<MC>リアルデュエリストVOl28~千年の錫杖~

いたずらっ子の二人組が、
とある研究所からあるものを盗み出したー。

それは、人を洗脳する禁断のアイテムだったー。

※リクエストを元に作ったお話デス!

--------------------—-

「--行くぞ」
「おう」
二人組の少年が、とある研究所に忍び込んだー

その研究所では、
人を洗脳するアイテムを作り出していたー。

金色に輝く錫杖ー。
太古から伝わる書物を利用して、
生み出された禁断の道具ー

それをー
二人組の少年が、手に入れようとしていた。

この二人組の少年は、ある人物を恨んでいたー

同級生から、カードをカツアゲしようとしていたところに、
偶然通りかかった高校生がやってきて、
それを阻止されたのだー

”お前ら、こんなくだらないことはやめとけよ”

その高校生は、そう呟いて
その場を後にしたー。

恥をかかされたー

いじめっ子の少年二人は、そう思った。

その高校生の身元を調べ上げて
復讐の機会をうかがっていた少年たちにー
”それ”は現れたー

謎の緑色の生命体ー

”お前たちに、力をやろうー”

少年たち2人はー
カードを現実化させる力に目覚めたのだ。

そしてー
そのカードの力を使ってー
研究所から、人を洗脳するアイテムを盗み出したー

「はははははははは!これは俺たちのものだ!」
「おいらたちは最強だぜ!」

万能地雷グレイモヤ
千本ナイフ
ライトニングボルテックス
火あぶりの刑

次々と暴力的なカードを現実化させては
警備員たちを葬り去っていくー

そして、少年たちは禁断のアイテムを手にしたのだったー。

・・・・・・・・・・・・・・

高校生・城崎 陽介(じょうさき ようすけ)は、
彼女の九条 舞香(くじょう まいか)と一緒に
下校していたー

この陽介がー
カツアゲ少年たちを注意した高校生だー。

「--!」
舞香と楽しく談笑していた陽介が
目の前に現れた少年たちに気づく。

「おまえら…」
陽介の表情がきつくなる。

「へへへ…この前はよくも俺たちを馬鹿にしてくれたな」
少年の一人・羽柴が言う。

「--おいらたちを馬鹿にしたツケを払ってもらうぜ!」
もう一人の少年・龍瓦が言う。

「---…陽介…?あのコたちは?」
舞香が心配そうに尋ねる。

「なぁに、心配ねぇよ。行こうぜ」
陽介は”相手にしないほうがいい”と判断して
そのままその場を立ち去ろうとしたー

しかしー

「----!?」
陽介が表情を歪めるー

少年の一人・羽柴がカードを持っているー

”落とし穴”のカードだ。

「リアルデュエリストって聞いたことあるかい?」
羽柴が笑う。

「リアル・デュエリスト…?」
陽介は首をかしげる。

「カードを現実化できる効果さ。
 俺たちと一緒に来てくれないなら、
 ここでお前たちを殺す」
羽柴がニヤニヤしながら言う。

「そんなことあるわけ…」
陽介がそう言いかけると、
隣にいた龍瓦がカードを発動したー

”恵みの雨”

雲一つなかったその場に、
雨が降り出す。

「---!」
陽介の表情が歪む。

「どうだい?信じてくれたかい?」
羽柴の言葉に、
陽介は唖然としながらも、頷くしかなかったー

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

リアルデュエリストの力を目の前で
見せつけられてしまった陽介は、
羽柴と龍瓦の言葉に従うしかなかったー。

近くの廃工場に連れてこられた
陽介は「こんなところに連れてきて…
なんのつもりだ!」と叫ぶー。

「--へへへ」
羽柴が笑う。

「--……」
舞香は不安そうに陽介にしがみつく。

「---へへへへへへ…
 お前に地獄を見せてやるぜ」
龍瓦はそう言うと、金色に光る杖のようなものを
手にして見せたー

「なんだそれは」
陽介が叫ぶー

すると、龍瓦は金色の錫杖のようなものを
舞香のほうに向けたー

舞香がゆっくりと歩き出す。

「--舞香!?」
唖然とする陽介。

そしてー
龍瓦が口を開くー

「---これは、古の錬金術から
 生み出された、”人を洗脳して意のままに操る道具”だぜ」

「--!?」
陽介は驚くー

龍瓦の言葉にも驚いたがー
それ以上にー
陽介に背を向けて、羽柴たちのほうに向かって歩く
舞香が、龍瓦と同じ言葉を口にしたことに
驚いたー

「--お前の大事な大事な彼女は、俺たちのものだー!」
龍瓦と舞香は、同時に同じ言葉を口にするー

舞香が龍瓦のほうにたどり着くと、
振り返るー

その表情にはー
龍瓦と同じようないやらしい笑みを浮かべていたー

「---ま、舞香!」
叫ぶ陽介。

「て、てめぇら!舞香に何をした!」

陽介の叫びに
羽柴は笑う。

「いっただろ?洗脳したって」
羽柴はそう言うと、さらに続けたー

「お前の大事な大事な彼女は、今、俺たちの意のままだ」

そう言うと、羽柴が龍瓦のほうを見て頷いた。

舞香がくねくねと奇妙な踊りを始める。

「ほぅら!こんな動きだって」

舞香が、恥ずかしいポーズや踊りを
次々とこなしていくー
その顔には笑みが浮かんでいるー

「こんな動きだって!
 思いのままさ!」
舞香がバンザイしながら叫ぶー。

「--う、、嘘だろ…」
唖然とする陽介。

「--さ~~ら~に!」
舞香はそう叫ぶと、
突然自分の制服を引きちぎり始めた。

「っ!?おい!」

陽介が必死に叫ぶー

龍瓦は金色に光る錫杖を持ちながら
舞香を操ることに専念しているー

羽柴はそれを見て笑っているー

「--うふふふふ♡
 わたし、これから羽柴くんと付き合っちゃう~」
嬉しそうに舞香が言う。

「お、おい!ふざけるな!」

舞香は乱れた格好のまま羽柴に抱き着く。
羽柴は顔を真っ赤にして喜んでいるー

「このクソガキどもが!」
陽介はそう叫びながら
洗脳された舞香を早く助け出そうと、
金色の錫杖を持つ龍瓦のほうに
向かって走り出した。

「--ーーこら!暴力はだめ!」
羽柴に抱き着いていた舞香が
乱れた格好のまま立ちはだかる。

「お、、おい!舞香!しっかりしてくれよ!」
陽介が動きを止める。

たとえ操られているとはいえ、
舞香を傷つけることはできないー

「へへへ」
龍瓦と羽柴がニヤニヤしながら笑っているー

「さぁ…続きだ」
龍瓦が金色の錫杖で、舞香に命令を送るー

舞香は「あぁぁ…大好き…!」と
羽柴のほうに向かっていくー

「あの男ね~、
 わたしを全然満足させてくれないのぉ~!」
舞香が陽介のほうを指さしながら言う。

「見た目は結構派手だけど
 女を楽しませることがぜ~んぜんできないの!
 つまんない男!」

龍瓦が、舞香にそう言わせているー

完全に洗脳の術中にはまっている舞香。

陽介は、なおも舞香を助け出そうとしたー。
しかしー

”グラビティバインド 超重力の網”

カードがセットされていたー
重力の働く網が出現しー
陽介はそれに身動きを封じられてしまう。

「あはっはっは!お前は
 そこでおとなしく見てるんだー」

笑う龍瓦。

「くっ…くっそおおおおお!」

金色に輝く錫杖の力で
完全に洗脳されている舞香は
目の輝きを失ったまま
羽柴に絡みつくようにしてエッチをしているー

中学生の羽柴は
舞香の身体を堪能し、
生まれて初めて味わう感覚に歓喜していたー

「んっあぁぁぁああああっ♡」
舞香が虚ろな目のまま、
激しく喘いでいるー

グラビティバインドの力で動けない陽介は
その光景をなすすべもなく
見つめることしかできなかったー

「---あ…♡ あ…♡」
やがて、舞香が、羽柴の白い液体を
口の周りにべっとりとさせながら
ぴくぴくと震えているー

服は脱がされ、
陽介も見たことのないほどに
乱れた舞香の姿が、そこにはあったー

「舞香…」
悲しそうに呟く陽介。

その時だったー

倉庫の入り口が開く

「--お兄ちゃん?」
妹の静江(しずえ)-

「--し、静江?」
陽介が振り返るー。

「お兄ちゃん~!
 も~なかなか帰ってこないから
 心配したんだよ~!」

静江が苦笑いしながら言う。

陽介が「どうしてここに…?」と
唖然としながら言うと、
静江はほほ笑んだ。

「---どうしてって?
 決まってるじゃない」

静江はほほ笑むー

陽介が静江の異変に気付くー

静江の目の輝きが、ないー

これはー

「--へへへへへへっ、龍瓦くんとエッチするの!」
静江が嬉しそうに龍瓦のほうに向かっていく。

「き、、、きっさままああああああああ!
 俺の妹に手を出すな!
 ふざけるな!ふざけるなぁぁぁぁあ!」

グラビティバインドの効果で動けない陽介ー
怒りのあまり獣のような雄たけびをあげるー

龍瓦はーー
陽介の彼女である舞香だけではなく
妹の静江も洗脳していたのだー

「ヒャハハハハハ!お前の妹はかわいいな~!」
龍瓦が、静江の身体をあちらこちら触りながらほほ笑む。

「ごめんね、お兄ちゃん。私の心と身体はすでにご主人様のものです~」
静江が龍瓦にご奉仕しながら笑う。

「うあああああああ!うああああああああああああ!」
陽介は頭が爆発しそうなほどの怒りを
にじませながらただ、ひたすらに叫ぶ。

羽柴は、陽介の彼女・舞香と抱き合っているー
そして、龍瓦は陽介の妹・静江と抱き合っているー

金色の錫杖が光を放ち、
ふたりはそれに洗脳されて
意のままにされているー

「--うああああああああああああああああ!」
陽介は怒りの雄たけびをあげたー

そしてー

「--!?」
羽柴が驚きの表情を浮かべた。

「---ドロー!モンスターカード!」

ーー!?!?

陽介が、騎士の姿になって、
羽柴に襲い掛かるー

「--なっ!?うぎゃああああああ!」
羽柴が吹き飛ぶ。

「な…?」
静江と抱き合っていた羽柴は
何が起こったのかわからず、困惑しているー

陽介の手には
「狂戦士の魂」というカード。
特定の条件において、連続攻撃が可能になるカードだ。

「---!」
龍瓦は唖然とする。

「まさか…!」

狂戦士の魂が現実のものとして効果を発揮しているということはー

「ドロー!モンスターカード!」
陽介が叫ぶ。
狂戦士の魂の効果を発揮するための言葉ー

騎士の姿をした陽介が再び羽柴に攻撃を仕掛けるー。

「--こいつ!」
龍瓦が叫ぶ。

陽介はー
彼女と妹をモテ遊ばれた怒りで、
リアルの力に目覚めていたー

羽柴に何度も何度も
物理攻撃を仕掛ける陽介。

羽柴の…人生のライフポイントは
既にとっくに0になっているー

「--も、もうやめて!
 とっくに羽柴のライフは0よ!」
龍瓦がなぜか女言葉で叫ぶ。
そう言わないといけない気がした。

「--うあああああああああああ!」
怒り狂った陽介の暴走は止まらないー

さらに攻撃を加える陽介ー

洗脳されたまま呆然とそれを見つめる
舞香と静江ー

やがてー
その場はーー
闇に染まったー

”ククク…人間とは、愚かな生き物だな”
緑色の小さな生命体は、
その惨劇の一部始終を見終えると、
そのまま姿を消したー

行き過ぎた力はー
悲劇を引き起こすー。

ここにまた、悲劇が一つ、増えたのだったー

おわり

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

コメント

遊戯王のキャラを実際に使って…
というリクエストだったのですが、
TSFとかMCのジャンル上、
原作のキャラクターをそのまま使うのは
難しいかなぁ…ということで、
リクエスト頂いた内容を
別キャラクターにして、
リアルデュエリストシリーズのひとつとして、
お話にしました!

頂いたリクエスト内容は
原作キャラそのものの名前が出ているので、
(原作キャラのファンの方もいらっしゃると思うので念のため…)
伏せさせていただきますが
このような形になりました!

お読み下さりありがとうございました!

コメント