<憑依>捻じ曲がる正義感

正義感の強い女性警官ー。

しかし、彼女の意志は
歪められてしまうー。

悪意を持つものたちによって…。

※リクエスト作品デス

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女性刑事の加松 菜月(くわまつ なつき)は、
小さいころから正義感の強い女性だった。

父親も警察官だった。
その影響を受けたのかもしれない。

菜月は、元気で明るい子に育ち、
学校でも、先生から常に褒められるような、
良い子だった。

同級生の悪さも見逃さず、
常に悪を憎むほどの正義感の強さを持った
彼女は、父親と同じ道ー
警察官の道に進んだのだー。

そしてー

薬物の密輸や、数々の違法行為に手を
染める闇の犯罪組織”ケルベロス”の
捜査をその日も行っていたー

裏社会の番犬として、
数々の組織と接点を持ち、
暗躍する闇の巨大組織ー。
警察上層部の人間にも、
この”ケルベロス”とつながっている人間が
いると噂されており、警察ですら
なかなかケルベロスに手を出すことはできない。

だがー
菜月は、ケルベロスを追い詰めていたー

ケルベロスの最高幹部である男の居場所を
突き止めたのだー

「動かないで!」
菜月が銃を構えながら
最高幹部の男に迫るー。

「---……まさか、我々をしつこく
 嗅ぎまわっているのが、きみのような
 小娘だとは…実に驚いたよ」

最高幹部の男が両手を上げながら笑う。

「---おとなしくしなさい」
菜月は手錠を準備して、
それを最高幹部の男にかけるー

男は何の抵抗もしなかったー

妙にあっさり逮捕できてしまったことに
菜月は少し違和感を感じたものの、
とりあえず一安心するのだったー。

だがー

「--正義とは何だと思う?」
最高幹部の男が不敵な笑みを浮かべながら言う。

「---なにって…」
菜月は、急に質問されたことに
戸惑いながらも答えた。

「正義が何か…難しい質問だけど…
 一つだけ言えるのは、あなたたちのような組織は
 正義じゃないってことね」

菜月は無難に質問をかわして
男をアジトの外に連行しようする。

外には、後輩の女性刑事を待たせてあるー。

20代後半に突入した菜月にとっては
初めての後輩だった。

「---違う」
男が笑った。

「正義とはー
 見る視点によって、変わるー。
 私は、私たちこそが正義だと思っている。

 今の世の中は腐っている。

 私から見れば、私が正義で
 君たちが悪だー。」

男の言葉に菜月は、”わけのわからないことを
言ってないで早く歩きなさい!”と男を連行
しようとするー

しかし、男は笑う。

「君は、自分を正義だと思っているのだろう?
 だが、果たして本当にそうかな?
 君が正義だと思ってやっていることは
 本当に、正義なのか?」

最高幹部の男は演技がかった口調で言う。

「---静かにしなさい!」

最高幹部の男の言葉に
菜月に”わずかな動揺”が生まれたー

その隙を最高幹部の男は
見逃さなかったー

”憑依”

男は笑みを浮かべて呟くー

「え…?」
菜月のわずかな心の隙ー。
そこに付け込んだ最高幹部の男が
その場に倒れてー
菜月に憑依したー

「うっ!?!?」
菜月がビクンと震えるー

憑依とは、心の勝負ー
心に歪みが出来ている状態の相手は
より、憑依しやすく、乗っ取りやすい。

「---くくく…ザンネンだったね…
 お嬢ちゃん」

菜月は自分の胸をイヤらしい手つきでつんつんと
触ると、不気味な笑みを浮かべたー

そしてー

「--ふふふふふふふふ」
と笑いながら、何かを呟き始めたー

呟いているのはーー
”思考を塗りつぶす”
悪魔の言葉ー…。

菜月の正義感を歪めるー
悪意に満ちた言葉ー。

憑依とはー
相手の身体を乗っ取るものー。
乗っ取っている間は
相手の身体を使うー。

そう、脳でさえも…。

憑依されている間の思考はー
男の思考であっても、
菜月の脳が行うー。

その脳に対し-
強く念じることで、
人の思考すら歪めてしまうことができるー

乗っ取られている間の脳は
”無防備”だー。

例えばー

「くくくく…この女の”正義”を塗り替えてやるー」
菜月が自分のことをそう呟きながら
凶悪な表情を浮かべるー

そしてーー
なぜか突然、自分の胸を触りながら
近くのテーブルの角に身体を押し付けたー

エッチを始める菜月ー。

イク瞬間ー
脳が興奮に支配されて
最も無防備になるその瞬間ー

そのタイミングで
強く念じることにより、
より強力に、脳を書き換えることがーー
新たな思考に染め上げることができる。

「んんんっ♡ あぁぁっ♡」
憑依されている菜月は、
自分がこれから思考を変えられることにも
逆らうことができずー
気持ちよさそうに喘ぎ続けたー

・・・・・・・・・・・・

「ん……」

菜月は解放されていたー。

「あれ…わたし…?」

犯罪組織・ケルベロスの
最高幹部を追い詰めている場面のあとーー
記憶がない。

菜月が振り返るー
ケルベロスのアジトの入り口は
しまっているー

「あれ…」
菜月は、外に後輩の同僚を
待たせていることを思い出して
そのまま後輩のところに戻る。

そして、後輩の女性刑事を
呼びだし、共にケルベロスのアジトの
奥に進んでいく。

正義のためにー。

悪いやつらを捕まえるために、
菜月は警察官になった。

今までも
これからも、
自分は正義のために戦う。

「----」
菜月は、後輩と雑談しながら、
奥の部屋へと向かった。

そしてー
最高幹部の男がいる部屋へと入る。

菜月は笑みを浮かべた。

「お連れしました」

とー。

「え?」
後輩女性が戸惑う。

「ふふふ…ご苦労」
最高幹部の男がそう言うと、
後輩女性のほうを見て笑みを浮かべた。

「---ど、どういうことですか!?
 先輩!」

後輩刑事が菜月のほうを見て言うー

菜月は
後輩刑事を見ながら
一瞬、”あれ…?”と違和感を感じたー

わたしー
何か、、おかしい…?

頭にモヤがかかるー

いいえ、おかしくないー
正義のためにー
悪の犯罪組織・ケルベロスを壊滅させるために
自分はここまでやってきたんだー。

「--悪いらを捕まえるために
 わたしは警察官になったの」
菜月がそう口にする。

「--せ、、先輩?」
後輩刑事が不安そうに菜月のほうを見る。

「--ぜんぶ、正義のためー。」
菜月が言うー

その目は、どことなく虚ろな目に見えたー。

「---そうだ。正義のためー。
 その女を生かしておいたら、大勢が死ぬぞ」
最高幹部の男が言うー

「---」
菜月が銃を手にする。

”え…わたし…?人を殺すの…?”
菜月の頭の中で混乱が膨れ上がるー

だがー
憑依されたときに脳を塗りつぶされた菜月は、
最高幹部の男の言葉こそ正義であると
信じて疑わない。

そしてー

「--わたしは、みんなのことを守りたいの。
 家族の平和を…、友達の平和を、、
 大切な仲間たちの平和を!」

菜月が後輩女性に銃を構えたー

「え…!?」
後輩女性が驚く。

「--せ、、先輩!?どうしちゃったんですか?
 い、、言ってることとやってることが違いますよ!
 先輩!わたしですよ!ちゃんと見てください!」

後輩の女性刑事が必死に叫ぶ。

「-ーーわ、分かってるわよ。
 あなたはわたしの大切な後輩。」

菜月がそうほほ笑むー

「せ、先輩に何をしたの!!」
後輩刑事が、ケルベロスの最高幹部に向かって叫ぶ。

「---ふふふ」
最高幹部の男はニヤニヤしながら
女性刑事を見つめる。

「先輩!あの男に何をされたんですか!?」
後輩の女性刑事が叫ぶ。

「--何を?」
菜月の手が一瞬弱まるー

”わたし、何か、された?”

いやーされていない。
わたしは、今まで通り、
この町を、みんなを守りたいー

ただ、それだけー

「先輩!目を覚ましてー」

「---」

パァン!!

菜月が、銃を放った。
後輩刑事が崩れ落ちるー

「せ、、せんぱい……」

「---」
菜月は倒れた後輩女性刑事の元に近づくと、
後輩女性刑事の頭を撫でたー

この世界は怖いからー
ゆっくり眠らせてあげなくちゃー。
みんなを、恐怖から守ってあげなくちゃー

菜月は、自分が憑依されて
染め上げられたことに気づいていないー

後輩女性刑事が目を閉じると、
菜月は静かに両手を合わせた。

「---人殺し!」
最高幹部の男がニヤニヤしながら言う。

「--違う。人助けよ。
 あなたとは違う」

菜月は、そう告げる。

「--ククク…
 馬鹿な女だ…くくくくく」

最高幹部の男は笑う。

「さぁ…これからも正義のために
 頑張ってくれたまえ」

そう言うと、男は立ち去ろうとする。

「待ちなさい!」
菜月が叫ぶー

犯罪組織ケルベロスを壊滅させに来たー。
その目的を果たさなくてはいけないー

「--!」
菜月が表情を歪めた。

菜月の頭の中に、おかしな光景が浮かぶー。

犯罪組織ケルベロスを守ることこそ正義ー
ケルベロスを壊滅させれば、世界が
地獄の業火に焼き尽くされるー

とー。

”手を出しちゃいけない。みんなを守るためにー”

菜月はそう感じて、
そのままケルベロスのアジトの外に出た。

翌日ー
菜月は警察内部の重要なデータを持ち出した。

「-みんなを、守らなくちゃ」
それが、正義のためだと信じてー

菜月が、重要機密をケルベロスのアジトに運ぶと
最高幹部の男は笑みを浮かべた。

「ご苦労だったなー」
そう言って菜月の頭をなでる最高幹部の男ー

菜月は、嫌悪感を感じたー

”こんな男に、頭を撫でられているなんてー”

激しい怒りと
拒否反応を覚える。

けれどー

平和を守るために、これは必要なことだと、
菜月はそう思い込んでしまっていたー。

頭を撫でられ続けて笑う菜月ー

「くくくく…
 逮捕するべき男に撫でられている気分はどうだ?」

そう問われて菜月は
「へ、、平和を守るためだから…」と
ぷるぷる震えながら答えるー

自分は何かおかしいことを言っているのか?
いいや、言っていないー。
菜月の頭の中が、激しく混乱しているー

そんな様子を見て、男は勝ち誇ったように笑みを浮かべた。

それからも、菜月はデータを犯罪組織に提供し続けた。
警察組織は大混乱し、
やがて”裏切り者”の調査を始めるー。

そんなある日ー

菜月は同居している母と
雑談していたー

こんな母の笑顔を、いつまでも守りたいー
そんな風に思いながらー

♪~

インターホンが鳴る。
母親がそれに応じて玄関に向かうー

入ってきたのは、警察官だった。
母親が戸惑っているー

「--…加松 菜月…
 犯罪組織への情報の横流し…
 君だったのか」

「---え?」
菜月は首を傾げる。

「--ケルベロスに情報を流していたのは
 お前だったのかと言っているんだ!」

家にやってきた警官の一人が怒鳴り声をあげる。
逮捕状を手にしながらー

母親が戸惑う。
「菜月…?」

「--え…え…???」
菜月は、目を泳がせながら、叫ぶ。

「--わ、わたしは、平和を守るために…!!」

そこまで言って、菜月は瞳を震わせた。

「わ、、わたしは、、、あれ…?
 わたし…わたし…」
菜月が明らかに動揺しているー

「--君は……犯罪組織ケルベロスに
 警察内の情報を横流しにし、
 さらに同僚をアジト内で殺害したー……
 
 君には期待していたのだが…
 ザンネンだよ」

菜月の上司でもある男が言う。

「---…え…でも、、、でも、、
 わたしは、、わたしは平和を守るために…!」

「--菜月!」
母親が泣きながら言う。

「あんた…どうして…?どうしてなの…」
菜月に泣きつく母親。

それを見て、菜月も目から涙をこぼし始める。

「わ、、、わたし、、平和を守るために…  
 だってわたし…みんなを、、みんなを…」

”…あ~あ…”

最高幹部の男が呟くー

男は、自分の一部を菜月の中に残していた。

”便利なおもちゃだったのだがー
 もう、だめだなー…”

最高幹部の男が、菜月の脳に
直接語り掛ける。

そしてーーー

「---ひひひひひひひひ…
 あはははははははははははっ♡」

突然、菜月が笑いだした。

目の前の刑事に襲い掛かると
菜月は銃を取り上げる。

「---くくくく、わたしは、、わたしは
 犯罪組織ケルベロスに身も心も売った
 女よ!あっははははははは♡」

叫びながら銃を乱射するー

菜月は、最高幹部の男に完全に
憑依されてしまっていたー

「な……んで…」
母親が撃たれて涙を流しながら言う。

「お前の育て方が悪かったんだよ!
 ひゃーはははははははは!」

大声で笑う菜月ー

「---動くな!銃を捨てろ!」
他の刑事が叫ぶー

それでも菜月は笑っているー

そして、笑いながら菜月はーーー
銃を乱射して、その場から逃げ去っていくー

この日を最後に、菜月は消息を絶ってしまったー

・・・・・・・・・・・・・

最高幹部の男がほほ笑むー

「--ふふふ…せっかく良いスパイだったのにー」

だがー
もう十分楽しめた。

あの女の身体は堪能できたし、
偽りの正義感に支配されたあの女は
内部機密をたくさん送ってくれたー

ついでに、犯罪組織ケルベロスを調査していた
あの女もーーー

最高幹部の男が横を見るー。

過激な衣装に身を包んだ虚ろな目の菜月がそこにはいるー

「ごしゅじんさまぁ…♡」
虚ろな目で呟く菜月。

「--きみの役割は終わった
 あとはここで、我々にたっぷりご奉仕しなさい」

「はぁい…♡」
菜月が嬉しそうにほほ笑むー

菜月は、こうすることが正義であり
平和を守ることだと思い込んでいるー
更なる憑依の際に、そう塗り替えられてしまったー

「あぁ…♡」

菜月のねじ曲がった正義感が
元に戻ることは、もう、ないー

おわり

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

コメント

リクエストによる作品でした~!

原文は

”ダークな作品リクエストさせていただきたいです。
正義感をすごく持った主人公の女性が憑依され思考を塗りつぶされて
悪い奴らで暗躍するダークな作品リクエストしたいです。
イメージとして悪いことを無くそうと一生懸命してたら
それをよく思わないやつらに憑依され思考を塗りつぶされて暗躍するイメージ)お願いします”

というものでした!

ダークな作品!というリクエストだったので
最後もダークなままで…!

お読み下さりありがとうございました~!

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