48万アクセス記念短編「リアルデュエリストVOl13~女教師・すみれ~」

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今回は記念短編
「リアルデュエリストVOl13 ~女教師・すみれ~」をお送りします。

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私は1ヶ月前まで、単なる”新人 女教師”だった。

先輩の先生達からは、こき使われ、
おじさん教師たちからはセクハラまがいのことを言われ、
生徒達からは、馴れ馴れしくされて…。

大人しそうに見える外見のせいかしら。
わたしは舐められることが多かった。

大人しく微笑んでいれば、
調子に乗りやがって。

クソガキ共が。

わたしが何で先生になったか知ってる?
あなたたちみたいな、やつらを、生活指導の対象にして
退学に追い込んでやるためよ。

でも、
わたしは、理想と現実の違いに苦悩することになった。

何故ならー。
生徒達からは”美人教師”として見られるだけで
舐められてばかり。

おっさんたちからは、からだをいやらしい目で見られて、
本当にイヤになっちゃう。

でも、今は違う。

今や、わたしは学校の女王。

わたしは、力を手に入れた。
カードを実体化させる力を。

「おはようございます、天川先生。」

ハゲた校長が頭を下げる。
土下座。

いい気味。

「あら、おはよう。
 今日もわたしの靴、磨いてくれる?」

わたしは、惨めな校長に靴磨きをお願いした。

今まで、お茶を汲まされていたわたしが、
こんなことになるなんて、ネ?

ーーわたしは、リアルの力を手に入れて、
カードを現実化させることができるようになった。

わたしが使ったカードは「天声の服従」。
そのカードの効果により、
学校中の教職員と生徒は、わたしに絶対の忠誠を誓うようになった。

リアル化の力とはー、
本来のカードの効果とは時として違う効果が出ることがある。

天声の服従がそれだった。

本来のゲームでは、服従させる効果などではない。
けれど、このカードは、名前とイラストの効果が優先されたみたい。

「---ほら、お茶はまだなの!?」

1ヶ月前までは常に敬語で低い物腰で話していたわたし。
でも、今はその必要は無い。

体育教師がお茶を入れて持ってくる。

「---あちっ!ちょっと!ふざけないでよ!
 やけどしたじゃない!」

ーーーあつい!
ほんっとうに役に立たない脳筋野郎ね!
もう、あんたなんかいらないわよ!

「---天罰」

わたしは、罠カードの天罰を発動して、
バカな脳筋野郎に天罰を与えた。

「--わたしにこんな熱いお茶を出すなんて
 あり得ないんだけど!」

わたしは声を荒げた。
こんなにスタイルが良くて、頭も良いわたしが
誰かにバカにされるようなことがあって、
許されるはずがないわ!

25歳だからって、
どいつもこいつも、わたしを変な目で
見やがって!

「---さ、授業ね」

わたしは教室に向かう。

D組の教室に入ると、
クラスの女子生徒の一人、伊奈(いな)ちゃんが
微笑みながら、わたしの前にやってきた。

「---先生、今日もよろしくお願いいたします」

わたしは、かわいい子とイケメンが好きだ。

だから、毎日授業の前には、わたしのお気に入り生徒と
キスをしてから授業をはじめる。

「---うふっ…今日もよろしくね」

わたしはそう言うと、伊奈ちゃんとキスを交した。

そのまま抱き合い、ディープキスを始めるわたしたち。
伊奈ちゃんの舌にわたしの舌を絡ませる。

あぁん、、、さいこう…。

と、いけないいけない、授業しなくちゃ。

「---みんな、今日は、集金するわよ」

わたしは言った。

”洗脳ブレインコントロール”のカードを
昨日、全員に使い、自分の貯金と親のお金を
持ってくるように指示をしておいた。

もちろん、自分の意思で。

「うふふ・・・いいじゃない!
 これだけあれば、わたし、い~っぱい遊べるわ!」

やった…!
この力を使えば何もかも思いのままよ!!!

わたしは女王になったの!
うふふ…

おっさんたちも、クソガキたちも
み~んなわたしのしもべ。

「--ありがと!」

わたしは生徒…いえ、しもべたちにお礼を言う。

クソどもが、満面の笑みで喜んでいる。

ついこの間まで、わたしの授業を分かりにくいだとか、
先生かわいいっすね!とか言ってた
バカどもが!

”ごめん、ちゃんと先生の話聞いて?”なんて
お願いしていたけど、そんなのもう終わり!

「----天川先生!」

ふいに、おばさんの声が響いた。

ふと教室の入り口に目をやると、
保護者の団体が来ていた。

「--ちょっと、どういうことです?
 最近、娘の様子が変なのですけど」

「今のはどういうことなの!?
 あなた、何かおかしいわよ」

保護者のババアどもがわたしに
群がる。

あ~~~うざい!!!

わたしにけがわらしい手で触るな!

「ーーーうっさいんだよ!!
 わたしが、生徒達をどうしようが、
 わたしの勝手よ!」

わたしは叫んだ。
ババアたちが不満を叫び始める。

「あぁぁ、うるさい!」

わたしは「千年の盾」のカードを大量に発動した。

保護者達が一斉に盾になってその場に
横たわる。あぁ、いい気味!

「---あぁ、静かになったわ」

盾にされた女たちには、もう意思すらない。

自分の親が、酷い仕打ちを受けていても
笑みを浮かべているガキたち。

「うふふふ…さいこうっ!!!
 わたしの学校、
 ここはわたしのためだけの”パラダイス”よ!

 あはははははははははっ!!!」

喉が渇いた。
自販機でお茶でも買おう!

わたしは、腰を振りながら下へと向かう。

わたしは大胆なミニスカート姿だ。

もう、スーツなんか必要ない。
わたしの美しさを見せびらかしてやるのよ。

自販機で…

ーーーー!?

わたしの横に、男が立っていた。

「---なによ?」

男はわたしのことをじっと見ていた。

「---リアルの力を持てば、皆、
 私利私欲に溺れるー。
 人とは愚かだ」

一人でブツブツ言う男。
ともだち居なさそう!!!

「---リアルの力は、私がこの世に
 もたらしたもの。
 この世界の人々なら、正しい使い方をできると
 思っていたがーー

 失望したよ」

「はぁ???何なの!?わたし忙しいんだけど!」

わたしは叫んだ。
根暗男の言うことなんて聞いてられない。

「--お前に現実決闘(リアルデュエル)を申し込む」

男が笑った。

現実決闘。
おもしろいじゃない。

わたしにデュエルを挑むなんてー
愚かね。

わたしのデッキは「リアル・クィーンデッキ」

リアルデュエルで相手を排除することのみを考えてある。

「---いくぞ、現実決闘(リアルデュエル)」

「--私の先行。ドロー」

男は微笑んだ。

何なの…その笑みは?

・・・・・・!!!!

わたしは、男の笑みを見てーーー
”危機感”を覚えたーー

この男ーーーー

”男”がカードを発動したーーー

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「---人とは、愚かなものだ。」

リアルの力をこの世にもたらした別次元の男・アデンは
呟いた。

「--これまで”7”の次元にリアルの力を与えてきたが
 どこもこのザマだ。
 …人は愚かだ。
 …どこまでも…」

アデンは、”ゼロ”と書かれたカードをデッキに戻し、立ち去った。

--”ゼロ” 
 相手の存在そのものを”ゼロ”にするー。
 つまり、誕生していなかったことにする

教師、天川すみれ は、
先攻1ターンキルにより、この世から消滅した。

「---サラ…私は、君と、もう一度、笑いあいたいだけなんだ…」

アデンはそう呟くと、”女王”の居なくなった校舎を振り返り、
その場を後にした。

おわり

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コメント

リアルの力を与える人間を間違っているのではないですか?
と、彼に突っ込みたくなるような気もしてしまいますね笑

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