<他者変身>憑依戦隊ポゼレンジャー②~暗躍~

悪の組織ディープサタンは人間界に
潜り込み、暗躍していくー。

”変身能力”を持つ悪の組織の恐怖は
知らぬうちに拡散していたー。

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国際組織R・S日本支部本部ー。

そこに、憑依戦隊ポゼレンジャーが帰還した。

レッド=卓三
ブルー=武
ピンク=美咲
イエロー=明日香
グリーン=道治。

5人の帰還に司令官のジェームズは笑みを浮かべた。

「ご苦労だったな」
ジェームズ司令官は、5人にそう語り掛けると
内心で笑うー

”もうじき、秘密兵器の次元爆弾が完成する。
 そうなれば、こいつらは用済みだー”

次元爆弾ー。
別世界へと飛ばす次元の歪みを
爆発によって作り出し、
ターゲットを別次元へと葬り去る秘密兵器だ。

それを用いて、
悪の組織ディープサタンを
別次元へと葬り去る。

それにより、戦いは、終わる。

世の中の裏を知りすぎている
秘密戦隊ポゼレンジャーの5人も口封じのために、
まとめて別次元へとー

「--!?」
ジェームズ司令官が
表情を歪めた。

「わたしぃ~!
 おじさまみたいな人、大好きですぅ~!」
ピンク=美咲が突然、ジェームズ司令官にキスをし始めたのだ。

「な!!何をする!離れたまえ!」
ジェームズ司令官が叫ぶ。

「--いやですぅ~!
 エッチしたいんですぅ~!」
美咲が馬鹿にしたような言い回しで叫ぶ。

「--な、なんだと!?離れたまえ!」
ジェームズ司令官はもう一度叫ぶ。

この美咲という女は、
落ち着いた雰囲気で、頭の良さそうな現役の女子大生だ。
こんなことをする女ではないはずー

ジェームズ司令官がそう思いながら
他の4人のほうを見るー。

だがー
他の4人も美咲の行動を止めるつもりはなさそうで、
ニヤニヤしながら
その光景を見つめていたー

「--!?!?!?」

レッド=卓三が
近づいてきて、剣を取り出す。

「--な、何をする!?」
ジェームズ司令官が叫ぶ。

そして、慌てて非常ボタンを押す。

だがー

「誰も来ませんよぉ~!」
イエロー=明日香が笑いながら言う。

そしてー
後ろに持っていた何かを取り出したー

ジェームズ司令官の側近女性ー
クレアの首をー。

クレアの首を放り投げる明日香。

「--お前たち!何をしているのかわかっているのか!」
ジェームズ司令官が叫ぶ。

「---指令こそ、
 目の前にいるのが、誰だか、分かっているのか?」
ブルー=武が笑みを浮かべるー

そしてー
ポゼレンジャーに変身している5人の怪人が
姿を現したー

「------!!!!」
ジェームズ司令官が表情を歪めたー

「本物のヒーローたちは、
 とっくにあの世に行った」

ピンクに変身していた
怪人たちの幹部、ダークナイトが呟く。

そしてー
その剣でジェームズ司令官を切り裂いたー

・・・・・・・・・・・・・・・・

「---くくく、これが人間どもの飯か」
卓三が、大学の食堂で笑みを浮かべているー

卓三に変身している
大男風の怪人が、卓三のフリをして
大学に潜り込んでいたー

「あらぁ、無事で何より」
食堂のおばちゃんが笑う。

「あぁ、無事に帰ってきたよ」
意味深な笑みを浮かべる卓三。

「じゃ、勝利のお祝いに、
 今日もラーメン大盛にしてあげる!
 わたしの驕りさ!」

食堂のおばちゃんが笑う。

「---ふふ、、どうも」
卓三がラーメンを受け取りながら笑い、
そしてー
呟いたー

「おばちゃん…うまそうだな」
とー。

「-え?何を言ってるんだい~?
 ははは」

笑うおばちゃん。

そしてー
その夜ー

「--ひ、、やめておくれよ!
 ひっ…!」

おばちゃんは逃げていたー

卓三からー

無言で笑みを浮かべて
おばちゃんを追い回す卓三ー

卓三ことレッドはー
もう、”現役大学生の好青年”ではない。

本人は、もうこの世にはいないー

卓三からー
大男の姿になるー。

ディープサタンの大幹部であり
大男が、悲鳴をあげるおばちゃんを
わしづかみにして、そのまま
頭から口に放り込みー
丸飲みしたー

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「--んふふふふふふふっ♡」
美咲=ピンクは、
大学にも行かず、エッチなコスプレ衣装を
大量に購入してきて、
自撮りを繰り返していたー

ポーズを決める美咲。

本物の美咲はこんなことはしない。

「人間どもは、愚かだー」

その写真をネットにUPしていくー

すぐに大量の反応が返ってくるー

悪の女幹部のような恰好をした美咲は、
笑うー

「少し、人間どもで、遊んでやるかー」
椅子に座って
悪女のような座り方をすると
美咲は大声で笑い始めたー

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「ーーくくくくくく」
武に変身している怪人はー
武の実家で両親を始末したー

「ダメ息子が、本当のダメ息子に
 なっちゃったなぁ、ケケケ」

家に駆け付けた近所のおばさんも始末する武ー。

「くくく…
 正義のヒーローが、
 人々を始末するなんて…笑えるぜ」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

悪の組織、ディープ・サタンの下級怪人が
暴れているー

怪人から逃げる子供ー。

そこに
道治ことグリーンがやってくる。

頼れるおじさま風の道治。

「--お、、おじさん!助けて!」
子供が悲鳴を上げて道治に縋りつく。

「--ふふふ。そうだな。
 助けてあげよう」

道治はそう呟くと、
子供を車に乗せた。

「--おじさん、ありがとう」
子供がお礼を口にする。

そんな子供に対して、道治は
笑みを浮かべると、
「実はね、おじさんはポゼレンジャーの一人なんだ」と
笑いながら呟き、
目の前でグリーンに変身してみせた

「わぁぁぁぁ!すごい!」

憑依戦隊ポゼレンジャーの存在は
一般の人たちも知っている。

誰がポゼレンジャーなのか、ということは
知られていないものの、
ディープサタンと戦うヒーローの存在は
子供たちも当然知っているのだ。

目の前にいるおじさんが
ポゼレンジャーの一人だと知り、興奮する少女。

だがー
目の前にいる道治=グリーンは
ディープサタンの怪人が変身した偽物だー。

グリーンの運転する車が、止まるー

そこはー
ディープサタンのアジトだった。

「さ、もう怖がらなくていいよ」
道治がそう言うと、
少女は周囲を見渡す。

「おじさん?ここ、どこ?」

ーーー

道治はにっこりとほほ笑んだ。

「ここはね。ディープサタンの本部だ」

とー

少女の表情から笑みが消えてー
恐怖の表情が浮かび上がるー

「くくくくくくくく、いい顔だぁ!」
道治が笑うー

「--ひっ!?」
少女が、ディープサタンの戦闘員たちに拘束されるー

そしてー

そのまま少女はディープサタンの洗脳装置によってー
”洗脳”されてしまったのだったー

・・・・・・・・・・・・・

「---あっ♡ あっ♡ んあぁぁぁぁ♡」

夜の街ー

女子高生の明日香はー
その身体で男を誘惑しー
お金を荒稼ぎしながら楽しんでいたー

「はぁ…♡ はぁ…♡ 
 人間の身体って、、さいこうぅぅ♡」
明日香は乱れ切った格好で
笑みを浮かべるー

このゾクゾクは
怪人の身体では味わえない。

明日香はゾクゾクを感じながら
たまらなくなって自分の手を
べろべろと舐め始めたー

「あぁぁぁぁああ…最高だぁ…♡
 これが、、人間の身体ぁ…♡」

一緒にいたおじさんがつぶやく。

「人間の身体?」

不思議そうな表情を浮かべているおじさん。

そんなおじさんに向かって、
明日香は銃を突きつけたー

銃使いの大幹部は、明日香に変身しー
男遊びを繰り返しては、
相手の男を始末し、人間の数を減らし
そして、金も奪っていたー

・・・・・・・・・・・・・・・

ポゼレンジャーは、
ヒーローという立場を利用して
ヒーローの姿で悪事をこなし、
それぞれの人間体で
私利私欲の限りを尽くした。

集まる5人ー

「はっはははははは
 ヒーローってのは楽しいなぁ!」

レッド=卓三が笑みを浮かべる。

「くくくくくく…」
ピンク=美咲が、悪の女幹部のような
格好で不気味な笑みを浮かべるー

ヒーローの姿で人間たちに
近づくだけで、人間たちはいとも簡単に
言うことを信じる。
悪事も簡単に行うことができる。

「-この調子で人間界をもっと混乱させてやろう」
グリーン=道治が呟く。

「まさか、こいつら、自分たちの姿が
 悪事に利用されるなんて
 思ってなかっただろうなぁ」
イエロー=明日香がゲラゲラと笑う。

本当の5人はもういないー
5人の姿に変身した悪魔が、
悪事を繰り返し続けているー

次第に、混乱は拡散されていく。
憑依戦隊ポゼレンジャーの仕業であると
人々は気づけないまま、
混乱は深まりー
失踪する人間も増えたー。

だが、5人は私利私欲に走りすぎた。

次第にー
”最近のポゼレンジャーはおかしい”という
噂が流れ始めた。

「--さすがに人間たちも気づき始めたようだな」
ブルー=武が呟く。

人間たちも、ポゼレンジャーの異変に
気付き始めたようだ。
平和を守るために戦っているのではなく、
裏で悪事を繰り返している、という
噂まで流れ始めた。

「---…どうする?」
レッド=卓三が呟く。

元々、ヒーローに成りすましたのは、
司令部を抹殺するためだー
それが済んだ今、別にヒーローの姿を
している必要はないし、
ヒーローたちも始末できた今
大々的に侵略を開始してもいい。

しかしー

ポゼレンジャーに変身した
5人の怪人は
ポゼレンジャーに成りすましながら
送る日々が楽しくなってきていたー

人間体では人間として
遊びつくし、
ヒーローの姿になっているときは、
ヒーローという立場を利用して、
悪事を繰り返す。

そんな生活が楽しくなりつつあった。

「少しの間ー、ヒーローとして活動するか」
ピンク=美咲は、ニヤニヤしながらそう呟いたー。

・・・・・・・・・・・・・・

悪の組織ディープサタンの基地では、
ピンク=美咲が妖艶な格好で、
ディープサタン総司令に通信で報告していた。

「--我々が
 ヒーローとして人間界に潜伏するために、
 捨て駒の怪人を何体か使いたいのですが、
 よろしいでしょうか?」

美咲の言葉に、
ディープサタン総司令は通信で答えた。

”いいだろう…
 人間どもを信じ込ませるために、
 下級怪人を何匹か使うが良い”

威厳に満ちた謎の声ー。

その言葉に美咲は
跪いて「はっ」と返事をしたー。

その日からー
ポゼレンジャーは、”人助け”を始めたー

人間を欺くための人助け。

下級怪人・マンモスランドリーが、
子供たちを襲っている。

そこに駆け付ける5人のヒーロー。

「あ!ポゼレンジャーだ!」
喜ぶ子供。

「なにぃ!?」
下級怪人・マンモスランドリーが振り返る。

ポゼレンジャーの5人が
マンモスランドリーと戦う。

下級怪人のマンモスランドリーは
そもそも、自分の所属する組織の幹部たちが
ポゼレンジャーを殺し、変身し、成り代わっていることを知らない。

本気で相手がヒーローだと思い、戦い
マンモスランドリー。

そしてー

「ポゼキック!」
レッドのキックを喰らい、マンモスランドリーは爆発した。

「--ポゼレンジャー、ありがとう!」
子供たちが去っていくー

「バカなやつらだ」
イエローはそう呟いたー。

人助けを繰り返すポゼレンジャー。

こうして、人間たちは再びポゼレンジャーを
信じ始めるのだった。

③へ続く

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本物を始末して
ヒーローに成り代わった怪人たち…

次回が最終回デス~

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