<憑依>私が強盗 ~異世界転生編~

彼の人生は、激流のような人生だったー。

コンビニバイトだった彼は、
バイト仲間が憑依されて困惑ー、
その後、今度は自分が憑依する立場になり、
自分自身が憑依されることも経験したー。

そして、ついに彼は命を落とした。
が、地獄でも彼は己の信念を貫こうとしてー…!?

私が強盗の最新作デス!

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俺の名は張本 斗真(はりもと とうま)だー。
久しぶりだなー。

漢字の変換もスムーズにできないぐらい久しぶりだー。

まぁ、そんなことはどうでもいいー。

俺は今、地獄にいるー。
何故地獄にいるかって?

死んだからだー
へへー。

元コンビニバイトで、
憧れのあの子が憑依されちまったあの日からー、
俺の憑依の人生は始まったー。

コンビニ店長を経て、死にかけて、
ニートになって、前科者にもなって、
憑依薬の売人もやって、憑依される側も体験して、
昏睡状態から目を覚まして、
ツインテールのJKに憑依したと思ったら
余命宣告を受けていた俺は、
そのまま死んでしまい、この地獄に来た。

とんでもねぇ人生だ。

しかし、納得いかねぇ。
俺はまだ死ぬわけにはいかないし、
なんで俺が地獄なんだー?

ってことで俺は地獄の中で適当な女死神を見つけて
憑依してやったー。

死神だろうが、何だろうが、
俺の思いのままだぜー

へへっー。
死神の女も、ちゃんと胸を揉むと
えへへへー
気持ちいいもんだなー。

揉んで揉んで揉んで、喘ぐこいつを見てると、
地獄で憑依を楽しみまくるのもいいかもしれないー
などと、そんなことも思ってしまうー。

がー、俺はいつまでもここにいることはできないー。

現世が俺を呼んでいるー
俺の住むべき場所はこんな殺風景な景色の
世界ではないー。

色とりどりの欲望渦巻く世界だー。

「ーーひひっー…てか、地獄の連中もイったりするんだなー」

乗っ取った女死神の身体で遊んでいたら、
ついに、コイツの身体もイっちまったー。

こいつらにもこういう機能があるってことはー
やっぱ、男女の交わりとかもあるのかー?

ま、そんなことはどうでもいいー。
俺は、この地獄から出る方法を探さなくてはならない。

そんなことを考えながら歩いていると、
別の”女死神”に遭遇したー。

「ーーあ~~!エムちゃん!
 おつかれ~!」
軽い調子の死神ー。

俺が乗っ取ってる身体はエムちゃんというのかー。
随分適当な名前だなー。

どうせ俺に憑依されるだけのモブなんだし、
当然と言えば当然だなー。

「ーあ、そういえばエムちゃんー
 あの憑依狂いの人間、今日ここに来たんでしょ?
 アイツ、どうなったのー?」

仲間の女死神らしきやつが、そんな言葉を口にするー。

「ん?ーー
 憑依狂いの人間ー?」
俺は思わず、そう呟くー。

俺以外にも、憑依を楽しんだ挙句、
地獄に来たやつがいるってことかー。

一瞬、俺のことかとも思ったが、
俺は”狂ってなど”いないー。
俺は正気だー。

だから、憑依狂いの人間、というのは俺のことじゃないー。
もし、俺以外にも憑依を楽しんだ奴がこの地獄に来ているなら
そいつとぜひ、話をしてみたいものだー。

がー、
目の前にいる女死神は俺に向かって行ったー。

「うん。そうそうー。
 なんだっけー、変な名前のやつー

 え~っと、張本ーー…とうーーなんとかー」

「ーー張本 斗真だ!」
俺は、思わず女死神・エムに憑依したまま
そんな言葉を叫んでしまうー。

やべっー
俺としたことがついに感情的になってしまったー。

「あ、そうそうー。そいつー
 やっぱ”例の場所”送りー?
 そいつ、どうしようもないことばっかしてたんでしょ?
 自分のこと、誇り高き草食動物とか
 訳の分からないこと言ってたみたいだしー」

仲間の女死神の言葉に、俺はさらに腹を立てるー。

「ーー俺は、紳士で誇り高いシマウマなんだぞ!!」
そう叫ぶ俺を見て、仲間の女死神は
困惑の表情を浮かべるー。

最初に”憑依”と出会った頃は、
俺はただのコンビニバイトで、
コンビニで売られているホットスナックのチキンのような男だったー。

でも、今は違うー。
俺は憑依の力を手に入れて色々な経験をして、
獣になったー。
欲しいものを全て喰らうライオンだー。

この生意気な女死神のことも喰らってやろうかと、思いつつも、
地獄に長居するつもりはない俺は言ったー

「ーーあ、あはははー
 って、その張本様が言ってたのー」

咄嗟に誤魔化す俺ー。
やべぇ、つい自分の名前に間違えて「様」をつけてしまったー。

「ーーさ、様ー?」
仲間の女死神がきょとんとした顔をしているー。

まぁいい、お前の出番はここまでだー。
俺はそう思いつつ、地獄の出口を探すー。

しかし、地獄ってのは殺風景だー。
もう少しどうにかならないのか?

例えばイルミネーションで装飾したりとか、
おしゃれな街灯でも置いたりとかー。

閻魔大王とやらに会えたら
俺が、色々教えてやりたい気分だぜー。

ーーと、とにかくここから出なくちゃなー。

俺は、この女の胸を揉みながら出口を探すー。
死神の女の胸を揉んだ人間は、
俺ぐらいかもしれないー。

「へへー俺はレア人間だぜー」
そう呟きながら、さらに地獄の内部を徘徊していると、
俺はついに見つけたー。

”光の穴”のようなものをー。

いかにも”ここが出口です”と言っているような感じだー。

「ーーあったあったー。
 すげぇ分かりやすい出口だなー。」

俺はそう呟きながら周囲を見渡すー。
周囲には誰の姿もないー。

「しかし、地獄も人員不足なのかもしれねぇなー
 俺が憑依したこの女も、俺のことを一人で迎えに来てたし、
 ワンオペみたいなもんかー。

 コンビニでバイトしてたころも、店長やってたころも
 よくワンオペさせられたし、
 地獄でもワンオペってあるんだなー」

などと、俺は自分でも何を言ってるのか
よく分からないことを呟きながら、
たぶん、地獄の出口であるゲートに足を踏み入れようとするー。

「ーーあ!この女死神の身体どうするかー?」
俺は一瞬、女死神の身体からは抜けて
そのまま地獄を後にしようかと考えるー。

がーー

「ーーこいつ、揉むと気持ちいいし、このままテイクアウトしちまうかー」
そう言葉を口にすると、俺は女死神に憑依したまま
”地獄の外”へと出たー。

うぉぉぉぉぉぉぉぉっ!?!?!?

身体ごと、どこか別の世界に飛ばされるような感覚ー
ある意味でジェットコースターのような感覚を感じながら
俺は、そのまま地獄から現世への帰還を果たしーーー

「ーーーーは?????」
俺は思わず、女死神の身体のまま
変な声を出してしまったー。

出さずにはいられなかったー。

”白い光のゲートのようなところ”を越えたその先に
広がっていたのはー、
いかにも”RPGゲームの世界”のような幻想的な風景が
広がっている場所だったー。

「ーーーあ???な、なんだここー?」

どう見ても、俺が元々生きていた世界ではないー。

まさか、地獄は
”俺のいた世界”じゃなくて、
別の世界からも死者を迎え入れていたのかー?

いや、待てよー。
ここは天国?
あるいは地獄の2丁目的な別の区域ー?

俺はそんなことを考えながら歩き出すと、
キノコ狩りに来ていたのか、カゴにキノコを入れて持ち帰ろうとしていた
若い女と遭遇したー。

「ーーー…お、ちょうどいいやー。お前、ここはどこーー

俺がそう言いかけると、
その女は大声で悲鳴を上げたー。

「ーーひっ…!?!?!?さ、サキュバスー!?」
女がそう叫ぶー。

はぁ?サキュバスぅ?
失礼なやつだなー

「ーーいや、違うー、俺は誇り高きライオンだー。話を聞いてくれー」

「ら、ら、ライオンー!?」

女が泣きそうな顔になりながらそう叫ぶー。

いやー、待てよー?
そういえば俺は地獄の女死神に憑依したまま
この世界に来ちまったんだったー。

確かに言われてみればサキュバスっぽい見た目かもしれないー。

「ーーわ、分かったー。サキュバスでいい。
 だが、質問に答えてくれ。
 ここはどこだー?」

俺は可愛らしい声で、平気でいつもの喋り方をすると、
その女は「や、やっぱりサキュバスー!」と、そう言いながら
悲鳴を上げて逃げ出してしまったー

「ーおい!待てよ!おいっ!」

俺は必死にその子を追いかけたが、
この女死神の身体は、
妙に走りにくくて、途中で転んでしまったー。

ったく、可愛くても運動不足の身体はこれだから困るー。

いやー…
俺も元々運動不足だったかー。ははっー。
人のことは言えないなー。

…っ…そんなことよりもここはどこだー?
まるでRPGゲームに出て来そうな
そんな感じの世界ー。
とても、俺がいた世界には思えないー。

仕方がなく、俺はそのまま彷徨っていると、
やがて、立派な城と、その周辺の賑わう町の姿が見えたー。

「ーこ、これは…!」
俺は思わず声を上げるー。

ゲームの世界で見たような、街ー。
そう、RPGゲームに出て来そうな街だー。

「ーふぉぉぉぉぉぉぉ!すげええええええええええ!!!」

こんなところが現実にあるのかー!
俺は思わず興奮して、サキュバスー、いや、女死神の身体で
そう叫んでしまったー。

やべっー

周囲の視線が一斉に俺に集まるー

女死神のどこかエロイ格好は、明らかにこの場所に浮いているー

すぐに周囲から悲鳴が上がりー、
やがて、ファンタジー風な雰囲気の騎士たちが
俺を取り囲んだー

え?いや、この展開、やばくねー?

憑依薬も今、手元にないし、
この女死神の身体から出られねぇー。

エムーだったかー?
名前なんてどうでもいいけど、
こんな女死神の身体で死ぬなんてごめんだー。

ーーまぁ、俺は既に1回死んでいるんだがー。

そんなことを考えていると、
騎士たちが俺のことを”化け物”だと罵りながら
そのまま拘束しようとするー。

必死に抵抗する俺ー。

悪あがきで、男の騎士に向かって
「どこ触ってんのよ!エッチ!!!」と叫んでみたが
意味はなかったー。

完全にスルーされると、
なんか空しいー。

そのまま俺は引きずられて、
牢屋の中に入れられてしまったー。

がー、一つ収穫があったー。

王国の兵士らしき人間が話をしていたのを盗み聞き
していた限りー、
ここは地獄ではなく、どこかの王国らしいー。

「俺のいた世界とは違う世界ってことかー。
 地獄は色々な世界と繋がっているってことかなー」

俺は、このエムとかいう女死神の身体で
胡坐をかきながら、色々考えるー。

「ーーくそっ!せっかく楽しそうな世界に
 やってきたってのに、いきなり罪人扱いされるとか、
 最悪だろー」

俺は悪態をつきながら、
そう呟くー。

「ケッ!」
何となくムカついた俺は牢屋の端に唾を吐き捨てるー。

もちろん、唾を吐き捨てたところで何も問題は解決しないー。

そういやー、この世界にコンビニはあるのだろうかー。
俺が初めてやったバイトはコンビニだったし、
その後は店長もやったー。
やっぱ、俺にとってコンビニは天職だー。

「ーーー……」
腕組みをしながら考える俺ー。

いやー…コンビニなんて、この世界にあるわけねぇかー
コンビニがあるRPGゲームなんて見たことねぇしー。

そんなことを思っていると、ようやく兵士たちがやってきたー。

「出ろ。」
その言葉に、俺は笑みを浮かべるー

「へへへーようやく俺が悪党じゃないって分かったかー」
俺がそう言うと、
また兵士たちにスルーされたー。

ケッー、愛想のないやつらだぜー
コンビニ店員歴が長い俺が、接客のノウハウを教えてやろうかー?あ?

そんなことを思っていると、
俺は、立派なドレスを着た女の前に引き立てられたー

その女は、とても神々しい雰囲気でー
まるで、女神のようだったー

「うつくしいーー!」
俺は、自分が、女死神の身体であることも忘れて
思わずそう声を発したー

美しい美しい美しいー

この女に憑依したいー!

俺は、そう思ったー。

がーー
その女王は言ったー。

「ー民を脅かす者を、放置することはできませんー。
 むやみに命を奪いたくはありませんがー、
 ーーそれでも、やらなければなりません」

とー。

「はい?」
俺が首を傾げると、
俺はその場で兵士たちに抑え込まれたー。

そして、背後に兵士が一人立ち、剣を構えるー。

「ーーえっ!?」

俺はヒヤッとしたー。
まさか、これって、斬首ってやつー!?!?

青ざめる俺ー。

おいおいおいおいおいおいー
嘘だろー?

今度は俺、女死神の身体のまま斬首されて死ぬのかー?

っていうか、2回目の死ってどうなるんだー?

オイっー!
ちょっと待て!

待てーー!!!

今度は、斬首されるのかー。
俺の人生は、苦難ばかりだー。

でも、きっとまだ、”次”もあるー。
俺は悪運が強いからなー。

きっと、また会えるー。

おわり

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コメント

11か月ぶりぐらいの”私が強盗”でした~!★

また、いつか
忘れた頃に出て来るかもしれませんネ~笑

お読み下さりありがとうございました~~!★

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憑依<私が強盗>

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