。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

半年後ー

”最近、どうしてるかなー?”

そんなことを思いながら、笑みを浮かべたー。

これは、細やかな復讐ー。

あの日ー
高校時代の同級生と集まったあの日ー。

”特殊な条件”がトリガーとなって女体化する薬を
”彼の水”に盛ったー。

色々な種類があったがー、
選んだのは”トイレに入ること”がトリガーとなって
女体化する薬だったー。
詳しいことは分からないが、人間の尿素に反応して、
女体化する…そんな仕組みのようだー。

他にも、寝不足になったら女体化する薬や、
興奮すると女体化する薬ー、色々な種類があったが、
ギリギリ人生に支障が出ず、かつ本人を苦しませることが出来るー、
そんな女体化薬を選んで、あの日、彼のー
陽平の水の中にそれを盛ったー。

だってー
”わたしは”急に別れを告げられて、とっても辛い思いをしたのだからー。
彼も辛い思いをしないと、納得できないー。

彼女ー…
陽平の高校時代の彼女であった、峰島 由紀子はそんな風に思いながら
少しだけ微笑むー。

陽平は円満に別れたと思っているー。
でも、由紀子自身は納得できなかったし、その後、しばらくの間
食事も喉を通らないぐらいに落ち込んだー。

いつか、仕返しをしてやろうー。
そんな細やかな”怨み”をずっと抱き続けて来たー。

そして、あの日ー、
同窓会で陽平と再会できると知ったあの日、
復讐を決意してー、
実家繋がりで手に入れることができた特殊な女体化薬を
陽平に何食わぬ顔で話しかけて、隣に行った際に、
こっそり水に盛ったー。

ちょうど、同級生の純一郎が”秘伝のタレ”とか
ヘンなものを出して騒いでいたし、タイミングとしてもちょうど良かったー。

疑われるにしても、秘伝のタレの方になるだろうし、
案の定、陽平はそれを疑っていたー。

「ーーー陽平、今頃苦しんでるだろうなぁ…」
そんなことを思いながら、由紀子は
”今度、何食わぬ顔して会ってみようかなー”と、
自分の細やかな復讐の成功に満足しー、静かに笑みを浮かべたー。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「ーーーへへっ♡」

トイレに入ると女体化するようになってから半年ー
最初は悩んでいた陽平も、今ではすっかりとその状況に慣れていたー。

「ーーやべぇ…すっげぇ…!」
バニーガールの格好をしながら、自分の太腿を嬉しそうに
網タイツの上から触っている陽平ー。

「ーーこれが俺なんてー
 本当に、すげぇよなー…」
陽平は可愛らしい声、可愛らしい顔でカメラに向かってピースをするー。

トイレで女体化して、
バニーガールの格好に着替えて、
そして、色々な写真を撮ったり、動画を撮ったりしているー。

別にこれを何に使うわけでもなくー、
”自分で楽しむ用”としての撮影だー。

「ーは~~~…自分のことを撮影するならタダだしー、
 誰も傷つかないからなー」

散々、バニーガール姿の女体化した自分を堪能すると、
そのままトイレで普通の服に着替えて、
トイレから出るー。

トイレで着替えないと、トイレから出た時に
男に戻って”バニーガール姿の男の自分”を見ることになって、
陽平は前に吐きそうになったー。

似合うならいいが、自分には似合わないー。
だから、それ以降はトイレで必ず着替えるようにしているー。

「ーーー」
部屋の中にはメイド服やセーラー服、チャイナドレスなど、
色々な服がこっそりと置かれているー。

全て、トイレで女体化した時に楽しむためのものだー。

「ーーうぉぉぉぉ!すっげぇ!!サンキュー!」
友人の勝春も、すっかり陽平のそんな日常に慣れて、
女体化した陽平に時々リクエストしては
コスプレした陽平を見て、嬉しそうに喜んでいるー。

別に、それ以上何をするわけでもなくー、
単に二人で楽しんでいるだけー。

「ーしかし、最初はどうなることかと思ったけどー
 今じゃ楽しんでるんだから、自分でもびっくりだよー」
陽平がそう言うと、
勝春は「俺もトイレに入ると女になれるようになりたい!」と、笑うー。

「ーははははー、まぁ、俺だって急になったんだし、
 そのうちなれるかもしれないぞ?」

冗談を口にしながら笑う陽平ー

最初は”困るんだけど”なんて思っていた陽平ー。

しかし、あれから半年が経過した今ー、
”復讐”を目論んでいた由紀子の思惑とは全く別の方向に進みー、
陽平は”将来、マイホームを持つときは大きなトイレを作ろう”などと
ポジティブに今の状況を楽しんでいるのだったー。

おわり

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コメント

トイレに入ると女体化するようになってしまった彼は
何だかんだでその状況を楽しんでいるみたいですネ~!

元カノも復讐を達成したと思い込んで満足してますし、
友達の勝春くんも幸せですし、
みんな幸せなハッピーエンドデス~笑

お読み下さりありがとうございました~!

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