<憑依>体越し2021②~傷跡~(完)

※今日は新年のご挨拶と今月の予定もこれの1個前に載せました~!
 そちらもぜひご覧くださいネ~!

・・・・・・

2021年から2022年へー。
男は再び、身体を乗り換えたー。

新たな1年とー
新たな悲劇が、幕を開けるー。

・・・・・・・・・・・・・・・・

「ーートイレで年越ししちゃったよ」
笑いながら戻ってくる歩武ー

2021年から2022年ー
年越しの瞬間に、優亜が、再び憑依されてしまったことも知らずー。

「ーーーーーー…ねぇ」
優亜が笑みを浮かべながら歩武に近付いてくるー

「ーー新年初エッチしよ?」
優亜の言葉に、歩武は「えっ!?ええっ!?」と困惑するー。

”本当の優亜”はそういうことは苦手な性格だー。

大学で知り合った当時も、
勉強一筋で、眼鏡をかけたとても真面目な子、という印象だったー

だが、2017年に入り、男に憑依されてしまった優亜は突然豹変してー、
それまで、別に特に親しくなかった歩武に告白ー
エッチ三昧の日々を送ったー。

”優亜”が憑依されたことなど、全く知らない歩武は
”普段は大人しそうにしているけど、これが本性なんだ”と思いながら
そのギャップにも心を打たれて1年間を過ごしたー

だが、2018年に入り、優亜は、突然”去年の記憶がない”と言い出して、
今に至るー。

原因は未だに不明ー。
歩武は、”元の大人しい性格”に戻った優亜に寄り添いー、
ついに今度は婚約するに至っていたが、
”2017年だけ別人のように振舞い、本人に記憶がない”理由は
分からないままだったー

歩武は、”憑依”のことを知らないのだー。

何度か診察を受けた際にも
”記憶障害”だったり、”二重人格”だったり、
色々な診断を受けたが、結局謎は謎のままだったのだー。

”こいつには確か”憑依”のことは言ってないんだったな”

「ーーわたしのフェラで気持ちよくしてあげる…どう?」
優亜が挑発的な笑みを浮かべながら言うー。

「ーー…え、、え…ほ、、本当に…?
 急にどうしたんだよ…?」
歩武が戸惑いながら言うー。

「ーふふふ…久しぶりー」
優亜が言うー。

「ーーえ…」
歩武は表情を歪めるー。

「ーー何年前だったっけ?あの時は楽しかったよね」
優亜が妖艶な笑みを浮かべながら言うとー
「ーーま、、まさか!」と、歩武は叫ぶー

「ーーーふふふ、わたしが本当の優亜ー。
 あんたもずっと、わたしのこと、想ってたんでしょ?」
優亜が微笑むー。

”こいつは、馬鹿だから揶揄いがいがあるぜー

優亜に”2度目の憑依”をした男は、
笑みを浮かべながらそう囁いたー

「ーーゆ、、優亜…まさか…え…、また…??」
歩武が言うと、
優亜は「ふふふ…わたしが本当の優亜なのよ?」と、微笑むー。

”こいつ、やっぱ面白いぜ”
優亜は、そう思いながら、さらに言葉を続けたー

「ーーわたしと、真面目でつまんない優亜、どっちが好きなの?」
優亜が挑発的に髪をいじりながらそう言うのを見て、
「ーーあ、、あ、、も、、もちろん、もちろん、本物の優亜…き、君だよ!」と、
歩武は叫ぶー。

「ーーふふふ いい子いい子
 じゃ、ほら、早く出してごらんなさいー
 この口で気持ちよくしてあげるから」

指をくちゅっと舐めながら優亜がそう呟くと
歩武は「あ、、あぁ!」と嬉しそうに叫んだー。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「ーーーわ…わたし……え…???」
年越しカウントダウンのイベント会場で目を覚ました
女子高生アイドル・あかりが、戸惑いの表情を浮かべていたー

「ーーあ…あれ…?」
頭を押さえながら、あかりは困惑するー。

”わたし、スタジオにいたはずなのにー?”

あかりの時間は、2020年の大晦日で止まっているー
あかりからすれば、”一瞬にして”今、この状況に飛んだようなー
そんな、不思議な感覚さえあるー。

「ーーー!」
足の寒さを感じて、自分がミニスカート姿で生足を晒していることに気付くー

「ーーーえ…」
あかりは、何も理解できないまま、
観覧車に表示されている
”2022”の数字を見つめるー。

「ーー2022…?」
”表示が間違っている”
あかりはそう思ったー

2020⇒2021のタイミングで憑依されたあかりからすれば、
2021年1月1日の感覚なのだー

”2022年ってなんか書き間違えそう~”
道行くカップルがそう話しているー

「ーーーーえ…どういう…こと…?」
あかりは、困惑した様子でそう呟くとー
直後、スマホが鳴ったー。

その画面を見つめるとー
”知らない人”からのLINEが届いていたー

そしてー

”妊娠おめでと~”と、書かれているメッセージを見て
あかりはさらに表情を曇らせたー。

しかもーーーー

スマホの待ち受け画面には、
首輪をつけて男とエッチなことをしながら
挑発的な笑みを浮かべるあかりの写真が映し出されていたー

”男”が、あかりの身体から抜け出す少し前にー
”正気を取り戻したあかりへのメッセージ”として、
LINEが知り合いから来るように仕組みー、
さらには、待ち受けも、”憑依されたあかり”のものに
設定しておいたのだー

「ーーー…………なにこれ………」
あかりは、声を震わせながら、そう呟くことしかできなかったー

「ーーーーーーー」
2019年の憑依被害者の夫・和彦は、正気を取り戻したあかりを
遠目から見つめながらもー
”声をかけてもー…混乱させてしまうだけかもしれないー…”と、
そのまま”男”の行方を追うー。

”男”は、まだこの会場にいるかもしれないー。
また”新たな身体”に憑依した状態でー。

”急に様子がおかしくなった女”が
いないかどうかを探す和彦ー

だがー
そんな相手は見つからないー。

何故なら”男”は、今回、この会場にいる人間ではなく
”離れた場所の優亜”に憑依したのだからー

「ーーま、いいや、チャンスをやるぜー。
 俺はこれからまた”体越し”をするー。
 1時間以内にもし、”俺が移動した先”を見つけることができればー
 俺は、潔く消えてやる。
 どうだ?」

その言葉を思い出す和彦ー

あいつにー
妻の若菜は好き放題されて、今も精神的な状況は回復せず、
入退院を繰り返しているー

息子の良助も深い傷を負い、
”もうお母さんなんて嫌いだ!”ばかりを繰り返している状況ー

それにー
”若菜が憑依されていた”ことに気付けず、和彦は2019年中に離婚
してしまっていて、厳密に言えば若菜は”妻”ではなく”元妻”の
状態だー。

「くそっ!」
歯ぎしりをする和彦ー

「ーー2022年12月31日ー」
「ーーーあんた、死相が出てるよー」

乗っ取られているあかりが最後に言い残した言葉ー
その言葉が、和彦の中で、不気味に、何度も何度も
響き渡っていたー

そしてー

会場の周辺に救急車が集まっていることに気付いた和彦は
その現場に駆け付けるー。

するとそこにはー
刺されて血まみれの状態で救急搬送される慶介とー
放心状態で「よくも俺の娘を!」と泣きながら
呟いている男の姿があったー。

「ーー慶介くん!?」
和彦は思わず叫ぶー

だが、2018年の憑依被害者の彼氏であった慶介は
苦しそうにうめくだけで、何も返事は返ってこなかったー。

程なくして、慶介を乗せた救急車は病院へと向かいー、
慶介を刺した男は、そのままパトカーに乗せられて連行されたー。

「ーあの男は…?」
和彦が表情を曇らせるー。

”若菜や、他の女性に憑依していたやつ本人”ではないだろうー。

だが、慶介を刺したということはー…?

「ーーあいつの…仲間なのか?」
和彦は、”2020年の憑依被害者・咲の父親”のことを
そう勘違いしながら、そう呟いたー。

だがー
和彦は、”今はとにかく、あの男を見つけないと”と、
会場の方に戻るのだったー。

・・・・・・・・・・・・・・・・

「ーーー優亜……」
優亜と散々エッチなことを繰り返した歩武は、
嬉しそうに笑っていたー。

「ーーそうだ」
優亜はそう呟くと、机の上に置かれている優亜がいつも読んでいた小説を邪魔そうに、
近くに用意したダンボールに放り投げていくー。

「ーーゆ、優亜…?」
歩武が戸惑うと、優亜は「もう一人のわたしが大事にしてるものなんて
わたしからすれば、ゴミみたいなもんだし。
これから1年は、自分好みの色に優亜を染めないとねー」と、笑みを浮かべるー。

「ーー1年ー?」
歩武が戸惑うー。

”おっといけねぇ”
優亜に憑依している男は「なんでもない」と、笑みを浮かべると、
「ーーとにかく、わたしと楽しみまくりましょ?
 もう一人の、つまんない優亜のことなんて忘れてー」
と、囁くー

歩武は少し不安そうにー
「ーーあ、、あの…もう一人わたしって…?」と、呟くー

歩武は、”憑依された状態の優亜”と何も知らずに
2017年の1年間、付き合っていたー
だから当然、好きと言う気持ちはあるがー
それ以降、2018年から4年間、”本来の優亜”と付き合ってきたのだー。

だから、今、気持ちはーー

それにー
”憑依”のことを知らない歩武からしてみれば
優亜の態度が急に豹変した理由も、よく分からないー。

歩武と付き合い始める前は、優亜は大人しく、真面目な性格だったー
それが、2017年に入って豹変し、歩武と付き合い始めて、
歩武はこの上ないぐらい気持ちの良い経験をさせてもらったー。
だが、2018年に急に態度が変わり、再び大人しくなり、
優亜は”2017年の記憶がない”と言い始め、
歩武と付き合い始めたことも忘れていたー

戸惑いながらも、歩武は、それでも優亜が好きだと、寄り添い、
この数年間を過ごしてきたー

しかしー
今ー2022年になって、再び優亜は豹変したー。

「ーあんな女より、わたしのほうが、魅力的でしょ?」
優亜が、歩武に身体を密着させながら言うと、
歩武はドキドキしながら顔を赤らめながらも、少し
戸惑ったような表情を浮かべるー。

「あ…あの…い、、いったい…どういうことなんだ…?」
歩武は困惑しながら呟くー。

「ーーに、二重人格ってことー?
 本当に、君が本当の優亜なの…か?」

”クククー本当バカで面白いぜお前は”

「ーーそんなことどうでもいいじゃないー…
 そうだ、今年は色々なコスプレも見せてあげる」
優亜が甘い声で言うと、歩武は顔を真っ赤にしながら頷いたー

そう言いながら、優亜は、自分の銀行口座の通帳を確認するー

「ーこの女、結構貯金してるじゃ~ん!」
優亜はそう言うと、
「ーこれで、歩武にたっぷりご奉仕してあげられる!」
と、嬉しそうに微笑むー

「あ…あの…」
歩武は困惑しているー。

”優亜はやっぱり二重人格なのか?”という
的外れの考えが、歩武の中で膨らんでいくー

「ーーーメイド服着て、たっぷりご奉仕してあげよっか?」
優亜の言葉に、「えっ…!?えっ!?」と、戸惑う歩武ー。

「ーーふふふふふ♡ 
 ほら、細かいことは忘れて、
 わたしと欲望に溺れようよ…?ね?」

甘い言葉で囁かれた歩武は、
もう、細かいことを考えるのをやめてしまったー。

「ーーーあ…あぁ…優亜…!」

”こういうやつばかりならー
 俺も楽に楽しめるぜー
 クククー”

優亜が邪悪な笑みを浮かべたことに、歩武は
気付くことすらできなかったー。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

数日後ー

あかりは、自分が所属していたアイドルグループのメンバー、
かりんと接触していたー。

「ーーわ、、わたし…何も、覚えてなくてー…
 わたし…いったい…何があったの?」

あかりが震えながら尋ねるー。

だが、かりんは”軽蔑の眼差し”をあかりに向けたー

あかりを見て、あかりを鼻で笑うと
「ー性欲に溺れちゃったんでしょ?自分でそう言ってたじゃない」
と、呆れた様子で呟くー。

「ー今更、また復帰したいとか、都合よすぎじゃない?
 あんたの裏切りで、わたしたちがどれだけ苦労したか、分かってるの?」

かりんの鋭い口調に、あかりは「わたし…本当に何も…」と呟くー

「ーーあんなに、夢に向かって頑張ってたのにー
 あんたは笑いながらそれを自分で踏みにじったのー。
 自分の夢も、わたしたちの夢もー」

2021年ー
”憑依されていたあかりの行動”で、あかり自身だけではなく、
所属していたグループ自体の評判も失墜したー。

かりんら、残りのメンバーは今も必死に頑張っているが、
その傷は大きいー

「ーわたしは、あんたを絶対に許さないからー」
かりんは、あかりを睨みつけると、そのまま立ち去ってしまうー

「ーーなんで…?」
あかりは、一人その場に座り込むー

「ーーなんで…?何が起きてるのー?」
頭を抱えながら目から涙をこぼすあかりー。

両親からも、軽蔑の眼差しを向けられてー
何が何だか、全く理解できないー。

「ーーお!あかりじゃん!」
知らない柄の悪い男が、あかりに話しかけてくるー。

あかりは「誰…?知らない…」と、泣きながら後ずさるー。

そのまま、悲鳴に似た叫び声をあげたあかりは、
そのまま街の中を泣きながらー
どこかへと向かって走り去っていったー

・・・・・・・・・・・・・・・・・

「ーーー」
コスプレ衣装が届いたのを見つめて優亜は
満足そうに笑みを浮かべるー。

”結婚のための資金”
そう、嬉しそうに書かれた紙をぐしゃぐしゃに丸めて捨てると、
優亜は、静かに囁くー

「ークククーお前の幸せのための金はー
 俺の欲望のために使わせてもらうぜー」

歩武が仕事に向かい、一人になった家の中で、
優亜は、一人、ゲラゲラと笑い始めるー。

”しかしーーー
 前は2017年だったか?何年も経っていると
 やっぱ、身体の感じも少し違うな ククー”

”前との違い”を楽しみながら
自分の身体を気持ちよさそうに触る優亜ー

”仲良し姉妹”
”OL”
”ギャルに憑依して優等生になる”
”お兄ちゃん大好きな妹”
”女社長”

色々な”今後の候補”が書かれたメモを見ながら
優亜は微笑むー。

”まぁいいー先のことは、先だー”

優亜は、そう思うと、
指をペロリと舐めて、鏡を見つめながら呟いたー

「ーお前に幸せになる権利なんてねぇよー。
 お前は”俺の入れ物”なんだからよ…
 今年は、お前の身体をた~っぷり使わせてもらうからなー…
 クククーーーー」

男の欲望はー
多くの人の人生を傷つけ、破滅させていくー。

いつの日かー
誰かがこの男を追い詰め、
”体越し”を阻止するその日までー。

おわり

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コメント

あけましておめでとうございます~!☆
今年最初のお話は毎年定番の「体越し」でした~!!

続きはまた2022年の大晦日に☆~!!!

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憑依<体越し>

コメント

  1. 匿名 より:

    あかりちゃん、意外に精神的にタフですね。普通なら時間が一年跳んだ上に妊娠してたら即発狂モノでしょうに。それとも、ラインのメッセージとか画像は質の悪いイタズラとでも解釈して、まだ自分の妊娠に気付いてないんですかね?

    一目で分かるくらいの段階じゃなければそれもありそうかな?
    もし思いっきりお腹が大きくなってたら、再会したかりんちゃんにも何か言われたでしょうしね。

    それにしても、あかりを心底恨んでる様子のかりんちゃんは何も真実を分かってないけど、一歩間違えれば、かりんちゃんがあかりちゃんの立場になってた可能性もあったわけですよね。

    それに2022年のターゲットになる可能性もあったわけですから、なんとか難を逃れたかりんちゃんは幸運ですよね。もっとも、2023年以降のターゲットにされる可能性はあるので油断はできませんが。

    • 無名 より:

      コメントありがとうございます~!

      あかりちゃんはまだ見た目で分かる段階では
      ないですネ~!
      憑依している男が、自分が身体を使っている間は
      影響が出ないように調整した感じデス~★

      かりんちゃんは…
      2023年以降に選ばれないといいですネ~笑

  2. 葉月 より:

    アイドルの子が可哀想でなによりです…。

    家に向かえて仲良くなりたい

  3. 匿名 より:

    憑依人の今後のターゲット候補が書かれたメモが不穏ですね(笑)。

    自分的には仲良し姉妹がターゲットにされる展開がとても気になります。
    ところでギャルのとこだけ、目標まで書いてありますね(笑)。
    優等生になるという目標はこの憑依人にしては平和的ですね。ひたすらエロに走ったあかりちゃんとは真逆の方向性です。そういう目標なら他の被害者みたいに人生が派手に壊されることはなさそうですけど、ギャルを優等生にするような話は既にあるので、新鮮さは微妙ですかね?

    続きはまた1年後なので、非常に待ち遠しいですが、首を長くして楽しみに待ってます。

    • 無名 より:

      ただのメモで終わるか、
      今後、本当にそういう対象を見つけて憑依するのかは
      今後のお楽しみですネ~!

      男の今までの傾向からすると、
      優等生になる、というメモはメモだけで終わりそうですネ笑