憑依暗殺部隊 ② ベータ

悪趣味ーーー。

隊員の一人、ガンマは”ベータ”の事をそう言う。

今回はその”ベータ”が名乗りを上げた。

病院を舞台にベータが憑依したのはーーー。

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”憑依暗殺部隊”

彼らの憑依には欠点があった。
それは”暗殺対象本人”に憑依して自ら命を絶つことはできないーということ。

つまり憑依対象を死なせることはできないのだ。

だからこそ、彼らは近しい人間に憑依して
暗殺を決行するーー。

「---俺の出番だな!」

隊員の一人「ベータ」が動き出した。
彼はーー憑依した女性をたっぷり楽しんだ後に、
暗殺を実行する遊び人だ。

リーダー格のアルファからは呆れられている。

「--君、今日の夜、どうだい?」
白衣を着た男、
佐久間幸信(さくまゆきのぶ)が言う。

ここは大病院。
看護婦の西島みどり に佐久間はイヤらしい顔つきで
食事に誘っていた。

「---申し訳ありません。私はこの後用事がありますので」

ーー嘘ではなかった。

みどりは退勤後、彼氏と食事の約束があった。

みどりは25歳のナースだ。
病院内では患者に優しく、仕事にも熱心な事から
人気が高い。

「はぁ…」
ロッカールームで彼女は私服に着替え終え、
少しだけ微笑んだ

今日は彼氏と1週間ぶりに会う日なのだ。

結んでいた髪をほどいた。
みどりは、仕事中は仕事の邪魔になるという理由で
髪を結んでいる。

眼鏡をしていて、落ち着いた感じの彼女は
見たままの性格だ。

学生時代も、程よい交友関係、
良好な学生生活を送ってきた。

「---そろそろ行こうかな」
みどりがほほ笑んだ その時だった。

突然、体の感覚が無くなる。

「--えっ…」

戸惑いながら必死に体を動かそうとしたがーー
みどりの意識はそのまま闇に呑まれてしまったーー

そしてーー

「ク…フフ…たまらねぇ」」
みどりが突然いやらしい笑みを浮かべた

「へーー。
 なかなか良いじゃないか」

近くの鏡を見て、自分の顔を撫でまわすみどり。

憑依暗殺部隊の”ベータ”が憑依したのだった。

「フフ…さて…と。」
みどりはそう呟くと、自分の体を撫で回した

「あぁ…・・イイ」

うっとりした表情で甘くささやくと、
彼女はそのままロッカールームを後にした。

そして、病院の前まで出ていき、
近くで仲間と合流した。

「相変わらずの趣味の悪さーー
 敬服しますよ」

仲間のガンマだった。
”ある荷物”を持ってきてもらったのだった。

ガンマは、憑依した相手に成りすまして暗殺を行う。

完全にその憑依相手の人格になりきり暗殺するー。
本人曰はく、それがたまらないのだと言う。

ガンマから荷物を受け取ると、みどりは更衣室へと
戻った。

そこでーー
彼女は再び着替えた。

ーー彼女は自分のナース姿を見て
顔を赤くした

「くふふ…いいねぇ、、こういうの…」

そう言うと、みどりは声の調子を整えてから呟いた

「みどり…乗っ取られちゃった~
 うふ!」

そう言うと、みどりはさっきの医師のところへと向かった。

「ん?どうした?」
佐久間医師はみどりの様子に違和感を感じた。

髪を結んでいない…。

「--先生~~ちょっと遊びませんか~?」

みどりが普段出さないような男を誘う声でささやいた。

佐久間がつばをゴクリと飲み込む

そしてーー

「よ、、よし じゃあ控室が空いてるから
 そこに行こう」

佐久間医師はニヤリとして、みどりを誰も使わない
控室に誘い込んだ。

部屋に入るなり、みどりは一人胸を触って感じている

「んっ…はぁ…♪」

そんなみどりの様子を見て、佐久間医師はやはり
違和感を感じた

「--急に驚いたよ。
 君から誘われるなんてね」

そう言うと、みどりは振り返って笑みを浮かべた

今回のベータの暗殺対象はこの
”佐久間医師”だった。

彼は裏で数々の不正を働いている悪徳医師だ

「わたしを…こわして!」

そう叫んでみどりは佐久間医師に飛びかかった。

自分の服を破るようにして脱ぎ捨てる。
事実ナース服は少し破れている。

「んっはぁ…あぁ!」

みどりは佐久間を力強く押さえつけキスをした。

そのまま服を脱がせ、
佐久間の体中を気持ちよくしてやった。

佐久間もその気になり、二人は激しく行為を行う。

「すっすげぇー みどり!お前は、最高だ!!」

佐久間がみどりを呼び捨てにする。

「うん ああぁぁ…わたしも、、はぁ、、最高です、、
 あぁ、気持ち、、、良すぎる、、あっ あぁぁあああ♪」

みどりが激しく喘ぐ

「あぁああ、ああ、みどり、、こわれちゃう、、!
 ううん、もう、、壊れてるかも、、あは、、、ははは♪」

みどりは激しく体を動かし、眼鏡が音を立てて
床に転がり落ちた。

もう眼鏡のことなんてどうでもよかった。

彼女は激しい動きで喘ぎながら、
眼鏡を押しつぶした。

割れた眼鏡で体が痛む。

だがーー今の彼女にはそれすら快感だった

「あぁぁぁぁあーーーーサイコー♪
 もっと、、もっと、、、もう、、こわして!!
 みどりを徹底的にこわしてーーーー!!」

大声で叫んだ。

佐久間は下心丸出しといった表情だ。

ーーその時、電話がなった。

みどりのスマホだった。

「…っ…なんだよ」
みどりは乱暴な言葉遣いでスマホを見る。

そこにはーーみどりの彼氏の名前が表示されていた。

「……」
みどりはその表示を見て邪悪な笑みを浮かべた

そして、電話に出た

<もしもし、みどり?まだついてないのか?>

彼氏の声がする。
そうだ、元々この女はデートの待ち合わせをしていた。

「うぅん、今ねー みどり、それどころじゃないのーー
 これから聞かせてあげるね」

みどりはそう言うと、スマホを通話状態のまま置いた。

そして再び佐久間との激しい行為を始めた

「うぁぁ、あぁ、みどり、こわれる、、ぁぁああ!
 気持ちイイ、気持ちイイ、、、、

 もっと、もっとぉぉぉぉ♡」

みどりが体をビクビクと痙攣させながら喘ぎまくった。

電話から彼氏の声が響く

<お、、おい!みどり!どういうことだよ!!>

その声を聴き、みどりは答えた

「きこえるでしょ、はぁ、あっ、
 きいたままのとーりよ!

 みどり、、壊れちゃったぁぁ うふふふ♡

 あは、あはは!あはぁぁぁ♡」

<………もういいよ お前なんかしらねぇ>

彼氏が電話を切った。

みどりの中に潜むベータの興奮は頂点に達していた。

イイ!これがイイ!

憑依した女の意思とは関係なく
大事なモノを壊される瞬間!!!

イイ!!!

憑依されてるみどりも、そんなベータの意識に従ってか、
最高に幸せそうな顔を浮かべていた。

もう、髪も、表情も、体も滅茶苦茶だ。

「そろそろやるか…」

ベータはいつも、自分の興奮が頂点に達した時に殺しを
行う。

ガンマに持ってきてもらった刃物を紙袋から取り出す。

そしてーーー

「あぁあああああああ!!みどり、、あぁあああこわれるぅぅぅ♡」

そう叫びながらみどりが絶頂を迎えた瞬間に、
体を狂ったように動かしながら、、、
佐久間医師の喉元を掻き切った。

「はぁ…はぁ…はぁ…」

完全に獣の表情になったみどりが息を切らしながら佐久間を見る。

佐久間は死んでいた。
その表情には絶頂の幸せが浮かんでいたーーー

「幸せの瞬間に死ぬ…たまんねぇよなぁ…
 はははは」

そして、みどりは笑うと、そのままフッと意識を失って倒れた。

ーーー彼女が目を覚ますのはまだ少し先のことーー。

ーーーー

「完了したぜ」

作戦司令部で寝ていたデルタの体が起き上がった。

「---相変わらず悪趣味だな」
リーダーのアルファがつぶやいた

「いいじゃねぇか。ちゃんと仕事はしてるんだし」
デルタはそういうと、口笛を吹きながら別室へと移動していった…。

③へ続く

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憑依<憑依暗殺部隊>

コメント

  1. 匿名 より:

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    ベータがいい趣味してて好き。

  2. 無名 より:

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    ありがとうございます!

    彼は欲望のまま生きているのでしょう…笑

    > ベータがいい趣味してて好き。