<入れ替わり>覗く者と、覗かれる者

※本日(3/13)の通常更新は既に終わっています~!
 この1個前をご覧くださいネ~!

※この作品は、
 2022年にKPmouse様によって企画された
 「男女入れ替わりおしっこ合同」向けに私が執筆した新作デス~!

 本日より、自由に掲載して良い期間になりましたので、
 憑依空間でも掲載します~!☆
 (憑依空間では、当然費用が発生することはありません~☆!)

 読んだことがない方は、ぜひ楽しんでくださいネ~!

☆☆☆

トイレの中に潜みー、
”覗き”の最中だった男ー。

しかし彼は女子トイレで”入れ替わって”しまい、
覗きがバレてしまうー…!

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

彼は、”そこ”にいたー。

流れる水の音を耳にしながら、
彼は笑みを浮かべているー。

別に彼は、川にいるわけではない。
海にいるわけでもないー。
湖にいるわけでもないー。

けれど、彼は狭い個室の中に一人座りー、
不気味な笑みを浮かべていたー。

彼はいったい、何を喜んでいるのかー

「へへっ…へっ…へっへっへ」
冷や汗をかきながら、彼は笑うー。

”隣の個室から聞こえてくる音”に
耳を傾けながらー。

彼は今、彼がいるべきではない場所にいる。
そこに、座るべきではない場所に座っているー

「ーーーー」
隣の個室の扉が開きー
隣の部屋の中にいた人物が立ち去っていくー。

しばらくすると、また音がしてー
隣の部屋に”次の”来客がやってきたー。

「ーへへ…」
男は、ニヤニヤとしながら、その音に聞き耳を立てるー。

そうー
彼は、変態だったー。

ここは、女子トイレ。

少し古いトイレだからだろうか。
防犯意識がまだ低めの作りになっていて、
男は”ここ”にやってきたのだー。

”そろそろやるかー”
男はそう思いながらスマホを手にする。

彼ー

曽根原 啓太郎(そねはら けいたろう)は、
彼が入ってはいけないその場所で
”いけない撮影”をしようとしていたー。

「ーーーへへへへへへへへ」

踏み外してはならない道を、
今、まさに踏み外そうとしている啓太郎ー

いや、既に女子トイレに侵入している時点で
道は踏み外してしまっていると言っても良いー。

そんな彼はー
個室内の荷物を置くスペースに乗り、
そこから上の隙間を覗こうとしていたー。

だがー

「ーーーん?」
ふと、荷物を置くスペースに、謎の球体が置かれているのに気づくー

「ーなんだこれ?」
啓太郎が何となく、水晶玉のようなものに手を触れるとー

「ーーえっ!?!??!!??!」

カッ、とそれが光を発して、
いきなり個室中が光に包まれる

”えっ!?ちょっ!?やばっ!?おい、何だよコレ!?
 隣の女にバレーーー”

そう思ったその直後ーーーー
啓太郎は、便座の上に座っていたー

「ーーー…?」

啓太郎は思わず首を傾げるー

今、隣の個室を覗こうと立ちあがって
背後の荷物起きのスペースのほうを見つめていたはずだー

それなのに、何故いきなり便座に座っているのだろうかー。

「ーーーー」

「えっ!?!?!?な、なにこれ!?」

その時だったー
隣の個室から男の声が響き渡ったー

「ー!?」
啓太郎は表情を歪めるー

”おいおいー何だよ。隣の奴も変態だったのか?”
啓太郎はそんな風に思いながら、ふと自分の身体を見つめたー

「ーーは?」
そこにあったのは、絶対に自分の視線のすぐ下には
見えるはずのなかった、谷間があるー。

「ーー…あ?????」
啓太郎は思わず身体の”膨らんでいるはずのない部分”に
手を触れるとー

「ーーお…お…おっぱい!?!?!?」
あまりの衝撃に大声で叫んでしまったー

”…あ…あの…!”
隣から声が聞こえるー

さっきと同じ、男の声だー

「ーーー…!」
啓太郎は困惑するー

”待てよー
 これはいったいどういうことだー?”

そう思いながら啓太郎は自分の身体を今一度見つめるー。

いつの間にか、自分が女になっているー

啓太郎は理由も分からぬまま
女の身体で便座に座りながら
真顔で胸を揉んでいるー。

「ーーー」

隣からは、男の声ー
しかも、よく考えると、隣から聞こえる男の声は、
自分の声のような気がするー。

「ーーーー…っていうかー…
 この個室ー
 俺のいた場所の隣じゃね…?」

啓太郎は壁際から2番目の個室に入っていたー。

だが、よく見たらここは壁際の個室だー。

と、いうことはー

”俺と隣の個室の女がワープして入れ替わった!?”

そんな風に思ってー
すぐに、啓太郎は「いや違う!」と、女の声で叫ぶー

「ーー…え…え?ま、まさか…俺…」
啓太郎が女の身体の声で叫ぶと、
隣の個室から”ど…どうなってるんですか?”と、声が聞こえたー。

その声は男の声ー

いや、自分自身の声だったー

女子トイレに侵入して悪事に手を染めようとしていた啓太郎は、
あろうことか、隣の個室の女性と入れ替わってしまったのだー。

「お、お、落ち着けー
 ど、どうやら俺たち、身体が入れ替わっちゃったみたいでー」

啓太郎は、女の身体でそう呟くー。

隣の個室にいるであろう自分の身体に向かってー。

”え…え?い、入れ替わりー?”

その言葉に、
「あぁ」と、女の声で答える啓太郎ー。

「そ、そうー
 ほら、映画とかアニメとかでよくあるだろ?
 お互いの身体が入れ替わっちゃいましたみたいなやつ。

 あれだよー」

女の身体になってしまった啓太郎は、
なんとか、啓太郎になった女を落ち着かせようと
冷静に言葉を続けたー

今、啓太郎の身体で騒がれたら大変なことになるー

そう思って、啓太郎になった女をパニックにしないよう、
なるべく落ち着いた口調で話し続けるー。

しかしー

”きゃあああああああああああああああああああああっ!”

啓太郎が、乙女っぽい悲鳴をあげたー

「ーーえっ!?ちょ?落ち着けよ!」
女になった啓太郎が叫ぶー。

”い、い、入れ替わったってー
 な、な、なんで、ここに男の人がいるんですかー?”

啓太郎(女)は、そう叫んだー。

女(啓太郎)は”し、しまったー”と思いながら
頭を抱えるー。

女は、入れ替わったことに対して悲鳴を上げたのではなくー
”隣の個室に男がいたこと”に悲鳴を上げたのだー

「ーちょ、は、話せば分かる!
 だからまず落ち着け!」

女(啓太郎)が必死に叫ぶと、
啓太郎(女)は”話しても分かりません!変態!”と叫んで、
すぐに”通報しますから!”と叫ぶー

「いーー…い、いや、ちょ、ま、待ってくれ!」
女(啓太郎)は必死に叫んだー

まさかー
こんな場所で他のやつと身体が入れ替わってしまうなんて最悪だー。

映画でもアニメでも、こんなクソすぎる入れ替わりはみたことがないー。

”くそ…っ
 このまま通報されたら俺は終わりだー”

たった今、トイレの個室に入ったばかりの女の身体で、
慌てた様子で爪を齧りながら、険しい表情を浮かべるー

こんなことをしていれば、当然バレるリスクはあったー

だが、まさか
”隣の個室の女と入れ替わった”ことによって
覗きがバレてしまうなんて、夢にも思わなかったー

”そ、そうだー!”

女になった啓太郎は、何とか通報を免れる手段を
咄嗟に思いつくー

「ーつ…つ、通報したら、お前の身体で漏らしてやるぞ!」

女の身体でそう叫ぶ啓太郎ー。

啓太郎(女)は「えっ…えぇっ!?や、やめて下さい!」と
困惑した様子で叫ぶー

「ーだ、だったら、俺のこと通報するのもやめてもらおうか!」
女(啓太郎)が堂々とそう言い放つと、
啓太郎(女)は戸惑いながらも
「と…とにかくわたしの身体で変なこと
しないでください!」
と、叫び返してきたー

「ー!」
その時だったー

トイレに二人組のー
高校生ぐらいだろうかー。
そんな感じの利用者が入ってきて
一人は髪を整え始めて
もう一人はトイレの個室の一つに入ったー

「~~~~~~~…」
女(啓太郎)は沈黙するー

”た、頼むから、俺の身体で喋るんじゃねぇぞ…”

そう、願いながらー。

啓太郎になった女が、
今、啓太郎に話しかけてきたらそれで終わりだー。

女子高生たちが、トイレの個室から男の声がすることに気付き、
それで、彼の人生は終わりだー。

ドキ ドキ ドキーー

これほど長い緊迫した時間を
今までに過ごしたことはあっただろうかー。

そんな風に思いながら、女(啓太郎)が沈黙を続けるー

幸いー
啓太郎(女)は、女子高生たちが去るまで一言も発さずー、
女子高生の利用者たちは、そのまま立ち去って行った様子だったー。

「ーーふぅ」
女(啓太郎)は息を吐くー。

どうやら、”お前の身体で漏らすぞ!”が効いたようだー

だがー
安心したら、急にー

「ーーって…な、なんでこんなにおしっこ我慢してるんだよ!」
女の身体で啓太郎はそんな風に叫ぶと、
啓太郎(女)は「な、なんでって!だからトイレに来てるんですよ!」と、
言い返したー

そりゃそうかー。
そう思いながらも、女(啓太郎)は
「と、とにかく、元に戻ったらすぐに俺はここから立ち去るー。
 だから、お互い何も見なかったことにしよう」と、
意味不明な取引を持ち掛けるー。

啓太郎(女)は困惑しながらも、
少なくとも、今、入れ替わった状態では、
彼女自身、”何をされるか分からない”ために、
啓太郎を刺激しないよう「分かりましたー…分かりましたけど!」と、
言葉を続けるー

「元に戻る方法、分かるんですか?」
啓太郎(女)が、困惑の表情を浮かべながら言うと、
女(啓太郎)は「ーい、今、考える!」と、慌てた様子で返事をしたー。

「い…今から考えるってー…そんなー」
啓太郎(女)が呟いているー。

”くそっ…早く…早く元に戻らないとー”
女(啓太郎)は焦るー。

とにかく、とにかく早く元に戻らないといけないー。
あの女の気が変わって叫ばれたり、トイレの個室から
飛び出たりされて、他のやつらに見られてはおしまいだー。

満足に目的を果たすこともできないまま
啓太郎は警察に連行されることになってしまうー。

「ーーっっ…」
女(啓太郎)は表情を歪めたー

「ーだ…だめだ…漏れる…!
 なんでこんなギリギリまで我慢してるんだ…!?」

女(啓太郎)が、もじもじとしながら、
股間にアレがないことに強い違和感を感じて
より、尿意が催されるような気がしてしまうー。

”で、ですから!!!
 そのー…そ、そんなこと聞かないでください!”

啓太郎(女)は叫んだー。

「お、女ってどうやってトイレ…済ませりゃいいんだ!?
 お、教えてくれ!マジで漏れる!」

女(啓太郎)が苦しみながら叫ぶー。

幸い、トイレには誰も入って来ておらず、
女(啓太郎)は外の音に気を配りながら、
啓太郎(女)に質問するー

”ど…どうってー”

偶然、こんなことに巻き込まれてしまった彼女は
近くの大学に通う女子大生ー、
三上 野々花(みかみ ののか)ー。

大学帰りに友達とご飯を食べて、
帰りにこのデパートに立ち寄り、
買い物を済ませて家に帰ろうとしている
最中の出来事だったー

「(ど…どうなってるの……何でわたしがこんな目にー)」

泣きそうになりながらも、啓太郎になってしまった野々花は、
声を上げるー

「ーーど、どうってー…す、座って、そのー…
 えーっと…

 って…普段、普通にしてるから言葉で言い表すのなんて難しいですよぉ!」

そう叫ぶ啓太郎(野々花)ー

野々花(啓太郎)は、その返事を聞きながら
「わ、わ、わかった」
と、言いながらー
適当にスカートや、下着を下ろすー。

そもそも、トイレを済ませるときにどういう風に
スカートとか下着をすればいいのかも分からなかったが
もうそんな余裕はなかったー

「ーーふぁ~~~」

生まれて初めての”女”としての放尿ー。

男の時とは、感覚が違うー。
いや、違いすぎて、なんだかこうー、身体がゾクゾクするというか
興奮している気がするー

(や、やっべぇ…女の子のおしっこが…やべぇ…興奮してきた)

ただ、普通にトイレにー
いや、これで果たして正しいのか、野々花(啓太郎)には
分からなかったが、
女子大生の身体でトイレを済ませている、と考えると
無性にゾクゾクしたー。

”ーーち、ちゃんと出来てるんですか?”
啓太郎(野々花)が困惑したような声で聞いてくるー

「えへへ…えへへへ…できてるよぉ たぶん」
野々花(啓太郎)がニヤニヤしながら言うー。

その声は、普段の野々花が出すような声ではなく、
下心に満ち溢れている、嫌な感じの声だったー

”ーーほ、ホントに、わたしの身体で変なことしないでくださいよ?”

啓太郎(野々花)の言葉に、
野々花(啓太郎)は

「でもホラ、俺、女子トイレに忍び込むようなやつだしー」
と、言いながら、尿を出し終えたアソコを見つめながら
下品な笑みを浮かべるー。

「(へへへへ…普通に覗くより最高だぜー)」

ニヤニヤしながらアソコを凝視したり、変な姿勢になって
髪を垂らしながら、下から自分の身体を見つめようとしたりする
野々花(啓太郎)ー。

”ーーよ、用が済んだら早く元に戻してください!”
啓太郎(野々花)が隣の個室から叫ぶー。

「ーーち、ちょっと待てってー
 今、元に戻る方法考えるからー」

野々花(啓太郎)の言葉に、
啓太郎(野々花)は

”い、今からー…?
 ほ、ホントに戻れるんですか!?”

と、困惑の言葉を投げかけて来たー

野々花(啓太郎)は便座に座ったまま
腕を組んで、元に戻る方法を考え始めるー

この身体でトイレを済ませるのは
本当に興奮するし、本当はもうちょっと
色々なことをしてみたかったが、
啓太郎(野々花)が何をするか分からないしー、

”相手の身体を人質に取っている状態”であると同時に
”自分の身体を人質に取られている状態”でもあるー。

それが、入れ替わりという現象だー。

下手なことはできないー。

啓太郎になった野々花に通報されたり、
”覗きがいる!”と言われてしまったら
啓太郎はおしまいだー。

そんなことになるわけにはいかないー。

「ーーと、とりあえず考えるからー…
 そっちはそっちで、ほら、男としてトイレでも済ませてみろよ」

野々花(啓太郎)が、時間を稼ごうとして咄嗟にそう呟くー

”えっ…?えぇっ?”

「ートイレに入る前にコーヒーガブ飲みしたから
 結構トイレ行きたかったはずだし、
 出そうと思えば出るだろ?
 
 俺もほらー…女としてトイレを済ませたんだし、
 俺だけ経験するのも申し訳ないだろ?

 だからほら、俺の身体で小便でも済ませろよー

 その間に俺は元に戻る方法を考えるからー」

野々花(啓太郎)は無茶苦茶な提案をすると、
腕を組んだまま考え込むー

「(入れ替わった時の状況を思い出せー…俺)」

野々花(啓太郎)がそう呟くー

”ーーえ…え??い、いやですよぉ…!触りたくないですし!”

啓太郎(野々花)が隣の個室から叫ぶー。

どうやらー
啓太郎になった野々花は、啓太郎の肉棒に
触りたくないようだー。

「ーーーーー」
そんな言葉を無視して、入れ替わった時の状況を
繰り返し思い出す野々花(啓太郎)

変わったことはなかったはずー
いや、変わったことがあったとすればー

「あっ!」
野々花(啓太郎)は叫ぶー。

そういえばー
入れ替わる直前、啓太郎のいるトイレの個室の
荷物置きのところに、変な水晶玉みたいなやつが
あったような気がー

確か、あれに触れた直後、
身体が突然入れ替わった。

と、いうことはー…

”は…早くしてください…”

隣から、啓太郎(野々花)の声が聞こえたー

「ーーな、なんだよ…だから俺の身体でしちゃえばいいだろ?」

野々花(啓太郎)はそう呟くと、
”そっちに水晶玉みたいなもん、あるか?”と聞こうとしたのを
やめて、口を閉ざしたー。

少し、”いじわる”したくなったのだー。

「ーー俺の身体で漏らさないでくれよぉ~?」
野々花の身体で啓太郎はニヤニヤとしながら
いじわるな声を出すー。

”だ…だったら、早く…元に戻してくださいー”

啓太郎(野々花)は隣の個室から悲痛な声を上げるー

「ーへへへへ…男としてのやり方、教えてやろうか?」
野々花(啓太郎)がなおもニヤニヤしながら言葉を続けるー

”そ、そんなことはいいですからー…早くー”

啓太郎(野々花)は隣の個室で、ズボンの上から
肉棒を抑えるようにして、
必死に尿意を我慢していたー

入れ替わる前に啓太郎が何となく飲んだコーヒーも原因の一つだったが、
”入れ替わり”などという普通ではありえない現象を経験し、
啓太郎の身体になったことで、極度の緊張状態が続いたことで、
啓太郎の身体は、一気に尿意を催してしまっていたー。

”うっ…ちょ…ちょっと…そんなの…いいですからぁ…”

ズボンの上から触りたくもないその棒を触りながら
よく分からないままもじもじするー。

こんなもの触ったことないし、
自分の身体にこんなものはないー

だから、それが手に触れるだけで、
言いようのない感覚に陥って、
そのはずみで、我慢している尿が外に溢れそうになってしまうー

”な…なんか、どんどん、大きくなってるんですけど…
 ど…どうすればー”

「ーはははっ!我慢するために揉んでるのか?」

野々花(啓太郎)は、野々花の口でそんなことを叫ぶー。

たぶん、入れ替わった原因は、啓太郎がいた方の個室にあった
謎の水晶玉だと思うー。

それを触って貰えれば、何となく元に戻れる気がするし、
原因が分かった以上、
もう少し”遊んでやりたい”

そんな、気分になった野々花(啓太郎)は
「ーーへへへへ~…ほら、トイレで出しちゃえば楽になるぜ~!
 男のおしっこ体験!なんてな!ははっ!」
と、嬉しそうに笑うー

”うぅぅぅぅ~絶対イヤです”

隣の個室で奇妙な動きをしながら
必死に尿意を我慢している啓太郎(野々花)ー

野々花は、意地でもこんな知らない男の肉棒を
直に触ったりしたくなかったし、
しかも、この男が、女子トイレで覗きをしていた変態となれば
尚更だー。

「ーーーいつまで我慢できるかなぁ~」
野々花(啓太郎)はニヤニヤしながら便座の上で
身体を子供のように揺らしながらウキウキしているー。

真面目そうな野々花の雰囲気が、台無しだー

”も…漏れちゃいます…”

啓太郎(野々花)の苦しそうな声ー。

ニヤニヤしながら、その反応を楽しむ野々花(啓太郎)ー

しかしー

”ーーこ…このまま漏らすことになりますよ…”

啓太郎(野々花)が少し怒ったような感情を込めながら
そう呟いたー

「えっ…!?い、いや…しろよ!トイレにしろって!」
野々花(啓太郎)が乱暴な口調で叫ぶと、

啓太郎(野々花)が”わざと時間稼ぎをしている”と
疑っているのか、
それとも、お漏らししてでも、啓太郎のアレを触りたくないのか
”戻してくれないなら、このまま漏らしますから!”と叫んだー

「ーーわ、わ、わかった!じ、じゃあー」

野々花(啓太郎)も、自分の身体でお漏らしされてしまっては
流石に、いい気分はしないー

そう思いながら、”啓太郎の身体がいる方の個室”の
荷物置きの部分に置かれているはずの水晶玉のことを
口走ろうとしたー

がー
その時だったー

”こっちです!”

そんな声が、聞こえたー

「ー!?」
野々花(啓太郎)が驚くー。

啓太郎(野々花)も驚くー

トイレに女性の声と、
警察官かー、いや、それとも警備員かー
何人かの人間が駆け込んでくるような音が聞こえたー

”女子トイレに来る利用者全員が、音を立てて来るとは限らないー”

途中で入ってきた少女たちのように、騒がしく入って来る人間もいればー
あまり音を立てずに入って来る人間もいるー。

これは、男女どちらのトイレでも同じことだろうー

個室から出たら
”あれ?いたの?”というような経験は
どんな人間にもあるはずー。

入れ替わった野々花と啓太郎が喋っている間にー
警察官を呼んできたこの女性は
”個室の中から男の声が聞こえる”ことに驚いて
慌てて引き返し、通報ー、
駆け付けた警察官と一緒に、この女子トイレに引き返してきたのだー

「ーーえ…う、嘘だろー?」
野々花(啓太郎)は思わず表情を歪めてしまうー。

「ここから出て来なさい!」
女性警察官と、男性警察官の声も聞こえるー。

「ーー(く、くそっ!ふ、ふざけんな…出るなよ!何も言うなよ!?)」
野々花(啓太郎)は、表情を歪めるー

冗談じゃないー
こんなところで逮捕されてたまるかー

くそっ!身体が入れ替わったりしなければ、
俺は絶対に見つからずに、目的だけ果たす自信が
あったのにー!

歯ぎしりをする野々花(啓太郎)ー

入れ替わったりしなければー
野々花にバレることもなく、こっそりと、夢の光景を
拝むことができたはずだったのにー

入れ替わってしまってー…
”覗き”がバレてしまって、
しかも逮捕されるとなったらー

ガン!!!!!!!

その時だったー
隣の個室の扉からものすごい音がしてー、
啓太郎(野々花)が、悲鳴に似た声を上げるー。

「お、おい!何だお前!」
男性警察官が叫ぶー。

その会話内容を聞いている限り、
既に尿意が限界だった啓太郎(野々花)が
警察に驚いて、お漏らしをしてしまった様子だったー。

野々花(啓太郎)は
”くそっー!どうする…!?どうするー!?”と
個室に引きこもったまま考えるー

このままじゃ、俺が犯罪者になっちまうー

このままじゃー

”わたし、ここに忘れ物しちゃって、取りに来たら、
 男の声がしてー”

警察を呼んだと思われる女の声が外から聞こえるー

女は、リサイクルショップで購入した
不思議な水晶玉を、このトイレの個室に忘れて、
取りに戻ってきたところー
入れ替わった二人が会話しているのを聞いて
”女子トイレに男がいる!”と、通報したーようだった。

”くそっー…何なんだよあの水晶玉ー”

野々花(啓太郎)は髪をぐしゃぐしゃに掻きむしりながら、
便座に座ったまま
どうにか”自分の身体”を助ける方法を考えるー。

だが、このままじゃ、自分の身体が連行されてしまうー

そう思った野々花(啓太郎)は慌てて自分も個室から
飛び出したー。

”自分が逮捕されること”を
何とかー
何とか阻止しないとー

必死に頭をフル回転させてー
野々花のフリをして”わたし、覗かれてません!”と
言い放とうとしたその時だったー。

「ーち、違うんです!わ、わたしー…
 わたし、覗きの人と、入れ替わっちゃって!」

啓太郎(野々花)が、そう叫んだー

”入れ替わり”のことは明かさず、
野々花として”啓太郎を庇うような発言”をして、
自分自身を守ろうとしていた野々花(啓太郎)は
その言葉に驚くー。

”おいおいおいー…くそっ!このままじゃ俺、本当に逮捕されー…”

だがーーー
警察の反応は、野々花(啓太郎)の予想とは違ったー

「ー見苦しいぞ!何が入れ替わりだ!大人しく観念しろ!」
啓太郎(野々花)を取り押さえた警察官が叫ぶー

「ち、ちがっ!ほ、本当にわたしー!」
啓太郎(野々花)が必死に叫ぶー

”そうかー”

野々花(啓太郎)は笑みを浮かべたー

入れ替わりなんて誰も信じやしないー。

”覗き”をしていたことを何とかバレないように、
身体を元に戻して、通報される前に立ち去るー…
そんなことばかり考えていたがー

よく考えたらー

「(元に戻る必要なんてー、ないじゃないかー)」
野々花(啓太郎)はニヤァ…と、笑みを浮かべたー

「ーーわたしの身体を返して!!ねぇ!!ねぇってば!
 覗きをしてたのはあなたでしょ!!ねぇ!!」

啓太郎(野々花)が叫ぶー

しかしー
警察にも、水晶玉を忘れた女にもー
”女言葉で入れ替わったフリをして必死に言い逃れをしようとしている
 変態男”に、しか今の啓太郎(野々花)の姿は見えていないー

そうー
現実で入れ替わりが起きるなんて、
誰も思っちゃいないー。

誰も、信じるわけがないのだー

「ーー何のことだか分かりませんー…
 何を言ってるんですかー?」

野々花(啓太郎)は、
野々花のフリをしてー

そう言い放ったー

「ーー変態!身体を返して!ちょっと離して!離してください!」
泣きながら連行されていく”変態男”ー

「ー大丈夫でしたか?」
女子トイレに残った女性警察官が、
野々花(啓太郎)のことを心配するー

「ーはいーーありがとうございますー」

野々花(啓太郎)は穏やかな口調でそう答えながらー
静かに笑みを浮かべたー

そうだー
最初から元に戻る必要なんて、なかったんだー

「ーーーえへへへへへへ…」

”野々花の家”に帰宅した野々花(啓太郎)は
トイレの方に向かって、服を脱ぎ捨てるー

そしてー

「ーーへへへへへへ…これで覗き放題だぜ…!」

まるで男のように便座の前に立ちながら、
これから始まる欲望の日々を思い浮かべてー

野々花になった啓太郎は、下品な笑みを浮かべたー。

おわり

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

コメント

昨年、合同誌向けに制作した作品でした~!☆
ちょうど今日から、公開解禁(合同誌側のルールデス~!)に
なったので、こうして憑依空間でも皆様に
お届けできるようになりました~!☆

初めて読む皆様も多かったと思いますので
少しでも楽しんでいただけていれば何よりデス~!

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小説

コメント

  1. 匿名 より:

    女子トイレという場所で覗き男と入れ替わってしまうと、どうしても元の女の子側の方が圧倒的に不利ですね。

    これから変態男というレッテルを張られて生きていくことになる野々花ちゃん、お気の毒に。
    普通にトイレ入っただけでこんな目にあうなんて理不尽の極みです。

    • 無名 より:

      コメントありがとうございます~!☆

      とっても理不尽な目に遭ってしまいましたネ~…!
      お読み下さりありがとうございました~!!