<皮>奇妙な検査結果③~真相~(完)

”大学の健康診断で奇妙な検査結果”が
出てしまった女子大生の紗愛ー。

彼女の身には、何が起きているのかー。

恐るべき、真相とはー…?

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「もうクリスマスだね~」
親友の星花が呟くー。

”2021・12”
大学最初の健康診断が行われてから、
半年以上が経過したー。

大学の食堂に貼られたカレンダーを見つめながら星花が言うと、
紗愛が「星花は何か予定はあるの~?」と、微笑むー。

「ーわたしはほら、夏に彼氏と別れたから、
 今年はまだ予定は決まってないよ」

星花が苦笑いしながら言うと、
紗愛は「あ~そうだったね」と、申し訳なさそうに言うー。

「ーーそういえば、昔はよく、紗愛と二人で過ごしたよね!
 近所だったし!」

星花の言葉に、紗愛は「懐かしいね~」と笑うー。

紗愛と星花は、
小さいころから、お互いの家が近かったために、
よく、一緒に遊んでいたー。

お互いに成長して、人間関係も色々変わっていく中ー
二人だけは、今でもこうして、小さいころと変わらず仲良しだったー。

「ーー調子は大丈夫?」
星花が心配そうに呟くー。

「ーーうん。色々心配かけてごめんね」
紗愛はそう返事をするー。

健康診断で”奇妙な検査結果”が出て、色々再検査などを繰り返して
星花にも心配をかけてしまったー。
そのことを申し訳なく思いながら、紗愛は
「ーーとりあえず、月1回経過観察してるし、大丈夫だと思うー」と、
星花に対して、穏やかな表情で呟いたー。

あれから、紗愛は月1回ほど、大病院で診察を受けているものの、
特に検査結果や体調に異変はなくー、
”原因は不明だが、治療の必要はない”という医師の診断を受けていたー

「ーーそれならよかった」

X線で映る謎の”影”
心電図の”通常ではありえない動き”

鳥淵クリニックでも、脳に異常はない、心配ない、と言われているしー
実際に、半年間ー
こうして無事に過ごせているのだから、
大きな問題はないのだろう、と
最近の紗愛は安心しつつあったー。

・・・・・・・・・・・・・・・・

「ーーはぁ~~~♡ は~~♡ たまんねぇ…」

夜ー
女子高生を皮にした男は、
何度も何度も、女子高生の身体でエッチなことを繰り返す
欲望の日々を送っていたー

鞄から零れ落ちた生徒手帳には”峰原”と書かれているー。

「ーーはぁ…♡ はぁ…♡」

”死のう”と思っていたところからの、
人生の大逆転ー

全ての趣味関係のモノを売り払い、
全財産を使って豪遊したー。

金が尽きたら、死ぬつもりだったー。

だがー
中東で、”人を皮にすることができる指輪”を売っていた
老婆に出会うことができたー

その結果が、今だー

”自分”という負債を捨て去り、
こうして可愛い女子高生の身体を手にしているー。

少女を乗っ取ってから1か月ー
流石に、1か月もエッチなことを繰り返していればー
”男として女子高生を楽しむ”ことにも飽きてきたー。

人はー
単純な生き物だー

”自分が少女であることが当たり前”になってしまったー

「ーー最初の1、2週間はマジでやばかったけどなー」
少女が鏡に向かってそう呟くと、
中東の老婆から購入した”もう一つの品”を見つめるー

”他人を着た人間の”中身”の記憶を消す”ことができる液体だー。

怪しげな老婆だったが、
人を皮にできる指輪が本物だった以上ー
これも本物なのだろうー。

そして、そもそも男は元々”死のう”と思っていたのだー。
失敗など、恐れはしないー
もしも成功すれば儲けもの。そのぐらいの考えでしか、ないのだー。

「ーーさすがに違和感を感じてるやつもいるみたいだしなー」
そんな風に呟く少女ー。

身体は少女でも、さすがに完璧にこの”峰原”という
女子高生に成りきることはできないー。
だからー、周囲には”どうしたの?”と疑問を抱く人間も増えてきたー

特に、元々親しかった友達は、尚更だー。

「ーーまぁいいー
 そろそろ飽きて来たしー」

”自分の記憶を消して、完璧な女子高生になる”

”俺が俺であったことを忘れて”
第2の人生を送ろうー。
今度は、俺の人生のような、クソみたいな人生ではなくー
華々しい女子高生として生活しようー。

「ーーーー…そうだ」
少女は、ふと、あることを思い出すー。

”あいつに、ちょっと手伝ってもらうかー”

少女は笑うー。
少女を着ている男には、数少ない、”同じ趣味を持つ仲間”がいたー。

そいつはとてもエロい男で、
表向きは真面目にやっているが、
プライベートでは、エロ三昧だー。

その”友人”のことを思い出すと、男は少女の身体のまま、
液体入りの容器を手に、”明日、話をしてみるかー”と呟いたー

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「ーーー2021年もあと少しだね~!」
クリスマスも終わり、星花は「クリスマス楽しかった!」と紗愛のほうを
見つめながら微笑むー。

紗愛は「わたしも!」と、
満足そうな笑みを浮かべるー

クリスマスの日は、結局二人で過ごしたー。

久しぶりの二人のクリスマスは何よりも楽しかったー。

「ーーーーあの日もーーー」
紗愛は、ふと”何か”を思い出しそうになったー

「え?」
星花が振り返るー。

振り返った星花を見て、紗愛は「ううんー…なんでもない」と、
静かに笑みを浮かべたー

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

2019.12ー

女子高生を皮にして乗っ取った男は、
”鳥淵クリニック”にやってきていたー。

指輪の力でこの女を皮にして乗っ取ったー。

しかしー
”脱げ”ば、醜悪な自分の姿が見えてしまうー。

とにかく、自分が自分であったことを、消したいー。

最近は、この女の友達の一人に、
”最近、変だよ!”と言われているー

「ーー次の方、どうぞー」
院長の鳥淵医師に呼ばれた少女は、
笑みを浮かべながら、診察室に入ったー

そしてー
鳥淵医師に小声で囁いたー

”俺だよー
 ちょっと看護婦たちを…人払いしてくれないか?”

その言葉にー
鳥淵医師は「えっ!?」と呟くー

”ーー分からねぇか?”
少女の身体のまま、男は自分の本名を耳打ちすると、
鳥淵医師は驚いた表情を浮かべてから、
看護師たちに、移動するように指示をして、
少女と1:1になったー

するとー
少女は笑みを浮かべてから”皮”を鳥淵医師の前で
脱ぎ捨てて見せたー

「ーーあとでこの女とヤラせてやるからよー
 ちょっと手伝ってほしいんだー」

少女の皮を再び来た男は、笑みを浮かべるー

「お、、お、、お前…自殺するとかなんとか言ってなかったかー?」
鳥淵医師はそれだけ言うと、咳払いをして、
「で、何を手伝えばいいー?」と、少女のほうを見ながら
少しだけニヤニヤしていたー

「へへ 相変わらず表では真面目でプライベートではエロ野郎だな」
少女の声でそう呟くとー
少女は”老婆から買った薬”を取り出したー

”自分が自分であった記憶を消すことができる薬”

「俺のこと、疑ってるやつがいるんだー
 まぁ、この女、急に性格変わったから、そうかもしれないけどさー」

少女を乗っ取った男は笑うー

”これから、自分は、この薬を使って、俺が俺であったことを忘れて
 完全にこの少女になりきる”

とー。

”けれど、既にこの女の異変を疑ってるやつらが、騒ぎ出すと、
 この女になりきった俺が不安を感じるかもしれないー。
 だからー”

少女はそこまで言うと、笑みを浮かべたー

「ーお前、そういう知識豊富だろ?
 この薬を元に、”一部の記憶だけ消すやつ”とか、作れねぇか?」

男に皮にされた少女の言葉に、
鳥淵医師は「無茶言うなよ…」と呟きながらもー
少し考えてからー

「ーーーまぁ……できないことはないかもしれないな」
と、静かに頷いたー。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

2021.12ー

鳥淵医師は、鳥淵脳クリニックの診察時間を終えて、
片付けを終えると、外に出たー

「ーーーん?」
鳥淵医師の視線の先には、
楽しそうに雑談しながら歩く二人組の女子大生ー

「ーーー」
鳥淵医師は、二人のことを知っていたー

「ーーー”今じゃ、お前は自分が”女を乗っ取った男”ってこともー
 覚えちゃいないんだろうなー」

鳥淵医師はそう呟くとー
”あの日のこと”を思い出したー

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

2019.12と書かれたカレンダーが貼られた診察室ー

少女は笑みを浮かべたー

「まさか、本当に作っちまうとはな。
 どうなってんだ?お前の頭の中はー?」

少女が笑うと、
鳥淵医師は苦笑いしながらー

「その薬を盛れば、相手の脳や身体の特定箇所に作用して、
 相手の記憶に”靄”をかけることができるー。
 お前に言われた通り、”お前に対して抱いた疑問”や”不信感”を、
 消すことができるように調整しておいたー」

鳥淵医師の説明を受けて、
少女は笑みを浮かべると、
スマホを手に「ほら、この女の親友、可愛いだろ?」と笑みを浮かべるー。

鳥淵医師は、スマホに表示されている写真を見つめると
「ーこの子に、それを使うんだな?」と、苦笑いしたー

「ーーあぁ。」
少女は”約束通り”、
鳥淵医師とエッチなことをその日の夜にすることを約束したー。

”男に皮にされて乗っ取られた少女”が、診察室の外に出ていくー

”夜のお楽しみ”を楽しみにしながら、
鳥淵医師は、机の上に置かれているカルテを見つめたー

”峰原 星花”

下校中に、男に皮にされて、乗っ取られてしまった、
哀れな女子高生ー。

その、フルネームが、カルテに記載されていたー。

そして、
乗っ取られた星花は、
翌日のクリスマスに、”親友”を呼び出したー。

”最近、星花、変だよ!?”と、やたらと心配してくる
面倒臭い親友ー”紗愛”の、星花に対する疑いの気持ちを消すためにー

その日ー
2019年のクリスマスの日ー
乗っ取られた星花は、親友の紗愛に”鳥淵医師”が作った薬を盛ってー
紗愛の記憶に”靄”をかけたー

紗愛は”星花の様子がおかしくなった”ということを忘れー、
星花に対して、何の疑いも抱かなくなったー。

全てを終えた星花は、微笑むー

「ーーーこれで、俺は完璧な女子高生だー」

そう呟くと、老婆から貰った薬を飲みー
男は、自分が自分であったことを忘れー
代償として、星花の記憶を全て受け継ぎー

”わたしは星花”
と、しか、自覚できなくなったー。

男は、自分のクソみたいな人生を忘れー
星花そのものになったのだー。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

あれから2年ちょっと。

「今年もよろしく~!」
年明け後、最初の大学で、星花が紗愛に
嬉しそうに声をかけるー。

紗愛が微笑みながら、それにこたえるー。

紗愛の健康診断での”奇妙な結果”は、
2年前、男に皮にされた星花に薬を盛られたことによる
副次的な作用ー。

命に別状はないがー
あの時、盛られた薬の影響で、
心電図や脳の検査などに、微かなノイズのようなものが
入り込んでいる状態ー。

「ーーあ、そういえば、冬休み中に…」
そんなこと、夢にも思わず雑談を続ける紗愛ー。

星花は、そんな紗愛の話を聞きながら
「あ、わたしも!」と笑いながら返事をするー。

今の星花は、星花本人ではないー。
”男に皮にされて乗っ取られた星花”だー

本物の星花は、眠らされたままー。

しかしー
既に男は、自分が自分であったことを完全に認識できておらず、
自分を星花だと思い込んでいるー。

そんな星花に当時、疑問を抱いていた紗愛も、
今はその記憶を消されて、星花に何の疑問も抱いていないー。

二人は、それぞれの身に起きた真実を、知らないー

このまま、ずっと知らないままかもしれないー

けれど、その方が、二人にとって、幸せなことなのかも、しれないー…。

おわり

・・・・・・・・・・・・・・・・

コメント

①から出ていた「男が女子高生を皮にする描写」は
”そのころ別の場所で”ではなくて、”過去のお話”の描写でした~!

お読みくださりありがとうございました!!

皮<奇妙な検査結果>
憑依空間NEO

コメント

タイトルとURLをコピーしました