<憑依>リアルデュエリストVol12~起源~

カードを現実化させる力を持った
「リアルデュエリスト」たち。

異世界からやってきたこの力の起源とは。

”リアル化”の力とはー。

憑依、女体化、洗脳、私利私欲…
今ややりたい放題のリアルデュエリストたち。

見かねた男はついに…

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やはり、人とは愚かなものだ。

”別次元”からやってきた男は、
モニタールームで各地のリアル化の力を手に入れた
人間たちの様子を見ながら呟いた。

自宅を守ることに固執するあまり、身を滅ぼした男。

行き過ぎた行為で、自ら破滅した生徒会長。

デュエルポリスを名乗り、犯罪者をいたぶる警察たち

会社の会議でやりたい放題やった男ー

「どいつも、こいつもー」
男は立ち上がり、部屋の片隅にあった写真を見つめる。

”サラ”
美しい女性は、彼の恋人だった女性だー。

彼の故郷はーーー
”滅んだ”

醜い争いによって…。

元々、彼の居た”別次元”は
この世界よりも技術が進んでいた。

しかし、人は争いを始めた。
国と国が争いを続け、人類は疲弊。

食料はなくなり、人は飢え、
環境は汚染された。

だがー奇跡は起きた。
とある男が”カードをリアル化”させる
魔術を生み出したのだった。

その力は瞬く間に世界に浸透、
食糧不足も、争いも、大気汚染も
カードの力で克服された。

”リアル・デュエリスト”

魔術を習得した人間たちはそう呼ばれた。

カードをかざすことでその力を発揮。
食料を生み出し、飢えは解消され、
大気汚染はカードの力で解消され、
争いも解消された。

この世界にやってきた男も、
その世界で”リアルデュエリスト”だったひとりー。

カードの力で世界を救う。

そんな使命に燃えていた男は、
必死に世界中の人々をカードで救った。

その活動の最中、サラという女性と出会い、
お互い、惹かれていき、愛し合った。

しかしーー
平和は長くは続かなかった。

”リアル”の力を私利私欲のために使うものが現れ、
世界は混乱した。

そして、国と国がカードでバトルするようになり、

最後には彼の国は、とある男が発動した
”終焉のカウントダウン”のカードにより
滅亡した。

滅亡の直前、男は”亜空間物質転送装置”というカードを
自身に使い、命からがら、この世界へとやってきたのだった。

そしてー
彼は、自らの世界を蘇えらせるための計画を思いついた。

それが、
”ワールド・リバース プロジェクト”

この世界の人間たちに、
自分の持つ魔力を分け与え、
リアルデュエリストをこの世界にも誕生させた。

強きリアルデュエリストの力を集めることで、
異世界の扉を開き、
複数のリアルデュエリストが一度に死者蘇生のカードを
使うことで、力を限界まで高め、
自分の世界を復活させるー。

そして、最愛の彼女、サラの居る世界を復活させるー。

それが、男の目的だった。

だが、
彼の思い通りには行かなかった。

そう、この世界の人間も”私利私欲”に溺れて
リアルの力を悪用するものが続出した。

だから、彼は決めた。

人間たちの”後悔”の念を集めて、
この世界も消し去るーと。

人は救えない。

人は愚かだ。

だから、全部消してしまわなくてはならない。

ーー異次元から来た男・アデンは、
決心した。

人を、消すー。
この、世界ごとー。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

選挙カーが町を走っている。

もうすぐ選挙だった。

議員・北村 雄作(きたむら ゆうさく)が
演説を行っている。

しかし、彼は私腹を肥やす悪徳議員。

市民達から不満の声が上がっていた。

「--あの人、高校生と寝たって噂もある議員じゃない?」
近くを通りがかった女子高生が言う

「うん、そうそう最低だよね!」
友達が言う。

その様子を演説しながら横目で見た北村は
カードを発動した。

そう、彼も”リアルデュエリスト”だった。

「---洗脳 ブレインコントロール」
北村が呟くと、

「ひっ!!!」
と女子高生の一人が悲鳴をあげる。

そして叫んだ。

「北村先生!わたし、あなたの大ファンです!
 応援してます!」

目を輝かせて叫ぶ女子高生。

「ちょ、、ちょっと!?どうしたの?」
友達が、彼女の豹変に驚いて声をあげる。

「---憑依するブラッドソウルー」
北村は、秘書の一人を「憑依するブラッドソウル」に
変えて、女子高生の友人に憑依させた。

「うっ…あぁ…」
女子高生2人は、北村の選挙カーの側に行き、
北村に跪く。

「---ふふん、支持者が2人増えたな」
北村は満足そうに言う。

なおも、不満げな地元住人たち。

「--うるさいハエどもめ!
 わたしを誰だと思っている?」

自分の選挙カーの周りで、不満の声をあげる市民たちを睨み、
北村はさらにカードを発動した。

”無差別破壊”

レーザーやビームが無差別に住人たちを襲う。

「ぎゃあああああ!」

「ひぃぃぃぃぃぃっ!?」

住民たちが次々と虐殺されていくー。

北村は呟く。

「私は政治家だぞ?
 その私に意見するとは万死に値するー」

その場に集まっていた住人たちが
次々と犠牲になっていくー。

「…ふふ、虫けらどもめ。
 私は必ず当選する。
 リアルの力を使ってな」

そう言うと、うっとりとした表情で
北村を見つめる、先ほど洗脳した女子高生を
抱き寄せ、キスをした。

「ふふ、富も女も、地位も、
 全て私のものだ!」

北村は、大笑いしながら、そのまま街を堂々と歩く。

「--白魔導士ピケル!」
道端に歩いていたサラリーマンを女の子モンスターに
変身させる。

「--治療の神ディアンケト!」
歩いていた、女子高生をおばさんに変身させる

「プチモス!」
女子大生を昆虫モンスターに変身させる。

「くくくくく…」
北村は、通りすがる人に、思いつきでイタズラを
しまくっていた。

他人がどうなろうと自分には関係ない。
それが北村の行動原理。

「でよ~俺さ~」

高校生カップルが目に入る。

イケメンと美少女。

「----くく、餓鬼が」

そう言うと北村は、
死のデッキ破壊ウイルスをイケメン男子生徒に向けてかざした。

「でも俺はさ… うっ…!? あ・・・か、、からだ・・・が!」
イケメン生徒の皮膚が紫色に変色して
苦しそうな声をあげる。

「きゃあっ!?」
彼女の女子高生が悲鳴をあげる。

すぐにイケメン男子生徒は動かなくなった。

「---洗脳ブレインコントロール」

「---うっ!」
女子高生がうめき声をあげると、
すぐに甘い表情と甘い声で北村のほうによってきた。

「あぁ…わたし、一生、このからだをあなたに捧げます!」

北村は満足そうに女子高生を抱き寄せ、
そのまま事務所へと向かった。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

夜ー。

女たちと愉悦のひと時を過ごした北村は、
選挙事務所から外に出る。

そして、夜道を歩き始めた。

「---人は、どこの世界でも愚かだな」
見知らぬ男が北村の前に立っていた。

「--誰だ?」
北村が尋ねると、男が呆れたように笑った。

「--私は、”この世界”にリアルの力を
 もたらしたものだ。

 …やはり、人は愚かだ。
 貴様のような、愚物が、リアルの力で好き放題
 やらかす。

 ”この世界”も使い物にならぬ。
 --腐りきった世界は、消さなくてはならない」

別次元から来た男・アデンが言うと、北村は笑った。

「何 言ってるんだね?
 頭の病院でも行ったらどうだ?

 …私は忙しい。失礼するぞ」

北村が通り過ぎようとした
その時だった。
アデンが口を開いた。

「---おい、デュエルしろよ」

アデンの言葉に北村が足を止める。

「--なんだと?」
振り返った北村に、アデンはデッキを見せて挑発した。

「ほぅ、お前もリアル・デュエリストか。
 …良いだろう。
 貴様みたいな愚民を、甚振るのも悪くない。」

北村がスーツの胸ポケットからデッキを取り出す。

「--我がデッキは
 ”選民デッキ”

 可愛い女は我が支配下に、
 愚民には死をー

 …そう、貴様には死を与えてやる」

宣言する北村と
涼しい顔をするアデンが同時に叫んだ。

「現実決闘(リアルデュエルー) と」

アデンがカードを引く。
そして、アデンはカードを1枚セットすると、
そのまま何もせずに目をつぶった。

「くくく…打つ手なしか。
 さすがは愚民だ!」

北村がカードを引くと、
笑みを浮かべた。

「私は、”火あぶりの刑”のカードを
 5枚発動する!」

もはや、現実決闘にルールなどない。

ただお互いが闇雲にカードを発動して、
先に相手を消したら勝ちなのだ。

アデンの周りに炎が燃え上がる。

「はははははははは!燃えろ燃えろ!」

ーーだがーーー
アデンは燃えていなかった。

いやーー
笑っていた。

「---!?」

彼は1枚のカードを発動していた。

”神の意思”

見たことのないカードだ。

「な、何だそれはー」
北村が慌てた様子で言うと、
アデンは笑った。

「これは私が作り出したカード。
 私が許可したカード以外の効果を全て無効にする。
 そして、この効果は永久に続く」

その言葉を聞いた北村が焦る

「--な、何だと!」

パニックを起こして、
北村は「サンダーボルト」と「ライトニングボルテックス」、
そして「デスメテオ」のカードを発動した。

けれどー

それが力を発揮することなく消えていく。

「--神の意思… そう、神とはこの私。
 私の意思に反するカードは発動できない」

アデンの言葉に北村は叫んだ。

「インチキ効果もいい加減にしろ!」とー。

「---薄汚い人間め」
アデンが言うと、カードを発動した。

「ゼロ」

”ゼロ”とだけ書かれたカードを…。

その瞬間、北村は消滅した。

いやーー
体だけではない。

北村という男が存在した事実がーー
”消えた”

北村という男は、最初からこの世に居なかった。

「--”ゼロ” 
 相手の存在そのものを”ゼロ”にするー。
 つまり、誕生していなかったことにする」

アデンはそう言うと、その場から立ち去っていった。

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その日を境に、リアルの力を持つ、
リアルデュエリストたちの失踪事件が多発し始めた。

原因はー
アデンによるリアルデュエリスト狩り。

彼は、この世界に失望した。

結局はどこの次元も同じ。
この次元もそう。
欲にまみれた汚いやつらが、私利私欲に溺れている。

「--」
アデンがこの世界に与えたリアルの力…。
やはり人間には過ぎたるものだった。

だから、
リアルデュエリストを自分の手で全員葬り去り、
その上で、この腐った世界を”終焉のカウントダウン”の
カードで消滅させる。

「この世に希望は、ない」

彼は呟いた。

この世界を消したら、彼はまた別次元へと向かう。
いつか、欲にまみれない人間たちが居る世界に
たどり着けることを信じて…。

「------」

”この世界”の消滅のときが近づいていた…。

おわり

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コメント

リアルデュエリストの起源説明…
憑依要素があまり無い内容になってしまいました^^

次回は憑依要素たっぷりです!
(いつ書くかは分かりません)

憑依<リアルデュエリスト>
憑依空間NEO

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