100万アクセス記念短編⑩~THE憑依~

憑依空間100万アクセス達成、
本当にありがとうございました!

今後も皆様に少しでも楽しんでもらえるように
頑張りますのでよろしくお願いします!

記念短編最後の一つは
「THE 憑依」です。

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彼女は、17年間生きてきた。

優しい両親の元で育ち、
大切な妹も出来た。

高校に入学して、
部活に、アルバイトに充実した高校生活を送り、
アルバイト先では、同じ高校生の男子と知り合い、
彼女彼氏の関係になった。

特別、裕福なわけではないけれど、
それはそれで幸せな人生を送っていた。

そしてー
これからも、人生には、
たくさんの希望があるー。

そう、
思っていた。

けれどー

「-----ひっ……」

彼女は次第に自由が利かなくなる
身体をなんとか動かそうとしながらも、
恐怖に表情をゆがめていた。

何故ー

何故なの?

どうして、どうして身体が動かないの?

彼女は、恐怖から
パニックに陥った。

叫びだして、
泣き出したい

助けを求めたい。

1階から、
聞きなれた声が、聞こえてくる。

「お姉ちゃん~~
 ごはんできたよ~~」

妹の声。

階段を十段ちょっと降りれば、
”日常”がそこにはあるー
なのにー
足が、動かない。

「---た、、、たす…」
”助けて”
そう叫ぼうとした。

でもー
口が思うように動かない。

代わりにー

「うん、ちょっと待ってね~!」
と、

口から”勝手に声が出た”

誰?
わたしの体を勝手に動かしているのは、誰?

なんで、わたしの体は、
勝手に動いているの?

”おまえのことが気に入った”

ふいに、声が聞こえてきた。
私が気に入った?
何を言っているの?
全く、分からない。

「------!」
声を出そうとしても、
声が出ない。

「んふっ・・・あぁ・・・はぁぁぁっ!」

わたしは今、何をしているの?
胸を触って喘いでいる?
どうしてー?

やがて、自分の体が自分のものではないような
そんな感覚に襲われる。

だんだんと、自分が自分の体から
切り離されていくような感覚。

日常がそこにあるのに、
その日常から追い出されるような感覚。

彼女は、パニックになった。

”俺が、お前になる。
 俺が、お前の人生を貰う”

なんで?
どうして??

わたしの17年間ー
奪われちゃうの?

「---ふふふ・・・
 今日からわたしが、女子高生♪」

鏡の前でポーズを決めるわたし。

鏡の前でどうしてわたしは
嬉しそうにしているの?

ーー鏡に写っている女の子は
とても可愛らしく見えた。

”これからは、俺がお前の人生を
 楽しむから、
 お前はゆっくりおやすみ”

わたし・・・

なんだか、眠くなってきたみたい。

なんだか、怖い・・・

でも、とっても、気持ちいい。

”こわくなんかないよ”

”ゆっくり、ゆっくり、俺に身をゆだねて”

”だいじょうぶ、何も心配はいらないから”

そっかー

そうだよねーー

なんだか、
とっても、

心地よい・・・

すぅ・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「お姉ちゃん、遅かったね!」

1階に下りると、妹が姉に声をかけた。

姉の顔には笑みが浮かんでいた。

「どうしたの?一人でニヤニヤしちゃって!」
妹が笑うと、
姉は優しく返事をした

「ううん。なんでもない」と。

そしてーーー

”これから、よろしくね”

と、不気味に微笑んだー。

これは、この世で起きている
数え切れないほどの”憑依”の一つに過ぎない。

憑依はーー
いつ、どこで、起きるのか。

憑依がどんな悲劇をもたらすのかー

これからも、数え切れない憑依の、
ほんの一握りの物語を、
語っていかなくてはならないー

おわり

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

コメント

100万アクセス記念短編10作品でした!
時間的に、10個用意するのは
厳しいかな?とも思ったのですが
なんとか用意できてよかったです!

皆様一人ひとりに感謝のきもちでいっぱいです!
これからもよろしくお願いします~!

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