借金を返せず、夜逃げを図る男ー
しかし、夜逃げ決行の当日ー
取り立ての男に見つかってしまってー…!?
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「よぉ、鈴木。どこに行こうとしてたんだぁ~?」
終わった
30代フリーターの鈴木 与一郎(すずき よいちろう)は絶望した。
与一郎は、ギャンブルが大好きだったー。
楽しむだけなら良かったのだが、
彼は「やめ時」を自分でコントロールできないタイプだったー。
借金に借金を繰り返して
最終的にはどうすることも出来ず、
与一郎は今夜、アパートを捨てて夜逃げするつもりだったー。
だが、消費者金融の男・荻久保(おぎくぼ)は、
それを読んでいたようで、
アパートから飛び出した直後、
声を掛けられてしまったのだったー
「鈴木ちゃんよ。お前の大好きなパチ屋は
こんな時間にはやってないぜぇ~?」
荻久保が笑いながら与一郎の肩に手を回すー
「---ちょ、、ちょっと、コンビニに」
与一郎がそう呟くと、
荻久保は笑ったー。
「鈴木ちゃんよ。嘘はいけねぇ。
そんなに鞄を抱えて、コンビニに行くのか?
お?ゴルフ用品でもコンビニから発送するのか?あ?」
荻久保が、与一郎を睨むー
「あ、、、い、、いや」
与一郎の目は明らかに泳いでいたー
「嘘は~~~いけねぇなぁ!
借りたもんは返す!
ガキの頃、お袋から習わなかったのかぁ~~~???
あぁ~~??????」
荻久保が与一郎に唾を飛ばしながら
怒鳴り後をあげるー。
「---ひっ、、ひぇっ」
与一郎は恐怖のあまり、足がすくんでその場に座り込んでしまうー
「--鈴木ちゃんよ。
どうしても金を返せねぇってんなら、
俺に考えがある」
荻久保が、ケラケラ笑いながら、
座り込んだ与一郎に顔を近づけるー
「”身体”で返すんだ」
荻久保の言葉に、
「ひっ、、どうか!どうか命だけは!」
と、与一郎が土下座をするー。
”金で返せねぇなら身体で返してもらうぞ”
与一郎は、その言葉の意味を知っているー
きっと、ドラム缶にでも詰められて海に
沈められてしまうんだ…
与一郎はそう思いながら
「どうか、どうか、命だけは!」と泣きながら命乞いをした。
「ふぅ」とため息をつく荻久保ー。
「---バカが、テメェの命なんか、カスみたいな金にしかなりゃしねぇよ」
荻久保が、近くの壁によりかかり、煙草に火をつけながら呟くー
「--鈴木ちゃんよ、テメーは映画の見過ぎだぜ?
人間バラしたら犯罪になっちまう。
俺たちだって、そんなリスクのたけぇことはしねぇよ」
荻久保が煙をふかしながら、与一郎のほうを見るー
「じ、、じゃあ、いったい…!」
「---お前が、身体で稼ぐんだよ」
荻久保の言葉に、なおも与一郎は、涙目で叫ぶー
「お、、俺が!?30代のおっさんの俺に、需要なんか…!?」
与一郎が言うと、荻久保は笑ったー
「あぁ、そうだな。
イケメンでもねぇ。金持ちでもねぇ。スキルもねぇ。
テメーみたいなおっさんに、確かに需要はねぇよ。」
分かってはいたけれどー
与一郎は荻久保にダイレクトに言われてショックを受ける。
「ま、いいさ。とにかくついてこい」
荻久保の言葉に、震えながら、与一郎は荻久保の車に乗るー。
「--逃げようとすんじゃねぇぞ。
逃げたらマジで、鈴木ちゃんを缶詰の中身にしないといけなくなるからな」
荻久保はそれだけ言うと、車を走らせたー
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
事務所のような場所に連れて来られると、
荻久保が、与一郎をイスに座らせたー
”やっぱり殺されるんじゃ…”と
不安を覚える与一郎ー。
荻久保が注射器を手にするー
「さぁ、鈴木ちゃんよー
お前は今日から、身体で稼ぐんだー」
「ひっ!?」
与一郎は悲鳴を上げるー
得体の知れない注射ー。
あれか?薬の類か?
それともー
一瞬で殺す毒か何かか?
与一郎は「お助けを~~~~!」と叫ぶ。
だがー
荻久保は、無情にも与一郎に注射を容赦なく打ち込んだー。
「--あ、、、あ」
急激に身体が苦しくなってくるー
今までに感じたことのない、体中を駆け巡るー
謎の”ぞわぞわ”
「--う、、、あ、、、あ、、な、、なんだこれ…?」
身体に激しい悪寒が走ったと思ったら
続けて、激しい熱を感じるー
何が起きているのか理解できないー
そうこうしているうちに、自分の声に”変化”が現れたー
「う、、、あ…あぁ…お、、俺の…あ、、、あぁ」
声が、どんどん変わっていくー
低めの声から、高い声にー
そして、身体にも変化が現れたー
髪が長くなりー
胸が膨らみー
肌の艶が変わっていくー
「お、、、お、、荻久保さん…!俺に何を…!?」
与一郎はもがきながら叫ぶー
その声は、今までに聞いたことのないような高い声だったー
「うぁっ!?」
股間のアレがしぼんでいくのを感じた
与一郎は慌ててズボンの上からそのあたりを押さえるー
荻久保は
「へへへへへ」と笑っているだけで、助ける様子はないー。
与一郎の”変化”を楽しんでいるようなそぶりだー。
「---あ、、、あ…」
次第に悪寒や”ぞわぞわ”今までに感じたことのないような
不思議な感覚が消えていくー
「はぁ…はぁ…はぁ…」
与一郎は、荒い息をしながら、荻久保を見つめたー
「---へへへ 鈴木ちゃんよぉ、なかなか可愛いじゃねぇか」
そう呟くと、荻久保は、小さな鏡を取り出して、
与一郎に見せたー。
「あ、、、えっ!?!?え!?!?」
そこにはー
可愛らしい美少女がいたー。
「---え…!?!?こ、、これは…?」
与一郎が呟くと、
荻久保は笑みを浮かべたー
「”身体”で返してもらうっつったろうが。
今日からお前は、女として、身体で金を稼ぐんだ」
荻久保の言葉に、
与一郎は、戸惑うー。
だがー
すぐに「は、、はい…!」と嬉しそうに答えたー
目をキラキラさせている与一郎ー。
「---と、そうだ、」
荻久保が何かを投げ付けるー。
「--これは?」
与一郎が受け取ったのは、
そこには「鈴木 芳美(すずき よしみ)」と書かれた
身分証ー。
「偽造した架空の身分証明書だ。
鈴木ちゃんよぉ、今日からお前は
鈴木芳美という架空の女として生きるんだ。
その身体で、金を稼ぎながら、な」
荻久保の言葉に、
与一郎ー…
芳美として生きていくことになった与一郎は
唾をゴクリと飲み込んだー
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
その日から、与一郎は、
荻久保らの金融会社が経営するキャバクラ店や、
風俗店、
荻久保らが撮影しているAVなどに出演して
”金”を”身体”で稼ぎ始めたー
荻久保は定期的に与一郎…芳美になった与一郎の
様子を見に来ていたー
「よぉ鈴木ちゃん」
キャバクラ店の営業時間終了後に、荻久保がやってくるー
店長に「ご苦労さん」と肩を叩くと、
芳美に名前を変えた与一郎の隣に座るー
「どうよ?女としての生活は」
荻久保が言うと、
「すっごく楽しい!」と、与一郎が叫んだー
仕草も言動もすっかり女らしくなっているー
いや、何なら可愛いー
荻久保も、抱きたい、と思えるぐらいだー。
「--へへ、鈴木ちゃんよぉ
お前、女に生まれたほうが最初からよかったんじゃね?」
荻久保が言うと、
与一郎は「そうかもしれないですぅ~!」と嬉しそうに声を出したー
与一郎は、女体化の薬の影響で
女っぽくなっているのではなくー
自らの意思で、女っぽい言動に、染まっていたー。
キャバ嬢として働いたりー
AVに出たりしている自分はー
”今までにない輝き”を感じたー
思えば、与一郎の人生は悲惨だったー
友達もあまりいなかったし
学校の成績もイマイチだったし、
何もかもが、微妙だったー。
ギャンブルにはまって
借金を背負い、
荻久保から情けなく逃げる日々ー
だが、女になってそれが変わったー。
「---」
自信に満ち溢れたキラキラした目をしている
与一郎を見て、荻久保は笑ったー
「これまでにも何人かに、身体で稼いでもらったがー
みんな、心が折れたー。
お前は、大したもんだよ。
鈴木ちゃんよぉ」
荻久保はそこまで言うとー
「---今度、俺の相手もしてもらえるか?」と笑みを浮かべたー
「--うふふふ…もちろんですぅ」
与一郎が嬉しそうに言うー
「ははは!お前ほど女を堪能してるやつ、見たことないぜ!」
荻久保は愉快そうに笑ったー
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
与一郎は”女”を武器に働くことに
優れた才能を発揮したー
「--はぁ…はぁ…やっべぇじゃん、鈴木ちゃん…」
与一郎と激しいエッチを繰り返した果てに、
荻久保は笑みを浮かべたー
「ふふふ…」
与一郎は、女体化したことで、
自信をつけ、
女体化から数カ月ー
まるで”女王”のようになっていたー。
「---荻久保」
与一郎が言う。
「---はぁ…はぁ…」
荻久保はまだ興奮しているー。
「---わたしに、踏まれたい?」
与一郎の言葉に、荻久保はゾクゾクしながら
「お、、おうよ!」と答えるー。
だがー
与一郎は、冷たい目でー
まるで、ゴミを見つめるかのような冷たい目で
荻久保を見つめたー
「----は、、い、、いや、、、お、、お願いします!」
荻久保はそう叫んで土下座するー
与一郎が笑いながら
荻久保を踏み始めるー
「うふふふふふ!あんたはわたしの下僕よ!
うふふふふふ!あははははははっ♡」
いつしかー
立場が逆転したー
金融会社を経営する裏組織の中心人物だった荻久保ー
だが、やがてー
与一郎が”女帝”として君臨するようになったー
与一郎は”女で生まれてこそ”才能を発揮する人間だったのだー。
”男”というジョブと与一郎の”相性”が合わなかったー
それ故、ギャンブルに溺れるフリーター生活を送ることになってしまっていたー。
だが、今は違うー。
”女”にクラスチェンジした与一郎は、
自分の才能をようやく発見したー。
与一郎は、
女に生まれてこそ、輝く人間だったのだー。
半年が経過したー。
元々が与一郎だとは信じられないほどに
自信に満ち溢れた表情を浮かべー
キラキラした服に身を包んでいる与一郎ー。
彼自身、今や完全に心も女になっていて、
自分が与一郎であったことにも、もはや興味はない。
今はー
自分は与一郎ではなく、芳美なのだー。
あんな生活をしていた自分が嘘みたいだー。
美貌と、地位と、何もかもを手に入れた彼女は、
今や、臆病だった性格も完全になくなって、
まるで女王様のような振る舞いをするようになっていたー。
”得るもの”が増えれば、
人は、変わるー。
「---おはようございます!女王様!」
まるで女神のように崇められて優越感を感じながらー
胸や足を強調した服装で、店内を歩くー。
「---おら!お前ら、芳美様がご到着なされたぞ!」
荻久保も、今ではすっかり、芳美となった与一郎の手下だー。
荻久保自身も、その状況に満足して、
すっかりと芳美の言いなりになってしまっているー。
「---ふふふふ……
身体で返すどころか…
身体で何もかも手に入れたー…
ふふふふ…
最高…♡」
芳美と名を変えた与一郎は、満足そうに、笑みを浮かべたー
おわり
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
コメント
1話完結の女体化モノでした~!
身体が変われば、新しいチャンスが生まれることもある…?
かも、しれませんネ~!
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