<女体化>俺の銀髪美少女デビュー①~女体化~

ある日、目を覚ましたら突然、
銀髪美少女になっていたー…!?

そこから始まる、思わぬ展開…!

※果実夢想様(@fruitsfantasia)との
 リレー形式合作デス。
 内容は一切打ち合わせなしで、
 数百文字程度ずつで交代交代で書いた作品になります!
(※誰が書いているか、担当箇所ごとに表記しています (例 ②無名 など)

※本日の通常の小説は、既に更新済みデス
(この1個前にあります)


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①【果実】

 ――むにゅっ。

 窓から差し込む眩い陽光と、手のひらに伝わる柔らかい感触で目が覚めた。
 瞼を頻りに擦りながら、上体を起こす。

 まだ少しぼんやりとする頭で、ぼーっと自身の手のひらを見つめる。
 さっきの感触は、一体何だったのだろう。
 いや、それだけじゃない。
 昨日までにはなかった、朝起きてすぐに感じた違和感は。

 ゆっくりと、背後を振り向く。
 最初に確認しておこう。
 俺の名は、夜暮(やぐれ)旭(あさひ)。
 中性的な名前ではあるが――正真正銘の男だ。
 当然、髪は黒く短い。
 いや、短かった……はずだ。

 だというのに、振り向いた先にあったのは白く長い髪。
 見覚えのない銀髪が、俺の頭部から伸びてベッドに垂れていたのである。

 そして、眼下を見下ろすと。
 決して大きくはないものの、ほんの少し膨らんだ小ぶりな乳房が――。

「あわ、あわわわわ」

 そんな奇妙な声を漏らしながらベッドから這い出て、慌てて姿見のもとへ四つん這い状態で向かう。
 そこに、映ってあったのは――。

 俺のよく知る自分自身の顔ではなく、知らない美少女の顔だった。

「な、な……なにこれぇぇぇぇ」

 無意識に叫んだ俺の声は、いつもの低い声ではなく、まさに女の子らしい甲高い声だった。

②【無名】

「え…これって…どういうこと?」
俺は、甲高い声で呟くー

意味が分からない。
昨日の夜までは、普通だったはずー。

それが、朝、起きたら突然の銀髪美女だと…!?

全く意味が分からない。

俺は鏡の前で茫然と鏡に映っている、
銀髪美女を見つめるー。

にこっと笑ってみるー
鏡に映るかわいい子が、にこっと笑うー。

「--こ、、こ、、こ、、こんにちは…」
俺は思わず挨拶をしてしまうー

いや、今の時間帯はおはようございます、か?
いや、そんなことはどうでもいいー。

そんな風に思っているとー

「----きゃあああああああああああ!」
と、いう悲鳴が聞こえたー

「---ぎゃああああああああああああああああ!」
俺も叫んだー。

「---ひ、、ひ、、ひ、、人の家で、何、何してるんですか?」
妹の優姫(ゆうひ)が悲鳴を上げているー。

やばいー
これは、このまま不法侵入銀髪美少女にされる流れだー。

そう思った俺は叫んだ。

「待て!話せばわかるー」

とー。

③【果実】

 怯えた様子のままスマホを取り出し、すぐさま通報を始めようとする妹、優姫。
 俺は慌てて止め、目が覚めたらこうなっていたことを説明する。

「……つまり、あなたは私のお兄ちゃんで。起きたら、いきなり女の子になっていたと?」

 こくこく、と何度も頷く。
 今の俺には、それくらいしか分かっていることがないのだ。
 これだけで、なんとか信じてもらうしかない。

「何言ってるんですか、そんなことあるわけ――」

「俺は夜暮旭、身長は168、体重は54、A型! 誕生日は2月……」

「……す、ストーカー!?」

「ちがぁうッ! 俺が旭なんだって!」

 俺自身の個人情報を言えば、さすがに信じてもらえるかと思ったのに。
 しょうがない。
 だったら、もっと俺以外に知ってる人がいないようなことを言ってやるしかないか。

「……お前さ、小学高学年くらいまで時々おねしょ――」

「わーっ!? それ以上は言わないでぇぇ!?」

 湯気が出そうなくらい真っ赤な顔で、俺の口を両手で塞いできた。
 これは未だに俺しか知り得ない恥ずかしい情報だ。信じてもらうためにはやむを得ない。

「……わかった、わかった信じるからぁ」

 なんか涙目にすらなっている妹を見て、罪悪感で少し胸が痛んだ。ごめん。

④【無名】

同時刻・函館ー。

ザッー。
黒いシルクハットを被った体格の良い男が、
赤信号の横断歩道を堂々と歩いていたー。

クラクションの音が鳴り響くー

だが、そんな音が耳に入っていないかのように
男は横断歩道をゆっくりと渡るー。

「--女の子になった男の子は、実に美しい」
男は、そう呟きながら、近くのバーに入ると、
酒は注文せずにコーヒーとカルピス、そして馬刺しを注文した。

男は、コーヒーの中にカルピスを混ぜていくー。

”元男の女”と
”ふつうの女”

ここには、決定的な違いがあるー。

このカルピスを注いだコーヒーのように、
”元々の要素”が必ずどこかに存在するのだー

「---それがまた、美しいー」
男はそう呟くと、静かに笑みを浮かべたー

男は探し求めているー

”元男の子の女の子”をー
己の性癖を満たすために。

⑤【果実】

「……とにかく、何でお兄ちゃんがそんなことになっちゃったのか、だね」

 俺の姿を上から下まで舐るように見つめ、神妙な面持ちで優姫は呟いた。
 心当たりなど、当然あるわけがない。

「とりあえずさ、病院で診てもらおうよ。もしかしたら、何か分かるかもしれないし!」

「女の子になる病気なんて聞いたことないし、医者でも分かるかぁ?」

「何もしないよりはマシでしょ! ほら、早く。善は急げ、だよ!」

「……善かどうかは分からないけど」

 ぼそっと呟きながら服を脱ごうとして。
 今は、元々着ていた男物の服だということを思い出した。
 部屋でならばまだいいが、当然サイズが合わずにブカブカだし、こんな格好で外になんて出られない。

「あ、あの……服、貸してくれない……?」

「あー……それなら、下着も変えなくちゃいけないよね。私のパンツでいい?」

「ふぁっ!?」

 病院に向かう前に、中身が男としてのプライドやら何やらが色々と破壊されてしまう羽目になった。
 今は女の子だとしても、恥ずかしすぎる。

⑥【無名】

「---だ、、ダメだ」
俺は顔を真っ赤にしながら呟いた。

「--え」
優姫が一瞬表情を歪めたー

いや、そんな顔されても困るー。

「い、、い、、妹のパンツ履くとか、俺は変態じゃないし!」
俺は、そう答えたー。

状況的に仕方がないことは分かっている。
けれどー
やっぱダメだ。

ダメなものは、ダメだ。

「---何よ、私のパンツ、履けないっていうの?」

ちがーう!
そういうことじゃない。

なんだか、こう…
言葉には言い表しにくいけど、妹のパンツを履いたら
兄として、いや男として?
終わってるような、そんな感じにー

「-----」
俺が心の中で葛藤していると、
優姫がため息をついてから呟いた。

「じゃあ、お母さんのパンツ持ってくるから、それでいいわね?」

そう呟くと、母の部屋に向かう優姫ー

「--あ~~~それなら」

「って…ちがーーーう!そういう問題じゃねぇええええええええええ!!!!」

俺は、叫んだー。

⑦【果実】

 結局、あれから。
 さすがに母親の下着を履くのは精神的にもキツいということで、その二つを天秤にかけた結果、妹の下着をつけることにした。

 当然男のよりも面積は狭いし、誰かに見せるわけではないにしても恥ずかしいし、色々と落ち着かない。
 自分の顔は見えないから分からないが、きっと今はすごく赤くなっていることだろう。
 何だ、この羞恥プレイは。

「うんうん、似合う似合う。可愛いよ、おに……お姉ちゃん!」

「嬉しくない! あと心まで女になったわけじゃないから! せめてお兄ちゃんにして!」

「……それ、いつか堕ちちゃう人のセリフだよ」

「やめて!」

 全く、何で俺がこんな目に遭わなくてはいけないのか。
 そもそも、どうしていきなり女の子になったのか。
 いくら考えても、答えなんて一向に出てこないけど。

「それじゃ、さっそく行こっか」

「……もはや、さっそくじゃないけどな」

 今から、こんなことになった原因や元に戻る方法などを探るため、病院へ向かう。
 期待と不安が綯い交ぜになるのを感じながら。

⑧【無名】

「----朝、目が覚めたら女の子になっていたぁ?」

病院ー

診察室に呼ばれて「黒田」と名札をぶら下げた先生に
俺は、朝起きたら女の子になっていた、ということを告げると、
黒田先生は声を上げたー

「ははははっ!ははははははははっ!」

俺は、顔を真っ赤にしながら
ぷるぷる震えていたー。

「---ははははははっ、ははははは」

笑うのなげぇよ。

そう思っていると妹の優姫が、
「それで、先生…お兄ちゃんは」
と、口を挟んでくれたー

ナイス!
俺はそう思いつつ、先生の返事を待つー。

黒田先生は「いやぁ、すまんすまん」と言いながら
半分剥げている頭を掻くと、
俺たちのほうを見つめた。

そして、
口を開いたー

「それはね、、あれだね、、、
 君は、自分を男だと思っているー
 でも、身体は女の子だ。

 つまり、あれだ

 性同一性障害、ってやつだね。

 紹介状を書くから、詳しい先生のところでー」

俺は、病室を出たー。

話にならないー

「--ちょ、お兄ちゃん!諦めたら試合終了だよ!」
後を追ってくる優姫は、
俺に言い放ったー

「次の病院、いってみよー!」

とー。

優姫…
俺のこの状況を…楽しんでやがる…!

俺は、そう思わずにはいられなかったー

⑨【果実】

 一体、どれだけの時間が経過したのか。
 近くにある病院を手当たり次第に回り、それだけでなく隣駅にまで行って次から次へと医者に診てもらい――。

 結果、どこも最初に診てもらった黒田先生と似たような反応。
 つまり、男がいきなり女になったという事実を一切信じてはくれなかったのである。
 まあ、無理もない。
 当の本人である俺ですら、未だに夢だとしか思えないくらいなのだから。

 空は、もうすっかり暗くなっている。
 さすがに、たくさんの病院に行って疲れてしまった。

「んー……続きは、また明日にしよっか」

「……なあ、また別の病院に行くのか? たぶん、どこに行っても同じだろ」

 これだけ色々な病院に行った挙げ句全てがだめで、そう思わざるを得なかった。
 きっと、誰も信じてはくれない。
 どこか一ヶ所だけ信じてくれて、そして元に戻る方法が見つかるなんて偶然、宝くじに当選するレベルの確率だろう。
 ま、性別が変わるというほうが、もっと有り得ないことだとは思うが。

「え、っと……と、とにかくさ、帰ろ? またあとで、一緒に考えようよ」

「……ん」

 さっきまではあんなに楽しそうだった優姫すら、気を遣っているのか心配そうにそう言ってきた。
 俺は静かに頷き、二人で帰路を辿る。

 いっそのこと、全部夢だったらいいのにな――なんてことを思いながら。

⑩【無名】

「早速ですが~」

夜ー
銀髪美少女になって落ち込んでいる俺の部屋に
突然、妹の優姫が入って来たー。

「---ノックぐらいしろよ」
俺の言葉に、優姫は全く反応を示さず
「じゃん!」と叫んだー

「何それ?」
俺が言うと、
優姫はにっこり微笑んだ。

「入浴セット~!
 さぁさぁさぁさぁさぁ、女の子はお風呂も大事だよ!
 さぁさぁさぁさぁお風呂場に行くよ!」

優姫に無理やり引っ張られながらお風呂場に向かう俺ー

おいおい、もう元気になったのかよー

いやー…

俺は、優姫のほうを見る。

優姫はきっと、俺を元気づけようとー
あえて明るく振舞ってー

「---わかったわかった!お風呂入るから!」
俺がかわいい声で叫ぶと

優姫は
「よ~し!女の子のお風呂、わたしが教えてあげる!
 お風呂から出るまで、わたしのことは師匠と呼びなさい!」
と、得意げに叫んだー。

俺は、お風呂に入るー。
銀髪美少女としてー。

②へ続く

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コメント

憑依空間400万記念作品として
今日から7日間、毎日通常の更新とは別に掲載していきます~!

相手と全く打ち合わせせずに、
リレー形式で書いた作品なので、
とんでもない方向に進んでいく…かも?

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