<憑依>俺は親友の母親になってしまった②~戸惑い~

①にもどる!

念願の憑依薬を手に入れて、
憧れのクラスメイトに憑依しようとした男子高校生ー。

しかし彼は、憑依の直前にミスを犯してしまい、
親友の母親に憑依してしまうー…。

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「おいおい、母さん、そんな顔してどうしたんだよー?」
俊平の親友・源太がそう言葉を口にするとー、
すぐ近くにいた俊平が元々憑依しようとしていたクラスメイト・萌香が
「ーー笹島くんのお母さんー、何だか調子悪そうにしててー」と、
そう言葉を口にするー。

俊平が憑依した瞬間ー
源太の母親が「ひっ?!」と、声を上げて、ビクンとなった瞬間を
目撃した萌香は、恐らくそのことを言っているのだろうー。

「えっ…えっ…?だ、大丈夫かー?」
源太はそう言葉を口にすると、
源太の母親・幸恵(さちえ)に憑依してしまった俊平は
たまらず言葉を発したー。

「ーい、いやいやいやー、
 え…お、お前のお母さんー?マジで?」
とー。

「ーーは?」
源太が困惑した表情で母・幸恵のほうを見つめるー。

生徒会長の萌香も困惑している様子で、
「あ、あのー…ほ、本当に大丈夫ですかー?」と、
そう言葉を口にすると、
続けて源太のほうを見て、心配そうに
「ーお母さん、どうしちゃったのかなー?」と、
そう言葉を口にするー。

萌香と源太は、普段特別親しいわけでもないし、
必要以外、喋っているのはあまり見かけないー。

がー、ちょうど、俊平が間違えて源太の母親に憑依してしまった件で
俊平の好きな子である萌香と、俊平の親友の源太が
話し込む状態になってしまいー、
しかも源太が少し嬉しそうにしているのを見てー、
俊平は強い嫉妬を覚えたー

そして、咄嗟に萌香と源太を引き離そうと、
源太の母・幸恵の身体で源太の腕を引っ張ると、
そのまま源太を廊下の曲がり角の方まで連れて行くー。

「ーー…?」
一人残された萌香は”大丈夫かなー?”と、思いつつ
困惑の表情を浮かべるー。

そんな中、源太を萌香から引き離すことに成功した
源太の母・幸恵に憑依してしまった俊平は、
言葉を発したー。

「ーど、ど、どうしてお前の母親が学校にいるんだよ!?」
とー。

「は…?はぁ…??え、母さんーマジでどうしたんだよ?」
源太は戸惑いの表情を浮かべる。

俊平が母・幸恵に憑依しているなどとは夢にも思っていないし、
そんな母・幸恵が先程から意味不明な言動を繰り返していることに
とにかく戸惑いと、心配ー、そんな二つの感情に戸惑っていたー。

「ーー…い、いやー…じ、実はなー」
母・幸恵は険しい表情を浮かべながらそう言葉を口にすると、
「ーお、俺、お前の母さんじゃないんだー」と、
源太の母・幸恵の身体でとんでもない言葉を口にしたー。

「へ~~~…えっ…!?えぇっ!?」
源太が心底驚いたようなリアクションを取ると、
「お、お、俺って母さんの子じゃないのか!?
 えっ…じ、じゃあ、俺は、何だー!?
 他に生き別れの母さんがいて、か、母さんだと思ってた母さんは
 義理の母さんってことかー?」
と、そう声を発するー。

「いや、そ、そうじゃなくてー」
幸恵に憑依している俊平は、親友の源太が
違う解釈をしてしまったことに戸惑いながら
そう声を発するも、
源太は、うんうんー、と一人頷くと、
「大丈夫さ、母さんー
 俺と母さんに血の繋がりがなかったとしても、
 俺にとっちゃ、母さんが母さんだからー、そんなー」と、
明らかに動揺したような様子で、
少し早口にそう言葉を口にするー、

その様子を見て、幸恵に憑依している俊平は
「いや、いや!そうじゃない!落ち着け!!」と、
そう叫ぶと、
戸惑った表情を浮かべている源太のほうを見つめながら
意を決して言葉を口にしたー。

「ーー身体はお前の母親だけど、俺なんだ!俊平なんだ!」
とー。

「ーーは…???」
源太は母・幸恵がさらにおかしなことを言い出したのを前に、
露骨に混乱したような表情を浮かべるー。

自分の母親がいきなり、”俺はお前の母さんじゃないんだ!”と、
そう言葉を口にしながら、親友の名前を名乗ったりしたら、
戸惑うのは当然のことだー

「ーーな、なんだってー…?
 ど、どういうことだー?えっ!?!?」
源太は、もはや頭の理解が追い付かないと言いたげに
混乱したような表情を浮かべているー。

そんな源太を見て、源太の母・幸恵に憑依してしまった
俊平は困惑の表情を浮かべながら
「ー実はー…間違えてお前の母さんに憑依しちまったんだー」と、
そんな言葉を口にするのだったー。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

全ての事情を説明した俊平はー、
親友・源太の母親である幸恵の身体で
申し訳なさそうに「すまん」と、そう言葉を口にしたー。

「いやいやいや、”すまん”じゃなくて
 母さんから出て行ってくれよー
 流石にいくらお前でも、
 ”はいそうですか”とはならねぇぞー!?」

源太は、自分の母親が憑依されているという状況を前に
強い不満を漏らしているー。

その上で「っていうか、津森さんに憑依するつもりだった、って、
津森さんの身体で一体何するつもりだったんだよ!?」と、
源太は呆れ顔でそう叫ぶと、
「大体、誰が相手でも人の身体を勝手に奪って使うとか
 あり得ないだろ」と、憑依自体に対して
否定的な言葉を口にしたー。

その様子に、幸恵に憑依してしまった俊平は
「す、すまんー」と、そう言葉を口にすると、
「しかも、よりによって俺の母さんに憑依するとかあり得ねぇぞ!?
 いったいどうしてそうなったんだ!?」と、源太は
なおも怒りを俊平にぶつけていくー。

「そ、それがー」
母・幸恵の身体で俊平は少し気まずそうな表情を浮かべると、
表情を歪めたー。

萌香に憑依するつもりだったのに、どうして年齢的に”2倍以上”の、
幸恵に憑依してしまったのかー。

それはー…
俊平から見て、後ろ姿が何となく似ていたせいだー。

幸恵の後ろ姿を見て”津森さんだ!”と、そう勘違いして
そのまま勢いで憑依してしまったー。

「ーー…津森さんだと思って憑依したらー…間違えてて」
幸恵に憑依してしまった俊平は
正直に”間違えてしまった理由”を、そう説明するー。

「はぁぁぁぁ~~~~~?
 俺の母さんと津森さんの後ろ姿を見間違えた!?」

あまりのとんでもない理由に、源太は
思わず大きな声を出すと、
幸恵に憑依してしまった俊平は
「に…似てたからー」と、幸恵の身体で
申し訳なさそうに謝罪の言葉を口にするー。

「いやいや、絶対似てねーよ」
源太は呆れ顔で言うー。

実際ー、
似ていたのは髪型と髪の色ぐらいでー、
そもそも学校にいるのに制服姿ではなく、
年齢相応の”おしゃれなおばさん”みたいな服装をしていた
幸恵は、生徒会長の萌香とはお世辞にも”似ている”とは
言えないような、そんな状態だったー

「お前、目、腐ってんじゃねぇのか」
源太は心底呆れた様子で
そこまで言葉を口にすると、
やがて、”やれやれ”と言いたげに首を横に振りながら
「まぁ、でも、間違えちまったなら仕方ねぇ。
 とにかくー、俺の母さんから出てってくれ」と、
不満そうにそう言葉を続けたー。

しかしー…

「いや、あのー…」
幸恵に憑依している俊平は、心底気まずそうに
そう言葉を口にするー。

「ーあのー…え~っと…
 その、ですねー」

意味不明な言葉を繰り返す幸恵ー。

そんな様子に源太は少し苛立った様子で
「な、何なんだよー?」と、
そう言葉を口にすると、
俊平は落ち着かない様子で
今の自分の身体ー…幸恵の身体に手を
触れながら言葉を口にしたー。

「ーーじ、実はー
 身体から出る方法が分からなくて」
幸恵の身体のまま、弱々しくそう呟く俊平ー。

「ーーーは…はぁ!?」
親友の源太は心底戸惑った様子で
そう言葉を吐き出すと、
「お、おおぉぉぉい!?じゃあ、母さんはどうなるんだよ!?」
と、源太は幸恵の肩を掴んで、幸恵を揺さぶるー。

「ーそ、そ、そ、それはー…」
幸恵の身体で戸惑う俊平ー。

「お、お、俺だってー、好きでこの身体にいるわけじゃー…
 お、俺、おばさん趣味はないしー」
幸恵に憑依した俊平は、言い訳をするかのように
そう言葉を口にすると、
源太は呆れ顔で「ひ、人の母親に憑依しておいて
随分な言い草だな!」と、そう言葉を発するー。

「ーーい、いや、そ、そういうつもりじゃー…」
幸恵の身体のまま、俊平はしょんぼりとした表情を浮かべるー。

萌香に憑依するつもりだったのに、こんな結果になってしまったことー、
今頃、ちゃんと憑依に成功していれば萌香になって、
あんなことやこんなことを楽しめていたはずだったのに、
と、頭の中でどうしても、そんな後悔のような感情が
グルグルグルグルと回ってしまうー。

それと同時に、親友の源太の母親に憑依してしまったという
申し訳なさも一応は感じているー。

「ーーーそ、そういえば何でお前の母親、
 学校にいたんだよー…」
幸恵に憑依してしまった俊平は、
申し訳なさそうにしながらも、
そんな言葉を口にするー。

”幸恵”が学校にいなければ、
こんなことにはならなかったのではないかと、
そう言いたげな言い方だー。

「ーPTA活動で学校に来てたんだよ」
源太がうんざりした様子で言うと、
「ーーあ…あぁ…そっかー」と、幸恵の身体でそう答える俊平ー。

その上で、俊平は
「お、お前の母さんの身体から出ていく方法、
 すぐに探すからー…
 そ、それまではお前の母さんのフリをするから、勘弁してくれー」
と、そう謝罪の言葉を口にするー。

「ーーーー」
源太はまだ不満そうにしながら
「ーー家には姉さんと父さんがいるぞー。そんな”フリ”なんてできるのかよ?」と、
そう言い放つー。

「ーす、するー。頑張るよー」
幸恵は申し訳なさそうにしつつ、そう返すー。

当然、幸恵のフリをするためには、
源太の協力も必要になるとは思うー。
しかし、こういう状況になってしまった以上、
そうせざるを得なかったー。

その言葉に、源太は時計を見つめると、
「まぁ、でも、確かにいつまでもここで喋ってるわけにもいかないなー」と、
そう言葉を口にするー。

そして二人は、やむを得ず、
俊平が”幸恵”に憑依してしまっている状態のまま、
家に帰ることになったー。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「今日は父さんも姉さんも帰宅してるー。
 変な行動すんなよー?

 俺はともかく、他の二人に”憑依”のこと知られたら
 お前は確実にアウトだからな?」

家の前までやってきた源太は、
そんな”忠告”を口にするー。

「わ、わかったー…」
幸恵はゴクリ、と唾を飲み込むと、
源太の家の中に入っていくー。

そしてー

「ーーお邪魔しま~す…」
と、心底申し訳なさそうにそう言葉を口にしたー。

バシッ!

背後から、源太が幸恵に憑依している俊平を叩くー。

「ーいてっ!な、何をすんだよ!?」
幸恵の身体で思わずそう声を発すると、
「”おじゃましま~す”じゃねぇよ!?ここは今、お前の家だぞ!?」
と、源太が小声でそう指摘してきたー。

「あ、あ…あぁ…そ、そっかー悪い」
幸恵に憑依している俊平は、確かにその通りだと、
そう思いながらそう言葉を返すと、
「ただいまー…」と、困惑の表情を浮かべつつ、
そう言葉を発したー。

するとー、中から源太の父親である、笹島 輝明(ささじま てるあき)が
姿を現したー。
”ごく普通のおじさん”という感じの父親だー。

「あ、はじめましーーー」

バシッ!

再び源太に叩かれた幸恵ー。

”はじめましてじゃねぇよ!”と、
そう小声で突っ込まれて、
「あ、あ、あら~!そうだったわね~!」と、無理にそう言葉を発すると、
父・輝明と適当に言葉を交わしたー。

そしてーーー

女子大生である源太の姉ー、笹島 美琴(ささじま みこと)も
奥から姿を現すー。

「ーーーー!?!?!?」

がー、源太の姉・美琴は、源太からは想像もつかないぐらいに美人で、
幸恵に憑依している俊平は思わずドキッとすると、
「は、は、はじめましてー」と、反射的にそう挨拶をしてしまうのだったー。

③へ続く

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

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次回が最終回デス~!!!

親友の母親のフリをしての生活のスタート……
のはずが、いきなり大変そうですネ~!!

今日もお読み下さり、ありがとうございました~!★

「俺は親友の母親になってしまった」目次

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