<憑依>レースの華は狂気に散る

とあるレース場。

人気レーサーの安達 淳(あだち じゅん)は、
ファンサービスを第一に考える男だった。

そんな彼の”ファンサービス”は、
とあるカタチで歪んでいく…

※「レースクィーン憑依モノ」というリクエストにお応えした作品です!
  お待たせいたしました!

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表彰台。

人気レーサーの安達 淳 は、今回も
表彰台の頂点に立ち、
金色に輝くトロフィーを手に微笑んでいた。

集まりファンたち。

安達は、その一人一人に、
サインや握手などを行い、満面の笑みでファンサービスを行った。

彼のモットーは
”ファンは宝”

ファンあってこその自分であり、
ファンあってこその安達 淳である、 と。
彼はそう思っていた。

だから、ファンサービスは欠かさないし、
何があっても、ファンのことを大切にする。

そんな一面も、安達の人気の秘密の一つだった。

ふと、安達がレース場の脇に目をやる。

可愛らしいレースクィーンの女性、
藤宮 柚子香(ふじみや ゆずか)が、
レース場に集まったファンたちとなにやら話していた。

柚子香は現役の女子大生だと聞いている。
最近では学生がレースクィーンの仕事をすることも多い

昔とは、時代が変わったものだ

安達は控え室のほうに戻っていく。

ふと、控え室に
”差し入れ”が置かれているのに気づく安達。

「これはーー?」

”憑依薬”
そう書かれた容器と、
“人に憑依できる”という簡単な説明書が添えられていた。

そして一言。

”それで最高のファンサービスを見せてください” とー。

「はは、悪戯か…」
安達は呟いて、その憑依薬とやらをポケットにしまった。

栄養ドリンクか何かだろう、と
そう判断したー。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

後日。

今日もレースがある。安達は控え室で、
ふと、先日手に入れた憑依薬というものを見つめた。

「--まさかな」
そう言いながら、ひと思いに憑依薬を飲み干してみる安達。

彼は、サービス精神旺盛すぎて、
警戒心と言うものが薄すぎた。

この憑依薬が、もし毒入りの液体だったらー?

そういう、人を疑うことを考えないのが、
彼の良いところであり、悪いところでもある。

そしてーー
憑依薬を飲み干した彼はー
急激に意識が薄れていくことに気づいた。

「---!?
 ま…まさか…これ…!?」

安達はふらふらしながら言う。
”毒入り”だったのか? と不安に思う。

しかしー、その不安はすぐにかき消された。

自分が、幽体離脱していたからだ。

「--お、、おいおいこんなことって…」
安達は憑依薬とやらが事実であることを悟る。

そしてー

「なら、ファンサービスするか」

彼は、
レースクィーンの柚子香のほうに向かって
幽体を突進させた。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

ネオン輝くサーキットに、
レーサーたちがやってきていた。

出場選手たちがそれぞれ、
自分のカートへと搭乗する。

安達と並び、優勝候補の一角とされているレーサー、
小杉(こすぎ)が、自分のカートに登場したあと、ちらりと
安達のカートを見る。

「--安達、今日は勝たせてもらうぜ」

しかしー
その直後、信じられないことが起きた。

レースクィーンの柚子香が満面の笑みで
色っぽく歩きながら、安達のカートの方に
向かってきたのだ。

「--お~~っと、安達選手のカートに
 レースクィーンが歩み寄っていく!?
 これはどういうことか?」

実況が思わず立ち上がる。

「うふふ…♡」
柚子香が色っぽく甘い笑い声をあげると、
そのまま柚子香が安達のカートに搭乗した。

観客席からは一部、歓喜の声があがった。

何が起こるのかと、観客達は胸を躍らせているようだ。

「---ふふふ♡
 今日は柚子香が、みんなにすっごい走りを見せて
 あげる!」

柚子香が大きな声でそういうと、
観客達は「おおーいいぞ!やれやれ!」と叫んだ。

実況は、戸惑う。

運営がコソコソと話をしている。
だが、責任者も、柚子香のレースに興味があったのか、
顔を赤らめてゴーサインを出した。

その様子を見て、
安達のライバルである小杉が笑みを浮かべる。
勝ちを確信したのだろうか。

一方、優勝候補の一角で、
堅実な走りぶりで好成績を残しているレーサー
西園寺(さいおんじ)は舌打ちした。

「安達のやつめ…
 俺達に負けるのが怖くて、逃げたのか…」

柚子香は、自分の綺麗な体を見つめて
興奮してしまった。

だがー、
安達が柚子香に憑依したのは、自らの欲望を満たすためじゃない。
あくまでも、ファンのためであり、
欲望のためではないのだ。

そしてー
レースが始まった。

いつも優しい笑みを浮かべている柚子香が
豪快にアクセルを踏み、自身に満ちた表情で
コーナーをトップスピードで通過していく。

「---!!」
さっきまで「舐められたものだ」と不愉快さを
露にしていたレーサーの西園寺が、
そのテクニックに驚く。

「-----」
思わず見とれてしまいそうな美しさだった。

ヘルメットをしていても、
彼女は女神のように見えた。

「--あの子、あんなにレースうまいのか」
西園寺はそう呟くと、自分も負けじとアクセルを踏んだ。

柚子香は、トップを独走しながら、
下を見るたびに、見える、自分の胸が気になって仕方がなかった。

「ふふふ…」
思わず胸を見て笑い声が漏れてしまう。

だが、彼女はすぐに表情を引き締めた。

これは人の体だ。
憑依したのはあくまでも、ファンを楽しませるため。

だからー。
胸を弄ぶなんてもってのほか。

いやらしい目で見るなんて。

だがーー
アクセスを踏む際に、自分の足と足がぶつかっただけでも
興奮してしまうー。

次第に柚子香の感情が興奮に満たされていく。

明るく、癒しのレースクィーンとして人気の柚子香の表情が、
ヘルメットの下でどんどん歪んでいくー。

「あぁ…」
髪の感触、
肌の感触、
ハンドルを握る自分の手の感触。

その全てが柚子香の中にいる安達を興奮させた。

安達の意識にしたがって、柚子香の体も興奮し、
いやらしいシミが下着に出来始めていた。

思わずスカートを抑える。

「いけない!いけない!ダメだ!」
柚子香は自分に言い聞かせるように、そう呟いた。

そして、邪念を振り払い、そのままゴールした。

1位ー。

もちろん、柚子香はレーサーではない。
だが、今の中身はトップレーサーの安達 淳。

負けるわけが無かった。

「バ…馬鹿な…あの子に負けるなんて」
レーサーの一人、西園寺は呟いた。

「チッ…」
ライバルレーサーの小杉が2位で終わり、
舌打ちをする。

しかし、小杉の口元には、不気味な笑みも浮かんでいた。

表彰式。

柚子香の我慢が限界だった。

こんなに綺麗な体。
甘い声。

憑依している安達の本能が刺激された。

もう、限界だった。

安達の理性が、
柚子香の体に奪われていく。

誘惑的な体にー。

「---ファンのみなさんーーー」

勝利者インタビューが始まり、
柚子香はマイクを手にした。

そう、今からすることは、決して自分のためじゃない。
全てはファンのため。

「---柚子香の全部、見たいですよね?」
顔を赤らめながら恥ずかしそうに言う柚子香。

そんな仕草を自分がさせていると考えただけで
興奮した。

もう限界だった。

表彰台の上で、柚子香は自分の胸をわしづかみにした。

野獣のような笑みを浮かべて
笑い声をあげる柚子香。

「うふふふふふふふっ♡
 ふふふふふふふ♡」

突然、いやらしい笑みを浮かべて両手で胸を
乱暴に揉み始めた柚子香を見て、
インタビュアーが、唖然としている。

観客たちからは低い喜びの声があがっている。

「みんあぁ、見て!
 柚子香の、、柚子香のからだ♡」

柚子香はそのままレースクィーンの衣装を脱ぎ捨て、
その綺麗な体を衆目に晒した。

ーーー馬鹿なマネはやめろ

安達の理性がそう叫んだ気がした。

だが、安達はもう止まらなかった。
下着まで脱ぎ捨て、全てをさらけ出した柚子香は、
周囲を構うこともなく、
そのまま自分の体を攻め続けた。

「あぁ!あん♡ きも、、気持ちいい!
 すごい、、わたしのからだ、、すごぉい♡」

一心不乱に髪を振り乱し、
体を激しく動かしながら
甘い喘ぎ声を周囲にとどろかせる。

そしてー
柚子香は、大勢の人が見守る中、
絶頂を迎えようとしていた。

「わたし、こんなところで、、あぁ、、もうだめ♡
 興奮が止められない!興奮が・・・あぁん♡ あぁ♡」

はぁ、はぁ、と顔を真っ赤にしながら口元を歪ませている柚子香。

そしてついに彼女はーー

「あっ、、あっ、あっ、あっ♡
 こ、これが女の子の♡ あ、、もうだめ、柚子香、皆の前で
 こわれちゃう♡

 あ、、うふぅ、、あっ、、、あぁん♡
 うっ、あっ、ああああ、あぁああああああああん♡」

大声で喘ぐと、彼女は幸せそうな満面の笑みのまま、
辺りに潮を吹き散らし、だらしない格好でその場に
燃え尽きたかのように倒れた

「はぁぁぁん♡」
あまりの快感で何も考えられない柚子香は、
唖然とする周囲にも気づかなかった。

5分後ー
我に返った、柚子香に憑依していた安達は、
慌てて柚子香の体から離脱したー。

数分後、その部屋には悲鳴が響き渡ったー。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

安達が目を覚ますと、いつもの控え室があった。

柚子香の体は最高だった。
まさに、美の結晶。

もっともっと遊びたかったが…

自分は変態ではない。
最後の最後にはじけてしまったが、
あれはファンのためなのだ。

コン コン

部屋がノックされた。

「はい」
安達が返事をすると、
トビラが開き、警察官が2名入ってきて、
警察手帳を見せた。

「安達 淳さんですね。」

「そうですが…」
安達が戸惑いながら言うと、
警察官が言う。

「大変なことをしましたねぇ…」

警察官が安達が飲んだ憑依薬の容器を持っている。

「---あなたのマシンに突然
 レースクィーンの藤宮 柚子香さんが乗り込み、
 レースをした挙句、不適切な行為を行った…

 おかしいとは思いませんか?」

警官の一人の言葉に安達がとぼけて
「な…何のことだ?」と尋ねる。

「--白を切るのはやめなさい」
警官がたしなめるように言った。

「匿名の通報がありましてね。
 あなたの控え室を調べてみろと。

 そしたら、こんな恐ろしいものが見つかった。」

警官が憑依薬を手に持ち
”成分も調べた”という。

「--柚子香さんが意識を失うとほぼ同時期に
 あなたが目を覚ました。
 これは偶然とは言えないでしょう」

警官が言う。

「し、、知らない…私は…」
安達があせって言うと、
警官の一人が怒鳴り声をあげた

「もう全て分かってるんだ!
 大人しくしろ!」

安達はその言葉に観念して
その場に座り込んだ。

「…違う・・・私は…ファンのためにーーー」

安達 淳は、
柚子香に憑依して、不適切な行為を強要させた件で
現行犯逮捕されたー。

前代未聞の事件ー。

安達が連行されていくのを見つめている男がいた。

ライバルレーサーの小杉だった。

彼はニヤリと笑みを浮かべた。
努力しても安達には勝てない。ならばーー。

そう、憑依薬を手に入れて差し入れしたのは
小杉だったのだ。

パトカーに乗せられていく安達を見て笑う。

「じゃあな安達。
 これで表彰台のトップは俺のものだ」

・・・連行された安達淳が、その後、
表舞台に戻ってくることはなかった。

そしてレースクィーンの柚子香も精神的ショックから
立ち直れず、表舞台から姿を消した。

華々しい舞台に立っていた、
レースの華たちは、散ってしまったのだった…。

おわり

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コメント

ようやくリクエストの作品を書けました!
色々試行錯誤した結果、無難なつくりに…。

最初は車にしようとしたのですが
憑依された子が見えなくなるのでカートになりました(笑)

なお、レースクィーンの衣装についてはあえて明言しませんでした。
色々あると思いますので、
皆様の好きな衣装で妄想してください^^

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小説

コメント

  1. 匿名 より:

    SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    リクエストさせていただいた者です。
    有難うございます!

  2. 無名 より:

    SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    > リクエストさせていただいた者です。
    > 有難うございます!

    こちらこそありがとうございます!
    普通な内容になってしまいましたが…(笑)