憑依能力を武器に戦う
正義のヒーロー”ポゼレンジャー”
他人に変身する力を持つ悪の組織
”ディープサタン”との戦いの行方は…?
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「---くそっ!」
戦闘員たちに囲まれて舌打ちしている
悪の怪人、ボムヘラクレス。
「お前ら!クソ!この無能が!」
戦闘員たちに囲まれたボムヘラクレスは、
戦闘員たちにそのまま攻撃されて
悲鳴を上げる。
そして、戦闘員の一人が、ボムヘラクレスに強烈な
キックを食らわせて、ボムヘラクレスは吹き飛ぶー
そのまま、苦しそうにうめくと、
倒れたボムヘラクレスは大爆発を起こして最後を遂げたー
「--よし。俺たちの勝利だ」
戦闘員の一人が言うと、
その戦闘員はそのまま倒れたー。
戦闘員たちが倒れると、
そこに5人のヒーローが姿を現した。
憑依戦隊ポゼレンジャー。
憑依能力を駆使して、
悪の組織”ディープ・サタン”との戦いを続ける
ヒーローたちだ。
5人の戦士たちが、本部へと帰還する。
1年前ー
突然、異次元から時空を切り裂いて出現したのが
悪の組織”ディープ・サタン”だった。
他人に変身する能力を持つディープサタンは、
人間に変身し、成りすまし、各自で悪事を働き
人類を混乱に陥れた。
そんなディープサタンに対抗するべく
結成された国際組織”R・S”
R・S日本支部は、
各地から生まれつく特殊な力を持つ人間を集め、
憑依戦隊ポゼレンジャーを結成したのだった。
「ご苦労だったなー」
鋭い眼光を持つR・Sの司令官
ジェームズが5人のヒーローを見つめて呟く。
「-ーいえ、平和を守るためですから」
ポゼレッドこと、
万代 卓三(ましろ たくぞう)が頭を下げる。
現役の大学生で、正義感の強い若者だ。
「--今日も、大活躍だったよね!」
ポゼピンクこと、
現役の女子大生・浜野 美咲(はまの みさき)が
ほほ笑むー
美咲や、卓三と同世代ということもあって仲が良い。
行方不明の兄を探しながら、戦いと女子大生の両方を
続けているー
「--いつもいつも美咲ちゃんはレッドのやつばっかり!」
かっこつけのフリーター、
ポゼブルーこと、村谷 武(むらや たけし)
「--あたしだって活躍したもんね~!」
ポゼイエローこと、笹井 明日香(ささい あすか)。
元気な女子高生でおしゃれ好きだ。
「--おい!お前ら、指令の前だぞ!」
ポゼグリーンこと、最年長のおじさま、立花 道治(たちばな みちはる)
5人は、今日も、
ディープサタンの悪の怪人を倒し、
戦果を報告していた。
「--それでー…
君たちに重要なお願いがあるのだがー」
司令官のジェームズが呟く。
「--クレア。説明を」
ジェームズがそう言うと、側近の句jレアが
説明を始めた。
ブロンドの美女だ。
元々はモデルとして活躍していたのだという。
「-ディープサタンのアジトの一つを突き止めた。
そこに奴らの幹部、マッド・マンティスが
潜んでいることも既に調査済みだ。
君たちには、ディープサタンの戦闘員に憑依して、
マッド・マンティスのいるアジトに潜り込み、
倒してもらいたいー
これは我々にとって大きなチャンスだ。
幹部を倒すことができれば
大きな前進となる」
アジトの場所や、
マッド・マンティスのデータが表示される。
マッド・マンティスは、北米支部の特殊部隊を
一夜にして壊滅させた、敵の幹部だ。
決行は二日後ー
「-分かりました」
ポゼレッドこと卓三が返事をする。
そしてR・S日本支部の本部から出る。
「大丈夫かなぁ…」
ポゼピンク・美咲が不安そうに呟く。
「大丈夫さ…俺たちは負けない」
ポゼレッド・卓三が呟く。
今までも自分たちは
ディープ・サタンとの戦いに勝利してきた。
今度も、負けはしない。
「----」
ポゼレンジャーたちが立ち去った
ディープサタンの本部では、
司令官のジェームズが意味深な笑みを浮かべていたー
「ポゼレンジャー…
彼らのような”戦隊ごっこ”をしてくれるやつらがいると
我々としても、好都合だな」
「そうですね」
側近のクレアも笑みを浮かべるー
「--彼らは駒に過ぎない。
我々が開発中の新兵器
”次元爆弾”が完成したら
ディープサタンなど、木っ端みじんだ。
彼らごと、ディープサタンを
次元の彼方へと葬ってくれるー」
ジェームズ司令官は、笑みを浮かべたー
・・・・・・・・・・・・・・・・・
「---」
大学ー
食堂のおばちゃんのラーメンを食べる卓三。
明日はポゼレッドとしての大仕事だ。
今日は食堂のおばちゃんが無料で
大盛にしてくれた。
おばちゃんのためにも、
明日は勝たなくてはいけないー
・・・・・・・・・・・・・・
「--兄さん…」
ポゼピンク・美咲は、
自宅で兄の写真を見つめる。
行方不明の兄ー
いつか、必ず見つけて見せるー
おしゃれな美咲は、
ヒーローとして戦いつつも
女としての自分も捨てていないー
「---」
部屋に飾られている仲間たちの写真を見つめるー
ポゼレッド・卓三を見て
顔を赤らめる美咲ー
美咲は、ポゼレッドのことが好きだったー
・・・・・・・・・・・・・・
「くっそ~!」
スロットで大負けして発狂する
ポゼブルー・武。
帰りにカップラーメンを買って
実家に帰る。
彼は今日も平常運転だー。
・・・・・・・・・・・・
「え~ずる~い!あたしも欲しかった~!」
ポゼイエロー・明日香はいつものように
友達と戯れているー
普段は普通の女子高生ー
・・・・・・・・・・・・・
バーを経営している
ポゼグリーンは、今日もいつも通り、
バーで、お客さんと話していたー
そしてー
ディープ・サタンの幹部マッド・マンティスが潜む
アジトを襲撃する日がやってきたー
変身した
ヒーローたち5人。
ポゼレンジャーたちは
ディープサタンの戦闘員5人に憑依するー
憑依した5人は、
戦闘員としてアジトの中に潜り込むー
中ではー
鋭いカマを持つ怪人、マッド・マンティスが
テレビを見ながら笑っていたー
「ははは!クリスマスに鮭って何言ってんだこいつ!」
ヒーローものを見ながら笑っている
マッド・マンティスー
そこに、憑依された5人の戦闘員がやって来るー。
ポゼレンジャーの憑依能力は、
怪人たちには通用しないがー
戦闘員に憑依することで、
こうして潜入や諜報活動に使われているー。
「貴様ら…まさか!」
巨大なカマを振り上げる
マッド・マンティスー
「よくわかったな!」
ポゼレンジャーたちが戦闘員の身体から抜け出すー
レッド
ピンク
ブルー
イエロー
グリーン
5人がそろうー。
「出たなポゼレンジャー!」
マッド・マンティスが叫ぶー
相手は北米の特殊部隊を一夜で壊滅させた
危険な相手だ。
ポゼレンジャーたちが
警戒しながら戦いを始める。
笑うマッド・マンティス。
巨大なカマがヒーローたちに襲い掛かる。
それを回避する5人。
レッドが肉弾攻撃を仕掛ける。
吹き飛ぶマッド・マンティス。
「---このヤロー!」
マッド・マンティスが、カマからレーザーのようなものを放つー
それを、グリーンがバリアで防ぐ。
サポート専門のグリーンが頷く。
「えいっ!」
ピンクが魔法攻撃を繰り出すー。
「くらえ!」
イエローが武器としている鞭で攻撃する。
吹き飛ぶマッド・マンティス。
「俺もいいところを見せるぜ~!」
ブルーが剣で攻撃。
追い詰められたマッド・マンティスが羽を広げて
空を飛ぶー
しかしー
空を飛んだマッド・マンティスの目の前に
レッドがジャンプしていたー。
「ポゼキック!」
強烈なキックを喰らい、マッド・マンティスは断末魔の悲鳴を上げてー
そのまま爆発したー
ポゼレンジャーの5人は、
幹部、マッド・マンティスの最後を見届けて一息つく。
「みんな、無事か?」
ポゼグリーン=道治が、他の4人の身を案じる。
レッドもピンクもイエローも頷く。
そして、ブルーが笑みを浮かべた。
「ははっ!敵の幹部を倒したからって
みんなで逆立ちするなんて、
ずいぶんノリノリじゃねぇか」
ブルーが言う。
だが、他の4人は笑っていない。
「--え?」
ブルーがおかしいと気づくー
そして、ブルー=武の意識が途切れたー
「---きゃああああああああああ!」
現役女子高生のイエロー=明日香が悲鳴を上げる。
ブルーの首が跳ね飛ばされてー
床に逆さ向きになって落ちていたー
ブルーが”仲間が逆立ちしている”ように見えたのは、
仲間が逆立ちしているのではなく、
自分が、自分の首が逆さ向きになっていたのだー
「----」
闇を纏う剣士がブルーの背後から、
ブルーを一瞬で始末してしまったー
「--お、お前は!」
レッド=卓三が叫ぶと、
闇の剣士は言った。
「我が名はディープ・サタン 4大幹部の一人、ダークナイトだ」
闇の騎士はそう言うと、
ポゼレンジャー4人めがけて突進してくるー
「下がってろ!」
グリーンがバリアを張るー
レッド、ピンク、イエローの3人がグリーンの背後に隠れる。
「---」
レッドに隠れるようにして怯えるピンク=美咲。
「大丈夫」
レッド=卓三は、優しく微笑む。
今までどんな困難にも立ち向かってきたー。
自分たちがまけることはないー。
パァン!パァン!パァン!
銃声が響くー
「--がぁっ!?」
グリーンのバリアが、貫かれて、
グリーンが倒れるー
人間の姿に戻ったグリーン=道治を
ダークナイトが容赦なく串刺しにするー
「いやああああああああああ!」
現役女子高生のイエロー=明日香がパニックを起こして逃げ出すー
「--俺の後ろに!」
レッド=卓三はあくまでも冷静だった。
だがー
返事がない。
「--!?」
レッドが振り返ると、
そこには、巨大な大男がいたーーー
大男がー
人を食っているーーー
ピンクを…食っているー
変身が解除された状態で、
大男の口からはみ出た
綺麗な生足がじたばたしているー
ピンクは既にー
足以外を食われていた。
「うわああああああああ!」
レッドが大男に挑もうとするー
しかしー
ダークナイトに一刀両断されー
レッドは、真っ二つになって崩れ落ちるー
「----た…助けて…」
イエロー=明日香は、
ぶるぶる震えながら呟く。
そこに、さらに2人の怪人が現れて、
大幹部3人と怪人2人に囲まれるイエロー。
そしてー
大幹部たちがそれぞれ
レッド=卓三、ブルー=武、ピンク=美咲の姿に変身するー
怪人がグリーン=道治とイエロー=明日香に変身するー
「--あっはははははは!
これからはわたしたちが
正義のヒーローになってあげる!
くくく…
正義のフリをした悪のヒーローにね…!」
美咲の姿をした大幹部が
悪い笑みを浮かべて笑うー。
容姿も、声も、美咲本人にしか見えない。
「---命乞いしたら、助けてあげるわよ?」
偽明日香が笑う。
本物の明日香は「助けてください!お願いします!」と
泣きながら叫んだー。
「--くくく…」
偽卓三が、不気味に笑うと、
命乞いをする明日香を容赦なくーー
貫いたー
動かなくなった明日香を見つめる
5人の偽ヒーロー
「--くくく、ヒーローをおびきよせて始末し、
我々がこいつらに変身して
人間たちを混乱に陥れる計画…」
ピンク=美咲の姿に変身した
リーダー格のダークナイトが叫ぶ。
「--さぁ、楽しいヒーローごっこの始まりだー」
美咲は、本人が絶対に浮かべなかったであろう
邪悪な笑みを浮かべて、
他の4人と共に歩き出したー
②へ続く
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
コメント
他者変身モノなので、
憑依能力を持つヒーローたちは
早々にご退場…
正義の味方5人に変身して、成りすました
悪の組織が暗躍していくお話デス~!
続きは明日をお楽しみに!
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