<憑依>☆500万アクセス記念☆引き裂かれた僕と幼馴染の絆②

(※本日の通常更新「奇妙な検査結果②」は既に掲載済みデス!この記事の1個下にあります)

500万アクセス達成記念小説第2話☆!

今まで自分を守ってくれていた
優しい幼馴染の豹変に困惑する伸吾…

困惑は、さらに深まっていく…

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

放課後ー

伸吾は、美咲の様子がおかしいことに
心を痛めていたー

いつもは自分のことを守ってくれている美咲が
まるで今日は別人のように、
自分に敵意を向けてくる。

「…(何か、怒らせるようなことしちゃったかな)」

「あ~!西川くん!いたいた!」

悩んでいる伸吾の元にー
美咲の友人・萌恵がやってくる。

「--美咲が、西川くんに話があるんだって!
 東棟の空き教室で待ってるから来てって」

「そ…そう」

伸吾は、嫌な予感を覚えながら教室のイスから立ち上がる。

「……」
その様子をじっと見つめている萌恵ー。

「ーーありがとう」
元気なく、美咲の待つ空き教室に向かおうとする伸吾。

「…何かあったの?」
その言葉に、伸吾は立ち止まる。

「……わからない」

「…喧嘩でもしたの?」

「…わからないよ…」
涙をこらえながら震える伸吾…

自分が何をしたというのか。
美咲を怒らせてしまったのなら
謝りたい。

でも、なんで美咲が怒っているのか、
まったく分からない。

「…とにかく、僕、行ってくるよ」
伸吾が教室から立ち去る。

ひとり、教室に残された萌恵は
少し間を置いてからー
意味深な笑みを浮かべたー

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「遅いなぁ~?いつもそうやって待たせてるの?」

空き教室に到着するなり、
美咲はイライラした様子で口を開いた。

「ご…ごめん」
伸吾はすっかり怯えていたー

いつもー
安心できる存在であるはずの美咲に対して、
今や、すっかり怯えてしまっていたのだー。

「---くくく」
笑いながら近づいてくる美咲。

「--そういやさ、あんたって童貞だよね?」
いきなり、とんでもない言葉を口にする美咲ー

「え…い、、いや、、あの…」
伸吾は、美咲の突然の言葉に戸惑う。

「隠さなくてもいいって。
 彼女もどうせいないんだし、
 したこともないんだろ?へへへ」

「か、神谷さん…」

美咲の普段とはあまりにも違う様子に、
伸吾は困り果てた様子ー。
口調も、なんだかおかしいー

「ま、いいや。特別に触らせてやるよ」

「へ…?」

「ほら、お、、いや、わたしのおっぱい
 触らせてあげる」

自分の胸を触りながらイヤらしい笑みを浮かべる美咲ー。

「---え、、え、、、な、、」
顔を赤くして戸惑うことしかできない伸吾に
美咲はさらに言葉を投げかけるー。

「へへへ…触りたいでしょぉ~?」

とー。

「…い、、い、いきなり何を言い出すんだよ!」
顔を真っ赤にしながらも、伸吾は大声で叫ぶー。

「---はぁ?」
不機嫌そうになる美咲。

「か、、神谷さんがそんなことするなんて…!
 今日の神谷さん、変だよ!
 どうしちゃったんだよ!」

叫ぶ伸吾。
叫ばずには、いられないー。

「どうしちゃったの…?って?
 ふふふ、知りたい?」

なおもバカにしたような笑みを浮かべる美咲に対して
伸吾はまっすぐと美咲を見つめながら言い放つー。

「……ぼ、僕が何かしたいなら、謝るから」

しかしー
それでも美咲はふざけた態度を崩さないー。

「あんたがうじうじしてるから  
 わたし、欲求不満になっちゃったの…んふふふ」

「う、、嘘だ!」

否定の言葉を叫ぶ伸吾ー。
美咲は、伸吾のほうを見て、舌打ちをすると、続けて叫んだー。

「ごちゃごちゃうるせぇな~!
 触れったら触るんだよ!」

無理やり伸吾に胸を触らせようとする美咲

「は、、離して!やめて!」
伸吾は必死にそれを拒もうとする。

しかし、まるで別人のような振る舞いの美咲は
大声を出して叫んだー

「あ~!面倒くせぇヤツだな!
 とっとと、俺を気持ちよくさせろよ!」

「…お、、俺!?」
美咲が自分のことを”俺”と言ったことに、
伸吾は強い違和感を感じたー。

「お~っといけねぇ!」
美咲が笑うー。
”いけねぇ”と言いながらも、別に気まずいとは
思っていないかのような振る舞いー

「-か、、神谷さん…いったい?」
伸吾は、気になり、さらに質問を続けるー

「…うっせぇ!黙ってろ!」

ついにー
美咲が暴力を振るい始めたー

「うわぁ!」

”おかしいー”
伸吾は殴られながらも、そう思わずにはいられなかったー。

美咲が容赦なく、伸吾に殴る蹴るの暴力を振るう。

「--へっへへへ…
 わたしに殴られる気分は、どぅぅ~?くくく」

相手が美咲とは言え、殴られるのは痛いし、辛いー

「や、、、やめて!神谷さん!やめて!」

伸吾は必死に、助けを求めるかのように、美咲に向かって叫ぶー

「あっはははははは!
 この身体でお前をいじめるの、超たのしい!」

「こ、、このからだ…!?」

美咲が伸吾に蹴りを加える。

「うわぁっ!」

吹き飛ばされて教室に倒れ込む伸吾ー。

「いつもいつもうぜーんだよ!」

倒れた伸吾に向かって、そう叫ぶ美咲。

「ど…どうして…」

思わず泣き出す伸吾を見て、美咲はニヤリと笑った

「…ここでの出来事、他の人に言ったら
 わたしが悪者になっちゃうよ?
 わたしのこと好きなら
 どうすればいいか分かるよね?」

脅すような口調ー。

「うぅ…」

煮え切らない反応の伸吾に向かって
近寄ると、美咲は伸吾の髪を
引っ張りながら叫んだ。

「どうすればいいかわかるよなぁ?あぁ??」

美咲のあまりにも恐ろしい”豹変”を前に
伸吾は涙を流していたー。

「い、、、言わない…誰にも、、言わないから!」

涙目で叫ぶ伸吾を見て
美咲は笑いながら空き教室から
立ち去って行くー。

一人残された伸吾は
呟いた。

「どうしちゃったんだよ…神谷さん…」

とー。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

夜ー

「ん~さいこう~」

自分の部屋で足を組みながら
鏡を見つめる美咲。

「いつもいじめられっ子を守ってるこの女が
 いじめる側に回ってる…
 いいや、俺がそうさせてる…
 くくく…最高だ!最高に興奮するぜぇ…へへへ」

そんなことを呟きながらー
美咲は”先日”のことを頭に浮かべたー

廊下を歩いていた卓夫ー

「久保くん」
不機嫌そうに廊下を歩いていた背後から、声がしたー

「あん?」

振り返る卓夫。

「いつもいつも西川くんのこといじめているよね?」
卓夫の背後から声を掛けた人物は、そう呟くー

「それがどうかしたのかよ?」
不機嫌そうに返事をする卓夫ー。

「ふふふ…いつも、神谷さんに邪魔されてる」
相手は、そんな卓夫の態度を意に介さず、
バカにしたような態度を続けるー。

「--い、一体なんなんだ!」

伸吾をいじめていて、
美咲に邪魔されているー
そのことを知っている目の前の人物に苛立つ卓夫。

「久保くんに、いいものあげる」
相手が、卓夫に近付き、あるものを手渡すー。

「なんだこりゃあ?」
受け取った”液体入りの小瓶”を見つめながら
表情を歪める卓夫ー。

「--人の身体に憑依して
 乗っ取ることのできる薬よー」

「は?マジ?」
相手の思わぬ言葉に、卓夫は思わず変な声を出してしまうー。

その反応に微笑む相手ー

「マジよ。
 それをどう使うかは、久保くん次第…。
 ふふふふふ」

あの日のことを思い出しながら美咲は
不気味な笑みを浮かべるー

「あいつには感謝しなくちゃな…へへへ」

そう呟くと、美咲は立ち上がってー

「さ、今日は、神谷さんの身体で
 めっちゃくちゃに遊んでやるか!」

とー、一人エッチなことを始めるのだったー

・・・・・・・・・・・・・・・・・

翌日ー

「---…」
ぼーっとしている伸吾ー。

「どうしたの?その怪我」

美咲の友人である萌恵が伸吾の方を見て
不思議そうに尋ねる。

「…こ、これは…」

伸吾はちらっと美咲の方を見る。
美咲は、伸吾のことを無言で睨みつけていた。

「…き、昨日、階段で転んで…」
伸吾はとっさに嘘をついたー

「え~?ほんとに?大変! だいじょうぶ?」
自然な反応ー
萌恵は伸吾のことを心配してみせるー。

「あ、、う、うん、大丈夫だけど」

「……」
じーっと伸吾の顔を見つめる萌愛。

どうもー
話がおかしいー

伸吾の怪我は”階段から転落した”ようには見えないのだー

「---……本当に?」
疑いのまなざしを向ける萌恵ー。

「え、、、あ、、え、ほ、本当に…本当に大丈夫だから!」
慌てて教室から飛び出す伸吾。

「…ふぅん…」
立ち去っていく伸吾を見つめながら
萌恵は、意味深な笑みを浮かべたー

・・・・・・・・・・・・・・・・・

昼休みの時間が始まるー

「くくく…昨日のこと、言わないでくれたんだ?」

美咲が伸吾のところにやってくる。
腕を組んで伸吾を見下すようにしながら美咲は笑った

「……神谷さん…昨日から、どうしちゃったんだよ…?」

伸吾は、美咲の豹変が受け入れらずに
再びそう尋ねた。

「どうって?ふふ、どうもしねぇよ」
美咲は髪を掻き毟りながら吐き捨てるようにして言う。

「……何も理由もないのに、神谷さんが
 こんなことするわけないだろ!」

 僕は神谷さんが理由もなくこんなこと
 するはずないって知ってる!」

 何か理由があるなら、頼むから教えてくれよ!」

伸吾は必死に叫んだ。

するとー

「あ~ウゼェ…」
と、美咲は低い声で呟いたー。

そして、伸吾のほうを睨みつけるー。

「そんなに知りたいなら教えてやるよ。
 今日の放課後、昨日の空き教室に来な」

それだけ言うと、美咲は
ニヤニヤしながら自分の座席に戻ってしまった

「神谷さん…」

まるで別人のように豹変した美咲の方を見て
伸吾は不安そうに呟くのだった…

・・・・・・・・・・・・・・・・・

放課後ー

「………」
悪い笑みを浮かべながら空き教室に向かう美咲。

「---美咲」

空き教室の前では、美咲の友人・萌恵が
待ち構えていたー。

「---あら」
美咲が微笑みながら、萌恵の方を見る。

「---ひとつ、いいかな?」
萌恵はそう呟くと、何かを美咲に言い始めた。

・・・・・・

10分後ー。

指定された空き教室の前にやってきていた伸吾。

……神谷さんに一体何があったのか…
僕には分からない…でも…
今まで僕は、神谷さんに何度も助けてもらったんだ
ここで、逃げるわけにはいかないー

そんな風に思いながらー
伸吾は意を決して、空き教室の扉を開いた。

「おっせーな!いつまで待たせるんだよ」
美咲は乱暴な口調で、伸吾を出迎えた。

「…ごめん」

伸吾は悲しそうに呟く。
美咲はこんな子じゃないー
昨日から、美咲の様子が明らかにおかしいー

一体、何があったのか。

「あ~!煙草はうめぇな~」
美咲は笑みを浮かべながら、煙草を吸っている。

伸吾は、そんな美咲を困り果てた様子で見つめる。
そして、無言で美咲の方に向かって行く。

「あっれぇ~?卓夫くんのときは先生にチクったのに
 わたしが煙草吸ってても何も言わないんだぁ~?」

「……」
美咲の方を見つめながら近づいていく伸吾。

「もしかして差別ぅ~?
 わたしのことは先生に言わなくていいの~?」

伸吾は答えないー。

「……なぁ、聞いてんのかよ!」

昨日から、豹変した美咲に怯えて
なんとなく美咲を避けていた。

けれどー。
もう、逃げないー

”ちゃんと、伸吾もガツンと言ってやらなきゃ”

美咲に言われた言葉を思い出すー
伸吾は、まっすぐ美咲のほうを見つめてから呟くー

「---僕、逃げないよ」
ーと。

「あん?」
美咲が不愉快そうに表情を歪めたー

「--ちゃんと、僕もガツンと言うよ」

「…!?」

伸吾は緊張した様子で深呼吸してから、
一思いに声を発したー。

「神谷さん!一体何があったんだよ!
 僕に不満があったらちゃんと全部言ってよ!
 遠まわしに嫌がらせされても、
 僕、分からないよ!」

「……」
その言葉に、美咲は”沈黙”したままー。

「僕は、今まで、神谷さんに助けてもらってばかりだった。
 でも、僕だって神谷さんを助けたい!
 神谷さんがもし何かに悩んでいたり、苦しんでいたりするなら
 僕だって、力になりたいんだ!」

「………」

しばらくの沈黙ー
伸吾は緊張した様子で美咲のほうを見つめるー

やがてー

「…くくくく…」

美咲が突然笑いだす。

「ふふふ、ぷっ…くくくく、
 あははははははは!
 あ~はははははははははは!」

「か、、神谷…さん?」
美咲の”狂ってしまった”ような笑い声に唖然とする伸吾ー。

「ばっかじゃねぇの!?うふふふ、ひひ、
 笑わせんじゃね~よ、お前…あは、あははは」

美咲とは思えないような態度ー
心底、伸吾のことを馬鹿にしているようにすら、見えるー。

”これがあの神谷さんだなんて…”と
思ってしまうぐらいに、今の美咲の態度は
伸吾からすれば信じがたいものだったー。

「ね…ねぇ、本当にどうしちゃったの?」

思わず尋ねる伸吾ー。

「---くくく、そろそろ教えてやるよ」

美咲は、笑みを浮かべながらー
衝撃的な言葉を口にしたー。

「わたし…いいえ、俺はな…卓夫だよ。久保卓夫」

ーーー!!!!

③へ続く

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コメント

実はこの作品は、合作でゲームを作ろうとしていて、
そのシナリオ用に私が書いた作品で、
2019年に書きあがっていたのですが、
お相手の方が忙しくなってしまい、それが実現しなかったので、
(※相手の方のことを悪く思ったりはしていません!念のため!
 今も仲良くしています!)
お蔵入りになっていた作品を、
小説向けに書き直して、ようやく日の光を浴びることが
できた作品デス!
(ゲーム脚本⇒小説に直したので、1作品作る分ぐらいの
 時間は結局かかりました!笑)

書き終えてから2年間、誰の目にも晒されることなく
温められていた作品なので、
こうして500万アクセス達成記念の機会に
皆様にお届けできて何よりデス!

せっかく生まれた物語と登場人物たちを
そのまま墓場に送ってしまうのは
登場人物たちもかわいそうですからネ~笑

明日が最終回!
ぜひ、楽しんでくださいネ!

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