暗殺対象の近しい女性や、
通りすがりの女性に憑依して暗殺を行う、
闇の暗殺集団、憑依暗殺部隊ー。
彼らの前に、
色香を使って相手を暗殺する、暗殺部隊
通称”白き華”が姿を現した・・・
「憑依暗殺部隊」の新作です!
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数か月前―。
憑依暗殺部隊は、井澄ミストなる人物の
暗殺任務を行ったー。
その任務の最中、
憑依暗殺部隊結成にも携わった、上層部の男が
井澄ミストの手により、抹殺された。
同業であった尿意暗殺部隊のオメガとシグマも
犠牲になった。
アルファたち暗殺部隊は、新しい上司のもとに
配属されることになったものの・・・。
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モニターに暗殺対象が表示される。
「---今回は、3人。
地元では有名は闇組織の人間たちだ」
新しく、アルファたち憑依暗殺部隊の上司となった男が言う。
アルファ、ベータ、ガンマの3人がモニターを見つめる。
一人目のターゲットは、
東 諭旨博(ひがし ゆしひろ)。
人気の創作家ー。
連載と休載を繰り返して不正に莫大な利権を得ている男だ。
二人目のターゲットは、
”ジョイアン”の異名を持つ、強盗。
「お前のものは、俺のもの」という座右の銘のもと、行動している。
そして最後の一人は、
路上で、通りすがりの女子大生に梨汁をぶっかけている
着ぐるみ男、通称”きもっしー”。
「---この3人の始末を行う」
上層部の男が、アルファたちに告げる。
「--分かりました」
アルファが答えると、上層部の男は言った。
「--と、言いたいところだが、
今回、君たちは”見物人”だ」
上層部の男は言った。
そして、部屋の入口に向かって男が合図をすると、
3人の女が入ってきた。
みたところ、まだ女子高生ぐらいの年齢に見える。
「---暗殺部隊”白き華”」
アルファがつぶやいた。
3人のうちの一人で、
高飛車な雰囲気の美少女がほほ笑んだ。
「あらー?
こんにちは。」
微笑む少女。
アルファは冷ややかな目で彼女を見ている。
「--白き華って?」
ベータが言うと、アルファが答えた。
「---我々と同じ、秘密裏に結成された
暗殺部隊だ、」…と。
「はじめまして…
私がリーダーの”ヒカリ”です。ふふふ…」
ヒカリが挨拶をすると、
横に居た二人も挨拶をする。
「悪いけど、今回、あんたたちの出番はないから」
威勢の良いセミロングの少女、”ホタル”が言う。
「--と、言うわけで、ごめんなさい」
眼鏡女子の”サユリ”が言うー。
「---彼女らに、3人の暗殺を依頼する、と?」
アルファが上層部の男に言うと、上層部の男はうなずいた。
「--彼女らは、普通なら女子高生の年齢だが、
色々ある子たちでな…。
私が引き取り、暗殺部隊として育て上げた。
腕前は、君たちと変わらない」
上層部の男の言葉に、憑依暗殺部隊のベータが
口を挟んだ。
「--信じられませんね。
こんなか弱い子たちに暗殺が出来るなんて」
ベータがチラリと少女たちの方を見る。
「--なによアンタ!
わたしたちを疑うって言うの?」
暗殺少女の一人、ホタルが言う。
「-ーー可愛い顔して暗殺ねぇ」
ベータが、ホタルの方を見て笑う。
「--確かに、可愛いけどよ…
可愛いだけじゃ、暗殺はできないぜ?」
ベータがホタルに言うと、
ホタルが嫌悪感を丸出しにして言った。
「-ーわたしをじろじろ見ないでくれる?
気色わるっ…!」
おしゃれなミニスカート姿の、
とても暗殺者には見えないようなホタルが
ベータにさらに言い放つー。
「だいたいアンタたち、女の子に憑依して
暗殺させるんでしょ?
あ~本当にキモい!
特に、あんただっけ?ベータっての?
女の子を遊びまくった挙句、暗殺する
人でなしは!」
ホタルの言葉にベータが表情を変える。
「--何だと?俺とここで勝負するか?」
ベータが言うと、
ホタルもベータを睨んでいった。
「いいけど?わたしみたいな女の子に負けて
泣いても知らないからっ!」
マニキュアのようなものを持って、ホタルがベータの方に
それを向ける。
「--よせ」
憑依暗殺部隊の体調、アルファがそれを止めた。
「--部下の非礼を詫びよう」
アルファが言うと、
暗殺部隊 白き華のリーダ-である
ヒカリも、こちらこそごめんなさいね…と、ほほ笑む。
キャリアウーマンのような格好のヒカリが
続けて言うー。
「--でも、今回は私たちの仕事。
あなたたちの手出しは無用よ」
ヒカリがそう言うと、アルファは一言だけ言った。
「--くれぐれも、油断しないことだな」
と。
「--心配無用よ」
ヒカリは、そう言って部屋から出て行った。
後に、ホタルも続く。
部屋から出ていき際に、ベータの方を見て
「ケダモノ!」と叫ぶホタル。
「--ビッチ女!」
ベータも咄嗟に言いかえした。
「--仲良しですねぇ」
憑依暗殺部隊のガンマは、
眼鏡女子の”サユリ”と仲良さそうに談笑していた。
「ふふふ…ホタルは、ツンデレですから」
サユリが優しく微笑む。
セーラー服姿のサユリはまるで本物の女子高生のようだ。
ガンマは思う。
”この子も暗殺するのだろうか?” と。
だがー
ガンマは見逃さなかった。
サユリが、スカートの下の太ももに
何かを巻きつけているのを。
恐らくは、暗殺道具。
「---サユリ、何してるのよ!」
先に出て行ったホタルが叫ぶ。
「-あ、ごめんなさい!今、行きます!」
そう言うと、サユリは憑依暗殺部隊と上層部の男に
礼をして、部屋から退室した。
・・・・・・。
「と、いうわけだ。君たちの仕事は、今後
少し彼女らに回すから減ることを覚悟しておいてくれ」
上層部の男は言った。
元々この男は”自分直属の部下”をひいきする傾向にある。
今回も、そういうことだろう。
「--分かりました」
アルファは礼をして、その部屋から立ち去った。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「あぁぁ!腹立つぜ!あのクソ女たち!」
憑依暗殺部隊の本部に戻ったところで
ベータが叫ぶ。
「--準備しておけ」
アルファがつぶやいた。
「は?」
ベータが声をあげる。
「--今夜、決行する。
憑依準備だ」
アルファの言葉に、ガンマが首をかしげる。
「--誰に、ですか?」
「--さっきの女暗殺者3人に憑依して、
先ほど説明のあった、
休載男の東、
強盗のジョイアン、
そしてきもっしーの3人を暗殺する」
アルファの言葉に、ベータが驚く。
「え?でも、上からの指令はー」
アルファはその言葉を遮った。
「--相手の3人は、色香などでは釣れない。
放っておけば、彼女らは返り討ちに遭い、死ぬーーー」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
東、ジョイアン、きもっしーの3人は
ホテルに呼び出されていた。
「まさか女子高生に呼び出されるとはな…」
ジョイアンが笑顔で言う。
「--ま、タダで一緒に寝かせてくれるってんだから
願ったりだぜ」
ジョイアンの言葉に、東と、きもっしーが頷く。
3人は、暗殺部隊 白き華の3人に、
呼び出されていた。
女好きの3人は、白き華の罠にカンタンにはまったー。
ホテルで、
3人を分断し、ヒカリ、サユリ、ホタルの3人が
誘惑、油断させたところで、対象を始末するー。
いつものやり方だった。
「--俺は、気の強そうな子にするぜ」
ジョイアンがホタルの待つ部屋へと向かう。
「お前のハートは俺のもの、俺のハートも俺のものだぜ!」
「…私は、このしっかりモノの子を」
東が、ヒカリの待つ部屋へと向かう。
「--ぶっしゃ~~~~!」
きもっしーが、眼鏡女子のサユリの待つ部屋へと向かう―。
3人は、別れ際に小声でつぶやいた。
”楽しんだ後は、好きに始末しろ” とー。
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1時間後―。
「はぁ…ホタルちゃん最高だぜ!」
ジョイアンが嬉しそうに言う。
「--ふふ、ありがと」
ホタルはそう言いながら、マニキュアに仕込んだ、
猛毒を、ジョイアンに注入しようとした。
「---っと…危険なモノは、持っちゃいけねぇぜ?
お嬢ちゃんよぉ!」
ジョイアンがマニキュアを吹き飛ばした。
「---!?」
「--へへへっ!お前ら、普通の女子高生じゃねぇよなぁ
そんなの御見通しだぜ!」
ジョイアンが笑う。
ホタルは青ざめていたー。
「--へへへへ…ジョイタイム(喜びの時間)だぜ!」
ジョイアンがそう叫ぶと、ホタルに襲い掛かった。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「ど…どういうこと…」
”猛毒お香”を部屋に充満させたはずのヒカリが
驚きの表情を浮かべていた。
「---長期休載はしても、
感覚までは失うな」
東が不気味にほほ笑む。
「それが、私のモットーだ」
ガスマスクをつけた東がマスク越しに笑う。
「---暗殺部隊、白き華、だったかな?
闇の世界では有名だよな…。
私たちが知らないとでも思ったか…?」
そう言うと、東は体からオーラを爆発させて、
ヒカリの方に向かって歩き始めた。
「--そ、そんな…」
ヒカリは、足を震わせながら後ずさっていく。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「ぶっしゃ~~ぶっしゃぁ~~~~!」
きもっしーが体中から梨汁を吹き飛ばしている。
「--や、、、やめて…!」
サユリがおびえた表情で叫ぶ。
サユリが持っていた”殺人タイツ”は、
既に床に放り投げられている。
「---きもっしーを暗殺しようなんて
許せないぶっしゃぁ~~~~!」
きもっしーがサユリの方に向かって
ジャンプした。
「---やめてぇ~~~!」
サユリが悲鳴をあげたーー
「---ひぅっ!?!?!?!?!」
サユリの身体がビクンとなって、跳ね上がる。
「ぶしゃ?」
きもっしーが動きを止める。
「くふふふふふふふ・・・
この子の人生が全部、流れ込んできましたよ…」
サユリが顔をあげた。
先ほどまでとは違い、
飢えた表情で、唇をペロリとなめるサユリ。
「--ふふ・・・わたしの過去、ぜ~~んぶ、
流れ込んできちゃった!」
憑依暗殺部隊のガンマに憑依されたサユリが、
不気味に体を動かすきもっしーを見つめた…。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「---あん?」
「--ひはははははははははっ!」
ジョイアンの目の前に居たホタルが
大笑いし始めた。
「うふふ♡ あぁん♡ あぁあああっ♡」
ホタルが突然自分の胸を揉み始める。
「な…なにやってんだテメェ!」
ジョイアンが叫ぶ。
「---うふふ♡」
ベータに憑依されたホタルが不気味に笑う。
(ちょ…ケ、、、ケダモノ男!
わたしのからだで何を!?)
ホタルの意識が叫んだ。
「--おやおや…、俺に憑依されても
意識があるなんて、珍しいなぁ。
ま、見てな」
ベータはそう言うと、ホタルの身体を完全に
乗っ取って、ジョイアンの方に向かった。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「--連載再開しろよ…」
追い詰められていたはずのヒカリがつぶやいた。
「は…?」
東が足を止める。
「楽しみに待っている読者のために
連載再開しろよ!」
アルファに憑依されたヒカリが叫んだ。
ーー3人の裏世界の人間は、
憑依暗殺部隊に憑依された暗殺少女集団と
今、まさに対峙していたー。
②へ続く
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
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そういえば最近、梨汁を見かけなくなった気がしますね。
私だけですか??
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