<女体化>俺の銀髪美少女デビュー④~シルクハットの男たち~

迫りくる謎のシルクハットの男たちー。

ある日突然女体化した真相とは…!?

※果実夢想様(@fruitsfantasia)との
 リレー形式合作デス。
 内容は一切打ち合わせなしで、
 数百文字程度ずつで交代交代で書いた作品になります!
(※誰が書いているか、担当箇所ごとに表記しています (例 ②無名 など)

※本日の通常の小説は、既に更新済みデス
(この1個前にあります)


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㉛【果実】

 俺の走る足音に紛れるように、後ろからも足音が追いかけてきているのが分かる。
 俺は足を止めない。
 ここで止めてしまえば、その瞬間に一巻の終わりだ。

 あのシルクハットは、色こそ違うものの、さっき俺に銃口を向けてきたやつと同じ。
 何者なのか全く分からないが、悪い人であることだけは間違いなかった。

 だから、逃げて逃げて逃げ続けた。
 一瞬、家に行けば大丈夫かとも思ったが、それではだめなことにすぐ気づく。

 両親、そして妹。
 みんなをまた危険な目に遭わせるわけには――。

 と、そこまで考えて。
 奇妙な音が、頭上から聞こえてきた。

 訝しみ、上を見上げると――。
 ヘリコプターがすぐ近くの空を飛んでおり、その扉から一人の女性がこちらを見下ろしている。

「捕まってッ!」

 そう叫んで、女性はヘリコプターから梯子を下ろす。
 あの人は誰なのか、本当に大丈夫なのか。
 分からないことはたくさんあるが、今はそんな長考をしていられる余裕などあるわけもなく。

「くっ!」

 強く奥歯を歯噛みし、梯子の先をしっかりと握りしめた。
 そして、ゆっくりと上昇していくヘリコプターに、静かに下を見下ろせば。

 緑色のシルクハットの男が、こちらを見上げていた。
 遠くだからよく見えなかったけど、何だか嗤っているようにも見えた。

㉜【無名】

ヘリコプターの音が響き渡るー

「--ってか、俺、ヘリコプターなんて初めて乗ったなぁ…」
俺は、生まれて初めてのヘリコプターに戸惑いながらもー
今、起きている状況がまるで理解できず、
相生さんのほうを見つめたー

「--ごめんなさいー。
 あなたを巻き込んでーーー」

相生さんは、軽く詫びると、
ヘリコプターの外を見つめたー

「--あの男たちは、わたしの組織から”抜け出した”モノたちー」

相生さんの話を聞けば聞くほど、
意味が分からなくなるー。

彼女は、人の性別を自在に変える研究をしていた
秘密組織なのだと言う。

だが、ある日ー
その研究成果を盗み出して逃亡した男がいたー

その男こそが、
黒神 凱亜(くろがみ がいあ)ー。

その凱亜という男が、
相生さんたちの研究成果を悪用してー
世界中の人間を「女」に変えようとしているのだとー。

「---あなたを含む、数十名が、女体化の薬を打たれて
 女の子になった。
 ーーあなたのお母さんのように、弱みに付け込んだりー
 飲み物に盛ったり、色々な手段で、ねー」

相生さんはそこまで言うと、
「話はあと。ついたわよ」と、ヘリの外を見つめたー

そこにはー
巨大な倉庫のような場所が広がっているー。
格納庫ー…とでも言えば良いのだろうかー。

「---ここは?」
俺が聞くと、相生さんは答えたー

「命を狙われたとき、どうするのが早いか、知ってる?」

相生さんの言葉に俺は首を傾げるー

「相手の根っこを引っこ抜くことー

 ここはー
 黒神 凱亜ー
 No.000がいる場所よー」

俺は、凍りついたー。
相生さんはシルクハットの男たちの本拠地に乗り込んだのだー。

㉝【果実】

 相生さんとともに、敵の本拠地を進む。
 いつまたシルクハットの男が現れるか分からない。
 慎重に行かなくてはいけないだろう。

「……あ、そうだ。これ、渡しとく」

 突然こちらを振り向き、相生さんが懐から取り出したのは――ひとつの銃だった。

「こ、これ……?」

 訊ねながらも、おずおずと銃を受け取る。
 初めて触った硬い感触に、手が震えてしまう。

「ここは敵の本拠地。手ぶらで行くのは、いくら何でも無謀でしょ。自分がやられる前に、迷わずそれ撃ちなさい」

「う、撃つ!? でもこっちは撃ったことなんてないし、しかも相手は人間だし……」

「何、甘ったれたこと言ってんの。大丈夫、あんたは撃っても捕まったりはしない。それに、自分が撃たないと、あんたが死ぬことになるけど?」

「……っ」

 撃つしかない、か。死にたくなんかないし、家族を守るためでもある。
 いつでも構えられるよう、取り出しやすいポケットに銃を仕舞い、また歩を進めた。

 それから、十数分が経過した頃。
 突如として、地面が揺れ始めた。

「な、なんだ……!?」

「くっ……地震? いや、違う……旭、離れなさいッ!」

 相生さんの鬼気迫った叫びが聞こえ、条件反射に体が動いた。
 俺が、勢いよく右に跳び、転がると――。

 さっきまで俺がいた場所に、鉄骨のようなものが落下してきた。
 あんなものの下敷きになってしまえば、俺は今頃あの世へ旅立っていたことだろう。
 その事実に、身の毛がよだつ。

 そして――。
 パチ、パチ、パチと、どこからか拍手の音が響き渡った。
 前を向き直ると、そこには茶色のシルクハットを被った男が立っていた。

「よく今のを避けられましたねぇ……そして、相生命。まさか無事だったとは」

「無事なわけないでしょ。死ぬほど痛かったっての」

 シルクハットの男と、相生さんが睨み合う。
 思ったより見つかるのが早かった。
 俺の右手が、ポケットの銃に触れる。

 さあ、どうしたものか。

㉞【無名】

”よくここまでたどり着いたな!相生命ッ!”

格納庫内に声が響き渡るー。

俺も、相生さんも立ち止まって周囲を見渡すー
くそっ!振り向くときに長い銀色の髪が
どうしても気になるー

茶色のシルクハットを被った男が笑みを浮かべるー。
だが、喋っているのはこの男ではないー

格納庫全体に響き渡る声。

「---黒神凱亜ー」
相生さんが呟くー。

この声が、シルクハットの男たちの親玉で、
俺を女体化させた男たちの親玉ー

「---凱亜ー、今すぐバカな真似はやめなさい。
 性転換の薬は、そんなことのために作ったんじゃない」

相生さんが鋭い口調で言うー
小柄な女の子、という感じなのに、全く見た目と中身が違うー。

”今更何を言おうと、全人類女体化計画は止まらぬッ!”

男の声が響き渡るー。
俺が周囲をキョロキョロしていると、
黒神凱亜の声がさらに聞こえて来た。

”お前は…確か、東京の実験体だな。 
 No012が、女体化薬を投与したー…

 そろそろ身体の調子が悪いんじゃないか?”

「--!」
俺は表情を歪めるー

そういえば、一度意識も失っているー。
今も、あまり調子は良くないー

”ははは、君に投与したのはプロトタイプッ!
 実験用の女体化薬だ!
 故に、君の身体は蝕まれー
 やがて、死に至るー

 相生命、君の持ってる薬でも、その男を元に戻すことはできないぞッ”

相生さんの表情が曇るー

おいおい、
奴の言う通りなのかー?
俺は、死ぬのか?

”--君を元に戻す薬はこの私が持っている!
 欲しければーーー

 力ずくで奪い取れ”

「凱亜!」

相生さんが叫ぶと同時に、
茶色いシルクハットの男が近づいてくるー

”さぁ、デスゲームの始まりだァ!!!
 我が手下たちを突破して、
 無事に私のところにたどり着くことができるかなァ!?”

「---行くわよ」

え?

俺が戸惑っていると、
相生さんが、茶色いシルクハットの男に向かって走り出したー。

㉟【果実】

 殴る。蹴る。そして躱す。跳ぶ。
 それはさながら、格闘技のように――否、格闘技以上の凄まじい動きで。
 相生さんと茶色シルクハットの男が、目の前で高度な肉弾戦を繰り広げている。

 二人の戦いが、あまりにも速く。
 加勢するどころか、目で追うことだけで精一杯だった。

 俺は、どうしてここにいるんだ。
 相生さんの邪魔になるためか。足手まといになるためか。それとも、死ぬためか。
 違う。そんなんじゃないはずだ。俺は――。

「……あ」

 不意に、俺の右手が銃に触れる。
 先ほど、相生さんから受け取った銃だ。
 そうだ、足手まといになるつもりなんかさらさらない。

 そっとポケットから取り出す。
 静かに構え、茶色シルクハットの男に銃口を向けた。

 手が震える。頬を汗が伝う。
 ごくり、と唾を飲み込む。
 初めての銃だ。怖くない、と言えば嘘になる。
 だけど、やるしか――ない。

 相生さんとの格闘で、ほんの僅かに生じた隙を狙い――。
 力強く、引き金を引いた。

㊱【無名】

「-----!!!」

銃を撃ったー
人を撃ったー

俺の身体の震えが止まらないー

身体が震えているー

”撃った”という恐怖ー

それがー

「---!」

俺はー
目を疑ったー。

「---やって、、くれますねぇ」

”009”と書かれた茶色のシルクハットの男はー
銃弾を歯でかじってーー
受け止めていたー

「ひっ…!?」
俺は思わず尻餅をついてしまうー

茶色のシルクハットの男が俺の方に歩いてくるー
怒りの形相でー。

「--ひっ、、ひっ…!?」

俺は、無力だー。
銃を持っていることも忘れて、悲鳴を上げて
逃げようとしてしまうー。

だがー

「--どこ見てるの!」
相生さんの声がしてー、
茶色のシルクハットの男の背後からとびかかり、
足を首筋にかけてー
声を上げるシルクハットの男の首を、そのままへし折ったー。

茶色のシルクハットの男が無言で地面に倒れるー。

俺は震えながら相生さんのほうを見たー

”ほぅ…”
黒神凱亜が、金色のシルクハットに手を掛けながら笑うー

”だが、お前たちはここまでたどり着けないッ!”

凱亜が背後に立っている桃色のシルクハットの男に合図を送るー

「うふふふ…楽しみねぇ」
オカマ口調の桃色のシルクハットの男 No/004が、
旭たちの方に向かっていくー

そしてー

”君の家族もーーー今頃はーーー”

凱亜は不気味な笑みを浮かべたー

・・・・・・・・・・・・・

♪~~

インターホンが鳴るーー

「----」
茫然としていた旭の父と、妹の優姫が顔を見合わせるー。

父が「--俺が出る」と、優姫に告げて
玄関に向かうとそこにはー

「---どうも。てめぇらを殺しに来ました
 よろしくお願いします」

と不気味な笑みを浮かべる
紫色のシルクハットの男が立っていたー。

㊲【果実】

 すぐに察した。
 色や書かれた番号こそ違うものの、このシルクハットは自分たちを襲ってきた男の仲間なのだと。

 紫色のシルクハット。
 書かれた番号は――”007”

 旭の父親は、静かに唾を飲み込む。
 こんなやつに関わってはいけない。
 そう思い、すぐに扉を閉め――。

「おぉっとぉ? こっちは、てめぇらに用があるんですよぉ? いきなり閉めるなんてひどいこと、しないでほしいなぁ?」

 シルクハットの男は足を隙間に入れ、無理矢理扉を開かせたのである。
 絶体絶命。そう思った。
 あくまで一般の家庭であるため、対抗する手段などあるわけもない。

「あんまり長引かせる必要もないし……恨むんなら、自分が選んだ女を恨め」

 旭の父親の眉間に、銃口を突きつける。
 じわり……とズボンの股間部分に、シミが生まれる。

 シルクハットの男は不敵に口角を上げる。
 そして、引き金に手をかけ――。

 銃声が、響き渡った。
 鮮血が、迸る。

「あ……あえ……?」

 そんな、声にならない奇妙なうめき声をあげ、彼はその場に倒れる。
 紫色のシルクハットを被った、男が。

 そう。銃で撃たれたのは、旭の父親ではない。
 すぐ背後にいた人物によって、シルクハットの男が頭部を撃ち抜かれたのである。

「ふう……間一髪、かな」

 男を撃った者が銃を仕舞い、額に滲んだ汗を手の甲で拭って短い吐息を漏らす。

「き、君は……?」

 声が震えるのを感じながらも、旭の父がそう訊ねると。
 真っ直ぐ目を見据え、自身の名を名乗った。

「あたしは実無(みなし)果名(かな)。ったく、いきなり命から電話がかかってきたときはびっくりしたわ」

 シルクハットの男に連れられた車が爆発したあと。
 相生命は、電話で仲間の加勢を要請していたのだった。
 それが――彼女、実無果名。
 相生命よりも少し年上でスタイルもよく、大人のお姉さんといった風貌の女性だった。

「ここからはもう、大丈夫。あたしが……あたしたちが、絶対に守ってみせる」

㊳【無名】

「へぇ、邑山(むらやま)はもう倒されたみたいだねぇ」
黄緑色のシルクハットの男が倒れている紫色のシルクハットの男を見つめながら笑うー。

優姫と優姫の父を守ようにして、
果名が、シルクハットの男たちのほうを見つめるー

「--ね、、ねぇ…大丈夫なの…? なんなの!?」
優姫が騒ぐー。

「--静かに。言ったでしょ?
 あたしたちが絶対に守るって」

果名はそう呟くと、

ニヤニヤと笑みを浮かべている軽そうな男ー
黄緑色のシルクハットの男 No/015と、

先ほどから一言もしゃべらない灰色のシルクハットの男 No/011を見つめたー

・・・・・・・・・・・・・・・

「--うふふふふふっ!可愛がってあげるー」

桃色のシルクハットの男が、
相生さんと戦っているー

俺はーー
俺には、何が出来るー?

”貴様たちに逃げ場はないッ!貴様たちは私の前にたどり着く前に、死ぬのだッ!”

黒神凱亜の声が響き渡るー

「---うふっ!そっちのあんた、いい男ねぇ」
桃色のシルクハットの男が笑うー

その隙をついて、相生さんが、蹴りを放つも
桃色のシルクハットの男は
「あらぁ、乱暴なお嬢ちゃんねぇ♡」と、笑みを浮かべながら
その攻撃を防いだー

くそっーーー
俺だってーー
俺だって、いつもの身体ならー

”俺に出来ることは、ないのかー”

俺は自分の無力さを噛みしめながら、
小さくなった可愛らしい拳を握りしめてー
相生さんと桃色のシルクハットの男の戦いを見つめたー

㊴【果実】

 相生さんと、桃色シルクハットの男は、俺の目の前で激しい攻防を繰り広げている。
 俺はただ、その光景を眺めることしかできなかった。

 当たり前だ。
 武術なんか習ったことなどあるわけないし、銃を使ったのもついさっきのが初めて。
 それに、さっきの銃だってあいつには通用はしなかった。
 おそらく、この桃色のやつにも効かないのだろう。

 そうなると、もう俺にできることなんて皆無にも等しい。
 ただ、相生さんが戦っているのを見守ることくらいしか――。

 と、そこまで考えて、俺は考えを改めて左右に首を振る。
 だめだ、そんな他力本願な考えは。
 既に何回も救われているのに、この期に及んで全てを相生さんに任せっきりになんかしたくない。

 考えろ。何か、あるはずだ。
 大したことじゃなくてもいい。たったひとつだけでもいい。
 何か、相生さんの役に立てるような。
 何か、あいつらシルクハットの男たちに決定的な――。

 辺りを見回す。
 その途中で、俺の視線がとある一ヶ所に止まった。

 そういえば、つい先ほど。
 俺が、あいつらに同じようなことをされたっけ。
 それなら、次は俺が仕返ししてやる番だ。

 静かに銃を構える。
 ごくりと唾を飲み込み――思いっきり、その引き金を引いた。

 シルクハットの男に向けて、ではない。
 奴の、頭上。その天井に向けて。

 桃色シルクハットの男のすぐ上には、大きな照明器具が吊り下がっていた。
 その紐を撃ち抜くことで、照明器具は真っ逆さまに落下し――。

「な……なんですってッ!?」

 躱す暇もなく、シルクハットの男の脳天に直撃した。
 血を流しながらその場に倒れ、シルクハットの男は気を失う。

 やった……のか。
 手が少し震えるのを感じながらも、俺はほっと胸を撫で下ろした。

㊵【無名】

ほっと、一安心した俺の方に
相生さんが向かってくるー

「なかなかやるじゃない」
相生さんはそれだけ言うと、
前を向いて歩きだすー

もっと褒めてくれるかと、思っていたけれど
意外とあっさりしている相生さんー

「-あ、、あの、、」
俺は思わず声に出してしまうー
相生さんが振り返るー。

「--なに?」
俺を守ってくれるー
と、いうことには感謝しているけど、
なんとなく、ツンツンしていて愛想がない感じー。

ちょっと苦手だなぁ、と思いつつ俺は、
「--あの、、ほら、、お礼とか…その…」と
つい口にしてしまうー

「--お礼?ありがと。

 これで満足?」

相生さんは、それだけ言うと歩き出すー

「--ちょ!なんか、嫌な感じだなぁ~!」
俺は緊張をほぐそうと、そう呟きながら
相生さんの方に向かって走っていくとーーー

ーーー!?!?!?!?!?!?

突然激しく胸のあたりに激痛が走ったー

「うあっ…!?あ…!??!?あああああああっ」

可愛らしい女の子の悲鳴を、俺があげているー
いや、そんなことを考える余裕もーー

「--!」
相生さんが振り返るー。

”はははっ!言ったはずだッ!
 貴様に投与したのは、実験用の女体化薬ー
 用が済んだ今、貴様はもう不要だッ!”

ーー残された時間は、少ないと言うことかー。
黒神凱亜の声を聴きながら、俺はなんとか身体を起こそうとするー。

「--苦しいだろう?」
背後から声がしたー

「今、楽にしてやる」

俺が振り返ると、そこには、
No/005と書かれた水色のシルクハットを被る男が立っていたー

⑤へ続く

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

コメント

物語の真相に向かって…!

打ち合わせ0なので、
もうちょっと混沌としたお話(十分混沌かもですケド…)に
なると思ってましたが
意外と連携(?)が取れてました!笑

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