10年前ー
入れ替えられてしまった少女はー
10年後の現在ー。
ついに、再会を果たした。
”元・自分の身体”とー。
そして、彼女の下した決断はー?
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ネオンが輝く屋上ー
裏社会で暗躍する”リサ”という偽名で暗躍する女が、
”元・自分の身体”
香奈美(亮吾)であることを確信した
亮吾(香奈美)は、偽の取引情報を流し、
香奈美(亮吾)をこのビルの屋上におびき寄せたー
自分の手でー
この悲劇に、幕を下ろすためー
「---く、、、く、、、くくくくく…」
銃を突き付けられた香奈美(亮吾)が笑うー。
亮吾(香奈美)は、10年前に自分の身体を奪われてから、
ずっとずっと、亮吾を追い続けてきたー
「--わたしが、警察官になったのは、なんでだと思う?」
入れ替わるまで、不良生徒だった亮吾の身体で
警察官になるには、並大抵ではない努力が必要だった。
けれど、亮吾になった香奈美は、それを成し遂げたー。
周囲の同級生たちも「まるで別人になったみたい」などと
常に言っていたー。
元の身体だったころの親友・澄子も驚いていたー。
”本当に中身は別人になったんだけどね”と、
内心で思いつつも、
誰にも信じてもらえない苦悩を一人、抱えながら、
亮吾(香奈美)は、やがて警察官となったー
全ては、今日、この日のためー
「はは、、はははははは…俺を探すためだけに…
警察官になったってか!」
香奈美(亮吾)がゲラゲラと笑うー。
10年ぶりに見た自分の身体ー
亮吾(香奈美)は銃を突きつけながら、
”こんなにスタイルよくなったんだ…”と
悲しそうに思うー
香奈美になった亮吾がどんな生活をしてきたのかは
分からないー。
でもー今の香奈美の身体は”美人”だったー。
「----へへっ、エロイ身体だろ?
この10年、何人もの男を騙して破滅させてやった
エロエロな身体だ」
香奈美(亮吾)はニヤリと笑いながら言うー
額に銃を突き付けられながらも、
香奈美(亮吾)は余裕だったー。
”どうせ、こいつに、撃てやしないさー”
高校時代のことを思い出す香奈美(亮吾)-
暴力が何よりも嫌いなこの女が、自分のことを
撃てるはずなどないー。
それにーーー
”いざとなったら、こいつをボコすぐらい簡単だぜ”
香奈美(亮吾)は拳を握り、ぱきっと音を立てるー
今の香奈美の身体は、暴力もお手のものだー
この10年ー
香奈美の身体で何人もの奴をぶんなぐってきたー。
この綺麗な足で、何人もの奴を蹴り飛ばして、
そして、踏みつけてきたー
”お前の身体は、10年前と同じとは限らないんだぜ”
香奈美(亮吾)は笑うー
「--最高の10年だったぜぇ…?
俺を退学に追い込んだうぜぇ女自身に俺がなって、
周囲を泣かせながら悪女にする…
ゾクゾクが止まんねぇよ!
俺の邪魔をしてたお前が、悪女になっていくのを
この身で体感して、今も男とヤリまくって
犯罪を犯しまくってる!
ひひひひひひ!
お前を滅茶苦茶に、ぶち壊しまくってるこの快感!
でもさぁ、
お前の身体、すっげぇ喜んでるんだよ!
たまんねぇよ!
ひゃはははははははっ!」
香奈美(亮吾)が、表情を悪魔のように歪めて笑うー
周囲から見れば
香奈美自身が喜んでいるようにしか見えないー
「--わたしの身体を…
これ以上、好き勝手にはさせない!」
銃を持つ手に力を込める香奈美(亮吾)
警察官になったのは、
今日、この日のためー
元自分の身体に、自分自身で引導を渡すー
「---はは、俺を殺したら、もうお前は元には戻れない!」
香奈美(亮吾)が叫ぶー
「--それでも構わない!」
亮吾(香奈美)が叫んだー。
こんなに、薄汚れて、堕ちるところまで堕ちてしまった
元・自分の身体ー。
もう、今更、戻りたいなんてー
「----」
亮吾(香奈美)が表情を歪めるー
”本当だったら、戻りたいー”
その、迷いがわずかにー
「---うらぁ!」
香奈美(亮吾)が、その一瞬の迷いをついて、
亮吾(香奈美)をグーで殴りつけたー
銃が吹き飛び、
屋上の端の方に飛ばされるー
「---!」
亮吾(香奈美)がバランスを立て直そうとするも、
香奈美(亮吾)はゲラゲラ笑いながら、
亮吾(香奈美)を何度も何度もグーで殴りつけるー
「この綺麗な手でさぁ、
いろいろなやつをぶんなぐる快感!
くははははは!
俺がこの女の身体を奪って好き放題してるって
感じがしてさぁ、最高なんだよ!」
香奈美(亮吾)は何度も何度も、亮吾(香奈美)を
殴りつけながら笑うー
亮吾は、”元・自分の身体”にまるで容赦ないー
懐かしい、という素振りも見せず、
情けのようなものも、一切感じられないー
「--お前の身体ってさぁ、すっげぇエロイんだよ。
感じやすくてさぁ~
あ、お前は自分の身体で男とヤッたことはなかったか?
入れ替わったときは、まだ処女膜あったもんなぁ~!
ぎゃははははははは!」
香奈美(亮吾)は、倒れた亮吾(香奈美)に向かって
唾を吐き捨てながら笑うー
「---喘ぎ声、今ここで聞かせてやろうかぁ~?」
ヤンキー座りのようなポーズで、倒れた亮吾(香奈美)を
見つめる香奈美(亮吾)-
「--男とヤリまくってー
人を殴りまくってー
犯罪に手を染めてー
親を泣かせてー
あぁぁぁ~糞みたいな女だなぁ、俺は…
いいや!お前はぁ!」
香奈美(亮吾)はゲラゲラと笑うー
「--島崎 香奈美は悪女として
歴史に名を残すことになるんだよ!くくく!
俺はお前の身体で私利私欲の限りを尽くしー
そして、お前への復讐も成し遂げたー
くくく 最高だぜ」
香奈美(亮吾)が笑うー
「ふ、、ふざけないで!」
亮吾(香奈美)が立ち上がるー
だがー
香奈美(亮吾)は、
亮吾(香奈美)を抑え込むと、
顔を近づけて笑ったー
きつい香水の匂いがするー
「ーーー10年前と自分の身体が同じと思うなよ?
この10年間、俺は裏社会で生きてきたんだ。
身体は女でも、そこらの男に負けねぇぐらい、
この身体は強くなったんだ」
香奈美(亮吾)が低い声で、そう呟くと
さらに続けたー
「くくくくく、その、負けず嫌いな目ー
昔と変わらないなー
死んだ、あの根暗を俺から守ってた時と同じ目だー。」
香奈美(亮吾)が、自殺した香奈美の幼馴染・恭太の
ことを言いながら笑うー
「--幼馴染を自殺に追いやって、
親友にブス女と言い放ってー
母親を泣かせて、精神的に病むまでに追い込んでー
父親を困らせて、職を失うまでに追い込んだー
ははははっ!ゾクゾクするほどの悪女になっただろ?」
香奈美(亮吾)はなおも挑発を続けるー
「---許さない…!絶対に許さない!」
亮吾(香奈美)が叫ぶー
「---わたしぃ~、わる~い女になっちゃった!うふ♡」
香奈美(亮吾)が挑発的に笑うー
「-さ~て、どうしてくれようかな?
ここでお前を殺すか、
それともー
”元・自分”とここでエッチするってのも悪くねぇな」
香奈美(亮吾)がご機嫌そうに呟くー
屋上から見える夜景を見つめながら
勝ち誇った表情の香奈美(亮吾)に対してー
亮吾(香奈美)が呟いたー
「ーーー10年前と自分の身体が同じと思わないことね…
この10年間、私は警察官目指して、そして警察官として生きてきたのー」
とー
「--!」
香奈美(亮吾)がさっき言い放った台詞と似たようなセリフを返された香奈美(亮吾)が
表情を歪めるー
そうー
亮吾(香奈美)は、10年前とは違うー
身体も男になったし、
何よりー
警察官として、あらゆる訓練・トレーニングを積んできたー
「---!」
香奈美(亮吾)の手から、亮吾(香奈美)が抜けるー
さっきまで一方的に殴られていたのはー
香奈美(亮吾)の話を聞くためにあえてしたことー。
今の亮吾(香奈美)は、高校時代とは違うー
「---ぐはっ?!」
亮吾(香奈美)は、香奈美(亮吾)に格闘技の技を叩きこんだー
「--ぐぼぉっ!?」
圧倒される香奈美(亮吾)-
裏社会で生きてきた亮吾も、それなりに”強い”
だがー
身体が女の身体…香奈美の身体であることー
そして、警察官として厳しい訓練を積んできた亮吾(香奈美)の
敵ではなかったー
「ぐがっ!」
地面に叩きつけられた香奈美(亮吾)は、
荒い息で亮吾を見つめるー
「---おわりよ」
亮吾(香奈美)が、香奈美(亮吾)に銃を突きつけたー
「---ま、、ま、、待ってくれ!」
香奈美(亮吾)が、一転して命乞いを始めるー
「---じ、、じ、自分の身体を殺すのか?」
香奈美(亮吾)が亮吾(香奈美)を見つめるー
悪女になった香奈美と
警察官になった亮吾ー
二人がいる屋上を、他のビルのライトが照らすー。
「-----自分の身体だから殺すの」
亮吾(香奈美)が言うー
その目は、真剣だー。
「---これ以上、わたしの身体が悪用されないようにー
これ以上、わたしが悪女にならないようにー」
亮吾(香奈美)の言葉に、
香奈美(亮吾)は「お、、お前も犯罪者だぞ!」と叫ぶー。
今の香奈美の身体がどんなに悪党であろうと、
殺せば犯罪者ー
香奈美(亮吾)は、香奈美の声で乱暴に叫んだー。
「---わたしは、わたしを止めるために警察官になったのー
覚悟は、出来てる。
この10年は、全部、今日、この日のため」
亮吾(香奈美)の言葉に、
香奈美(亮吾)は、悲鳴を上げて土下座をしたー。
「--す、、すまなかった!許してくれ!
も、、元に戻る方法ならある!
だから、、命だけは!」
香奈美(亮吾)は、注射器のようなものを取り出したー
”入れ替わり薬”
10年前に香奈美と亮吾が入れ替わったときに使ったものだ。
「----」
香奈美(亮吾)は有無を言わさず、自分にそれを注射したー。
亮吾(香奈美)が、わずかに銃を持つ手を緩めたー
その時だったー
「今だ!」
香奈美(亮吾)が亮吾(香奈美)に強引にキスをしたー
10年前のようにーー
二人は倒れてーー
そしてーー
屋上で起き上がる香奈美…
「---あ…」
10年ぶりの、自分の身体ー
10年ぶりの、女としての身体ー
ラバースーツの感触を感じながら、起き上がると、
そこには亮吾がいたー
「はははははっ!」
銃を持っている亮吾ー
「形勢逆転だぜ!10年ぶりの俺の身体!」
亮吾は笑みを浮かべているー
「--これで、お前が犯罪者ー
俺が警察官ー」
香奈美の身体を気に入っていた亮吾だったがー
追い詰められたことで、計画を変更したー
再び”入れ替わり”を起こしー
そしてーー
香奈美を犯罪者に、自分が警察官にーーー
「---相変わらずバカな女だぜ。
これからは俺が警察官として生きていくよー
お前の身体は、もう悪女の中の悪女だー
今更何を言おうと、誰も犯罪者の言葉に何か
耳を貸さないさ」
亮吾が言うとーー
香奈美がクスっと笑ったー
「--何がおかしい!?」
亮吾が声を荒げるとー
ビルの屋上の入り口からー
別の年配刑事が出てきたー
「全部、聞かせてもらったよー」
とー
「---!」
亮吾が表情を歪めるー
年配刑事の手には、スマホー。
全てのやり取りが、音声と共に、映像で
記録されていたー
「入れ替わりなんて、信じてなかったがー
本当だったようだな」
年配刑事の言葉に、
亮吾は「お、、お??? どういうことだ!?」と
香奈美の方を見るー
ラバースーツ姿の香奈美は言うー
亮吾をはめた、のだとー。
ここに来る前に、亮吾の身体の香奈美は、
信頼できる先輩刑事に
全てを打ち明けたー
10年前、自分は身体を奪われたこと、
そしてそれを追うために刑事になったこと、
自分の身体を見つけたことー。
半信半疑の年配刑事を根強く説得した亮吾(香奈美)-
そんな熱意を受けて、年配刑事は力を貸してくれることを約束したー。
そして、この屋上に、亮吾(香奈美)と共に
年配刑事はやってきていたー
最初から、屋上の入り口付近で、全てを聞いていたのだー
入れ替わりの証拠を記録するためー
そして、年配刑事自身が、入れ替わりの確証を得るためー
「最初から、あんたを殺すつもりはなかった。
でも、元に戻してもらうには、あんたをギリギリまで
追い詰めるしかなかった」
香奈美が言うー
香奈美は元々、自分の身体を殺すつもりなどなかったー
身体を取り戻して、
その上で亮吾を逮捕するー
そのために、迫真の演技をしたのだったー
「---バ、、、馬鹿な」
亮吾が座り込むー
ついに、観念した様子だー。
年配刑事が、亮吾に手錠をかけるー
「---く、、くくく」
亮吾が笑いだすー
「--世間は、何て言うかな?
入れ替わりなんて、大々的に発表できやしねぇだろ?
それに、資格の問題もあるー
お前は刑事でいられるのか?
裏社会のやつらが、入れ替わりを知らずに
これからもお前に接触してくるかもしれないー」
亮吾は、連行されながらニヤニヤと笑うー
「--お前の身体は、もう、いろいろな男とヤリまくった
中古品だ!ひひひひひひ!
今更取り戻してもおせぇんだよ!」
亮吾の言葉に、
年配刑事が「おい!黙れ!」と無理やり連行しようとするー
亮吾は最後に言い放ったー
「----せいぜい苦しんで生きるんだな!」
とー。
ビルの屋上に一人残された香奈美は
夜空を見つめて呟いたー
入れ替わったことを知らず、香奈美になった亮吾に
酷いことを言われて自殺してしまった幼馴染・恭太を思い出すー
「---ごめんね」
”ようやく仇は取れたかな”と
悲しそうに呟く香奈美ー。
そして、
香奈美は亮吾が連行されていった方向を見つめながら
呟いたー
「わたしはー
どんな苦難が待っていても、負けないからー」
とー。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
1か月後ー
香奈美は”警察官”にはなれなかったー
香奈美の”身体”には、警察官としての資格がないからだー
あくまで警察官になっていたのは”亮吾の身体”-。
亮吾の言った通り
入れ替わりのことは公表できず、
内密に処理された。
警察に出来ることは、香奈美が犯罪者にならないよう
上手く手回しすることだけだったー。
協力してくれた年配刑事らに、お礼を言い、
警察を去りー
香奈美は今、一般人として暮らしているー
しかしー
”10年”
「----」
香奈美は、ネット通販で、エッチな服を見ていたー
何故だか無性にドキドキしてしまうー
10年は、長すぎたー
既に”身体”に染みついているー
エッチの快感がーー
亮吾の、欲望がーー
やがて香奈美は、”闇”に飲まれるー。
亮吾も香奈美も予想していなかった”副作用”
10年の間でー
香奈美の”身体”は悪に
亮吾の”身体”は善に染まっていたー
その影響を、二人が受けてしまうことになるなんてー
二人は、知らなかったー
「---ちょっとだけ…家で着るだけ」
そう呟きながら、過激な衣装を注文する香奈美ー
香奈美の”闇”へと一歩は、始まっていたー
おわり
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
コメント
自分の身体を奪った亮吾の件は
解決しましたが、
なんだか不穏ですネ~!
お読み下さりありがとうございました!!
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