おいおい…洒落にならないぞ この状況。
女子高生の制服を着た杏奈ちゃん。
そして、だらしなく笑みを浮かべる俺。
それを大河原本部長に見られてしまった。
これって…
人生詰み…ってやつか…?
どうする、俺??
------------------------------–
「おおわがらさぁあああああああん!」
俺は絶叫した。
まさか、、、
よりによって、今日、本部長が視察に来るなんて。
おいおいやべぇよ。
俺のフランクはできあがっちゃってるし、
杏奈ちゃんは女子高生姿だしーーー
と、いうかコイツら強盗だし…。
「---あ、、、あの、、あのですね」
俺が言うと、大河原本部長は失笑した。
「女子高生を、深夜に働かせているのか?」
大河原本部長の睨むような視線に、
俺はぶるった。
俺はビビりではない。
スポーツ万能だ。
大河原本部長だって、ぶん殴ろうと思えばぶん殴れる。
気に入らないヤツはぶん殴ることができる。
だがー。
「い、、、いえ、、これは休憩中のお戯れでして…
杏奈ちゃんは女子大生ですよ」
俺は言う。
杏奈ちゃんは不気味にほほ笑んでいる。
「じゃあ、張本。お前が
その子と休憩中に淫らな行為をしていた。
そういうことでいいのか?」
大河原本部長が言う。
「--いえ、、ちがっ…
彼女、女子高生マニアでして…
勝手に服を着だしたというか、うん、はい、そうです、ハイ」
俺はテンパって訳の分からない事を口にした。
「・・・・」
大河原本部長は無言で俺を睨んでいる。
その時だった。
「じゃあ、これはなぁに?」
杏奈ちゃんが、俺のズボンを突然降ろした。
「-ーーーあ、杏奈ちゃん や、、やめ…」
杏奈ちゃんが俺の立派に育ちきってしまった
元気の良いフランクフルトを突然その綺麗な手で
なで始めた。
やめろぉぉぉぉぉぉ!
俺は心の中で叫んだ。
大河原本部長が睨んでるじゃないか!
やめろって…
やめろ!やめろ!
「---わたしが、気持ちよくしてあげる♡」
イヤらしく、優しく俺のソレを撫でる杏奈ちゃん。
駄目だ…
大砲が発射されてしまう…
もう俺は・・・
「----何をしている!」
大河原本部長が怒鳴っている。
だが、もうダメだ…
「ふぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!
あんなちゃあああああああああ~~」
俺は奇声をあげながら
ハリモト・マグナムを発射した。
もの凄い勢いで発射されたマグナムは、
大河原本部長の顔面に直撃した。
「---うふふっ!すっご~い♡」
杏奈ちゃんが大人しい顔立ちで
大はしゃぎしている。
「貴様…」
俺のマグナムを喰らった大河原本部長が俺を睨んだ。
ダメだ…
もう終わりだ。。。
つーかズボンはかなきゃ!
「---ねぇ」
ふと気づくと杏奈ちゃんが再びチャイナドレスに着替えていた。
「--あなたも、私と、楽しまない?」
杏奈ちゃんが本部長に微笑みかけた。
「---貴様…ここをどこだと思っている?」
大河原本部長が言う。
だが、その視線はチャイナドレスからはみ出している
太ももをチラ見している気がする。
俺は確信したー
大河原本部長も俺と同じシマウマだと。
「本部長!
どうです!?
本部長も1杯いきませんか?」
俺は調子に乗ってニヤニヤしながら言った。
「大丈夫ですよ!
誰も気づきゃしませんし、杏奈ちゃんは、
今なら何でもヤラセてくれますから!」
俺がそういうと本部長は
「張本ぉ!」
と俺を睨んでいる。
だが、俺は続けた。
「ホラ、大河原さん!
心の壁を取り払うときは今ですよ!
ベルリンの壁だって取り払われたんです!
ここで心の壁を取り払わなくてどうするんですか!?」
意味の分からない説得を続ける俺。
と、いうか何やってんだ俺は?
まぁ、いいか。
「---心を解放するんですよ本部長!
理性を脱ぎ捨てるんですよ!」
俺は熱弁をふるった。
するとーーー
「ふざけるなぁぁぁ!」
大河原本部長が叫んだ。
そしてーー
「理性だけじゃなく、服も脱ぎ捨ててやるわぁ!」
大河原本部長が本性を現し、
杏奈ちゃんの太ももにとびかかり、
杏奈ちゃんを押し倒した
「えへへ…エッチなおじさん♡」
杏奈ちゃんは胸や太ももを大河原さんに
揉みつくされながら不気味にほほ笑んだ。
「ひゃう!話が分かりますねぇ本部長!
でも、服まで脱いじまうなんて、
俺よりダメダメですね!」
俺は本部長を茶化した。
これで同罪。
俺はおとがめなしだ!
「-ひゃ、、本部長さん、そこは、、だめっ、、だめぇ♡」
本部長に弄ばれながら喘いでいる杏奈ちゃん。
真面目な顔立ちの杏奈ちゃんが
チャイナドレスを身にまとい、
顔を真っ赤にして、そしてイヤらしい笑みを浮かべながら
喘ぎ声をあげている。
俺はその事実に興奮を覚えた。
「これがーーー楽園(エデン)か。」
俺はそう呟いた。
俺は今まで、天国なんてないと思っていた。
だが、あった。
ここは天国だ。エデンだ。楽園だ。
コロンブスが大陸を発見した時のような感動を味わった俺は、
杏奈ちゃんの体に飛びついた。
二人の獣と化した男にやりたい放題される杏奈ちゃん。
しかし、そんな杏奈ちゃんはとても嬉しそうだった。
「あぁん、あぁっ、、、
杏奈、、壊れちゃう♡
ひっ、、、あっ、、あぁん、、、ダメっ、、だめぇ♡♡」
否定の言葉を口にしながらも嬉しそうな杏奈ちゃん。
そうだ。
俺はこの幸せを味わう為に生まれてきたんだ。
「ハリモト号、発進ー!」
俺はそう叫び、杏奈ちゃんの胸の谷間に顔を思いっきり突っ込んだ。
ふへぁ…・!
感想はそれだった。
もはや理性など無くなっていた。
「うふふっ、、張本くんったら、、、そんなに あっ、、、
私の胸が気になるのぉ?」
大河原本部長も叫んだ。
「ぬおおおおっ!本部長アタッーーーク!」
堅物の本部長も理性を失い、馬鹿なことを口走り、
杏奈ちゃんの太ももに顔面を押し付けて
狂ったようにニオイを嗅いでいる。
「うふふふっ!二人とも 超ヘンタイ!最低!
でも今日はサービス!
わたし、女の大安売りしちゃうね!えへっ♡」
乱れ狂う3人ー。
俺にはもう理性など無かった。
ただ、このエデンを味わい尽くしたい。
杏奈ちゃんの髪の毛を思いっきり嗅ぎまくり、
激しいキスをかわし、
全てをしゃぶりつくした。
大河原本部長もそうだった。
「はぁ…はぁ…」
時間は4時。
そろそろヤバい時間だ。
人も次第に増えてくるかもしれない。
「---ふふっ…じゃあ、本業させてもらおうかな」
動きやすさを重視してだろうか。
ジーパン姿になった杏奈ちゃんが言う。
ちょうどぴったりと体のラインを強調しているジーパンは
また、美しいモノだった。
「ほ、、、本業…?」
大河原本部長が言う。
俺は、全ての事態を説明した。
「と、いうことなので、お金は頂きますね♪」
杏奈ちゃんが嬉しそうに言う。
眼鏡にヒビが入っているが、今の杏奈ちゃんは
そんなことも気にしない。
瑞月さんがお金を手に取り、外へと運んでいく。
「---憑依能力…そんなものが」
大河原本部長は放心状態で呟いている。
「俺と、大河原さんはもう一蓮托生ですよ。
俺への処分は、、無しですよね?」
俺が言うと、大河原本部長はうなずいた。
お金を袋に詰め終わった
杏奈ちゃんが振り向いて笑う。
「---わたしが、仲間にお金を届けた後自首するか、
それとも、あなたが私を助けるために、
わたしの罪を被るか―?
どっちがいい?」
ーーー前と同じだ。
いつもこの強盗は、、、いや、兄貴は選ばせてくれる。
優しい兄貴だ。
俺は答えた。
そう、答えは一つしかないからーーーー。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
あのあと、杏奈ちゃんと瑞月さんは逮捕された。
そして、俺はまた新しい女の子を採用した。
いつかまた、兄貴が来る日のためにー。
そして俺はあの日依頼、
大河原本部長と仲良くなった。
今では休みの日を利用して、夜の街に二人で遊びにいくぐらいだ。
・・・・。
杏奈ちゃんたちには可哀想な事をした。
けれどーーー。仕方ないよな。
シマウマだってたまにはチキンステーキを食べることもあるのだ。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
1年後。
「---見つけた…」
路地を歩いていると、
俺は背後から呼びかけられて振り向いた。
そこにはーーー
1年前に強盗に憑依されてクビになった杏奈ちゃんの姿があった。
「---お久しぶりです 店長」
杏奈ちゃんが笑う。
「あ、、あぁ、お久しぶり」
そう言えば、憑依されている間の記憶が本人に残るって、
前に強盗が言ってた。
怒ってるだろうな…
「楽しかったですか?店長。
わたしの体をあんな風に弄んで。
わたしを酷い目に遭わせて」
冷静な口調で言う杏奈ちゃん。
俺は少しだけ微笑んだ
「うん、とっても楽しかった。ありがとう」
俺は”いれもの”に使われた体に
最大限の敬意を表して敬礼した。
「-ーーわたし…
警察に捕まりましたよ」
杏奈ちゃんが言う。先週、ようやく出てこれたのだとか。
「大学は退学になりました。
企業の就職もできなくなりました。
彼氏にも捨てられました。」
淡々と言う杏奈ちゃん。
「親からは絶縁されました」
「友達からは見放されました」
「………何もかも…何もかも」
杏奈ちゃんが目から大粒の涙をこぼす。
「----あ、杏奈ちゃん」
俺の心に初めて”罪悪感”が生まれた。
「--ご、、ごめん…
あんまりにも杏奈ちゃんが可愛かったから…つい」
俺はお詫びした。
「---だから、泣かないでくれー。」
俺は優しい言葉をかけた。
元バイトの悩みを聞いてあげるなんて!
優しすぎるぜ、俺!
やべっ!
あの日の杏奈ちゃんを思い出したら興奮してきたゾ?
「あ、もうそろそろ時間だから。
コンビニ行かないと」
俺は笑みを浮かべると、
杏奈ちゃんも少しだけ笑った。
俺は今一度
神聖なる憑依に使われた体、杏奈ちゃんに向かって
敬礼した。
そして、
俺は踵を返して、裏路地の出口へと向かった。
背中に衝撃が走った。
「-----!?」
「私は、、、アンタを許さない!!!
私の人生!!!返して!!返してよ!!!!!」
杏奈ちゃんが泣き叫んだ。
「-------え?」
俺は、、、、自分の背中から…
トマトジュースが噴き出しているのに気が付いた。。
そして杏奈ちゃんの手にはナイフが…。
「---え…??え…??? えぇ・・?」
なんだこれ・・・?
なんなんだ…???
よくわからない…。
トマト…???
トマト…・・・
違うこれは…?
血…俺の…血…!!
急速に体から力が抜けていく。
「なんじゃこりゃあ!」
俺は叫んだー。
そして・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「張本くん、久しぶり」
俺は目を覚ました。
ーーーーうん…
「---はぁ…助かったのか」
俺はほっと胸をなでおろした。
まさか、杏奈ちゃんがあそこまで思い詰めていたとは。
最近の子は良く分からない!
「---ねぇ、張本くん、あっちにすっごく綺麗な
花が咲いていたの!」
俺は思う。
ここどこだ? と。
植物公園か何かだろうか。
そして、俺は自分を呼ぶ女の子を見て、
懐かしさのあまり叫んだ
「ね…根岸さん!」
根岸 香苗(ねぎし かなえ)さん。
数年前、コンビニバイト時代に、一緒のバイト仲間だった子で、
俺の初恋の相手。
そして、強盗が初めて憑依した相手でもある。
あのあと、1回だけ根岸さんと会ったが
それ以降は疎遠になっていた。
共通の知り合いが「最近、根岸さんと連絡がつかない」などと言ってたが
元気だったようだ。
「---張本くん!こっちこっち!綺麗なお花が咲いてるよ!」
根岸さんが手招きする。
小さな橋を渡れば、根岸さんのところに行ける。
「--すげぇぜ!久々のネギタイムか!」
俺は叫んだ。
一面の綺麗な花々。
そして、根岸さん。
さらに、向こうにはさらに綺麗な花が咲いているのだという。
そうか。ここが本当の楽園(エデン)か。
「根岸さん!今行くよ!」
俺は叫んだ。
根岸さんがほほ笑むーーー。
俺はこの時気づけなかったー。
根岸さんが”不気味”に微笑んだことを。
そして俺はーーーーー
根岸さんに”連れて”いかれたーー。
おわり
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
コメント
最後のは…どういう意味かご想像にお任せします。
根岸さんとは「私が強盗1」で憑依された子です。
彼女も人生滅茶苦茶にされた、と嘆いていましたが、
こうして、張本くんの前に姿を現したということは…??
あれこれ想像してみるのも楽しいかもしれませんよ(笑)
あえて明言しないでおきますね。
ありがとうございました!
コメント
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これで張本くんにも憑依能力が(ポジティブ)
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> これで張本くんにも憑依能力が(ポジティブ)
彼が憑依能力を手に入れてしまったら
それこそ悲劇が起きそうですね…
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これは地獄に突き落とされそう( ˘ω˘ )
(文字通り)
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> これは地獄に突き落とされそう( ˘ω˘ )
> (文字通り)
エデンには行けないでしょうね~笑
そもそも死んだのかどうか…?