<憑依>暴走憑依男FINAL① ~歪~

歪められた人生。
歪められた心。

一人の男の暴走により、彼女らは人生を壊されたー。

そして、悪魔のような憑依の果てに
彼女らを待つ運命はー。

”もう、あのころには戻れない”

暴走憑依男、最終章。

過去の暴走憑依男はこちら!

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薄暗く、オタク男の趣味に改造されたその部屋には、
5人の男女が居た。

元バイトスタッフの男
木藤孝雄。
彼は辛い現実を前に、ついにその心が崩壊してしまった。

その妹、
木藤奈菜。
彼女はオタク男に体を乗っ取られ、妖艶な笑みを浮かべている。

そしてー木藤のバイト仲間だった女性たち。

市川さくらー。
木藤が好意を抱いていた、明るく心優しい少女。

白崎風香ー。
現役高校生で、お店の癒しにもなっていた少女。

彼女らはもうー、
身も心もオタク男のしもべにされてしまった。
”悪魔のような調教”によって。

そして、山西明美ー。
彼女は”演技”でオタク男を欺いていた。
元々、人前で本心を晒さない彼女は、
”自分が助かること”
それだけを目的にーーー。ここまでやってきた。
そう、”たとえ他の誰が、犠牲になろうともー”

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「クッククク…あははははははははは!」
泣いてうずくまってたはずの木藤が大笑いを始める

狂ったようにーーー

否、木藤は”狂ったー”

「----なに----?」
あまりに異様な笑い方に、奈菜は不審げに木藤を見た

奈菜の中に居るオタク男の本能が危険信号を発する。
”・・・こいつ…どうしたんだ?”

笑いながら立ち上がる木藤。

そこらじゅうに愛液をばらまいた3人の女もー
木藤の方を見るーーー。

その中の一人、明美が笑みを浮かべる…。

「あははははははは!ひ~~ひひひひひひひ!
 おかしすぎる!うっはははははははああああ!」

笑い続ける木藤。

そしてーーーーー

「----くふふはは!
 どうせ、、全てを失うんならよ…」

木藤がうつろな目で笑いながら
手に持つ”ソレ”を掲げたーーー

木藤の手にはーーー
黄色い液体の入ったビンが握られていたーーー

木藤は思う。
”もう、戻れない”
こうなる前にはー

みんな、人生を滅茶苦茶にされた。
なら…。

「-------!」
奈菜は驚きで目を見開いたーーー

”油断”-------

それはーオタク男が机の上におきっぱなしに
していた憑依するための薬ーーーー。
1回飲むと、キスをすることで、相手を支配できる薬ーーー。

木藤は一思いにそれを一気飲みしたーー。

そして、”狂気の笑み”で妹の奈菜を見たーーー

そして言う
妹の体はー俺が貰う

「ーーーな、、、」
奈菜は体を硬直させて逃げようとした。

木藤の目は正気を失っているー

「奈菜~
 俺がお前と一つになるよ。
 うははははは!」

笑いながら近づく木藤。

奈菜はたまらず、部屋から駆け出そうとした。

憑依しているオタク男は思う。
上から憑依されたらどうなるのかー と。

くそ!やりすぎた!
アイツは狂ってしまった!くそ!

玄関から飛び出そうとする
奈菜を”何かが”抑えた。

「----あっはははは!
 木藤先輩、素敵ですよぉ!」

狂った目つきの明美だった

「あーーー、明美!」
奈菜(オタク男)が叫ぶ。

どうして、、、、
しもべになったはずの明美が!?

「さぁ、
 木藤先輩!
 妹さんの体、盗んじゃいましょ!」

明美の言葉に
木藤は頷いた。

そしてーーーー。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「やめろ!離せ!どうして!どうして!
 しもべが!何、私にはむかってんのよ!」

妹の奈菜が恐ろしい形相でわめく。

だが、明美は笑った。

「私ね…
 高校時代演劇部でず~っと演劇やってたの。

 この1か月間の私はずっと”演技”」

笑いながら言う明美。

奈菜はもがいている。

「ふざけないで!
 さくら!風香!私を助けなさい!」

奈菜が言うと、
さくらと風香が
「はい、只今!」
と言って木藤らの方に向かい始めた。

しかし、
「私がアンタなんかに、
 忠誠なんか誓うと思った!?

 このオタク!
 気持ち悪いのよ!」

明美が奈菜の顔を思いっきりビンタしたー。

今までの屈辱を晴らすかのように。
何度も、何度も。

その様子を見て木藤は思う。

”明美はー、本当に正気なのか?

 こんなことする子だったかー?” と。

寄ってくるさくらと風香。
しかしその二人を明美は怒鳴りつけた。

「市川先輩、白崎さん、
 二人には本当にがっかりしました!

 こんなキモいヤツをご主人様!?
 笑わせないで!

 いい加減、目を覚ましなさいよ!」

明美が言うと、
風香が反論した

「なんて口の利き方なの!最低!」

さくらも反論する

「明美!アンタ、ご主人様に土下座して謝りなさい!」

明美は失笑して
木藤の方を見た。

「先輩…さぁ…
 妹さんにキスすれば、憑依薬の力で、
 妹さんの体は木藤先輩のものですよ♪」

明美の言葉に木藤は頷き、
そのまま一思いに妹の奈菜にキスをした。

兄と妹のキス。

木藤は深く、深く妹の唇にを味わった。

そしてー。

「ひっ…」

木藤兄妹はその場に倒れた。

「いやああああああああああああ!」
風香が”ご主人様”を失ったことを察知して
頭を抱えてその場で泣き叫ぶ

「そ…そんな…わたし、、、これからどうすれば」
オタク男の趣味の衣装を身にまとった
さくらがその場にへなへなと座り込む。

「---うっ…」
木藤の妹、奈菜が目を覚ます。

「へへっ…ついに奈菜になった…!」
妹の体を支配した兄は歓喜に身を震わせた

「あははっ!奈菜のヤツ、
 こんなにエロい体してたのか!
 あははははっ!あははははっ!」

奈菜は大笑いしながら自分の体を弄ぶ。

「あっ!あっ!ひぃっ!あぁん♡
 これが、、、女の子の体ぁ!」

木藤は、目の前で妹を奪われ、
3人のバイト仲間をしもべにされ、
壊れてしまった。

あまりの冷たい現実に、
木藤の精神は壊れてしまった。

そしてーー

「ふふふっ…
 どうせ俺たちの人生は終わりだ…
 なら、楽しみてぇよな…はははっ!」

奈菜は男言葉で言うと
涙を流しながら笑った。

「----木藤先輩、
 変わりましたね」

明美が失笑しながら床に落ちていた
液体の入った容器を拾う。

奈菜は、明美の方を振り返った。

「---山西さん…は正気なのか?」
木藤は、奈菜の体でそう尋ねた。

店で一緒に働いていた明美は
こんな雰囲気ではなかった。
大人しく、優しい雰囲気だった。

「---私は正気ですよ。
 さっきまで、”ご主人様”のしもべになったフリをしていたんです。
 市川先輩や白崎さんとヤッたのも、演技です。

 フフッ…私を軽蔑しますか?」

明美がバカにしたように笑う

「いやーー」
奈菜は言った。

自分だって妹の体を乗っ取って好き放題しようとしている。
人のことを言えた義理ではない。

「--私、昔から
 ”作られた自分”を演じて生きてきました。
 本心をさらけ出すのは家族の前だけ。

 みなさんに嫌われたくなかったから。
 褒められたかったから。

 けれどー。
 もう私の人生は壊された。
 あのオタクに好き勝手されてー。」

オタク男の好きなキャラの衣装を着た
明美が言う

「こんな格好させられて、
 風俗店で働かされて、
 あんなキモいヤツの命令に従って!

 私がどれだけこの1か月、耐えてきたか…!

 でも、もう終わりです。
 これが私の本当の姿なんです 木藤先輩」

そう言うと、容器の中の液体を飲み、
少しだけ液体の残った容器を
床に放り投げた

「わたしはー。
 そこらへんの女の子捕まえて、
 別の人生を歩みます。

 もう、明美としては生きられないーー
 私の人生は滅茶苦茶にされてしまったからー。」

明美が涙を流す。

「--、、他の誰かの人生奪うってコトか…。
 オタク男と同じように…」

奈菜(木藤)が言うと、明美は笑った

「ははっ…そうですね、そうなりますねっ!
 でも、私、他の人のことなんてもうどうでもいいんです。

 市川先輩と白崎さんも木藤先輩もどうなったって
 私には関係ない!

 奪われた私の人生は、私が取り戻します」

明美は、変わってしまった…
いや、元からこうだったかも知れない明美を前に
少し悲しそうな表情を浮かべた。

あの楽しかったバイトの日々での、
明美の笑顔はー
全部ウソだったのだろうか…。

「---でも」
明美が言う。

「木藤先輩たちとの日々は…
 楽しかったです 本当に。。」

悲しそうに明美は言う。
その手には、バイト終わりに
スタッフ一同でファミレスに寄った時の写真があった。

「---もう、この時には戻れない」
明美は呟いて、奈菜の方を見た

「木藤先輩、
 私は、私の好きにします。

 せっかく妹さんの体、乗っ取ったんですから
 お好きにされたらどうですか?」

そう言われた奈菜は
頷いた。

そしてーーー。
”好きだった”バイトスタッフのさくらの方を見つめた。

「うっ・・・うぅ…わたし、どうすればいいの…
 ご主人様ぁ…」

さくらが泣きじゃくっている。

木藤は、今でもさくらが好きだった。

さくらの笑顔の接客を思い出す。

彼女は、すっかり変わってしまった。
けれども…。

奈菜は狂気的な笑みを浮かべた

「わたし…お兄ちゃんに乗っ取られちゃったぁ…
 えへへ♡」

小柄な奈菜がほほ笑む。

”もう、全部が滅茶苦茶だ”

「どうせなら、行きつくところまで行っちゃおっと」

奈菜が言うと、
奈菜は自分の胸をいじくり始める

「えへへへへっ!
 お兄ちゃん!お兄ちゃん!
 わたしたちの人生、台無しだね!
 
 えへへへへっ!
 でも、お兄ちゃん、すっごく大変だったと思うから
 ご褒美に、わたしの体好きにしていいよぉ!」

奈菜が憑依した兄の意思に従って
好き放題叫び始める。

さくらと風香はその様子を怯えた目で
見つめていた。

そしてー。
妹の体から伝わる快楽に、木藤の理性はさらに弾けた。

「さくらぁ!
 わたし、、、さくらの事が大好きだったの!」

狂気の笑みを浮かべてさくらを見つめる奈菜

「ヒッ…や、、やめ…て」

さくらが恐怖の表情を浮かべる

「さくらぁ!
 お前だって人生壊されたんだろ!
 俺と一緒に!
 落ちるところまで落ちようぜ!」

奈菜の口でそう口走った木藤は
さくらを押し倒し、その上からさくらに覆いかぶさった。

もがくさくら。

しかし奈菜は顔を真っ赤にしながらさくらの唇に
自分の唇を重ねた。

激しく舌を動かし、さくらの唇を堪能した

「んふぅ…さくらぁ!さくら!」
奈菜が叫んでいる。

さくらは悲鳴をあげながらも、
感じているのか、再び愛液が流れ出している。

さくらの体は、すぐに感じるようになってしまっていた。

「あははっ!さくら!さくら!
 綺麗だよぉ!可愛いよぉ!」

奈菜は続けてさくらの胸をわしづかみにした。

そしてさらにさくらのスカートの中に手を突っ込み
狂ったように笑う

「いやぁ…やめて…やめてぇ…
 あっ、、、うううあああああっ♡」

さくらが悲鳴と喘ぎ声をあげる

「あっ…あぁん…あああああっ、、
 も、、、もう、、、わかんない!
 なにもわからないよぉ♡」

さくらが奈菜から与えられる快感に
身を震わせる

「わたし…もう、、、
 かんじることしかできない!

 うあぁあああっ、き、、きもちいい!
 も、、、もっと、、もっと
 さくらをこわしてぇ♪」

さくらがその快感に耐えきれず、
盛大に喘ぎ、体をビクビクとさせ始めた。

「はぁ…いい!いいよ さくらぁ!
 一緒に滅茶苦茶になろう!

 あっああぁん♡」

奈菜が喘ぐ。

女同士の激しい交じり合い。

さくらが大きな声で喘ぎ、絶頂を迎える。

奈菜も、絶頂を迎えて、
二人は荒い息で、その場に力なく倒れる

「あぁ…まだ!!!まだ足りない!たりないよぉ♡」

”理性”が完全に吹っ飛んでしまった
さくらは狂ったように奈菜の体を求めて、
奈菜に迫る。

奈菜も邪悪な笑みを浮かべながらさくらを受け入れた

「………ご主人様…」
風香はうずくまったまま。

明美はそんな様子を見て
微笑んだーー

「壊れちゃった…先輩も」
そして、バイト時代の写真に目をやる。

爽やかな笑顔を向ける木藤先輩。

優しい笑みの市川先輩。
可愛らしい白崎さん。
包容力のあった店長。
ちょっと独自の世界を持つバイトの我妻。

そして、自分自身。

明美は静かにほほ笑んだ。

「さようならー」

そして冷徹な表情を浮かべると、
オタク男の机に置かれているライターでその写真に火をつけた。

火のついた写真を、絨毯に投げる。

「---ごめんなさい木藤先輩。」

明美は思う。

”このことを知る人間がいてはいけない”

”自分が新しい人生を手にした時に
 邪魔になるかもしれないから”

そしてー

”オタク男がまだ、近くにいるかもしれないからー”

明美はそう思った。

あの憑依薬は対象にキスしないと移動できない。
だから、あの時、木藤先輩にキスされたオタク男は
木藤の妹、奈菜の中にまだいるはずだー。

けれども、油断はできない。

”全部、燃やしてしまわなきゃ”

奈菜(木藤)はさくらに夢中で、火がついたことに気付いていない。
火は小さく、しかし確実に広がっている。

明美は今一度室内を見つめた。

奈菜とさくらが激しく身をからめあっている。
風香がうなだれて泣きじゃくっている。

”もう、自分には関係ないー”

「---私は、私の新しい人生を生きます」

そう言うと、ほほ笑んで玄関から明美は外へと飛び出した。

”この家を放火した罪に問われることはない”

何故なら―。
この体はもうじきに捨てるのだからー。

体を奪って、
その体で”山西明美”として生きるのだからー。

「---」
明美の視線の先には、可愛らしい女子高生の姿があった。

そしてその容姿はー
どこか自分に似ているきがした

「--き~めた!」
明美は微笑み、その子の方へと歩いて行った。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

少しずつ火の広がる家。

しかし、奈菜は、さくらは、風香はそれに気づいていなかった。

勿論、倒れたままの元の木藤の体は微動だにしない。

「----はぁっ…はぁっ…」
奈菜は荒い息をあげる

「お兄ちゃん…私も滅茶苦茶になっちゃったね!」
自分でそう言い、笑う。

興奮が抑えられない。

さくらの姿に、たまらなく興奮する

「ううううううっあああああ!」
雄叫びをあげた奈菜は、ふと床に
転がっている容器に目をやる。

明美が飲んだ憑依薬のーー
残りだーー。

まだ数滴残っている。

「----ふふっそうだ!」
奈菜はその容器の液体を飲みほしてさくらの方を向いた。

そしてーー

「さくらぁ!俺、、、お前の全部が欲しいよ!」
奈菜の体で叫ぶ木藤。

口からだらしなく涎を流しながら奈菜は続ける

「さくら!!!俺、、、さくらになる!
 あははははは!」

そう言うと、驚きで目を見開いたさくらにキスをして、
妹の奈菜はその場に倒れた。

火が徐々に広がるー。

「うっ……う・・・ふふ…」
さくらが目を覚ます。

アニメキャラの衣装を身にまとったさくらは
既に乱れきっていた。

しかし、さくらは鏡を見つめて自分の体を抱きしめた。

さくらに憑依した木藤はー、
ついに”好きだった”さくらと一つになった。

「あぁぁぁん!さくらぁ!
 最高だよ!!ついに俺がさくらだ!!

 最高だよ!!!ははは!!

 俺、いや、私は、わたしは!市川さくら!
 あぁん、なんて最高なの!
 うふふふふふ、あはははははっ♡」

奈落の果てにー
待つものはー

②へ続く

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

コメント

次回で暴走憑依男は終わりです!
最後に待つのは…!?

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憑依<暴走憑依男>

コメント

  1. 匿名 より:

    SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    これはヤバイですね色々と。最後どうなるのか

  2. 柊菜緒 より:

    SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    そこにはカオスが広がっていた( ˘ω˘ )

  3. 無名 より:

    SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    > これはヤバイですね色々と。最後どうなるのか

    行くところまで行ってしまった感が(笑)
    最終回は、主要人物全員、ちゃんと出番がありますよ^^

  4. 無名 より:

    SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    > そこにはカオスが広がっていた( ˘ω˘ )

    カオスの果てに何があるのか…

    書くのも楽しみです(笑)