<入れ替わり>俺が地雷系になっちゃった!?①~遭遇~

仕事帰りのサラリーマンが、
帰り道に地雷系の格好をした女と衝突してしまったー!?

地雷系の女と入れ替わってしまった彼は
早速無茶振りをされてしまってー…!?

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「ーーー今日も、遅くなっちまったなー」
30代中盤のサラリーマン・小島 文也(こじま ふみや)は、
腕時計で時間を確認しながらため息をついたー。

最近は、ベテラン社員が定年退職を迎えたばかりで
あることもあって、忙しいー。

今日は残業せずに済みそうな雰囲気ではあったものの、
結局、残業することになってしまって、夜になってしまったー。

「ーーまぁ、別にすることもないし、
 金は貰えるからいいかー」

幸いなことに、文也が働いている会社は
”ちゃんと残業代の出る”会社で、
残業すればするほど、金が貯まっていくー。

”その金を何に使うか”と言われると、
独身で、かつ趣味もあまりない彼にとっては
あまり思い浮かばなかったものの、
”将来、きっと役に立つだろ”と、貯金が増えること自体は
嬉しく思っていたー。

「そうだー…昨日録画しておいたドラマでも見るかー」
帰ったらすることを頭の中に思い浮かべながら
そう言葉を口にしつつ歩く文也ー。

「ーーーー」
が、その時だったー

「ぐはっ!?!?!?」
背後から突然衝撃を感じて、そのまま転倒してしまう文也ー。

しかも、転倒した直後、上から何かが覆いかぶさって来るのを感じたー。

・・・・・・・・・・・・・・・・・

「ーーーーーー…!!!」

文也が意識を取り戻すと、
”な、何だったんだー?”と、困惑の表情を浮かべながら、
すぐに身体を起こそうとするー。

がー、自分のすぐ下に、
”自分”が倒れていたー。

「うわああああああっ!?」
思わず声を上げて、自分から離れて尻餅をついてしまう文也ー。

自分の下に自分がいるー。
それはつまりー、
”俺は死んで幽霊になって自分の上にいたのでは?”と、
そんなことを考えてしまうー。

「い、いやいやいや、いくら何でもまだ死ぬには早すぎるぞー?
 大体、さっきの衝撃は何だったんだー?」

文也はそう言葉を口にしながら、
いきなり背後から強い衝撃を受けて路上に転倒してしまったことを
思い出すー。

何をされたのだろうかー。
後ろから暴走車にでも突っ込まれたのだろうかー。
それとも、後ろからハンマーで殴られたのだろうかー。

そんな、訳の分からないことまで考えながら、
文也が戸惑っていると、
「ってー、何だこの声ー?」と、
自分の声がおかしいことに、散々独り言をつぶやいてから気付いたー。

「ーーなんか、俺の声、すごく可愛い声になってるようなー…
 あ…あれか?死ぬと可愛い声が出るようになるのかー?
 これが幽霊ボイス?」

一人でそう言葉を口にするー。

が、その直後ー、
自分がハート形ボタンが可愛いピンク色の服に、
黒いスカート、黒いタイツ姿になっていることに気付くと、
「うわぁぁっ!?」と、もう一度声を上げたー。

しかもーー
胸のあたりが膨らんでいるのを見て、
「ーーお、おいおいーなんだこれー?」と、服の中に何か入ってるのかと
勘違いしてそれに触れると、
胸を触る感触と、触られる感触は同時にしたー

「うぉあああああああ!?!?」
可愛らしい声で悲鳴に似た叫び声を上げる文也ー。

さらに、そうこうしているうちに、
”倒れていた自分の身体”が、突然起き上がり始めたー

「うぉぉぉぉ!?お、お、お、俺が、起き上がっー!?」
”俺は死んだのでは?”と、文也はそう思いながら
困惑の表情を浮かべると、
やがて、起き上がった文也の身体が、
女の身体になって困惑している文也の方を見て
「ええええええええええええ!?!?」と、
そう叫んだー。

「な、なんでわたしが目の前にー…!?
 って、何このおっさん声ー!?」
文也の身体がそんな言葉を口にするのを聞いて、
女になってしまっている文也は
”ま、まさかー…”と、心の中で呟くー。

そして、今一度、妙な格好ー
確か、地雷系とか何とか言うのだっただろうかー。

そんな格好をしている自分の身体を見下ろすと、
自分を指差しながら
「も、も、もしかして、これ、君の身体ー?」と、
そう言葉を口にするー。

そう声を掛けられた”文也”になっている女は
戸惑いの表情を浮かべながら
「ーこ、”これ”ってなんか失礼な言い方なんだけど!」と、
不満そうにしながらも
「ーま、まぁ、そうだけどー」と、文也が使っている
地雷系な格好をしている身体の持ち主であることを認めたー。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「ーーーごめんなさいー。友達との待ち合わせに遅刻しそうでー」

地雷系な美少女の名前は、
村本 愛奈(むらもと まな)ー。

友達との待ち合わせに遅刻しそうになって
慌てて猛ダッシュしていたところ、
背後から文也にぶつかってしまったのだと言うー。

”いきなり背中から衝撃を感じて吹っ飛ばされたのはそのせいかー”
愛奈になった文也が心の中でそう呟くと、
文也になった愛奈が「それでー…相談なんだけどー」と、
そう言葉を口にするー。

「相談?」
愛奈(文也)が少し戸惑いながら文也(愛奈)の方を見つめると、
「ーーさ、さっきも言ったけど、友達との待ち合わせに遅刻しそうで
 わたし、急いでたんだけどー…」と、そう言葉を口にするー。

「ーーん…そ、それで?」
愛奈(文也)は戸惑いの表情を浮かべつつ、首を傾げるー。

すると、文也(愛奈)は言ったー。

「わたしのフリをして、友達と会ってくれないー?」
とー。

「ーな、な、な、なんだって!?」
愛奈(文也)がそう言葉を発すると、
文也(愛奈)は「だって~…おじさんの身体で会いに行くわけには
いかないし~」と、そう言葉を続けるー。

「ーま、まぁ、そりゃそうだけどー
 いや、でもー、君の友達のことなんて全然知らないしー」
愛奈(文也)は心底困惑した表情を浮かべつつ、
自分の口から可愛い声が出続ける状態に
不本意ながらドキドキしてしまいつつ、
顔を少しだけ赤らめるー。

「あ~うん、そ、それは適当に話を合わせて貰えれば大丈夫だからー」
文也(愛奈)がそう言うと、
「ーと、友達には調子が悪くなったとか、連絡しとけばいいんじゃ?」と、
愛奈(文也)はそう提案するー。

愛奈という子のことなど何も知らないし、
そもそも”女”として振る舞える自信もないー。

姉も妹もいないし、彼女がいたこともない文也にとっては、
”女”という存在自体がそもそもよく分からなかったー。

別に”苦手”ということでもなく、
会社で業務上必要なことがあれば普通に
喋ったりはするけれど、それだけで
それ以上でもそれ以下でもなかったー。

ただ、
恋愛経験が全くなく、姉も妹もいない文也にとっては、
異性のことなど全く分からなかったし、
こんな地雷系みたいな格好をしているだけでも
激しくドキドキしてしまうような、そんな有様だったー。

”ーーー…この子の身体でドキドキしてるなんて思われたら
 何言われるか分からないし、早く元に戻りたいんだがー”

愛奈(文也)は内心でそうも思いつつ、
文也(愛奈)の方を見つめるー。

好きで入れ替わったのではないのにも関わらず
”変態っ!”みたいな扱いをされてしまったら、
たまったものではないし、
それだけは避けたいー。

だからこそ、早く元に戻りたかったー。

「ーー俺は見ての通り、ただのおっさんだし、
 そんなおっさんに君みたいな子が身体を預けるなんて嫌だろ?
 だから早く元に戻ろうー」
愛奈(文也)がそう言うと、
文也(愛奈)は「お、お、おっさんだなんて思ってないよ~!!
ほ、ほら!優しくて親切そうなおにいさん!」と、そう言い返すー。

しかし、愛奈(文也)は笑うと、
「さっき、”何このおっさん声!?”って言ったよなー?」と、
そうツッコミを入れると、
「わ、わたしだって元に戻りたいけど、どうやって元に戻ればいいか
 分からないし、待ち合わせに遅刻しそうだから、もう色々試してる
 時間もないし!」
と、文也(愛奈)はそう言葉を口にするー。

姿は文也で、声も文也ー。
しかし、中身が地雷系の女であるために、
その口調や言葉遣いに、とても強い違和感を感じてしまうー。

「ーーーーー…~~~」
愛奈(文也)はそんな”さっきまで自分だった身体”のとても大きな
違和感に戸惑いながら、
「と、とにかく”もう1回ぶつかってみる”ぐらいはすぐ、この場で
 試せるだろ?」と、そう指摘すると、
文也(愛奈)は「そ、それならー」と、
すぐに愛奈(文也)に向かってそのまま身体をぶつけて来るー。

「ぐはっ!?」
愛奈(文也)は、”愛奈の身体”が予想以上に脆かったことと、
文也(愛奈)が、男の身体になったばかりで力の加減が
分かっていなかったことから、想像以上の勢いで吹っ飛ばされると、
苦しそうにうめき声を上げたー

しかもー…

「はっ…!」
愛奈(文也)が周囲のざわめきに気が付いて周囲を見渡すと、
通行人がヒソヒソしながら、不審者を見るような目で
こちらを見ているのに気付いたー。

最初は一瞬、地雷系な美少女の身体で
吹っ飛んだことで”何あの子…?”的な目線を向けられているのだと
そう思ってしまったものの、
すぐに愛奈(文也)はハッとするー。

”い、いや、待てーこれってー”

そう思って周囲の様子を改めて観察すると、
”30代中盤のおっさんが地雷系の美少女に急に突進して吹き飛ばした”という
異常事態にざわついている様子だったー。

”や、やばい…このままじゃ俺、通報されるー!?”
そう思った愛奈(文也)は慌てて
「あ、み、皆さん、これは違うんですー!わたしが、やってほしいって頼んでー」
と、咄嗟に愛奈のフリをして声を上げるー。

が、周囲は”あのおっさんに言わされているのでは?”と、
そんな不審な目を向けて来るー。

「ーぜ、全然、大丈夫なので!ご心配おかけしました!」
愛奈(文也)はそれだけ言って切り上げようとするー。

が、それでも不審な目を向けられていることを悟り、
「ほ、ほら!おっさん!早く行くよ!」と、
”自分の方が立場が上で、おっさんを言いなりにしている”と
周囲の通行人たちに思わせるため、ガッ!、と文也(愛奈)の
腕を掴んで、そのままその場から移動を始めたー。

そして、場所を変えると、
「あ~~…危ないー俺が不審者扱いされるところだったー」と、
ホッとひと息を吐き出すー。

その様子に、文也(愛奈)は少しだけニヤニヤすると、
「おじさん、わたしのフリできるじゃん」と、そう言葉を口にするー。

「ーーーえっ、あ、いやー、あれは咄嗟にー」
愛奈(文也)は、不審者扱いされそうになった際の咄嗟の行動のことを
苦笑いしながら誤魔化そうとすると、
「って、もう遅刻!早く!待ち合わせ場所はこの先の通りのこの建物の前だから!」と、
スマホを操作しながら、文也(愛奈)が叫ぶー。

「わたしの運命はおじさんが握ってるの!だから!早く!」
文也(愛奈)は有無を言わさずに”わたしの代わりに友達と会って”と、
そう言葉を続けるー。

その言葉に、愛奈(文也)は「やっぱ俺のことおじさんだって思ってるー」と、
そう指摘すると、
文也(愛奈)は「おじーー…お、お兄さん!急いで!」と、
そう言葉を言い直したー。

”まぁ、30代中盤はおじさんって言われても仕方ない、かー”
自分の中で自虐的にそう納得すると、
愛奈(文也)は「じ、じゃあ、友達と会ったあとは、元に戻る方法を
二人で探すってことで、それでいいか?」とそう確認するー。

すると、文也(愛奈)は「もちろんー。おじさんの身体じゃ嫌だし」と、
笑顔で言い放つー。

「ーーやっぱ、おじさんかぁ」
おじさん扱いされたことに拗ねて愛奈(文也)はその場で体育座りをすると、
「あっ!ちがっ!おにいさん!っていうかそのやり取りもういいから言って!」と、
強引に友達に会いに行くように言われてしまったー。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

”待ち合わせ場所はここかー
 っていうか、俺に女のフリなんてできないぞー?
 どうなっても知らないからなー???”

そう思いつつ、友達との待ち合わせ場所にやってくるとー、
そこにやってきたのはーーー

「ーやぁ、君が愛奈ちゃんかいー?
 今日はよろしくねー」

ニヤニヤしながら近づいて来る
40代ぐらいの小太りのおじさんだったー

”ぜ、ぜ、絶対に友達じゃねーーーー!!!!!!”

愛奈(文也)は内心でそう叫ぶのだったー…

②へ続く

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

コメント

地雷系な少女との入れ替わり…!★
大変なことになっちゃいそうですネ~~!!

明日もぜひ楽しんでくださいネ~!!
今日もありがとうございました~!★!

「俺が地雷系になっちゃった!?」目次

コメント

  1. TSマニア より:

    今回もスゴい展開になっていきますネ!★(*´艸`)笑

    無名さんのカラダと入れ替わって1回だけ…1回だけ…地雷系になってみるのデス~!★!☆(*´艸`)笑

    • 無名 より:

      感想ありがとうございます~~!★笑

      地雷系の服なら持ってます~★笑
      それで外には出ませんケド…!