リアルの力。
カードを現実化できる力を手に入れた医師の物語ー。
権力に溺れた志島院長と鬼柳外科部長を追放した
リアルデュエリストの2名の医師は、
新たな道を歩み始めた。 しかしー?
Vol5、Vol6から続く、リアルデュエリスト医療編の最終章です!
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「先生!今度は、この娘でお願いします!」
男子高校生がカードを差し出す。
この子は、男でありながら、心は女…という子で、
小さい頃からずっと悩んでいた子だ。
数ヶ月前、”調律の魔術師”というモンスターカードを
用いて、彼の姿を”女の子”の姿に変えてあげた。
彼…いや、彼女も大喜びしていた。
だがーーー。
Dr成宮のリアル化の力を維持するには、
カードをスリーブに入れておく必要がある。
少し前に、そのカードを
同期だったDr九十九が、全てスリーブから取り外してしまい、
調律の魔術師の姿で、楽しい日々を送っていた彼もまた、
元の姿に戻ってしまったのだった。
しかし、彼は成宮のことを恨むことなく、
「今度はこのモンスターの姿になりたい!」と
新たなカードを持ってきたのだった。
”フレシアの蠱惑魔”というカードだった。
「---その子の姿になりたいのか?」
成宮が尋ねると、
男子高校生は笑った。
「---ちょっと高校生って感じじゃないけど、
その姿で高校の制服着るのって、
すっごい、良い気分なんだよ!」
高校生の言葉に成宮は頷いた。
“自分の力が、少しでも誰かの幸せに繋がるのならー”
成宮は高校生を
”フレシアの蠱惑魔”の姿に変えた。
嬉しそうに微笑む、彼…
いや、彼女。
「--先生っ!ありがと!」
可愛らしく微笑むフレシアの蠱惑魔。
成宮も、少しだけ微笑み返した。
他の九十九医師によって
”リビングデッドの呼び声”を抜き取られて
死んでしまった患者たちは、、
成宮の手によって、再び”全員”生き返った。
成宮が一人ひとりの家を訪れ、
蘇生させたのだった。。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
院長となったDr・真崎…
真崎瑠璃は、とあるレントゲン写真を見つめていた。
彼女は…
元々”男”だったが、リアルの力で自らを
「ブラックマジシャンガール」というモンスターの姿に変えて、
その状態で生活している。
真崎瑠璃、というのも偽名だ。
そのことを知るのは、
今やDr成宮のみ。
「---今日は、入院予定の患者はいないんだな」
院長室に入ってきた成宮が言う。
成宮は、鬼柳外科部長らの失脚後、副院長として
活動しながら、現場でのオペ(リアル・オペ)も続けている。
「---…・・・」
Dr真崎が返事をしないことに、不思議そうな顔をして、
成宮は続けた。
「---真崎?」
「え?あ、あぁ、ごめんなさい」
Dr真崎がレントゲンから目を離し、微笑む。
「今日は、新しい外科部長と内科部長が赴任する日よ。
鬼柳たちが失脚してから空席だったから。」
Dr真崎の言葉に直後に、院長室がノックされた。
「どうぞ」
Dr真崎が言うと、
2人の医師が入ってきた。
一人は日本人。
もう一人は外国人のようだ。
「院長の真崎よー」
Dr真崎が言う。
「成宮だ。一応、副院長をやっている」
Dr成宮も挨拶をすると、
日本人の男が言う。
「外科部長に着任しました
泥門(でいもん)です。
どんなオペも俺がこなして見せます。
俺、失敗しないので」
泥門が自己紹介を終えると、成宮は微笑んで
「よろしく頼む」と挨拶をした。
そしてもう一人、外国人が名乗りをあげる。
「内科部長に着任した
セルゲイだ。
美しい痛みとオペを信条にしている」
成宮はセルゲイ内科部長を見て、顔をしかめる。
“痛み”と言ったとき、口元をゆがめていた気がする。
「---」
「2人とも、よろしくね。
成宮さん、二人に院内のご案内をお願いできる?」
真崎が言うと、成宮は頷いて、院長室を2人と共に後にした。
一人になった真崎はレントゲンを見つめる。
「---ーーー」
そのレントゲンは、真崎自身のものー。
そして、そのレントゲンを見た真崎は思う。
医師だからこそ分かる。
”もう、自分はーーーーー”
そして真崎は机の上を見つめる。
”終焉のカウントダウン”のカード。
「どうせ…死ぬなら…」
真崎は微笑んで、”軽い気持ち”で終焉のカウントダウンの
カードを発動した。
”20ターン後に勝利”となるカード。
一度発動したら、そのカウントを止めることはできないー
「どうなるかだけ、見てみたいのー」
真崎が自虐的に微笑んだ。
特にーーー異変は起きなかった。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「急患3名入ります!」
3日後。
急患が3人運ばれてきた。
いずれも女子高生。
3人とも、突然狂ったように笑い出し、
3人で激しくキスなどを繰り返したあとに、
3人手をつないで学校の3階から飛び降りたのだと言う。
「---3人か」
Dr成宮が言う。
「泥門!一人任せられるか?」
成宮が言うと、泥門外科部長は愛想なくつぶやく
「俺、失敗しないので…」
そう言うと、泥門が第2オペ室に入っていく。
「---丸山(まるやま)外科副部長、一人頼めるか?」
成宮が、泥門と同時期に赴任してきた
丸山 卓(まるやま すぐる)外科副部長に言うと、
「僕も…失敗しないので」
とニヤケ面で呟いた。
第3オペ室に入っていく丸山外科副部長。
そしてーー
成宮はカードを手に、第1オペ室へと入った。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
院長室には、
各オペ室の様子が見れるモニターが設置されていた。
「うっ…」
院長のDr真崎は、胸を抑えた。
「もう……”夢”は終わりなのね…」
口元から血が少しにじみ出ているDr真崎。
彼女の体は着々と”病魔”に蝕まれていた。
ーーーー
「----!?」
Dr真崎がふと、窓の外を見つめて、目を疑った。
空に―――
小さい”黒い穴”が出来ていた。
「あれはーーーー」
真崎は凍りついた。
「”終焉のカウントダウンー”?」
Dr真崎は、自分の死期が近付いていることで、
自暴自棄になり、終焉のカウントダウンを3日前発動した。
結果、何も起きなかった。
「流石に、そんなことないわよねー」
そんな風に呟いた。
だがーーー
今、空にある黒い小さな穴は一体・・・?
「---まさか!」
Dr真崎は恐るべき事実に気づき、凍りついた。
”20ターン”
つまり・・・
”20日で世界が・・・終わる?”
「------・・・・・・嘘・・・」
真崎院長はその場に座り込んだ…。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「---お疲れ様」
泥門が鮮やかな手並みでオペを終えた。
一方、第1オペ室では、
成宮が、”弱体化の仮面”というカードを使い、
癌患者のオペを終えていた。
癌細胞を弱体化させ、
ブルーポージョンとのコンボで治療したのだ。
「--オペ終了」
成宮がモニターで他の2部屋の様子を見る。
「んんんんんんんっ!」
丸山外科副部長がオペにてこずっている様子が写っている。
何やら口に手を当て、奇声を上げているようだ。
成宮は苦笑いし、
第3オペ室を目指した。
1時間後、全てのオペが無事に終了した。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
1週間後。
3人の女子生徒は無事に退院の日を迎えた。
「ありがとうございました」
一人が笑顔で言う。
「--あぁ、それにしても何で飛び降りたりなんか?」
成宮が聞くと、
3人のうちの一人が答えた。
「それが……
”記憶にないんです…”」
成宮は首をかしげる。
「--クラスメイトに、、カードゲームのカード、、
なんだっけアレ・・・えーっと、洗脳とかいうカード見せられてから
記憶が無くて…。
3人でキスし合ったっていうのも、覚えてないし…」
成宮は女子高生の言葉を聞いて思う。
”リアルの力を持つやつがーー
その力を悪用している” と。
だが、成宮はそのことは伝えず、笑みを浮かべて
「そうか…疲れていたんだな」と3人に言い、
3人を笑顔で見送った。
「ふぅ…」
成宮は空を見上げる。
空に”不気味な顔”のようなものが浮かび上がっている。
最近、”連日ニュース”になっている謎の怪奇現象だ。
「-----…あれは、、何なんだ?」
それから数日が経った。
成宮はふと、病院に来ている子供が持っていたカードが目に留まった。
”終焉のカウントダウン”
「---君、ちょっと…」
成宮は子供に声をかけ、終焉のカウントダウンのカードをつかむ。
Dr真崎が終焉のカウントダウンを発動してから18日ー。
不気味な”悪魔のような顔”と、その周りに20個の赤い玉ー。
「これはーーー」
成宮は慌てて外に出る。
外は、昼なのに薄暗い。
連日、世間は大騒ぎだ。
「---これは、まさか…!」
悪魔のような顔のまわりにー
18個の赤い玉。
”20ターン後、自分はデュエルに勝利するー”
「---20ターン…
20日…
あの赤い玉が…18個…」
成宮は青ざめる。
「まさかーーー!?」
成宮は病院内を走った。
途中で、泥門外科部長とすれ違う。
「--泥門!最近の空の怪奇現象…
あれの正体が分かった!今から俺は院長室に行く!
お前も…」
「--致しません」
泥門は愛想なく言い、そのまま立ち去っていく。
彼はーー
”仕事”以外の”仕事”を一切しないのだ。
「--くっ・・・」
成宮はそのまま院長室を目指す。
何故だ?真崎?
俺と共にリアルの力で患者を救おうと言ったはずだ。
それがーーー何故!?
成宮が院長室に飛び込むと、
そこにはーーー
Dr真崎の姿があった。
「-----気づいたのね?」
真崎が言う。
真崎の机の上には終焉のカウントダウン。
「---おい、真崎!
どういうつもりだ!?世界を滅ぼす気か!?」
真崎に詰め寄る成宮。
成宮はーー
その”顔”を見て言葉を止めた。
真崎の顔―。
ブラックマジシャンガールの顔はーーー、
やつれ果てて、青ざめていた。
「----ごめんなさい」
真崎が目から涙をこぼす。
「どういうことだ!?」
成宮がふと、院長室のホワイトボードに貼ってある
レントゲンを見た
「これはーーー」
”既に”手遅れな癌細胞ー。
Dr真崎の体は蝕まれていた。
「---私・・・もうダメみたい…
だからつい、自暴自棄になって
終焉のカウントダウンを、、、興味本位で使ってみたの・・・
ふふ・・・バカよね・・・わたし・・・」
空を見上げるDr真崎。
終焉のカウントダウンが「18」を示している。
「---永続魔法じゃないから・・・
一度発動したら、スリーブに入れてなくても、、
リアルの力は続く・・・。
もう、止められない」
真崎が笑う。
「---ふざけるな!
お前の体なら、俺がカードで・・・」
「---もう、試した!」
Dr真崎が脇の小さいテーブルを指さす。
そこにはーー
神の恵みやレッドポージョン、ゴブリンの秘薬、
あらゆる回復系カードが置かれていた。
「ダメだった・・・」
真崎が首を振る。
「--どうして」
成宮が唖然としていると、
真崎が言う。
「抵抗 よー」
”抵抗”
どんな薬でも、何度も投与していれば、”抵抗”が出来、
その効き目は薄れていく。
「---私は・・・
ずっと、ブラックマジシャンガールの姿を借りて
生活してきた・・・
だから・・・
ずっと”リアル”の力を使っている私にはーー
もう”リアル”の影響が及ばなくなってしまったみたい・・・。
前に使ったカード以外、、体が受けつけないの・・・」
悲しそうに言う真崎。
成宮は「バカな」とつぶやく。
リアルデュエリストが現れ始めたのは3年前ー。
まだ、この現象には謎が多く、
イマイチ、何がどうなるのか、わかっていない部分もある。
「---もう・・・私は助からない」
真崎が目をつぶった。
「待ってろ!俺がお前を助けてやる!」
成宮は院長室を飛び出し、自分の研究室へと走った。
あと1日ーー。
それが経過したら、この世は・・・??
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
翌日。
19日目。
空の不気味な顔が不気味な笑い声を時々上げている。
昼なのに、夜かのような暗さ。
世の中はパニックに陥っている。
PM21:00。
成宮は院長室に呼び出された。
Dr真崎が笑う。
「世界、滅びちゃうー」 と。
うつろな目で、真崎は1枚のカードを成宮の方に投げた。
”破壊輪”のカード。
「そのカードで、私を殺しなさい」
Dr真崎が弱り切った目で言う。
「なに?」
成宮が声をあげると、真崎が笑った。
「わたしー、考えたの。
終焉のカウントダウン・・・
20ターン経過前に発動したプレイヤーのライフが0になれば
ゲームはおわり。。
効果は発動されない・・・
なら、リアルの世界でも、私が死ねばきっと・・・」
真崎の言葉に成宮は首を振る。
「ダメだ、俺はあんたをー」
”患者を救いたい”
成宮にとって、Dr真崎は初めて同じ志を持つ医師だった。
確かに、彼女は、患者を救いたいという心を持っている。
そして成宮も、全力でそれにこたえようとしてきた。
しかしーー
「---あなたは、患者を救いたいんでしょ?」
真崎がほほ笑む。
「あと3時間で発動から20日。
もしかしたら、、この世は・・・」
”終焉のカウントダウン”のリアル発動の前例はない。
20日経過で何が起こるかは分からない。
案外、どうでも良いことしか起こらないかもしれないし、
もしかすると・・・
「俺は・・・あんたを尊敬していた・・・
初めて出会ったときから・・・
患者を救おうとしているあんたを・・・」
成宮が悲しそうに言うと、
真崎は微笑んだ。
「あなたに辛い思いをさせてごめんなさい。
本当は自分で死のうとしたーー
でもーーー私、、臆病者だから・・・
ずっと、ずっと・・・」
真崎が目に涙をためる。
「---私ね・・・楽しかった・・・
私・・・リアルの力を手に入れるまで・・・
人生、、諦めていたの・・・」
成宮が真崎の言葉を聞く。
「--でもね・・・リアルの力のおかげで、
この3年間、本当に楽しかった。
絶望していた私にーー
もう一度、人生を、、光を与えてくれたーー
・・・ふふっ・・・
”お前はもう十分幸せだった”
神様がそう言ってるのかもねー」
自分のレントゲンを見ながら、悲しくつぶやく真崎。
「-----」
真崎が引出から”スリーブに入ったブラックマジシャンガール”を
取り出した。
そして・・・
真崎はカードをスリーブから抜いた・・・
すると・・・
彼女は
40代と思われる男性の姿ーー
”本来の姿”に戻った――。
顔面の半分は、”人とは思えない醜悪なもの”だった。
そしてーー
胴体も、かなり傷んでいる・・・
「真崎ーーー」
成宮がつぶやく。
「--私は5年まえ・・・交通事故で、、、
顔面の半分を失った・・・
私のことを見る人はみんな・・・
私を恐れたよ・・・。
子供には泣かれた・・・。。。
わたしは・・・・・・それで・・・医療の世界から身を引いた」
真崎本来の姿はーーー
”ボロボロ”だった。
立つのがやっとのように見える。
「ーーーーー私は・・・日々絶望していた・・・
こんな姿じゃーーーーー
もう、、、」
真崎が真っ赤に染まった右目から涙をこぼす。
「---そんな時、、・・・」
真崎は再びブラックマジシャンガールのカードをかざす。。
「---リアルの力に出会ったの・・・
この3年間、、、本当に夢のようだったーー。」
Dr真崎がブラックマジシャンガールの姿に戻って微笑む。
「---もう、、十分よ・・・。
私は、十分幸せだった・・・
さぁ・・・成宮さん・・・
あなたになら・・・殺されてもいい・・・
私を・・・お願い」
真崎は目をつぶった。
「---”患者を守るために”殺されるならーー
本望だからーーー」
目から涙がこぼれおちる。
既に時計は22:00を示している。
「-----わかった」
成宮は決意した。
同じ想いを持つDr真崎への最後の手向け。
だがーーー。
「---聞かせてくれ」
成宮が言うと、真崎が今一度、目を開いた。
「--なぜ、そのカードを選んだんだー?」
成宮が言うと、
真崎は1枚の写真を取り出した。
そこにはーー
Dr真崎の娘と思われる人物と一緒に、Dr真崎が写っていた。
「---わたしの娘・・・。
私と一緒に交通事故に巻き込まれて死んだ・・・」
真崎が涙をこぼした。
「---」
成宮はその写真を見つめて思う。
娘の姿は”ブラックマジシャンガール”にどことなく似ていた。
「---私は、、娘の影を追っていたのかもね・・・ふふっ」
真崎は笑うと目をつぶった。
「さぁ、、成宮さん。
私を殺して・・・、”大勢の患者”を救って・・・」
成宮は目を閉じ、言った。
「俺は、、カードで患者は殺さない。
アンタも知っているだろう?」
その言葉に、Dr真崎が成宮を見る。
「俺はの力は、患者を救う為にあるんだ。
俺は、、お前を殺せない…。
……真崎が顔を伏せる。
「--世界を救って、患者を救うのはお前自身だ」
成宮が破壊輪のカードを真崎の机の上に置く。
「--そうね。。」
Dr真崎は少しだけ微笑んだ。
「ごめんなさい。
あなたに”人殺し”をさせるところだったわ…」
真崎が悲しそうにつぶやく。
「---お前なら出来る…
お前の手で”患者”を救うんだ。
俺と同じで、患者を大切にしているお前なら」
成宮が言うと、真崎はうなずいた。
”リアルの力”への抵抗は、破壊系カードであればおそらく問題ない。
真崎自身が自分の姿を念じて発動すれば恐らく・・・。
真崎が笑う
「ふふっ…自分の”医療ミス”は自分で片づけなきゃね」
”終焉のカウントダウン”は医療ミスー。
ならばそれを片づけるのも自分。
Dr真崎は苦しそうに窓際に歩いて行くと、
外の”闇”を見つめながら呟いた。
「私の話を聞いてくれてありがとうー。
後の事はよろしくね…」
そう呟くと、Dr真崎がーー
自分の方にカードを向けて、破壊輪を発動したーーーー
・・・・
・・・・・・
・・・・・・・・・。
あれから1週間。
真崎瑠璃医師は、院長室で発作を起こして亡くなった。
それと同時に、空の怪奇現象は消滅したーーー。
「---真崎・・・」
成宮は真崎瑠璃医師の墓の前で、呟く。
「--俺はお前の分も、患者を救う」
成宮が言うと、
近くの木々が風で揺られた。
「---・・・・・・」
成宮はその様子を見て微笑んだ。
今日は、新しい院長が来る日だ。
成宮が昇格するという話も出ていたのだが、
成宮はあくまで現場仕事もしたい、ということで、
それを拒んでいた。
「--」
・・・・・・・・・・・・・・・・
院長室をノックして、そこに入る成宮。
新院長が笑う。
「---成宮くん」
その声に聞き覚えがあった。
新院長が、椅子を回転させて、
成宮の方を向いてほほ笑んだーー
「----私の満足は、これからだーーー」
鬼柳外科部長ー。
Dr真崎に、リアルの力で消されたはずのーーー
「知り合いにリアルの力を持つモノが居てねー。
”地獄”から帰ってきたよー。」
鬼柳外科部長は笑う。
いや・・・今や彼はーー
鬼柳院長だ。
成宮は呟く
「鬼柳ーーーーー」
成宮は新たな戦いの予感を感じ、
鬼柳を睨みつけたーー。
彼の、カードで患者を救う戦いは終わらないーー
リアルデュエリスト医療編 おわり
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
コメント
医療編、3話も作っちゃいました!
が、これでオシマイです!
満足さんが帰ってきちゃいましたね。
これからも彼は大変な日々を過ごすことになりそうです!
ご覧いただきありがとうございました。
コメント
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この世界いろいろやばい( ˘ω˘ )
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> この世界いろいろやばい( ˘ω˘ )
何でもありのご都合主義世界になりつつあります!
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カードの力がデュエルでどうにかなってる分まだアニメの世界ってマシだったんだね
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> カードの力がデュエルでどうにかなってる分まだアニメの世界ってマシだったんだね
デュエリストじゃない人がカードを使い始めているので
この世界はもう、救えないですね…
「おい、デュエルしろよ」が通用しない世界は怖いです。