<女体化>俺の銀髪美少女デビュー⑦~決着~(完)

突然、女体化した、あの日の朝からーー。

この戦いに決着をつけ、
無事に男に戻ることは、できるのか…!?

最終回デス~

※果実夢想様(@fruitsfantasia)との
 リレー形式合作デス。
 内容は一切打ち合わせなしで、
 数百文字程度ずつで交代交代で書いた作品になります!
(※誰が書いているか、担当箇所ごとに表記しています (例 ②無名 など)

※本日の通常の小説は、既に更新済みデス
(この1個前にあります)


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61【果実】

 虹尾依貴と、銅厳。
 暫し睨み合い、ほぼ同時に銃を構えた。
 二人と銃弾は衝突し、弾け飛ぶ。

 ただ一瞬。
 その一瞬で、虹尾は咄嗟に左に俊敏に跳んだ。

 それは、想定外の動きだった。
 弾丸が衝突した直後に、間髪入れず次の弾を発射することで、反応する間もなく虹を仕留めようと思っていた銅厳にとっては。

 銅厳が撃った二発目の弾丸も、さっきまで虹尾がいた箇所を通り過ぎて壁に直撃。
 当然のように躱され――虹尾は逆に狙う。

 他でもない。
 銅厳の――シルクハットを。

 瞬時に撃った弾丸は、真っ直ぐ吸い込まれるように飛んでいき――。
 その銅色のシルクハットを、貫いた。

「な……貴様ッ!」

 一瞬驚いた顔をする銅厳だったが、それだけですぐに銃を構えて虹尾に向かって撃とうとした。
 しかし、視界に虹尾がいつの間にかいなくなっていることに気づき、戸惑って辺りを見回す。

「……悪いね。今の僕は、もう誰にも負ける気がしないんだ。君にも、青にだって」

「くはッ……!」

 姿が見えないところから銃弾を撃たれ、銅厳は血の溢れる脇腹を押さえる。

「この銃で全員たおして、僕が頂点に立ってやるさ。全てを、僕一人だけのものにするために。そのためには、君たちの存在は――」

 カチカチと、小さな音が鳴り響く。
 銅厳は、その音から虹尾の場所が分かった。

「くっ……そこか!」

 銃を構え、すぐさま撃つ。
 先ほどの音は、虹尾が別の弾を装填した音。
 確実に、相手を仕留めるための弾を。

「――邪魔なんだよ」

 虹尾は、銅厳のほうを見ることなく銃だけを向けて撃つ。
 虹尾の銃弾は、銅厳の撃った銃弾を貫いて。
 銅厳の胸を、貫通した。

「ぁ、お……」

 そんな、声にならない声を漏らし、銅厳はゆっくりと背後に倒れていく。
 それから、ぴくりとも動かなくなった。

「さて、と。そろそろ終わりにしようか――青」

 そう呟き、虹尾は再び歩き出した。

62【無名】

「--俺は!!負けない!!!!」

俺の大事な家族をーー
これ以上、弄ばれてたまるかー!

訳の分からない連中のためにー

「うおおおおおおおおおおおおお!!!」
可愛らしい声で叫びながらーー

俺は、白のシルクハットの女に飛び込んだー

シルクハットが吹き飛ぶーーー

「---!!!」
俺は、その女の顔を見たー。

「---母さん…!」

やはり、母さんだったー。

「----旭… 優姫…!? わたしは…?」

「--お母さん!」
優姫が母さんに近づいていくー

「--ふぅ…」
相生さんが安堵のため息をつく横で、
知らない女の人が、相生さんに近づくー

「--彼女は、実無果名…わたしの仲間よ」
相生さんがすぐに、俺に紹介してくれたー。

優姫と、果名さんが笑顔で話しているのを見てー
俺は、妹をこの人が守ってくれたのだと、すぐに理解したー。

「ありがとうー」

「どういたしましてー」

相生さんが、果名さんに「よく無事だったわね…」と呟くと、
果名さんは「銀城が、ここまで運んでくれて…」と、返事をしたー。

「--銀城が…?」
相生さんは少しだけ表情を歪めたー

銀城は、計算高い男だー。
”あえて黒神の仲間になっていた”のだろうー。

だがー
”その計算高さ”故にー
”さらにその先”を考えているのではないか、という不安もぬぐえないー。

「-----」

とは言えー
果名と優姫をここまで”無事に運んだ”のは事実ー

「---あとはーーー」

色々試案を終えた相生さんが、監視カメラの方を見つめるー

「---蒼樹流星ーーあんたよ!」
相生さんが、カメラの方を指さすー。

だがーーー
スピーカーから蒼樹流星の声は聞こえなかったー。

・・・・・・・・・・・・・・・・・

”そうですか”
蒼樹流星は笑みを浮かべるー。

「--果名が、生きていたー」

蒼樹流星は、持っている球体で、
”虹”の様子を確認するー

”銀”の様子は映らないー

映らないということは死んだことを意味するのだがー
銀城のことだー

”死を偽装”している可能性もあるー。

それにー
「---虹尾も間もなくここへ」
蒼樹流星は笑みを浮かべながら歩きだすー。

相生命ー
実無果名ー
あのガキどもと、その家族ー
そしてー”虹”

「--私は神になるー
 我が力を前に、ひれ伏したまえー」

蒼樹流星は、目の前に男が現れたことを確認すると、
笑みを浮かべたー

「--”青” 消えてもらうよ」
虹が微笑むー。

だがー
青も笑ったー

「虹尾…私は神になるぞー。」

”誰も全知全能の神になる私の計画など理解できまいー
 最強のサイコパスであるこの、私の計画などー”

何事にも動じなかった”虹”の表情がかすかに歪んだー

”虹”でさえ、”青”の行動を理解できなかったからだー。

蒼樹流星は、
虹よりも前にーー
銃を自分に向けてー

「---私は神になるーーー!!!!!」

と、叫んで、自分の頭を撃ち抜いたーーー

63【果実】

「……」

 虹尾依貴は、じっととある一ヶ所を見つめ続ける。
 眉根を寄せて、ひたすらに思案を巡らせながら。

「……青」

 静かに呟く。
 てっきり、これから自分は青と戦うのだとばかり思っていた。
 それなのに、実際は――。

 目の前で血を流しながら倒れている青。
 彼が、何も考えずいきなり自ら命を絶つとは思えない。
 だけど、その考えとやらを、虹尾は推測することができなかった。

「考えろ。考えろ。考えろ。考えろ」

 ひたすら、同じ言葉を何度も繰り返す。
 いくらそうやって思考しても、一向に答えなど出てこなかった。
 だから――虹尾は、ひとつの考えに至った。

「……まあ、いいさ。ここで青が脱落したなら、あとは……相生命と実無果名、そしてあの兄妹だけだ」

 ゆっくりと歩み出す。
 そして、倒れている蒼樹流星の近くにあった球体を拾い上げた。

「もう少しで、僕の悲願は達成される……! 見ていろ、全てを手にするのは、この僕――」

 それから続きの言葉が発せられることはなかった。
 短い、乾いた銃声。
 その音とともに、虹尾の胸部にひとつの銃痕が刻まれた。

「な……これ、は……」

 自身の体を見下ろし、おずおずと背後を振り返る。
 そこには、誰もいなかった。

 誰もいない。
 それはつまり、虹尾を撃った人物などいない、ということになる。

 じゃあ、一体――この傷は何だ?

「ふざ、けるな……僕は。僕は、こんなところで、終わってなんて――!」

 その続きの言葉は、再度放たれたひとつの銃弾に掻き消された。

「……ちっ」

 そんな舌打ちを最後に、虹尾は。
 ゆっくりと、その場に倒れた。

 そうか――僕は、ハメられたのか――。
 この、僕が――。
 あと十秒。いや、あと五秒気づくのが早ければ……今頃、お前は――。

 そんな思考をしながら、虹尾は静かに息を引き取った。

「ふふ……はははははッ」

 最後に、そんな高笑いが辺りに響き渡った。

64【無名】

「--あなたたちは、ここで待っていなさい」
相生さんが俺に対して言うー。

「--ここから先は、あたしたちの仕事ー。」
果名さんも呟くー

性転換薬ー
それによって、医療の進歩を目指したー

けれどー
結局は悪用される形になったー。

だからー
その始末は、自分たちでつけないといけないのだと、
相生さんは言うー。

「---母さん…優姫」
俺は、母さんと優姫の方を見つめながら
決意の表情で相生さんたちの方を見たー

「冗談じゃない。俺も行くー。
 こんな風に巻き込まれて
 「ここから先はあたしたちの問題」なんて
 言わせるか!」

俺は叫んだー。

「--俺だってもう、部外者じゃないー!
 最後まで戦いを見届ける資格はあるはずだー」

そう叫ぶと、
相生さんが、少しだけ笑ったー

「--ならーー
 足手まといには、ならないでよね?」

とー。

「--もちろん。
 残るシルクハット野郎を倒して、
 元の身体に戻ってやる!」

俺はそう叫ぶと、相生さん、果名さんと共に、
格納庫のさらに奥を目指して走り出すー

「優姫!必ず戻るから!母さんを頼む!」

俺はそう叫びー
前に進むー

「---!!止まって」
相生さんが叫んだー

誰かが倒れているー
近くには、虹色のシルクハットー

「虹尾ー」
相生さんが呟くー

No,013と書かれた虹色のシルクハットの側に
男が倒れていてー

その先にNo,001と書かれた
青色のシルクハットの男が倒れているー

「---蒼樹…」
果名さんが呟くー

「----」
相生さんが表情を歪めたー

”青”も
”虹”も死んでいるー?

これはーー

”ようこそーーー
 ”神”誕生の瞬間へー”

声が聞こえたー

「--蒼樹!?」
相生さんが叫ぶー。

”クククー
 身体など、もはや私には不要ー

 私は神になる存在ー
 自らが力の象徴となりー

 そして、性転換薬を手中に収め
 愚民どもの性別すら、私が自由にコントロールするのだ!!!”

「---!!!」

蒼樹流星ーー
”青”のシルクハットの男の側に転がっていた
球体が輝き始めたー

俺は戸惑うー

「--私の魂は、ここにありーーー!」

”青”が叫んだー

蒼樹流星はーー
自らの魂を、自分が持っていた球体に”移植”したのだー

そして、そうと知らず、球体を手にした”虹”は、
至近距離から攻撃を受け、
絶命したー。

絶命の瞬間、虹もそれに気づいたが、手遅れだったー

「----さぁ……見るがいい!!!
 これが、神となった私の姿ーーー!」

俺は思わず目をつぶるー
激しい光に包まれーーー

目を開くと、
そこには、邪悪な竜のような化け物が現れていてー
俺たちの方を見つめていたー

「--はははははっ!
 私は神だぁ!!!!」

竜の姿になった”青”が
俺たちに向かって、そう叫んだー。

65【果実】

 何だ、これは。
 あまりにも現実離れしすぎている。
 今までの非現実的な出来事の、どれよりも。

 こいつが、最後か。
 この――竜のような姿になった青が。

 神だなんだと叫んでいるが、こんなのはただの化け物でしかない。
 勝てるのか。こんなやつに。

「……旭。言ったでしょ、足手まといにはならないでって。不安かもしれない。怖いかもしれない。だけど、やるしかないの。私たちは」

 相生さんが、そう言いながら俺の小さな肩をぽんと叩く。
 そうだ。ここまで来たんだ、今更退けるわけがない。

 既に、死んでしまうかもしれない修羅場はくぐり抜けてきた。
 今回も、同じだ。

「ふはははははっ! 人間風情が、この神に勝てると思うなァっ!」

 叫び、竜は動き出す。
 なんと、その大きな口から火炎を吐き出してきたのである。

「旭っ!」

 相生さんが叫ぶのと同時に、俺は咄嗟に横に転がって回避する。
 他のみんなも、同様にちゃんと避けていた。

「ほんと、身も心も人間をやめちゃったみたいね。だったらこっちだって、容赦しないから」

 果名さんは竜を睨みながら言い、近くに転がっていた大きな銃を拾う。
 あれは、狙撃銃か……?

「虹尾が愛用していた銃。これは特殊な造りになっていてね。この銃なら、いくらあんな邪悪な竜であっても、ただでは済まないはず」

 そして。
 果名さんは、その銃を俺のほうへ差し出した。

「これは、君が使って」

「は……? お、俺がっ?」

 確かに、銃もちゃんと使えるようにはなってきたが、いきなりこんな狙撃銃なんか渡されて使いこなせるとは思えない。
 しかも、こんな大事な場面で。

「あたしと、命があいつの注意を逸らす。だから――とどめは、君に任せたよ」

「い、いや、そんないきなり言われても……」

「なに? それとも、君があいつの注意を逸らせるとでも? もう、迷ってる時間はないんだよ」

「……」

 一瞬だけ、竜を一瞥する。
 こいつの注意を逸らす、か。そりゃ無理だ。
 注意を逸らす前に、こっちがやられてしまうだろう。

 短く、深呼吸をする。
 そして――その銃を、受け取った。

「分かった。俺が、あいつにとどめをさす」

 俺がそう告げると、果名さんと相生さんが、ほぼ同時に微笑んだ。

66【無名】

格納庫の天井が割れてー
竜のような怪物の姿がわずかに見えたー。

格納庫から少し離れた場所に停めてある車の脇で、
”銀”のシルクハットを被った男・銀城 零は呟いたー

「--”青”かー」

”虹”と”青”ー
どちらが最終的に残るかは、五分五分だったー。

計算高い銀城は、当然”どちらが残った場合”のことも
考えてあったが、
結果的に”青”が残ったのだったー。

「ーーあなたたちなら、倒せるでしょう?」
銀城が、命と果名の姿を浮かべながら呟くー。

そうー
しっかりと準備はしてあるー。

銀城 零 に抜かりはないのだー

・・・・・・・・・・・・・・・・・

相生さんと果名さんが、素早い動きで、
竜に近づいていくー

「ふはははは!お前たちが蠅に見えるぞ!」
蒼樹流星の声が響き渡るー。

「--すべてを焼き尽くし-
 性転換薬を手に、私こそが、この世界の神として君臨するー!」

口から炎を吐く竜ー

「--きゃあああああ!」
果名さんが炎にまかれながら悲鳴を上げているー

相生さんも、ギリギリの戦いを繰り広げているー

”隙”

見えたー

今、あの竜の頭はがら空きだー。

”今よ”

そう言わんばかりに、相生さんが俺の方を見たー

「うおおおおおおおおおおおおお!」
俺は竜の頭をめがけて、引き金を引こうとするー

「--愚かな」
”青”が、背中から巨大な触手のようなものを伸ばしーー

俺の方にーーー

「----!」
やられるー!

俺はそう思ったー

だがーー

激しい銃声のようなものが聞こえて、
竜の触手は吹き飛ばされたー

「--!」
竜も、相生さんたちも、俺も銃弾が飛んできた方向を見るー

そこには、ドローンのようなものが浮遊しているー

”--私からのプレゼントです”

「--銀城!」
果名さんが声を上げるー

”手伝って差し上げますよ”

銀城が遠隔操作するドローンから音声が再生されー
再びドローンが銃弾を放つー
銃弾が、竜の触手を吹き飛ばすー

今が、チャンスーーー

「これで、終わりだ!」

俺は、目を見開く竜に向かって
決着の銃弾を放ったー

67【果実】

 ――グアアアアアアアアッ!

 竜と化した青の絶叫が、辺りに響き渡る。
 真っ赤な鮮血を迸らせながら、ゆっくりと背後に倒れていく。

「はぁ、はぁ、はぁ……」

 俺も、相生さんも、果名さんも、全員が肩を上下させる。
 倒れた竜は、もうぴくりとも動かなかった。
 そして徐々に体が小さくなっていき、元の人間の姿へと戻る。

 俺たちは、勝ったのか。
 あの化け物に。
 俺たちは、終わらせることができたのか。
 この非日常を。

「おつかれ、旭」

 相生さんは、その小さな手を俺の肩に乗せて微笑んだ。
 でも、俺はそれに答える余裕がなかった。

「旭? あさ――」

 相生さんの俺を呼ぶ声が、どんどん遠くなっていく。
 体から、ありとあらゆる力が抜けていく。

 そして、俺は――。

「旭っ!!」

 心配そうに叫ぶ相生さんたちの声を耳にしながらも。
 床に倒れ、その意識は闇の中に落ちていった――。

68【無名】

ーーーーー!

俺が、目を覚ますとー
そこには、見慣れない天井があったー。

「---お兄ちゃん…!」
嬉しそうに目から涙をこぼす優姫ー。

そうかーー
俺はーーーー

「----おはよう」
俺が言葉を口にするー

声は、女のままー
まだ、男の身体には戻れていないのかー。

俺はーーー
”青”こと、蒼樹流星を倒した直後、
意識を失ったー

身体はもう、”赤”や”肌色”と
戦っているあたりから、限界だったのだー

でもー

「--ーーー目が覚めたのね」
相生さんも病室にいたー。

「--相生さん」
俺が言うと、
相生さんは
「お疲れ様ー…そして、ごめんなさい」と
頭を下げたー

「ーーーえ…」

俺が戸惑っていると、相生さんは、
言葉を口にしたー。

俺を元に戻す方法は、
黒神凱亜が握っていたもののー
黒神は既に死亡、格納庫も、蒼樹が怪物化した際に
一部崩落しており、研究データは破損していたー、

とー。

そのため、”元に戻す”ことはできずー
こうして”身体を維持すること”が限界なのだとー。

「--ごめんなさい…」
相生さんの言葉に、俺は戸惑いながらもーー

「--相生さんは、俺や優姫を助けてくれたじゃないか」と、
笑みを浮かべたー

「--それに…この身体でなら、生きていけるってことだろ?」
俺が言うと、
相生さんは頷くー。

格納庫に残されていたデータから
旭の身体自体が死んでしまう心配は無くなったのだと言うー。

相生さんと言葉を交わすー

相生さんはしばらくすると、立ち上がってー
「---わたしたちのせいで、巻き込んで、本当にごめんなさいー」

と、頭を下げたー

相生さんが、病室の外に出ていくー

・・・・・・・・・・・・・・・

「--性転換薬…
 ”医療の発展のため”の希望ー

 でもーーー
 わたしたち人間には、”過ぎた力”だったのかもねー」

相生さんが、病室の外で待ち受けていた果名にそう言い放つと、
果名も「うん…」と寂しそうに頷いたー

その日の夜ー
二人は、格納庫から回収した性転換薬の残りのサンプルを
全て燃やしたー

「----」
写真を見つめる命ー。

所長であった命と、
第1研究室室長の果名ー
第2研究室室長の黒神凱亜ー

そして
第3研究室室長の虹尾依貴の姿がそこには写っているー

”最初は、みんな、医療のためにーーー”
そう思っていたー

笑顔の写真を見つめ終えると、命は、その写真も
炎の方に投げ捨てたー

”力は人を狂わせるー”

だったらそんな”力”

ないほうがいいーーーー

命は寂しそうに、燃え尽きる炎を見つめたーー

「------ご苦労様でした」
銀城 零が、その様子を遠くから双眼鏡で見つめていたー

「--おかげで私は、”サンプル”を手に入れることができましたよ」
ニヤリと笑う銀城 零は、命らよりも先に、
格納庫からサンプルを回収していたー

”私が動くときは、確実に勝利できる”下準備”をしてからー
 それはあなたが一番良く、ご存じでしょう?”

双眼鏡で果名のほうを見つめながら
銀城は静かに微笑むと、そのまま姿を消したー。

・・・・・・・・・・・・・・・・・

あれからーー
相生さんも果名さんも、どうしているのかは知らないー

綺麗な銀の髪を触りながら、
俺は、”元の自分”の写真を見つめるー

「-お姉ちゃん~~!」
優姫の声がするー

「俺はお兄ちゃんだ!」
言い返す俺ーー

元の日常が戻って来たー

けれど、俺は忘れないー

俺が銀髪美少女デビューした日ー
あの日の、ことをー

おわり

・・・・・・・・・・・・・・・・・

コメント

気づけば2カ月以上もお互いにやり取りしながらの
執筆でした~!

ここまで長いリレー形式の作品を作ったのは
初めてだったので、色々良い経験になりました!!

ここまでお読み下さった皆様、
ありがとうございました!!

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