<憑依>暴走憑依男X⑤~崩壊~

風香に誘惑されていた店長は、
木藤らとのやりとりで心を入れ替え、
オタク男に憑依されている風香との関係を断ち切った。

しかし、その判断がオタク男の怒りに火をつけた。
オタク男は、さらなる復讐に手を染める…。

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「うっぜぇ…」
風香は、エロゲーやフィギュアだらけの部屋で、
胸を揉みながら怒りに満ちた表情で呟いた。

ここはオタク男の小汚い部屋。

女子高生である風香が本来、嫌悪するであろう部屋。

けれど、今の風香は心地よさそうにしていた。

オタク男の部屋に飾られていた
アニメキャラのコスプレ衣装を身に着け、
嬉しそうにピースする風香。

「くふふ・・・たまんねぇ…
 こいつ、こんなことさせられてるって知ったら
 おかしくなっちゃうかもな…

 でも…」

風香は満面の笑みを浮かべて、
アイドルポーズをとって、ほほ笑んだ。

「今の風香は何でもやっちゃうの!えへっ♡」

あざとくウインクする風香。

オタク男の興奮は止まらない。

そのまま、エロゲーをプレイし始める
風香。

だらしない格好で、ポテトチップスを食べながら
エロゲーをして、高い声で笑い声をあげている。

「---はぁ~あっ♡
 女の子のからだでプレイするエロゲー、
 さいこう!!」

エロゲーのシチュエーションを見ながら、
自分のからだで同じシチュエーションを試す。
最高の時間。

濡れまくった風香は、荒い息をしながら微笑んだ。

「---そろそろ”この体”はもういいか…
 あの店長さんに、地獄を見せてやらなくちゃね…」

風香はそう呟くと、
クスクスと笑い始めた。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「白崎さんは、欠勤みたいですね」
明美が言う。

店長が風香の誘惑を断ってから、
風香は無断欠勤をするようになった。

「--…店長として、俺は彼と戦う」
尾崎店長は呟いた。

一時的とは言え、誘惑されてしまった
自分を恥じながら。

「--ごめんなさい」
さくらが悲しそうに頭を下げる。

風香に脅されたとは言え、
黙っていたのは失敗だった。

さくらが黙っていようと、なかろうと、
あのオタク男は風香の人生を壊す。

「---早く…風香ちゃんを助けないと…」
さくらが目に涙を浮かべて言う。

憑依されている間のーー
気持ち悪い感覚。

自分のからだが勝手に突き動かされているような
もうろうとした感覚。

何をしているかまでは分からない-。

けれど、自分の意思とは関係なく
怒りや喜びなどの感情が流れ込んでくる。

とても、不愉快な感覚。

「---風香ちゃん…」
さくらが風香の名前を呟いて悲しそうにしている。

横目でそれを見ながら明美は思うー。

”市川先輩を悲しませるなんて、許さないー”と。

「…俺も…白崎さんの行方を調べてみるよ」
木藤はそう言うと、上がりの時間を迎えて、
店を後にした。

「---皆を悲しませやがって」
正義感の強い木藤は悔しそうにそう呟いた。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

翌日夕方。

「--じゃあまた明日!」

大学の門を出た
さくらと、さくらの友人、飯淵鳴海は
手を振りながら別れた。

一人、路地を歩く鳴海。

「---あの」

背後から声が聞こえた。

「--え?」
鳴海が振り返ると、
そこには、からだのラインを強調したジーパン姿の
少女が立っていた。

「---なんですか?」
鳴海は言うと、少女ーーー
白崎風香は笑った。

「--おまえのからだ、借りるぞ…」

そう言うと、風香は驚く鳴海を無視して、
鳴海にキスをした。

「---ひっ!?」
鳴海が声をあげて、ふらっとして、
壁に寄りかかる。

風香は糸が切れた人形のようにその場に倒れた。

「くっ・・・くくく」
鳴海が笑い出す。

髪の毛をぐしゃぐしゃにかきむしり笑う。

「あの3人にはもっと復讐してやりたいからな…
 ”犯罪者”にするわけにはいかない」

鳴海がつぶやく。

オタク男は”尾崎店長”を消すつもりだった。

けれどー
さくら、明美、風香のからだを使って犯罪を犯せば、
逮捕されてしまう。

それじゃあ、あの3人を苦しめることはできない。

これは、復讐だー。
生半端な復讐ではない。
”究極”の復讐だ。

だからー
犯罪者になる人間には、身近な人間を選んだ。

鳴海が人を殺せば、
さくらは苦しむだろう。

「--あぁ…♡ いいよさくら…
 苦しんで… 苦しんで…
 うふふふふ♡」

鳴海が人殺しになって、苦しむさくらの顔を想像しただけで
鳴海のからだは興奮してしまった。

涎を垂らしながら、
痙攣して倒れたままの風香を無視して、鳴海は歩き出した。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

夜ー。

「お疲れ様」
尾崎店長が言うと、
勤務していた木藤と我妻も「お疲れ様です」と答えた。

「---いやぁ、でも憑依なんて本当にあるんすね」
我妻が言う。

「--あぁ…俺はさくらが憑依されたのを見たし、
 店長は憑依された白崎さんに誘惑された。
 間違えないよ…」

「--いやぁ、抜けますねぇ」
我妻が笑う。

「最近、俺、毎晩憑依された
 市川さんや白崎さんを想像して抜いてるんですよ」
我妻が言う。

木藤は、デリカシーのない我妻の発言に腹が立った。

「--特に白崎さんが、暴言吐く姿、見てみたかったなぁ…
 あぁ、興奮してきました!やばいっすよ!」

木藤が拳を握りしめているのを見て
店長は言う

「我妻くんー
 そのぐらいにしておきなさい」

店長に窘められて
我妻は「スンマセン」と悪そうにして言う。

「---もうこれ以上、好きにはさせない。
 でも…警察には言えない」

尾崎店長が悲しそうに言う。

「憑依なんて、誰が信じると思う?
 俺たちの狂言にされるか。
 もしくは、彼女たちが傷つくか…
 どちらかだ。

 ゼッタイに、警察には言えない」

尾崎店長の言葉に、
木藤も頷く。

「--俺が、白崎さんに会って
 話をする。
 土下座してでも、白崎さんを解放してもらう」

店長が言う。
その目は決意のまなざしに満ちていた。

「店長ー」
木藤が言うと、店長は微笑んだ。

「--バイトを守るのが、店長の仕事だろ?」

とーー。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

店を出た3人は、それぞれの道に分かれる。

尾崎店長は一人暮らし。
店長の仕事をしていて、彼女をつくる暇もなかった。

だからだろうか。
容姿の良い子ばかりを採用してしまう。

別に何をするつもりでもない。

けれどー
”自分が手にすることのできなかった青春”という名の
幻を、追い続けているのかもしれないー。

「---!?」

からだに衝撃が走った。

「うふふふふ♡ 店長さぁ~ん?」

寒いのに、キャミソール姿の女が、
不気味に笑っている。

唇は青くなり、からだはガクガクと震えている。
寒いのだろう。

店長は、驚いて自分の背中に手を触れる。

「----なっ!」
手には真っ赤な血が付着していた。

「あははははははははははっ♡
 馬鹿にしやがって!!!
 僕を馬鹿にしたやつはなぁ…

 …み、、み、みんな地獄に落ちるんだよォ!」

さくらの友人、飯淵鳴海が、
キャミソール姿で大笑いする。

寒いのかガクガク震えながらー。

「--お・・・お前」
店長は倒れながら苦しい声をあげる。

「---うふふふぁああああははははは♡」
狂人のような声をあげてナイフを舐める鳴海。

そのままさらに店長にナイフを突き刺した。

「がっ…」

店長は這いずりながら、鳴海の足をつかんだ。

「もう…やめろ・・・・・・
 これ以上、、、女の子たちを悲しませるな…」

店長が言う。

だが、鳴海は店長に唾を吐き捨て、トドメの一撃を加えた。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

さくらが、プライベートな買い物をし終えて、
一人暮らしのアパートへと向かっていると、
背後から人が走ってくる音が聞こえた。

「---?」

さくらが振り向くと、
そこにはーーー

鳴海の姿があった。

髪の毛をボロボロに振り乱し、
キャミソール姿の鳴海に驚くさくら。

「な…鳴海…?」
怯えた様子で言うさくら。

「---さくらちゃん…
 わたしの人生、壊れちゃった♡」

嬉しそうに言う鳴海。

「--おかあさんのこと、ラクさせてあげようって
 ずっと頑張ってきたのに…
 わたしの人生、アンタのせいで壊されちゃった!!」

笑う鳴海。

さくらは、鳴海の身に何が起きたのかを理解して、
身を震わせた。

「---アンタと友達だったから、、
 わたしの人生、崩壊しちゃった♡

 アンタの店の店長、殺しちゃった♡

 うふ…♡ あはっ♡ あはははははははは」

鳴海が笑うー

「----ひ…酷い…!
 どうしてそんなことするの!
 鳴海は関係ないじゃない!」

さくらが叫ぶ。

「---この、、人でなし!!!」

さくらが叫ぶと、
鳴海は「あぁ!?」と怒鳴り声をあげた。

そしてーー

「---こいつは犯罪者だ。
 こんなゴミみてぇなからだにもう用はねぇ」

鳴海は自分のことをゴミと言うと、
そのままさくらにキスをしたーー。

鳴海はそのままその場に倒れたーーーー。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

翌日。

店で衝撃の事実を知った木藤。

代理でやってきた本部社員が、
尾崎店長が昨晩、通り魔に刺されて死亡したこと。

そして、逮捕されたのは、飯淵鳴海という
女子大生であることを告げた。

しかも、その鳴海という女は
記憶が無いと泣きわめいているのだとか。

「---あいつだ」
木藤が拳を握り、身を震わせた。

「-ーーー酷い」
横に居たさくらはそう呟く。
けれど、俯きながら、さくらは邪悪な笑みを浮かべていた。

本部社員は困惑していた。
けれど、さくらがしばらく店長の代わりをやると立候補したため、
本部社員は「規則的に…」とためらっていたが
特例で許可された。

「---木藤さん…
 大変ですけど、頑張りましょうね」

さくらが、首を傾けながら微笑む。

「-----」
明美はさくらの方を見つめていた。

さくらは、ふと明美と視線を合わせる。

「----あの女」
さくらは、明美の表情を見て舌打ちした。

「ん?どうした?」
木藤の言葉に、さくらは笑顔になって笑う。

「--そういえば、その女子大生に憑依したってことは
 白崎さんは…?」

心配に思った木藤は、バイト終わりに、
風香のことを尋ねてみることにした。

自宅は、知っていたー。
以前、風香から聞かされていたからだ。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

夕方。

風香の家を訪ねる木藤。

母親が出てきたので、
憑依のことを隠して、上手く事情を説明すると、
風香が出てきた。

その表情は疲れ切っていて、
目は涙ぐんでいた。

家の前で話す木藤と風香。

「---わたし…気づいたら…
 路上で倒れてて…」

涙を流す風香。

「---白崎さん…」
木藤は悲しそうにつぶやく。

「学校…退学になってて…
 お父さんとお母さんは怒ってて…
 わたし…わたし、どうしたらいいんですか!?」

泣きながら言う風香。

「酷い…ひどいよぉ…」
そのまま泣きじゃくってしまい、
木藤はただ、慰めの言葉をかけることしかできなかった。

「……また、来るよ」

木藤は、落ち込む風香を前に、
何の力にもなれない自分を悔いた。

そのまま立ち去る木藤。

庭先で涙を流している風香。

そこにーーーー
さくらが現れた。

「----ひっ!?」

店で、さくらにキスをされて憑依された風香は
さくらを見て恐怖の声をあげた。

「---心配しないで、風香ちゃん」
さくらは邪悪にほほ笑む。

そしてーー
さくらの目が赤く光ったーーー

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

翌日。

「---…」
さくらは笑う。

自分が店長代理になって、
この店をさらに追い詰めてやるーと。

「---え?どういうことっすか?」
我妻が尋ねる。

「聞いての通りよ。
 オタクがたくさん来るゲーム屋にできれば
 さらに儲かるじゃない。

 だから、今日からわたしたちで、
 エッチな接客しようと思って」

さくらの言葉に我妻は笑った。

「いいっすネ!」

---バカなやつ

さくらはそう思った。

「---でも、他の人は…?」
我妻が言うと、
近くに居た風香がほほ笑んだ。

「いいと思います・・・
 市川さんにわたしは賛成です・・・」

どことなくうつろな様子の風香が言う。

さくらは笑うー。

昨日、さくらは風香に暗示をかけた。
一種の洗脳だ。

オタク男の力は、さらに強大になっていた。

さくらは事務所に戻り、
服を全て脱ぎ捨てて笑う。

「くくくく…
 このからだも、この店も、、
 働くやつらも、
 みんな壊してやるよ!!!!」

さくらは自分のからだを力強く抱きしめながら
からだを震わして大笑いし始めた。

「くくくく…あははははははははっ!
 あ~~~ははははははははぁ♡」

地獄はまだ終わらないー
本番はこれからなのだからー。

⑥へ続く

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

コメント

今日で一旦おしまいです!
次は2/24予定です!お楽しみに!

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憑依<暴走憑依男>

コメント

  1. さくら より:

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    突然の訪問、失礼いたします。
    私はこちら⇒b–n.net
    でブログをやっているさくらといいます。
    色々なブログをみて勉強させていただいています。
    もしよろしかったら相互リンクをお願いできないでしょうか?
    「やってもいいよ」という方はコメントを返してくだされば、
    私もリンクさせていただきます。
    よろしくお願いします^^

  2. 匿名 より:

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    楽しみすぎる!

  3. 無名 より:

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    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    > 突然の訪問、失礼いたします。
    > 私はこちら⇒b–n.net
    > でブログをやっているさくらといいます。
    > 色々なブログをみて勉強させていただいています。
    > もしよろしかったら相互リンクをお願いできないでしょうか?
    > 「やってもいいよ」という方はコメントを返してくだされば、
    > 私もリンクさせていただきます。
    > よろしくお願いします^^

    ありがとうございます。
    私のブログ内容が、対象年齢が限られているので、
    さくら様のブログ内容によって検討させていただきます。
    どのような内容になっていますでしょうか?

  4. 無名 より:

    SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    > 楽しみすぎる!

    ありがとうございます!
    少し日にちが空きますが、楽しみにしていてください!