<憑依>☆500万アクセス記念☆引き裂かれた僕と幼馴染の絆①

(※本日の通常更新「奇妙な検査結果①」は既に掲載済みデス!この記事の2個下にあります)

憑依空間が累計500万アクセスに到達しました!

2017年にサイトを始めた当時は、
まさかこんなに皆様にご覧いただけるとは
夢にも思っていませんでしたし、
こんなにたくさんの作品を書くことになるなんて、
夢にも思っていませんでした!

ここまでたどり着くことができたのは、
皆様のおかげデス!
本当にありがとうございます☆

これからも、毎日皆様に新しいゾクゾクをお届けできるように
頑張ります~!

次の大きな目標は、1000万アクセスですネ…☆!

500万アクセス達成記念として、
新作の憑依小説もご用意しました!

私の作風をたっぷり詰め込んだ
憑依空間の王道的な作品デス!

ぜひお楽しみください~!

ではどうぞ!☆

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

とある学校の教室では、いつものように
穏やかな日々が流れていたー。

「さて、昼休みだ~」
男子高校生の西川 伸吾(にしかわ しんご)が、
嬉しそうに弁当箱を開くー

だが、

伸吾はこっそり弁当の野菜を端に避けている。

「あ~!いけないんだ~!」

笑いながらやってくるのは、
伸吾の幼馴染で、
ちょっと頼りない伸吾のことを
弟のように可愛がっている女子生徒・
神谷 美咲(かみや みさき)ー。

「ま~た、野菜残そうとしてる~」

「な、なんだよ~!
 別にいいじゃないか~
 神谷さんには関係ないだろ~?」

伸吾が不貞腐れた様子で言うと、

「ふ~ん、じゃあ、わたしが貰っちゃおっかな!」

と、伸吾の弁当のプチトマトを食べる美咲。

「あっ…」
美咲の突然の行動に、少し戸惑いの表情を浮かべる伸吾ー。

「--ごちそうさま~!
 …って、何赤くなってるの?」

そんな伸吾を見て、美咲が少し不思議そうにしていると、
伸吾は少しだけ照れくさそうに答えるー。

「…え、、い、、いや、神谷さんが急に
 僕の弁当に手を出すから」

そんな、穏やかな昼休みを送っていると、
そこに、もう一人女子生徒がやってくたー

「ふふふ 今日も2人とも仲良しね~」

彼女は美咲の友人の馬淵 萌恵(まぶち もえ)ー
美咲とは大の仲良しで、美咲を通じて
伸吾ともある程度話をする間柄だー。

「か、からかわないでよ!も~!」
戸惑う伸吾ー

「ふふふふ…伸吾、すぐに赤くなるから分かりやすい~」
笑う美咲ー。

そんな会話をしながらー
弁当を食べ終える伸吾。

「は~…
 あ、職員室に呼ばれてるんだった!行かなくちゃ!」

「あ!わたしも、北森先生に呼ばれてるんだった!」
 一緒に職員室にいこ~♪」

担任の女性教師・北森先生に呼び出されていることを
思い出した二人ー

美咲は、ちょうどいいや、と伸吾を強引に連れて行くー

そんな二人が教室から出て行く光景を
見つめていた萌恵は、少しだけ不愉快そうな表情を浮かべたー…。

・・・・・・・・・・・・・

放課後ー。
学校の廊下ー

気の弱そうな男子生徒と、
ガラの悪そうな男子生徒が何やら揉めている。

「--今日も寝惚けたツラしやがって」
ガラの悪そうな男子生徒が、気の弱そうな男子生徒を睨みつける。

「や…やめてよ」
気の弱そうな男子生徒は、先ほど、昼休みに
楽しそうに話していた伸吾だったー。

「うじうじしやがって!
 見てるだけでイライラするぜ!」
そう叫びながら、伸吾の胸倉を掴んでいるのは
久保 卓夫(くぼ たくお)という名前の男子生徒だー。

「そ、そんなこと言われても」

悲痛な叫びをあげる伸吾ー。
そんな伸吾を、卓夫は容赦なく殴りつけるー。

「賞味期限切れの納豆みたいなツラしやがって!」

卓夫が今一度、伸吾を殴ろうとする。
そこに、美咲が通りかかる。

「ちょっと!やめなさい」

美咲の声ー。
伸吾は、弱り切った表情で美咲のほうを見つめるー。

「か、神谷さん…!」

伸吾の言葉に、伸吾のほうを一瞬だけ見て、
”もう大丈夫だから”と目で訴えると、
そのまま美咲は卓夫のほうを睨みつけたー。

「また伸吾をいじめてるの?
 いい加減にしなさいよ!」

気の強い美咲が言い放つー。

そんな様子に臆することなく、卓夫は両手を
動かしながらバカにした様子で言い返すー。

「おお~っと!これはこれは
 正義のヒーローのご登場ってか?」

とー。

美咲が不愉快そうに「ふざけないで…!」と、呟くとー

卓夫はしばらく考えてから

「ケッ!わ~ったよ!やめりゃいいんだろ、やめりゃ」

と、不貞腐れた様子で立ち去って行ったー。

「あ、、ありがとう…」
卓夫が立ち去って行ったタイミングで、伸吾が
お礼の言葉を口にすると、
美咲はすぐに穏やかな表情に戻って

「大丈夫?けがはない?」
と、伸吾のことを心配し始めたー

「う、うん…大丈夫。」

伸吾の方を見て美咲が微笑む。

「ちゃんと、伸吾もガツンと言ってやらなきゃ」

「そ、それは分かってるんだけど…」

気弱な伸吾は卓夫に強く言うことができない。
それは、いけないことだと分かりつつもー
どうすることもできないのだー

「……いつも迷惑がかけてごめん」
申し訳なさそうに呟く伸吾ー

そんな伸吾に、美咲は

「いいよいいよ!気にしないで!
 伸吾は何も悪くないから!」

と、優しく微笑みかけたー。

「…本当に、ありがとう」
伸吾の、心のからの感謝の言葉ー。

美咲も伸吾が無事だったことに、嬉しそうにしながら
時計を確認すると、

「あ、わたし、部活があるから
 もう行くね!」

と、手を振りながら立ち去っていくー

「うん。また明日」

伸吾は美咲の後ろ姿を見つめながら、

「(僕は神谷さんに助けられてばかりだ。
  僕も、少しは強くならないと)」

と、弱弱しく拳を握りしめたー。

伸吾はー
クラスの久保 卓夫にいじめられている。
きっかけは、隠れて煙草を吸っていた卓夫を
見つけた伸吾が、先生に報告したことだった

あの日以降、卓夫は伸吾を目の仇にして
いやがらせをするようになった。

クラスのみんなは、見てみぬふり、
伸吾は次第に、追いつめられていたー

そんな伸吾にとってー
幼馴染の美咲は、”最後の希望”とも言える
心の支えでもあったのだー。

・・・・・・・・・・・・・・・・

部活終了後ー

「ふ~…遅くなっちゃった!」

部活を終えた美咲は、充実した表情を浮かべながら
部室の外に出たー。

そこにー
伸吾をいじめている卓夫が待ち伏せするかのように立っていたー。

「よぉ」

突然、美咲に声を掛ける卓夫ー。
卓夫が待ち伏せしていたことに少し驚く美咲。

「わ、わたしに何か用なの?」
驚きながらも、美咲はいつものように卓夫に敵意を
向けながら、卓夫のほうを見つめるー。

すると、卓夫は不気味な笑みを浮かべたー。

「ふへへ…俺に力を貸してくれないか?」
とー。

その言葉の意味が分からず、
「力…?どういうこと?」と聞き返す美咲ー。

美咲の言葉に卓夫は”当たり前”と言わんばかりに

「あのヤローを地獄に突き落とす手伝いだよ。」

と、堂々と答えるー。
その表情には、何の迷いも見られないー

その言葉に、美咲は怒りを感じて卓夫に向かって言い放つー。

「…また伸吾のことをいじめるつもり?
 いい加減にしなさいよ!」

美咲の口調には、強い怒りが込められていたー

「まぁまぁ、そう言うなよ。
 俺のことチクったアイツが悪いんだぜ」

そんな美咲の怒りを揶揄うようにして笑う卓夫ー。

「校内で煙草吸ってたあんたが悪いんでしょ!」

正論をぶつけられた卓夫は、思わず舌打ちをするー。

「これ以上、伸吾のこといじめるつもりなら
 わたしにも考えがあるからね!」

怒って立ち去ろうとする美咲ー。

「なぁ、俺と一緒にアイツをいじめようぜ!」
そんな美咲に対して、卓夫は、折れることなく
言葉を続けたー

その言葉に立ち止まる美咲。

「ふざけないで!誰があんたなんかと…!」

卓夫はおかしいのだろうかー。
美咲が伸吾いじめに加担するなんて本気で思っているのだろうかー。

美咲はそんな疑問を感じながらも、
”不気味さ”を覚えながら卓夫のほうを見つめるー。

「---くくく…イヤでも協力してもらうぜ」
不気味な笑みを浮かべながら近づいてくる卓夫。

”い、いったいどういうこと…?”
流石の美咲も戸惑うー

どうやって”嫌でも協力してもらう”というのかー
そんな風に思いながら美咲が身構えているとー
卓夫は、突然美咲にキスをした。

「んぐっ!?!?」
思わず変な声を出してしまう美咲ー

そんな美咲を見て、卓夫は一旦唇を離すと、

「お前の身体…いただきま~す」
と、不気味な笑みを浮かべてからー
もう一度キスをしたー

「ひっ…!?な、、何かがわたしの中に…」
美咲は、生まれてから今まで感じたことのないような
不気味な違和感をその身で感じるー

卓夫はキスを繰り返しながら
唇を離したタイミングでイヤらしい笑みを浮かべるー

「--お前のその綺麗な手で、、、
 あいつをいじめるんだ…くくく…」

光のようになって、美咲の中に入り込んでいく卓夫―。

「う…ううう…」
卓夫の姿が消えー、残った美咲は一人、苦しそうに手を動かすー

「や…やめて……し…しんご………」

意識が何かに飲まれていくー
そんな感触を覚えながら、美咲はやっとの思いでその名前を呟いたー

そしてー

「……ふ、、ふふふふ……

 あははははははははは!
 憑依完了~…!」

涙を流したまま笑う美咲。

「まさか本当に、人の身体を奪うことができるなんて…
 ふふふ…うふふふふふふ…」

涙を流しながら、不気味な笑みを浮かべて
胸を触りだす美咲ー

「ふふふ…お前の身体は俺のものだ…!」

勝ち誇ったようにそう宣言した
美咲はニヤニヤしながら
ゆっくりと歩きだすー。

「---しんご~?
 わたしが、たっぷりいたぶってあげる…!
 くくくくくく…」

歪んだ笑みを浮かべている美咲にー
さっきまでの美咲の面影は、もうなかったー。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

翌日ー

登校し、教室にやってきた伸吾。

伸吾は、不良生徒・卓夫の机を見つめるー。
今日は、卓夫は欠席のようだー。

不良の卓夫は、よく学校を休む。
こんなことは、日常茶飯事だ。

(ホッ…今日は休みか…
 こう言っちゃ悪いけど
 いない方が安心するなぁ)

伸吾はそんな風に安堵の表情を浮かべるー。
そして、
自分の机の方に歩いていく伸吾。

「神谷さん、おはよう!」
自分の机に向かう最中に、
伸吾はいつものように挨拶をする。

だがー

「……何?気安くわたしに話しかけないでくれる?」

美咲は心底うんざりした様子で、伸吾にそう言い放ったのだー。

「え…」
驚いて、声が出ない伸吾。

「…何そのカオ?うざいんだけど?」
美咲は舌打ちしながら呟くー。

「え、、ご、ごめん…」

思わず謝ってしまう伸吾を見て
美咲は苛立った様子で言う。

「--今まで伸吾のこと守って来たけど、
 なんだかバカらしくなってきちゃった」

美咲が少しだけ笑うー。

同じ美咲の笑みでもー
いつもの笑みとは、まるで違うー。

「…え…ど、どういうこと…?」
伸吾は戸惑いの表情を浮かべるー

美咲の雰囲気が、いつもと違うー。

美咲は鼻で笑うと、続けたー

「ーーーわたし、気づいたの…
 いじめられてるのは、あんたが悪いからだって」

信じられない言葉ー

「…ど、、どうして…?」
伸吾は、思わず震えてしまうー

「くくく…
 これからは伸吾、あんたのこと、わたしが
 た~っぷりいじめてあげる…」

美咲とは思えないような言葉が続くー

伸吾はたまらず叫ぶー。

「……か、、神谷さん…き、急にどうしたの…?」

パチン!

美咲が伸吾をビンタしたーー

「うぜぇんだよ!」
美咲の声が教室に響き渡るー

「…!!」
伸吾はショックと驚きを同時に味わいながら、
まともに反応することすらできずー
泣きそうな顔で美咲を見るー。

緊張が走るー。

その緊張を破ったのはー
美咲の親友の萌恵だったー。

「おっはよ~!どうしたの~?」
何も知らずにいつものように美咲に話しかける萌恵ー。

「なんでもない。いこっ」
美咲は、萌恵に対する態度は変わらずー
自分たちの座席の方に向かって行くー。

「ど…どうしちゃったんだ…神谷さん…」
一人残された伸吾は、ただただ唖然とすることしかできなかったー。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

1時間目終了後ー

美咲は、女子トイレにやってきていたー。
その表情には、いつものような穏やかな笑みではなく、
邪悪な笑みが浮かび上がっているー。

「くっくくくくく…
 あぁ、たまんねぇ…」

一人、鏡の前で笑う美咲。

「いつも自分を守ってくれてる幼馴染が
 急にあんなこと言ったらびびるよなぁ~ 
 くくくくく」

鏡の前で美咲は興奮気味に微笑む

「あぁ…わたしが伸吾をいじめちゃうなんて…
 くふふ…したくもないことをさせられちゃってるなんて…
 あぁぁ…興奮しちゃうぅ…うふふふふふふ…」

しばらく興奮して、身体を撫でたり
弄んだりしている美咲

「はぁ…はぁ」
やがてー
笑みを浮かべると、美咲は呟く。

「さぁ~て、あのヤローに地獄を
 見せてやる前に、もう少しからかってやるか…」

その声は、確かに美咲の声でありながらー
まるで、別人のような邪悪さが込められていたー。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「次の授業は美術か…」
朝の美咲とのやり取りで落ち込んでいた伸吾ー。
だが、授業を受けないわけにもいかず、
なんとか平静を装い、普段通り生活していたー。

3時間目の授業は美術ー

美術室に向かおうと準備する伸吾の背後から
美咲が不敵な笑みを浮かべたー。

「…ふふふふ」

美咲は、伸吾の方を見ながら笑みを浮かべる。

「あ…あれ?美術道具がない!」

美術室に早く移動しないといけないのに、と
焦りだす伸吾。

「あれぇ~?どうしたの~?」

嫌味っぽく尋ねる美咲。
その表情には”嫌味っぽさ”が滲み出ているー。

「あ、、か、神谷さん…
 僕の美術道具、知らない?」

それでも伸吾はー
いつものように、美咲に話しかけたー

”朝は機嫌が悪かっただけだー”
そう、信じてー

けれどー
そんな伸吾の”希望”は打ち砕かれてしまったー。

「ふふふふふ…
 あれのこと~?」

美咲が笑いながら指をさしたその先にはー
教室にあった金魚鉢の中に沈んでいる
美術道具があったー

「な、、、なんであんなところに!」

伸吾が叫ぶ。

「--んふふふふふ…
 このままじゃ遅刻ね~?

 ばいば~い!」

笑いながら立ち去って行く美咲。

「か、、神谷さん!
 き、今日、朝から変だよ!」

教室から出て行こうとした美咲に向かって叫ぶ伸吾。

「……」

その言葉にー
立ち止まる美咲。

「ぼ、僕が何か悪い事したなら謝るから…!」

伸吾の言葉に、美咲は舌打ちして、
背を向けたまま「うぜぇんだよ」と呟いて
そのまま立ち去ってしまったー。

一人残された伸吾は、唖然とするー

「神谷さん…ぼ、僕…何かした…?」

とー。

どんなに考えてみてもー
どんなに思い出してみてもー
自分が、美咲に何かしたとは思えないー。

そんな風に考えながらー
水槽に手を突っ込んで
美術道具を取り出した伸吾は
美術室に走るー。

しかしー
美術の授業には間に合わず、遅刻してしまったー。

美咲がいじわるそうな笑みを浮かべている。

「--あら…西川くんが遅刻なんて珍しいわね」
担任であり、美術担当の北森先生が言う。

「す…すみません」

伸吾は美咲のことは言わず、
全て、自分の中で飲みこんだ。

「…これからは気をつけるのよ」

「すみませんでした」

先生に深々と頭を下げると
伸吾は美術室での自分の座席に向かう。

いつも優しい北森先生も
普段遅刻しない伸吾が遅刻したことで
違和感を感じているようだ。

まだ若い北森先生は、
男子生徒からの人気がとても高い。
先生はあまり多くを語らないけれども、
現在は”独身”であると噂されている。

「あれぇ~?ちこく~?」

美咲が声をかけてくる。

「………」
伸吾は、どう答えていいか分からず、思わず”沈黙”したー。

「あら?何か言いたげね?
 文句があるなら言ってみろよ」

乱暴な口調で机を軽く叩く美咲ー

「……いや…」

伸吾はそれだけ言うと、悲しそうな表情をしながら
そのまま自分の座席についた

「あ~…ウゼェ…
 そういうところもうぜぇんだよ…」

伸吾のほうを睨みながらー
美咲はボソッと呟いた。

顔は同じなのにー
まるで別人のように、鋭い目つきで伸吾を睨む美咲にー
いつもの美咲の面影など、無いに等しかったー…

②へ続く

・・・・・・・・・・・・・・・・・

コメント

長いので、3日間に分けて掲載していきます~!☆

通常の更新も当然行いますので、
今日から3日間は、毎日2作品、新作をお送りします~!

コメント