風香に誘惑されていた店長は、
木藤らとのやりとりで心を入れ替え、
オタク男に憑依されている風香との関係を断ち切った。
しかし、その判断がオタク男の怒りに火をつけた。
オタク男は、さらなる復讐に手を染める…。
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「うっぜぇ…」
風香は、エロゲーやフィギュアだらけの部屋で、
胸を揉みながら怒りに満ちた表情で呟いた。
ここはオタク男の小汚い部屋。
女子高生である風香が本来、嫌悪するであろう部屋。
けれど、今の風香は心地よさそうにしていた。
オタク男の部屋に飾られていた
アニメキャラのコスプレ衣装を身に着け、
嬉しそうにピースする風香。
「くふふ・・・たまんねぇ…
こいつ、こんなことさせられてるって知ったら
おかしくなっちゃうかもな…
でも…」
風香は満面の笑みを浮かべて、
アイドルポーズをとって、ほほ笑んだ。
「今の風香は何でもやっちゃうの!えへっ♡」
あざとくウインクする風香。
オタク男の興奮は止まらない。
そのまま、エロゲーをプレイし始める
風香。
だらしない格好で、ポテトチップスを食べながら
エロゲーをして、高い声で笑い声をあげている。
「---はぁ~あっ♡
女の子のからだでプレイするエロゲー、
さいこう!!」
エロゲーのシチュエーションを見ながら、
自分のからだで同じシチュエーションを試す。
最高の時間。
濡れまくった風香は、荒い息をしながら微笑んだ。
「---そろそろ”この体”はもういいか…
あの店長さんに、地獄を見せてやらなくちゃね…」
風香はそう呟くと、
クスクスと笑い始めた。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「白崎さんは、欠勤みたいですね」
明美が言う。
店長が風香の誘惑を断ってから、
風香は無断欠勤をするようになった。
「--…店長として、俺は彼と戦う」
尾崎店長は呟いた。
一時的とは言え、誘惑されてしまった
自分を恥じながら。
「--ごめんなさい」
さくらが悲しそうに頭を下げる。
風香に脅されたとは言え、
黙っていたのは失敗だった。
さくらが黙っていようと、なかろうと、
あのオタク男は風香の人生を壊す。
「---早く…風香ちゃんを助けないと…」
さくらが目に涙を浮かべて言う。
憑依されている間のーー
気持ち悪い感覚。
自分のからだが勝手に突き動かされているような
もうろうとした感覚。
何をしているかまでは分からない-。
けれど、自分の意思とは関係なく
怒りや喜びなどの感情が流れ込んでくる。
とても、不愉快な感覚。
「---風香ちゃん…」
さくらが風香の名前を呟いて悲しそうにしている。
横目でそれを見ながら明美は思うー。
”市川先輩を悲しませるなんて、許さないー”と。
「…俺も…白崎さんの行方を調べてみるよ」
木藤はそう言うと、上がりの時間を迎えて、
店を後にした。
「---皆を悲しませやがって」
正義感の強い木藤は悔しそうにそう呟いた。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
翌日夕方。
「--じゃあまた明日!」
大学の門を出た
さくらと、さくらの友人、飯淵鳴海は
手を振りながら別れた。
一人、路地を歩く鳴海。
「---あの」
背後から声が聞こえた。
「--え?」
鳴海が振り返ると、
そこには、からだのラインを強調したジーパン姿の
少女が立っていた。
「---なんですか?」
鳴海は言うと、少女ーーー
白崎風香は笑った。
「--おまえのからだ、借りるぞ…」
そう言うと、風香は驚く鳴海を無視して、
鳴海にキスをした。
「---ひっ!?」
鳴海が声をあげて、ふらっとして、
壁に寄りかかる。
風香は糸が切れた人形のようにその場に倒れた。
「くっ・・・くくく」
鳴海が笑い出す。
髪の毛をぐしゃぐしゃにかきむしり笑う。
「あの3人にはもっと復讐してやりたいからな…
”犯罪者”にするわけにはいかない」
鳴海がつぶやく。
オタク男は”尾崎店長”を消すつもりだった。
けれどー
さくら、明美、風香のからだを使って犯罪を犯せば、
逮捕されてしまう。
それじゃあ、あの3人を苦しめることはできない。
これは、復讐だー。
生半端な復讐ではない。
”究極”の復讐だ。
だからー
犯罪者になる人間には、身近な人間を選んだ。
鳴海が人を殺せば、
さくらは苦しむだろう。
「--あぁ…♡ いいよさくら…
苦しんで… 苦しんで…
うふふふふ♡」
鳴海が人殺しになって、苦しむさくらの顔を想像しただけで
鳴海のからだは興奮してしまった。
涎を垂らしながら、
痙攣して倒れたままの風香を無視して、鳴海は歩き出した。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
夜ー。
「お疲れ様」
尾崎店長が言うと、
勤務していた木藤と我妻も「お疲れ様です」と答えた。
「---いやぁ、でも憑依なんて本当にあるんすね」
我妻が言う。
「--あぁ…俺はさくらが憑依されたのを見たし、
店長は憑依された白崎さんに誘惑された。
間違えないよ…」
「--いやぁ、抜けますねぇ」
我妻が笑う。
「最近、俺、毎晩憑依された
市川さんや白崎さんを想像して抜いてるんですよ」
我妻が言う。
木藤は、デリカシーのない我妻の発言に腹が立った。
「--特に白崎さんが、暴言吐く姿、見てみたかったなぁ…
あぁ、興奮してきました!やばいっすよ!」
木藤が拳を握りしめているのを見て
店長は言う
「我妻くんー
そのぐらいにしておきなさい」
店長に窘められて
我妻は「スンマセン」と悪そうにして言う。
「---もうこれ以上、好きにはさせない。
でも…警察には言えない」
尾崎店長が悲しそうに言う。
「憑依なんて、誰が信じると思う?
俺たちの狂言にされるか。
もしくは、彼女たちが傷つくか…
どちらかだ。
ゼッタイに、警察には言えない」
尾崎店長の言葉に、
木藤も頷く。
「--俺が、白崎さんに会って
話をする。
土下座してでも、白崎さんを解放してもらう」
店長が言う。
その目は決意のまなざしに満ちていた。
「店長ー」
木藤が言うと、店長は微笑んだ。
「--バイトを守るのが、店長の仕事だろ?」
とーー。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
店を出た3人は、それぞれの道に分かれる。
尾崎店長は一人暮らし。
店長の仕事をしていて、彼女をつくる暇もなかった。
だからだろうか。
容姿の良い子ばかりを採用してしまう。
別に何をするつもりでもない。
けれどー
”自分が手にすることのできなかった青春”という名の
幻を、追い続けているのかもしれないー。
「---!?」
からだに衝撃が走った。
「うふふふふ♡ 店長さぁ~ん?」
寒いのに、キャミソール姿の女が、
不気味に笑っている。
唇は青くなり、からだはガクガクと震えている。
寒いのだろう。
店長は、驚いて自分の背中に手を触れる。
「----なっ!」
手には真っ赤な血が付着していた。
「あははははははははははっ♡
馬鹿にしやがって!!!
僕を馬鹿にしたやつはなぁ…
…み、、み、みんな地獄に落ちるんだよォ!」
さくらの友人、飯淵鳴海が、
キャミソール姿で大笑いする。
寒いのかガクガク震えながらー。
「--お・・・お前」
店長は倒れながら苦しい声をあげる。
「---うふふふぁああああははははは♡」
狂人のような声をあげてナイフを舐める鳴海。
そのままさらに店長にナイフを突き刺した。
「がっ…」
店長は這いずりながら、鳴海の足をつかんだ。
「もう…やめろ・・・・・・
これ以上、、、女の子たちを悲しませるな…」
店長が言う。
だが、鳴海は店長に唾を吐き捨て、トドメの一撃を加えた。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
さくらが、プライベートな買い物をし終えて、
一人暮らしのアパートへと向かっていると、
背後から人が走ってくる音が聞こえた。
「---?」
さくらが振り向くと、
そこにはーーー
鳴海の姿があった。
髪の毛をボロボロに振り乱し、
キャミソール姿の鳴海に驚くさくら。
「な…鳴海…?」
怯えた様子で言うさくら。
「---さくらちゃん…
わたしの人生、壊れちゃった♡」
嬉しそうに言う鳴海。
「--おかあさんのこと、ラクさせてあげようって
ずっと頑張ってきたのに…
わたしの人生、アンタのせいで壊されちゃった!!」
笑う鳴海。
さくらは、鳴海の身に何が起きたのかを理解して、
身を震わせた。
「---アンタと友達だったから、、
わたしの人生、崩壊しちゃった♡
アンタの店の店長、殺しちゃった♡
うふ…♡ あはっ♡ あはははははははは」
鳴海が笑うー
「----ひ…酷い…!
どうしてそんなことするの!
鳴海は関係ないじゃない!」
さくらが叫ぶ。
「---この、、人でなし!!!」
さくらが叫ぶと、
鳴海は「あぁ!?」と怒鳴り声をあげた。
そしてーー
「---こいつは犯罪者だ。
こんなゴミみてぇなからだにもう用はねぇ」
鳴海は自分のことをゴミと言うと、
そのままさくらにキスをしたーー。
鳴海はそのままその場に倒れたーーーー。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
翌日。
店で衝撃の事実を知った木藤。
代理でやってきた本部社員が、
尾崎店長が昨晩、通り魔に刺されて死亡したこと。
そして、逮捕されたのは、飯淵鳴海という
女子大生であることを告げた。
しかも、その鳴海という女は
記憶が無いと泣きわめいているのだとか。
「---あいつだ」
木藤が拳を握り、身を震わせた。
「-ーーー酷い」
横に居たさくらはそう呟く。
けれど、俯きながら、さくらは邪悪な笑みを浮かべていた。
本部社員は困惑していた。
けれど、さくらがしばらく店長の代わりをやると立候補したため、
本部社員は「規則的に…」とためらっていたが
特例で許可された。
「---木藤さん…
大変ですけど、頑張りましょうね」
さくらが、首を傾けながら微笑む。
「-----」
明美はさくらの方を見つめていた。
さくらは、ふと明美と視線を合わせる。
「----あの女」
さくらは、明美の表情を見て舌打ちした。
「ん?どうした?」
木藤の言葉に、さくらは笑顔になって笑う。
「--そういえば、その女子大生に憑依したってことは
白崎さんは…?」
心配に思った木藤は、バイト終わりに、
風香のことを尋ねてみることにした。
自宅は、知っていたー。
以前、風香から聞かされていたからだ。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
夕方。
風香の家を訪ねる木藤。
母親が出てきたので、
憑依のことを隠して、上手く事情を説明すると、
風香が出てきた。
その表情は疲れ切っていて、
目は涙ぐんでいた。
家の前で話す木藤と風香。
「---わたし…気づいたら…
路上で倒れてて…」
涙を流す風香。
「---白崎さん…」
木藤は悲しそうにつぶやく。
「学校…退学になってて…
お父さんとお母さんは怒ってて…
わたし…わたし、どうしたらいいんですか!?」
泣きながら言う風香。
「酷い…ひどいよぉ…」
そのまま泣きじゃくってしまい、
木藤はただ、慰めの言葉をかけることしかできなかった。
「……また、来るよ」
木藤は、落ち込む風香を前に、
何の力にもなれない自分を悔いた。
そのまま立ち去る木藤。
庭先で涙を流している風香。
そこにーーーー
さくらが現れた。
「----ひっ!?」
店で、さくらにキスをされて憑依された風香は
さくらを見て恐怖の声をあげた。
「---心配しないで、風香ちゃん」
さくらは邪悪にほほ笑む。
そしてーー
さくらの目が赤く光ったーーー
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
翌日。
「---…」
さくらは笑う。
自分が店長代理になって、
この店をさらに追い詰めてやるーと。
「---え?どういうことっすか?」
我妻が尋ねる。
「聞いての通りよ。
オタクがたくさん来るゲーム屋にできれば
さらに儲かるじゃない。
だから、今日からわたしたちで、
エッチな接客しようと思って」
さくらの言葉に我妻は笑った。
「いいっすネ!」
---バカなやつ
さくらはそう思った。
「---でも、他の人は…?」
我妻が言うと、
近くに居た風香がほほ笑んだ。
「いいと思います・・・
市川さんにわたしは賛成です・・・」
どことなくうつろな様子の風香が言う。
さくらは笑うー。
昨日、さくらは風香に暗示をかけた。
一種の洗脳だ。
オタク男の力は、さらに強大になっていた。
さくらは事務所に戻り、
服を全て脱ぎ捨てて笑う。
「くくくく…
このからだも、この店も、、
働くやつらも、
みんな壊してやるよ!!!!」
さくらは自分のからだを力強く抱きしめながら
からだを震わして大笑いし始めた。
「くくくく…あははははははははっ!
あ~~~ははははははははぁ♡」
地獄はまだ終わらないー
本番はこれからなのだからー。
⑥へ続く
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
コメント
今日で一旦おしまいです!
次は2/24予定です!お楽しみに!
コメント
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突然の訪問、失礼いたします。
私はこちら⇒b–n.net
でブログをやっているさくらといいます。
色々なブログをみて勉強させていただいています。
もしよろしかったら相互リンクをお願いできないでしょうか?
「やってもいいよ」という方はコメントを返してくだされば、
私もリンクさせていただきます。
よろしくお願いします^^
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楽しみすぎる!
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> 突然の訪問、失礼いたします。
> 私はこちら⇒b–n.net
> でブログをやっているさくらといいます。
> 色々なブログをみて勉強させていただいています。
> もしよろしかったら相互リンクをお願いできないでしょうか?
> 「やってもいいよ」という方はコメントを返してくだされば、
> 私もリンクさせていただきます。
> よろしくお願いします^^
ありがとうございます。
私のブログ内容が、対象年齢が限られているので、
さくら様のブログ内容によって検討させていただきます。
どのような内容になっていますでしょうか?
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> 楽しみすぎる!
ありがとうございます!
少し日にちが空きますが、楽しみにしていてください!