ある手品ショーの最中ー、
マジシャンと助手が入れ替わってしまったー。
ショーの最中の入れ替わりという
未曾有の事態を前に、二人は…?
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
体育館の中に拍手が響き渡るー。
とある学校ー…
今日はその学校に、
今、人気の手品師・光汰(こうた)が
招かれていて、生徒たちの前で
手品を披露している最中だったー。
マジシャンの光汰は、
数年ほど前から人気急上昇中の手品師で、
今では色々なイベントに引っ張りだこの状態になっているほどー。
TV出演の仕事も舞い込むようになり、
今、一番勢いのあるマジシャンと言ってもいい、
そんな存在だー。
「ーーじゃあ、次はー、
愛梨(あいり)さんー
こちらへー」
光汰はそう言葉を口にすると、
舞台の端の方にいた助手・愛梨を手招きして
呼び寄せるー。
愛梨と光汰は学生時代からの”知り合い”で
恋人同士ー。
ただ、マジックショーの最中には
そういった面はあまり見せないようにしていて
”マジシャンとしてのパートナー”とそう公言しているー。
愛梨は、ニコニコしながら
体育館でマジックショーを見つめている生徒たちを見つめながら、
光汰の方に近付いていくと、光汰は愛梨が近付いて来たのを
確認してから、子供たちの方を見て微笑んだー。
「ー今から、愛梨さんを”瞬間移動”させますー。」
と、そう宣言して見せるー。
「ーえ~?」
「ホントにできるの?」
「嘘だァ!」
子供たちが面白そうにそう叫ぶー。
その様子を見て、愛梨と光汰は穏やかに笑うと、
愛梨が子供たちに言うー。
「瞬間移動なんて、本当にできるのかな~?」
とー。
そして、事前の打ち合わせ通り、
「光汰くん、きっとまた何かを仕掛けをしていると思うし、
今日はみんなに、”わたしを瞬間移動させる場所”を
決めて貰おうかな~?」と、
光汰と、子供たちの方を見ながら、そう言葉を口にするー
子供たちに”どこに瞬間移動させるか”決めてもらって、
ショーに参加しているような一体感を味わってもらうための
”演出”だー。
子供たちは嬉しそうに
「2階部分」とか、「体育館の外」とか、
「体育館の真ん中」とか、色々な場所を口にし始めるー。
「ーあはは、みんな意見が分かれちゃったねー。
どこにすればいいかな~?」
子供たちにそう語り掛ける愛梨ー。
そうこうしているうちに、マジシャンの光汰は
”瞬間移動”マジックのための仕掛けを準備していたー。
チラッと、舞台の裏を見つめる光汰ー。
そこにはー、”愛梨”が、もう一人いたー。
そうー
この手品は愛梨の双子の妹・天音(あまね)にも
協力して貰って完成する手品で、
”愛梨”が姿を消して、”天音”が別の場所で姿を現すことで
瞬間移動したように見せかけるという手品だー。
「ーじゃあ、体育館の2階部分に瞬間移動するね!」
子供たちの意見をまとめた愛梨がそう言葉を口にすると、
光汰は舞台裏に隠れている、愛梨の双子の妹・天音に合図を送るー。
そして、舞台に用意された洗濯機ぐらいのサイズの
大きな黒い箱を子供たちに見せると、
「もちろん、中には何もありません」と、中身も見せつつ
そう言葉を口にするー。
確認が終わると、
愛梨がその箱の中に入りー、
光汰が箱に手をかざすー。
「ー今から、愛梨さんが瞬間移動しますー」
光汰が、そう言葉を口にしながら、
少しオーバーリアクション気味なポーズを取ってみせるー。
そしてーー
「ーーーはっ!!」と、
手から”魔法を放つかのような”リアクションをするーーー
それと同時に、舞台裏に隠れていた愛梨の双子の妹・天音が
「じゃ~ん!」と、2階部分から姿を現すー。
がーー
「ーー!?!?!?!?!?!?!?」
天音が無事に2階から姿を現したー…と、いうことを
確認する間もなく、
光汰は”ある異変”に襲われていたー。
”な…????”
”はっ!”と魔法を放つような仕草をしたと同時に、
光汰は突然”真っ暗な場所”に飛ばされてしまったー。
それと同時に、箱の中に隠れていたはずの愛梨は
拍手に包まれる体育館に立っている状態になっていたー。
「ーーえ…???」
箱の中に隠れていたはずの愛梨が
戸惑いの声を出すー。
が、そこで更なる衝撃を受ける愛梨。
それもそのはずー、自分の口から出た声が”自分の声”ではなく、
彼氏であり、マジシャンである光汰の声に
なっていたからだー
「ーーーーえっ…こ、これってー…なに?」
光汰になってしまった愛梨は戸惑いの表情を浮かべながら、
2階にいる自分の双子の妹・天音の方を見つめるー。
体育館の2階部分から、そんな光汰(愛梨)の
不思議な視線に気づいた天音は
”え?わたし、何かミスった?”と、不安を覚えながら、
1階の舞台の上にいる光汰(愛梨)を見つめ返すー。
光汰(愛梨)も戸惑っている状況の中、
やがて、箱の中から声が聞こえて来たー。
”ーーい、いったいどうなってるんだー?誰か、聞こえるかー?”
とー。
箱の中から聞こえて来たのは、愛梨(光汰)の声ー。
光汰になっている愛梨からすれば
”わたしの声”が、箱の中から響いて来ている
状況を前に、心底驚いたような表情を浮かべるー。
「ーーは、箱の中にいるのはー…わ、わたし?」
光汰(愛梨)が子供たちの拍手に包まれる中
そう言葉を口にすると、
愛梨(光汰)は”あ、あぁー”と、そう返事を返すと
”俺と…愛梨のか身体が入れ替わってる…のか?”と、
そう言葉を付け加えたー。
光汰(愛梨)は「ーーそ、そうみたいだけどー
でも、どうしてー?」と、不安そうに言葉を返すー。
”わ、分からないー
けど、まだショーの途中だからー”
愛梨(光汰)が箱の中からそう言葉を口にすると、
光汰(愛梨)はハッとした様子で子供たちの方を見つめるー。
そしてすぐに、
「ーー瞬間移動、どうだったかな?」と、
光汰のフリをして、子供たちに笑顔を振りまきながら、
マジックショーを再開するー。
事情が分からないまま”2階に瞬間移動した設定”の
愛梨の双子の妹、天音が階段から降りて来ると、
”愛梨”の代わりに、マジックショーの助手を始めるー。
元々、さっきの瞬間移動マジックのあとは、
一旦片付けのために舞台裏に箱を移動させるまでは、
双子の妹である天音が愛梨のフリをして
そのまま助手を続ける予定であったため、
これは予定通りの動きだー。
けれどーー…
予定外なのは、光汰の中身が愛梨になってしまったことー
「ーじゃあ、瞬間移動マジックの次はー」
光汰(愛梨)が子供たちの前でそう言葉を口にすると、
すぐに小声で”なんだったっけー…?”と、
箱の中にいる愛梨(光汰)に確認するー。
すると、光汰(愛梨)は
”次はカードを増殖させるマジックだけど、あれは難易度が高いから
予定を変更してー、
カードの絵柄を変える方にしようー”と、
箱の中から静かにそう呟いたー。
「う、うんーわかったー」
光汰(愛梨)は小声でそう言葉を口にすると、
二人が入れ替わってしまったことにまだ気付いていない
双子の妹・天音は不思議そうな表情を浮かべるー。
「や、やり方はー…」
また、箱の前でしゃがんで光汰(愛梨)がそう言葉を口にすると、
やがて、子供たちが「どうかしたの~?」「早く~!」と、
次のマジックを急かし始めるー。
そんな状況に、光汰(愛梨)は「え、え~っと、ちょっと待っててねー」と、
それだけ言葉を口にすると、
愛梨(光汰)から、”絵柄を変えるマジック”の手順を確認するー。
ようやく、確認を終えた光汰(愛梨)はそのまま
「じゃあ、次のマジックを始めるよー」と、
光汰のフリをしながら、マジックを再び再開するー。
”あ、愛梨ー、大丈夫かなー?”
愛梨(光汰)は箱の中に身を潜めたまま、
心配そうに心の中でそう言葉を口にするー。
いつも、愛梨はサポート役に徹していて、
愛梨自身は別に手品を実際に人前で見せることはないー。
手品の数々はどれも、素早い動きと正確な動きが必要になるために、
慣れていないとなかなか難しいのも事実だー。
「ーーはい、ほら!持っていたキングがクィーンになったよ」
光汰(愛梨)が、不慣れな手つきでそう言葉を口にしながら、
子供たちに向かって”絵柄を変えたカード”を見せ付けるー。
がー、子供たちはそんな光汰(愛梨)を見て、
困惑した表情を浮かべているー。
そして、横に立っている愛梨の双子の妹・天音も
戸惑いの表情を浮かべながら
「ちょ、ちょっとー光汰さんー?」と、小声でそう言葉を口にするー。
「えっ…」
光汰(愛梨)は戸惑いながら、子供たちの方に向けたカードを見ると、
それはクィーンではなく、スペードの10になっていたー。
「あ、あれれれーおかしいなぁ あはははー」
光汰(愛梨)は、マジックが上手く行かなかったことに
動揺しながら笑うと、
箱の中に隠れたままの愛梨(光汰)は
”まずいー…っていうか、この状況は一体ー?”と、
入れ替わってしまった状況を前に、箱の中で一人戸惑うー。
しかも、”箱の中”という狭い空間ー
双子であることを利用した瞬間移動マジックのために、
愛梨は身を隠した状態であったために、余計に状況が
分からず、しかも箱の外に出るわけにも行かず、
その不安や混乱はより強まっていくー。
加えてーー
「ーーか、髪がーーくそっー」
狭い空間にいるせいで、愛梨の長い髪が
色々な場所に当たってどうしても気になってしまうし、
胸にも触れてしまってドキドキしてしまうー。
「~~~~~」
ついでに、香水の香りやら、色々な香りが箱の中に充満して
さらに平常心を保つのが難しくなっていくー。
「ーね、ねぇ…つ、次はどうしようー?」
「ーえっ」
ふと、我に返った愛梨(光汰)は
箱の外から、光汰(愛梨)に話しかけられていることに気付いて、
ハッとした様子で
「あ、えっと…次はー…ーーできるだけ簡単なやつをー…」
と、愛梨(光汰)は箱の中からそう言葉を口にするー。
光汰(愛梨)は不安そうに
「ーわ、わたし、どれも実際にやったことはないからー…」と、
そう言葉を口にすると、
愛梨(光汰)は「そ、そうだよなー」と、箱の中から
そう呟きながら、
「あ、そうだー…だったらシルクハットの中から大量のカードを
取り出すやつー」と、そう言葉を口にするー。
「で、できるかなぁ…?」
光汰(愛梨)は不安そうに呟くー。
その言葉に、愛梨(光汰)は
箱の中から「できるよ!」と、そう言葉を口にして
エールを送ると、光汰(愛梨)は
「や、やってみるー」と、そう返事をしたー。
相談している間ー、
壇上にいる”光汰”が何を話しているかまでは
子供たちには聞こえていなかったものの、
待たされている状態の子供たちは
”まだ~?”と、不満を口にし始めるー。
そんな子供たちを、愛梨の双子の妹・天音は
「もうちょっと待っててね~!」と、必死に誤魔化していると、
ようやく、光汰(愛梨)は「じ、じゃあー……お待たせ」と、
そう言葉を口にして、
シルクハットから、大量のカードを出現させるマジックを
やり始めたー。
しかしー…
しばらくすると、体育館内に悲鳴が響き渡り始めたー。
「ーー!?!?!?」
箱の中に身を隠している状態の愛梨(光汰)は
”い、一体何が?”と、そう思いつつ、
箱の中から咄嗟に飛び出してしまうー。
するとー、
シルクハットから、何故かカードではなく、
大量のハチが出現してしまっていて、
光汰(愛梨)も、愛梨の双子の妹・天音も
慌てて逃げ出そうとしていたー。
しかもーーー
「ーあっ!同じ人が二人いる!?」
「ほんとだ!」
「ーもしかして瞬間移動ってインチキ!?」
逃げ惑う中、一部の子供たちが箱から飛び出した
愛梨(光汰)を見てしまい、そんな言葉を口にするー。
「あ……」
愛梨(光汰)は呆然としながら
マジックショーの”大失敗”を悟り、その場に膝をつくー。
入れ替わってしまった二人は知らないー…
”愛梨”は、遠い遠い先祖に、魔法を使うことができる人間がいて、
今日、何らかのきっかけで潜在的に眠っていたその力が
目覚めてしまったことをー。
本人に自覚がないため、その力を使いこなすことはできないものの、
それが原因で入れ替わりが起きたり、シルクハットからハチが出現したり、
そのようなトラブルが起きてしまったー。
がー、そんなことを二人が知るのは、まだまだ先の話だったー…。
おわり
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
コメント
1話完結の入れ替わりモノでした~!
こういうショーをやっている最中に
入れ替わっちゃったりすると、
色々対応も大変ですネ~!!
お読み下さり、ありがとうございました~!☆!
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コメント
これもありそうでなかったストーリーですよネ!!!!
双子の瞬間移動はありありですネ!☆笑
マジックの最中に予想外な入れ替わりが起きて…ハットからはハチが出て…
結局、二人は元に戻れてたんですか!?
感想ありがとうございます~!!
双子だったら現実でも色々マジックに使えそうですネ~!!
…二人は元に戻ってないデス~笑
マジックで双子を現実に使ったりしてますよ笑
2人は元に戻ってないのですネ~!☆!★
愛梨の祖先は魔法使いなので…あの後に色々、試して元に戻ったと思ってました笑
愛梨ちゃんは魔法をコントロールできないのデス…笑
双子は便利(?)ですネ~!笑
このパターンの双子は便利ですが髪型もメイクも同じにしかできないのデス~笑
無名さんのカラダになって超ミニスカ履いてオシャレ春コーデして服装に合わせて髪型やメイクも拘りたいのデスデス~☆\(^o^)/☆笑
マジックで同じ人物扱いするなら
全部合わせないとダメなので大変ですネ~!
私には双子はいないので安心(?)デス~!!
無名さんの双子バージョンも見てみたいですネ!!笑
無名さんの皮をコピーして自分が無名さん公認の双子になるのデス\(^o^)/笑
オシャレやコスプレいっぱいしちゃうのデス(*´艸`)笑
私が双子になる物語~!?笑
なかなかマニアックなのデス~!!☆
マニアックで面白いですネ(*´艸`)笑
自分も無名さんの皮をコピーして無名さんになって一緒にオシャレしたりコスプレしてみたいのデス☆\(^o^)/☆笑
デスデス~!!★
笑~★
コピーの皮!!
なんだかお話のネタにできそうデス~!!
ホントお話しのネタにできそうですネ笑
無名さんのストーリーも進化して…宇宙まで行く時代ですからネ笑
コピーの皮もちろん相手の女性公認で2人でオシャレしたりコスプレしたりプリクラ撮ったりコスプレイベント参加したり…( *´艸`)笑
宇宙にも未来にも過去にも、
お話のためなら
どこにでも行くのデス~★笑