リクエストを頂きました
暴走憑依男の新作です。
以前書いた「FINAL」で終了予定だったのですが、
もう少しだけ「暴走憑依男」の世界を広げて行こうと思います。
憑依薬を使い果たし、風香の体を乗っ取って生きることに決めたオタク男。
しかし…そんなオタク男の前に…。
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あらすじ
とあるゲームショップを利用していたとある
”常連客”
イヤらしい目で女性店員を見つめたりすることから
スタッフから、気持ち悪がられていた。
しかし、スタッフから”笑われた”とオタク男は
復讐を決意。
ネットで憑依薬を手に入れて、バイトの一人
市川さくらに憑依、その人生を滅茶苦茶にした。
その後も、山西明美・白崎風香、次々と
スタッフの人生を壊していき、最後には、
全員を拉致、悪魔の調教を加えたうえで
3人をしもべにした。
が、バイトの一人、木藤孝雄の抵抗により、
炎に包まれ、オタク男はしもべにした少女の一人、
白崎風香の体を奪い、命からがら脱出。
憑依薬を失ったオタク男は白崎風香として
生きていくことを決め、しもべにしている間に
高校退学になっていたため、
新しい高校で、風香として人生を送ることを決意するのだったー。
しかし、その高校にはーー
オタク男が人生を滅茶苦茶にした少女の一人ー
山西明美が憑依している女子高生・日野梓沙の姿があったーー。
○オタク男
現在、白崎風香の体に憑依中。憑依薬は既に手元にない。
○日野梓沙
女子高生。山西明美に新しい体として選ばれ、憑依されてしまった
○山西明美
女子大生。元バイトの一人。人生を壊されたため、自分の体で
生きることを諦め、手近な女子高生に憑依した。
○白崎風香
女子高生。元バイトの一人。オタク男に全てを奪われてしまった。
○木藤孝雄
○市川さくら
元バイトスタッフ。自宅火災により死亡。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「あっ♡」
自宅で、一人の女子高生が胸をいじくって
声をあげている。
イヤらしく、少しだけ刺激するかのように
触っては、体をビクンとさせて声を上げている
「んっ♡ あっ♡」
女子高生ー
白崎風香は、そのかわいらしい容姿に、
イヤらしい雰囲気を醸し出しながら
一人、喘いでいた。
「んんんっ…♡
女の子のからだ…最高♡」
風香は、荒い息で、恍惚の笑みを浮かべている。
その服装は、とあるオタク男が好きなアニメキャラの
服装だった。
「はぁぁ…♡」
まだ興奮した様子で、風香は立ち上がると
鏡に向かってほほ笑んだ。
ーー自分は、冴えないオタク男だった。
だが、ネットで憑依薬を手に入れて全ては変わった。
自分を笑った奴等に復讐して、
そして最後には白崎風香の体を手に入れた。
本当は、市川さくらの体を頂きたかったところだが、
あの時はもう時間が無かったし、
さくらは、自分のエロ行為をネットにUPしたり、
AVに出演したりさせてしまったから、
人生を送るには不都合だった。
「---わたしは、、白崎風香…」
自分の名前を鏡に向かって、呟き、
風香に憑依しているオタク男は一層、興奮した。
自分が、この子を好き勝手ーー
いや、、この子になっているのだからーー。
あれから1か月。
オタク男は風香の体で女子高生として生活している。
両親は、復讐の最中に抹殺してしまったから、
周囲に上手く、憑依能力が残っているうちに暗示をかけて、
無理やり一人暮らしで、誰も疑わないような環境を作り出した。
金はさくらの体で稼いだ金が手元にあるから当面は困らない。
だがーー。
もう、オタク男は憑依能力を失っていた。
憑依薬も全て使い果たし、
購入したサイトも閉鎖されていたのだった。
「これからは、慎重に生きないとね」
風香がほほ笑む。
今や、風香が自分自身なのだ。
復讐していたころのように、好き勝手やるわけにはいかないー。
「---」
鏡を見て、少し不安そうな表情を浮かべる風香。
順調な高校生活。
だが、一つだけ不安がある。
クラスメイトの日野梓沙(ひの あずさ)という生徒が
執拗に自分を目のカタキにしてくるのだ。
何故だかは分からない。
けれども、
風香は嫌な予感を覚えていた。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
翌朝。
日野 梓沙が、クラスメイトの
倉持 菜乃(くらもち なの)
と談笑している。
「---梓沙、最近変わったよね…」
菜乃がつぶやく。
真面目そうなメガネをかけた
優等生スタイルの菜乃の言葉に、梓沙がほほ笑む。
「---そうかな?」
梓沙は、確かに梓沙のままだ。
しかしーー
彼女には、オタク男によって人生を滅茶苦茶にされてしまった
山西 明美が憑依している。
明美は、正気を取り戻した後に、
オタク男によって自分の人生を滅茶苦茶にされたことを悟り、
オタク男から奪った憑依薬によって、
手近に居た女子高生、日野梓沙の肉体を奪い、
そのまま人生を奪い去ったのだった。
梓沙の記憶は完全に読み取れている。
けれどーー
明美の意識が、梓沙として生活しているためー
やはり”完全に同じ人物”にはなりきれない。
「---うん…
なんか、、上手く言えないんだけどさ…前はもっとこう…楽しそうだったというか」
菜乃が困ったようにして言う。
「---最近の梓沙ちゃんさ、、
なんか、心から笑ってないような気がするの」
菜乃の言葉に梓沙が笑う。
「--心配してくれてありがとう。
でも大丈夫、私は私だよ」
梓沙は笑いながら思うー。
”本来の日野 梓沙の意識”はどこに行って
しまったのだろうー と。
自分は山西明美という全くの別人。
でも、、、これは仕方のない事。
恨むのなら、あのオタクを恨んで…。
明美はそんな風に思っていた。
「---」
教室に入ってきた風香を憎悪のまなざしで見つめる梓沙。
”今度は私が、ヤツの人生を滅茶苦茶にしてやる。
徹底的に。二度と立ち上がれないように”
「そのためならーー
私はーーー」
梓沙がつぶやくと、菜乃が心配そうにして言う。
「大丈夫?
…白崎さんと何かあったの?」
菜乃が訪ねる。
風香に対する執拗な嫌がらせに、
勘づいているようだった。
「---え?ううん、なんでもないよ
大丈夫。心配しないで」
梓沙が言うと、
菜乃は少しだけ微笑んだ。
元々の梓沙は心優しくて優等生。
同じく、優等生の菜乃ととても仲が良かったようだ。
梓沙は教室を後にして呟く。
「ごめんねーー菜乃ちゃん…。
私は、梓沙じゃないの…」
罪悪感は少なからずあった。
けれどー
明美は”自分の利益のために、他者を犠牲にすることもいとわない”人間。
これは、必要不可欠な犠牲なのだ。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
放課後。
校舎裏で小さな悲鳴が聞こえる。
「---ねぇ、アンタ、
調子に乗らないでよね?」
梓沙が風香の髪を引っ張りながら言う。
「---わ、、私が何したって言うの?」
風香がおびえながら言う。
憑依薬を持たないオタク男はーー
あまり目立つことはできないー。
だから、梓沙の理不尽なイジメにも…
何も抵抗することができなかった。
梓沙は、多数のクラスメイトを味方につけている。
先生までも。
完璧な評判を持っている梓沙に、、
転校してきたばかりの風香が抵抗するすべなどなかった。
誰かに相談しても
”梓沙ちゃんがそんなことするはずない” ばかり。
先生に相談しても、、、だ。
「-ーー何よその目」
梓沙が鋭い目付きで風香を睨む。
「---ひ、、、日野さんこそ、何なの!?」
風香が目に涙を浮かべながら言う。
元々オタク男はーー
”強い男”では無かった。
憑依薬の力で、強気になっていただけだ。
それを失った今ーーー
「---むかつくのよ!」
梓沙が思いっきり風香の頬を引っぱたいた。
「あんたが居ると!
あんたの”存在”があるとそれだけで!」
梓沙は何度も何度も風香の頬を叩きつける。
風香に恨みはない。
けれどーーー”アイツ”が居る限りーー
梓沙――、いや、明美の心は安らぎを見いだせない。
「---な、、、何なの……」
風香が涙をこぼす
「---ーーーチッ」
梓沙が舌打ちをした。
こんなナヨナヨしたオタク男を叩き潰したところでー。
「ーーーもう、いい!帰りなさい」
梓沙が吐き捨てるように言うと、
風香がそのまま走り去った。
走り去りながら風香は思う。
せっかく”女子高生”の体を手に入れたのにーー
あの女、、何なんだよ!
そう、心の中で毒づく。
僕が憑依薬を持っていたら、
あんな女ー徹底的にぶち壊してやったのにー。
どいつも、こいつも、僕を笑いやがって!
ふざけやがって!
風香(オタク男)はそこまで考えてはっと思うー。
何故、怪我をしても先生たちは
”梓沙がそんなことをするはずがない”の一点張りなのか。
これじゃあまるでーー
「まさかーーー」
風香がつぶやく。
オタク男の使っていた”憑依薬”は周囲に暗示をかける力も持っていた。
オタク男もそれであれこれ、仕組んだものだ。
まさか、あの日野 梓沙も憑依薬をーーー?
「可愛い子 みーーーっけ!」
ーー!?
風香が振り返ると、
そこには、かっての自分を思い出させるような
オタク男が立っていたーー
「---な…」
口を開きかけたところで、風香は口をふさがれた。
「きゃっ…」
風香が声を上げる。
数か月の女子生活の中で、すっかり女の仕草が自然と出るように
なっていた。
「むへへへへへ!
ムラムラ、我慢できねー!」
オタクがそう言い放つと、風香を車に無理やり乗せて
車を走らせ始めた。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
校舎裏。
風香への暴行を終えた梓沙がため息をつく。
「はぁ…」
自分は何をやっているのだろう。
もう、あんな憑依能力を失った無様なオタク男は
放っておいて、
日野 梓沙として人生を満喫すれば良いのではないか、
そうも思う。
けれどーーー。
梓沙は目を閉じる。
木藤先輩の優しい笑顔。
市川先輩のいつも明るい笑顔ー。
そして風香や店長、同じバイトだった我妻のーーーー
「----」
いつも自分を偽っていた明美にとって、
バイトも”偽りの自分”を演じる場所に過ぎなかった。
けれどーーー
それでも”楽しかった”
用済みなものは切り捨てる。
自分の利益のためであれば、
仲間を利用することもいとわない。
それが明美の行動指針。
でもー
それでも…
「--アイツだけは許せない」
梓沙が激しい形相で呟いた。
「---梓沙…ちゃん」
親友の菜乃が、”風香へのイジメ”を影から見ていた。
梓沙(明美)はオタク男の元から回収した憑依薬ーーー
そして、新たに、調べ上げて手に入れた”別の憑依薬”の力で、
周囲が風香イジメに気付かないように暗示をかけた。
しかしーー
距離が近すぎるからだろうか。
菜乃にはその力が通じなかった。
「----さっきのは…」
菜乃が唖然とした表情で言う。
「-----…」
梓沙は悲しそうな表情で菜乃を見つめた。
雨が、降りだしてきたー。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「いや!やめて!やめて!」
風香が、無人の倉庫の中で叫んでいる。
「えへへ、やめねぇよ!」
オタク風の男、榊山 峰雄(さかきやま みねお)が笑う。
風香は手足を縛りつけられて、
榊山に弄ばれていた。
「くっへっへ…最近の高校生ってのは、
立派な胸してんじゃねぇか!」
イヤらしい手つきで、風香の大きな胸を触って
笑う男・榊山。
「ひぁ…や、、やめてぇ…」
風香は、オタク男に調教され、しもべになっている間に
行為を繰り返したため、すっかりイヤらしい体つきになっていた。
「ーーあっ、、、あっ、、あ♡」
風香が榊山に胸を弄ばれて喘ぎだす。
「くふふふふふふぅ~」
変質者・榊山は、風香のスカートの中に手を突っ込んだり、
太ももをこすりつけたりして笑みを浮かべている。
「いやぁ…いやっ…。」
風香は涙を流した。
”演技”ではないーーー
心から嫌悪を感じていた。
”キモい男”に触られることへの嫌悪をー。
風香に憑依しているオタク男は思うー。
”風香や、市川さくら…山西明美もこんな気持ちだったのか…”と。
心の中に、少しだけ罪悪感が生まれる。
憑依して、”使い捨て”の体であればどうでも良かった。
だが、自分にもう憑依薬は無い。
そしてーー
今や白崎風香が自分自身なのだ。
だからこそー
”体の大切さ”を噛みしめると共に、
触られることの嫌悪感を感じていた。
「---んっんー」
榊山が風香にキスをした。
「----やめて…」
風香が涙を流す。
オタク男は思うー
”まさか、自分が女として乱暴されるなんてー”と。
そしてーー
”嫌だーーー助けてー”と心から思った。
風香の体での生活にも慣れ、
すっかり思考が女性的になってきていた。
「んへへへへへへへ~」
榊山が風香の服のボタンをはずし始めた。
「いやっ!いやっ!いやぁ!」
風香は力の限りもがく。
しかし、縛られていて体が思うように動かない。
「えへへへへ!」
服を脱がせた榊山は続けて、風香のスカートに手をかけた。
そしてスカートをも脱がせた榊山は
風香の姿を見て涎を垂らした。
「くっへへへへへへ…ふつくしい…」
榊山は完全にヘンタイだった。
「やめて!やめてよ!!!お願い!!助けて!」
風香は叫ぶ。
ーーーこんなにもつらかったなんてーーー
憑依されたあの子たちはどれだけーーー
オタク男は思う。
だがーーー。
「---えへへへへへへ!」
榊山が近づこうとしたその時だった。
「-ーやめなさい!」
聞き覚えのある声が聞こえたーー
クラスメイトのーー日野梓沙だった。
「えーー、、日野さん」
目に涙を浮かべて、風香がその名を呼ぶ。
「なっ…や、、やべぇ!」
榊山が慌てた様子で倉庫から逃亡した。
梓沙はすれ違いざまに榊山と目を合せて
不気味にほほ笑んだ。
そしてーー
梓沙は風香の方に近づき、拘束を解く。
ーーーすべての舞台は整った。
”ヤツ”を消す。
「---あ、、、ありがとう」
風香が言うと、
梓沙が静かに呟いた。
「---どう?これで”奪われる側の気持ち”わかった?」
梓沙の言葉に
風香が驚きの表情を浮かべる。
自分の服を着ながら
「どういう…こと?」とつぶやく風香。
梓沙はーーー
全てを風香に説明した。
自分は”オタク男”つまりあんたに人生を壊された山西明美だとーー。
「--なんだ…そうだったのか…」
風香が自分の正体を隠そうともせずに呟く。
「---私はアンタを許さない」
梓沙がオタク男の憑依している風香を睨む
そんな梓沙を見て、風香は少しだけ微笑んだ。
「本当にーーすまなかった…
自分が女として襲われてみて、
どれだけ人の体を弄ぶことが酷い事か、
ようやく理解できたよ…」
風香が言う。
梓沙は内心で笑った。
ーーあの榊山という男はーー
梓沙が”ある憑依薬”で操っていただけ。
つまり、自作自演。
「---そう。。反省したのね」
梓沙がそう言い、二つの注射器を鞄から取り出した。
「お互い、人の人生を奪うのはやめにしない?」
梓沙が不気味にほほ笑みながら言う。
風香がきょとんとした表情で「え…?」と尋ねる。
「--これね…私がとあるルートで手に入れた
”憑依中和薬” 憑依薬を開発した機関が
万が一に備えて開発していた薬のようね。
これを注射すれば、私もあなたも消える。
そしてーー
白崎さんと、私が今のっとっている梓沙ちゃんは、
人生を取り戻すことができるー」
梓沙は2本の注射を掲げて言う。
「--同時にこれを注射して、終わらせましょう」
梓沙の言葉に、
風香は一瞬考える仕草をした。
そしてーーーー
「分かったよ――。
僕も男だーーー。
………もう、、終わりにしよう」
風香がそう呟いた。
梓沙は微笑む。
そして、注射器の一本を風香に投げ渡した。
「---二人同時に注射しましょう」
梓沙が言う。
風香はうなずく。
これで、、二人ともーーー。
憑依なんて力、この世にあってはならないー。
ーーーーなんて
きれいごとだ。
梓沙(明美)の持つ注射器には、
ただの着色した栄養剤が入っているだけーー。
そう、二人同時に注射したその時、
オタク男だけが消えるのだ
梓沙は、風香に見えないように邪悪に笑った。
”キモいオタクさんー。
アンタは私の人生を邪魔した時点でーー
詰んでいたのよ――”
梓沙(明美)は目を閉じたーーー
”さ よ う な ら 永遠に”
だがーーーー
風香は注射を持ちながら微笑んだーーー
ーーーこんなにもつらかったなんてーーー
憑依されたあの子たちはどれだけーーー
確かにさっき、そう思った。
しかしーーー
それに続いて、こう思った。
”憑依されたあの子たちはどれだけ苦しんだのだろうー
あの子たちの感じた苦しみーーー
滅茶苦茶”ゾクゾク”するーーー
少女の人生をぶっ壊す。
ぞくぞくぞくぞくぞくぞくぞくぞくぞくぞくぞくぞくぞく”
オタク男にーー
改心などありえなかった。
「いっひひひひひひひははははははは!」
奇声が倉庫内に響き渡る。
梓沙(明美)は信じられないものを見たーーー
風香がーーー
手に持っていた注射器を、梓沙の首筋に打ち込んでいたーーー
「--------!?」
ゼッタイに許さない…
明美はそう念じながら…”消滅”した…
②へ続く
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
コメント
計算高い明美もこれで…
いえ、、、どうなのでしょう?
オタク男を待ち受ける運命は…。
そして、あの悲劇の
生き残り二人を待ち受ける結末は…?
明日、全てが完結します!
コメント
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ここからどんなどんでん返しがあるのか……
SECRET: 0
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> ここからどんなどんでん返しがあるのか……
暴走憑依男の戦い(?)に決着がつきます!