<入れ替わり>10年後の再会~空白の十年・欲望の女編~

不良生徒と優等生が入れ替わってしまったー

10年後、入れ替えられてしまった彼女は、警察官となり、
”自分の身体”を逮捕したー。

その”空白の10年”の物語ー!

※「10年後の再会」の番外編デス!
 先に本編をお読み下さい!
本編はこちらからどうぞ

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優等生の島崎 香奈美(しまざき かなみ)と
不良生徒の水原 亮吾(みずはら りょうご)はー
”10年前”に入れ替わってしまったー

亮吾が、香奈美と身体を入れ替えたのだー

優等生・香奈美になった亮吾は
香奈美として暗躍し、挙句の果てに、
同級生を自殺にまで追いやってしまったー

一方の亮吾になった香奈美は、
亮吾の身体で必死に周囲に入れ替わりのことを
信じてもらおうとしたが、それは叶わずー
ある決断を下すー

10年後ー
二人は再会を果たしたー

亮吾の身体警察官になった香奈美と、
香奈美の身体で、裏社会で暗躍を続けていた亮吾ー

二人の戦いは、決着がついたー。

香奈美は、自分の身体を取り戻すことに成功しー
亮吾を逮捕することに成功したのだったー

二人のー”空白の10年”の物語…。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

豹変した香奈美(亮吾)は、
学校にも登校しなくなっていたー

「--わたしのような”人間様”と話せるだけ、
 光栄に思いなよ。ブタ女ー」

香奈美の親友・澄子は、
不登校になる前の香奈美(亮吾)に言われた言葉を
考えて、ため息をついたー

最近の香奈美(亮吾)の様子はおかしかったー
一体、何があったのだろうー。

恭太(きょうた)も自殺しちゃったしー。

「----」
澄子は、香奈美のいた座席を見つめるー

だがー
香奈美(亮吾)はその日以降も、豹変したままだったー

「ぎゃはははははははは!」
先生を目の前に、煙草を吸って大笑いする香奈美(亮吾)

先生も困り果てているー
周囲も”今の香奈美”には、怯えていたー。

「ーーーし、島崎…一体、一体、どういうつもりだ!?」
体育教師が、香奈美(亮吾)の方を見つめながら叫ぶー

「どうって???
 ふふふふふ…どうだっていいでしょ?
 わたしは、わたしの好きなようにやるんだよ!
 あはははははははっ」

”手のつけようがないー”

香奈美(亮吾)の豹変に
生徒たちだけではなく、先生たちも
手のつけようがない状態になっていたー

「---島崎!このままじゃ、お前!」
体育教師が叫ぶー

”優等生”
今までの香奈美のイメージとは真逆の行動を繰り返す
香奈美(亮吾)-

先生たちは”真面目な香奈美”を知っているからこそ、
香奈美が何か悩んでいるのではないかー
何か事情があるのではないか、と考え
香奈美を助けようとしたー

どんなに悪行を繰り返しても
”島崎さんは、何の理由もなくあんなことをする子じゃない”と
庇う先生もいたー

「---うぜぇんだよ!」
香奈美は日に日にエスカレートしていきー
いつしか、校内の不良生徒を引き連れて廊下の真ん中を
堂々と歩くようになっていたー

「---(くくくくく)」
香奈美になった亮吾は
元々、悪行を繰り返していたが、
最近はさらにエスカレートしていたー

”香奈美の評判を地に堕とすためー”

これはー
自分を退学に追いやった香奈美への復讐でもあるー
だからー
今まで以上に悪行を繰り返したー

香奈美=悪女というイメージを
全員に刻み付けるためー

「-----島崎…
 こんなこと言いたくないんだが…」
担任の先生が言うー

「--このままじゃ、退学だー」

入れ替わってから2か月ー
職員室に呼び出された香奈美は、
見えてしまいそうなぐらい短いスカート丈で、
偉そうに足を組んで先生の話を聞いていたー

「ーーー退学ぅ?」
香奈美(亮吾)が腕も組んで笑うー

「-島崎!何かあったなら、先生に行ってくれ!
 お前がこんなーーー」

ーーー!

先生が表情を歪めたー
香奈美(亮吾)が先生に唾を吐きかけたのだー

「--お前!」
先生が机を叩くー

香奈美(亮吾)が笑うー

「退学でも、何でも、どうぞ ご勝手に」
香奈美(亮吾)はーー
その日”退学”になったー

帰宅すると、母親は泣いていたー
父親は、心配そうに香奈美(亮吾)の方を見ているー

実の娘の豹変ー

「---香奈美…どうして…」
母親が泣きながら香奈美(亮吾)を見るー

「--ふふ、あんたらの育て方が悪かったんじゃないの?
 わたし、こ~んな悪い子に育っちゃった♡」
香奈美(亮吾)はそれだけ言うと、部屋に戻っていきー
一人、ゲラゲラと笑い始めたー

愉快でたまらないー。
そのままエッチを初めてしまう香奈美(亮吾)-

女の身体でやりたい放題ー
しかも、自分を退学に追い込んだ香奈美の
評判を地に貶めているー。

「はははははははっ…
 わたしは悪い子…!
 あははははははははは!!!!」

鏡を見つめながら笑う香奈美(亮吾)-

とても悪い笑みを浮かべている香奈美を見て
香奈美になった亮吾は優越感に浸るー

「はははははっ!どうだ!悪女になってやったぞ!!
 はははははは!ざまあみろ!!!!」

香奈美とは思えないような狂った声で叫ぶー。

「ざまあみろ!!!!
 俺の勝ちだ!!!!!」
香奈美(亮吾)は叫んだー

やがてー
家で暴力行為を繰り返すようになる香奈美(亮吾)-
夜遊びを繰り返し、思い通りにならないと
母親のことも、父親のことも、罵倒しー
さらには暴力も振るったー

すっかり”極悪な娘”になってしまった香奈美(亮吾)-

ある日、香奈美(亮吾)は両親と大喧嘩をしてー
そのまま家を飛び出したー

「くくく…家出してやったぜ!!!はははははははははは!」
笑ながらー
香奈美(亮吾)は家を飛び出したー

娘の家出に唖然とする両親ー

ただー
”これ以上は手に負えない”という考えやー
暴力が激しくエスカレートしていたことから、
両親は香奈美(亮吾)を探すことはしなかったー

”もう、関わりたくないー”
そう、思ってしまったのだー

・・・・・・・・・・・・・・・

夜の街でワルとつるみ、喧嘩に明け暮れるようになった香奈美(亮吾)-

ポニーテールを振り乱しながら、
黒いジャケット姿の香奈美(亮吾)が、チンピラを殴り飛ばすー

「--おい、わたしにぶつかっておいて、
 謝らないつもり?」
香奈美(亮吾)が、チンピラを睨みつけるー。

いつしかー
香奈美(亮吾)は夜の街で有名な
”悪女”になっていたー

香奈美(亮吾)は優越感に浸るー
女の身体を利用して、男を味方につけてー
必要無くなったら切り捨てるー
何の不便もない、最高の生活ー

男である自分の魂とー
女である香奈美の身体ー
最強の組み合わせだー。

香奈美(亮吾)は、地元の不良グループのアジトを
占領し、今や従えるまでになっていたー

男どもに、太ももを触らせながら
香奈美(亮吾)は笑うー。

まるで”女王”になった気分だー

酒に、煙草にー
自分が香奈美の身体であることも忘れて
亮吾は、欲望に溺れて、溺れて、溺れまくったー

女としての快感を貪りつくしー
香奈美本人でさえ知らなかったであろう、
圧倒的な快感を味わいまくるー

夜の街で好き放題してー
身体でお金を稼ぎ、
地元の不良グループを従えて
好き放題するー

そんな日々を、香奈美(亮吾)は
満喫したー

やがてー数年が経過し、
香奈美(亮吾)は、本来なら女子大生
なっていたであろう年齢となったー

すっかり”欲望に身を堕とした”香奈美(亮吾)は、
身体つきも、エッチな身体つきになっていてー
健康的な雰囲気から、妖艶な雰囲気に変わってしまっていたー。

「は?」
ある時ー
香奈美(亮吾)の仲間が、繁華街の路地で喧嘩をして、
捕まってしまったー

香奈美(亮吾)は「わたしの子分に手を出すなんて、いい度胸じゃない」と、笑うー

数年が経過した香奈美(亮吾)は
すっかり女としての振る舞いにも慣れていたー

”どうやって、色気を武器として使うか”
それを、熟知していたー

だがー
その”色気”が通用しないー
本物の”牙”と出会ってしまったー

香奈美(亮吾)の子分を拉致したのは、
”銀狼”と呼ばれる裏社会の組織ー
ここら一帯を牛耳るグループで、
その組織規模は非常に大きく、全容は計り知れないー

香奈美(亮吾)は、あっけなく捕まってしまったー

喧嘩に明け暮れていた香奈美(亮吾)-

どんなに亮吾が喧嘩が強くてもー
それは”一般人”レベルの話ー。
そして、今は女のー、香奈美の身体であることから、
亮吾本来のパフォーマンスも発揮できなかったのだー

男たちにおもちゃにされー
喘ぎ狂わされー
暴力も振るわれたー

首輪のようなものをつけられてー
まるで、奴隷のように扱われた香奈美(亮吾)-

だがー
”銀狼”傘下組織を率いる銀狼の幹部はー、
香奈美(亮吾)を見て、笑みを浮かべたー

「気に入ったぜー
 綺麗な顔して、極悪な女かー。

 どうだ?俺のために、働かねぇか?」

その男は、”銀狼”幹部の一人ー
久木山 藤治(くぎやま ふじはる)という男だったー

香奈美(亮吾)に選択肢はなかったー
このままだと”銀狼”に殺されるー。

「---は…はい…」
香奈美(亮吾)は、身も心も、藤治に売ったー

やがて、藤治に毎晩のように、エッチさせられて
快感に溺れてしまった香奈美(亮吾)はー
心境にも変化が現われていたー

入れ替わって数年ー
既に女らしさをすっかり身に着けていたがー

”男に抱かれることの喜び”を
感じるようになってしまったー

藤治に抱かれることに、
幸せを感じるようになってしまったー

いつしか、香奈美(亮吾)は
身も心も女になってしまっていたー

銀狼の幹部・藤治の元で、
”リサ”という偽名を名乗り
暗躍する香奈美(亮吾)-

香奈美はすっかり悪党だー。
だが、
もはや当初の目的は忘れかけていたー

入れ替わってから5年もしたころにはー
”リサ”として、愛する男性のためー…
藤治のために、捧げることが、香奈美(亮吾)の
喜びになっていたー

毎晩毎晩エッチに狂いー
藤治に抱かれる香奈美(亮吾)-

藤治が他の女に手を出していると
香奈美(亮吾)は激しく嫉妬したー

もっともっと、藤治に認めてもらいたいー。

その一心で、香奈美(亮吾)は
裏社会で暗躍を続けたー

女の身体を生かした色仕掛けはもちろん
資金調達・密売
なんでも行っていたー

女として愛される喜びー
香奈美になった亮吾は、それを知ってしまったー

・・・・・・・・・・・

だがー
その”幸せ”は続かなかったー

”銀狼”の上層部で大規模な抗争が起きー、
銀狼の傘下組織のひとつのトップであり、
銀狼自体の幹部でもある、藤治もそれに巻き込まれたー

「---そんな…」
香奈美(亮吾)は目から涙をこぼすー。

「------……そんな顔するな…」
藤治は、血を吐きながら笑みを浮かべるー

”銀狼”の別の幹部が放ったヒットマンに
藤治は撃たれ、今、まさに死のうとしていたー

「-----わたし、、あなたがいないと…!」
香奈美(亮吾)は泣きながら言うー
すっかり、女として、藤治を愛していた亮吾の
心からの涙ー。

だがー
藤治は死んだー

そして、香奈美(亮吾)は、銀狼の別の幹部に
捕まり、おもちゃとして身体を弄ばれた挙句ー
”奴隷”のような扱いをされたー

「テメェは今まで通りー
 ”リサ”として、俺に力を貸してもらうぞー」

”銀狼”の別の幹部が、香奈美(亮吾)を完全に支配したー

だがー
それすらも続かなかったー

1年後ー
銀狼は、”銀狼”創設者の”解散宣言”により、
崩壊したのだー

香奈美(亮吾)を支配していた”別の幹部”は、
銀狼解散後のゴタゴタで消息を絶ったー
恐らく既に死んでいるのだろうー

香奈美(亮吾)は
”銀狼”が解散したことにより、自由になったー

「---今更…俺にどうしろってんだよ…」
”銀狼”は、香奈美(亮吾)の居場所になっていたー

行く当てを失った香奈美(亮吾)は夜の街で
男遊びを繰り返したー
現実を逃避するかのようにー

もう、この時にはー
元の香奈美のことなど、すっかり忘れていたー
入れ替わったことも、忘れかけていたー

既に、香奈美の身体も、20代中盤を過ぎているー。

やがてー
”女としての武器”を使えなくなる日も来るー

夜景を見つめながら
香奈美(亮吾)は、呟くー

”わたしには、何も残っていないー”

それからも、香奈美(亮吾)は
”リサ”という偽名を使い、
裏社会で暗躍したー

その先に、何があるのかー
その先に、どんな未来が待っているのかー

もはやそれは、
香奈美(亮吾)にもわからないー

結局ーーーー
こんなもんか。

香奈美(亮吾)は、自虐的に笑うー

誰の身体を奪おうともーーー
結局は、こうなるー

俺には、こういう人生がお似合いなのだとー。

真面目に生きることはできないー
かと言って、裏社会の上に立つような器ではないー。

裏の世界にこうして酷使されてー
こうしてーーー

「-----」
スマホを見つめる香奈美(亮吾)-

”取引”の連絡が入ったー

だが、香奈美(亮吾)は表情を歪めるー

”わずかに違和感”を感じたのだー

普段の取引相手から来る連絡と
”ほんのわずかな違い”を感じたー

「-----」
香奈美(亮吾)は、表情を険しくしたー。

「--------」
”罠”

そう思ったー

けれどー
香奈美(亮吾)は煙草を口に咥えながら
夜景を見つめて笑うー

”もう、終わりにするかー”

仮に罠だったとしてもー

「---そういえば…」
香奈美(亮吾)は煙草を捨てると、そのまま笑みを浮かべたー

”こいつ”は今頃、どうしてるんだろうなー?

奪ったこの身体の元の持ち主ー
今は亮吾の身体で過ごしているであろう香奈美は
どうしたのだろうかー?

いやー
もう、死んでいるかもしれないなー

香奈美(亮吾)は、そんな風に思いながら
”取引”の場所へと向かうー

そこでー
”10年ぶり”に、香奈美と再会することになるとは知らずにー

おわり

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コメント

「10年後の再会」の”空白の十年”を香奈美になった亮吾視点で描いてみました~!
次週は、亮吾になった香奈美視点版の「空白の十年」を描きます~!

ちなみに、この続きは「10年後の再会①」で読めますので
まだ読んだことのない方はぜひどうぞ~!

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