別れたはずの元カノが、現在の彼女に憑依して、
彼氏を略奪しようとしたー。
あれから半月ー。
彼女を取り戻し、平穏な日々を送る二人に
”狂気”が迫りつつあったー。
リクエスト頂きました
元カノの報復の続編です。
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平穏な日々が続くー。
秋の気配が深まる中、
麻生 義信(あそう よしのぶ)と
彼女の倉橋 優奈(くらはし ゆうな)は
二人で大学の構内を歩いていた。
「--そういえば、来月、義信の誕生日だったよね?」
優奈が言う。
優奈は心優しい性格で、義信にとっても、
心から信頼できる彼女だった。
「--あぁ、そういえば、そうだな~」
義信が笑いながら言う。
今日も、優奈は綺麗なストレートヘアーを
なびかせ、清楚な雰囲気を漂わせているー。
半月前―。
彼女は、”豹変”したー。
義信には、元カノが居た。
同じ大学の坂野 理紗(さかの りさ)という女性。
ショートヘアーが似合う子で、明るく、元気な女性だった。
二人は、大学のサークルで出会って付き合い出した。
しかし、理紗は、次第に変わって行った。
義信を激しく束縛するようになり、、
DV気質であることが分かった。
それに耐えかね、義信は、理紗と別れたのだった。
理紗と別れてから3か月後。
義信が出会ったのが、今の彼女である優奈だった。
優奈は、理紗とは正反対の性格で、
心優しく、穏やかだった。
まさに、理想の彼女だった。
しかしー
義信を諦めきれない理紗は、優奈を襲撃し、
優奈に憑依した。
憑依された優奈は、理紗に意思を乗っ取られて、
理紗の意のままに、義信を束縛した。
しかしー
義信の熱意に優奈に憑依していた理紗は
「義信を自分に振り向かせることはできない」と判断して
優奈から抜け出したのだった。
既に、理紗の身体は死んでしまっており、
そのまま理紗は消えたーーー
かのように見えたー。
しかし…。
「--義信?だいじょうぶ?」
優奈が心配そうに尋ねた。
「ん?あぁ、大丈夫。
ほら、あの時のこと考えてて」
半月前に、優奈が憑依されていたときのことを
考えていた義信。
理紗は消えたー。
だが、義信には、あの理紗が、本当に諦めたのかと
心配を消せずにいた…。
そんな二人の様子を、少し離れた場所から
不気味に見つめる女子大生の姿があった。
「---義信…わたしのことを見てくれないなら…
地獄に落としてあげるーーー」
同じ大学の宮川 智香(みやがわ ともか)。
優奈の友人だ。
彼女はーー今、
理紗に憑依されている。
優奈から抜けた理紗は、そのまま成仏せず、
今度は、智香に憑依したのだった。
”振り向かないなら、
消してあげるー”
智香は不気味にほほ笑んだ。
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麻生 義信(あそう よしのぶ)
大学生。元カノのDVに悩んでいた。
坂野 理沙(さかの りさ)
義信の元彼女。DV気質の女性で、激しい束縛の末に、別れを告げられた。
憑依薬を使い、優奈に憑依したが、その際に、自分の身体は死亡してしまう。
倉橋 優奈(くらはし ゆうな)
義信の現在の彼女。心優しい性格。
理紗に憑依されてしまうも、解放された。
宮川 智香(みやかわ ともか)
優奈の友人。理紗に憑依されてしまう。
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翌日。
優奈が昼食を大学の食堂で食べていると、
友達の智香がやってきた。
元々、智香は比較的控えめだったはずだが、
最近は、生足を大胆に露出したショートパンツ姿だったりとか、
格好が派手になった気がする。
「--どう、彼氏と?」
智香が口を開いた。
ここのところ、智香の話題はそればかり。
今まではアイドルの話だとか、
他の友達の噂話とか、
好きな本についての話とか、
そういうことが多かったのに。
どうしたのだろう?
「--またぁ~?
そんなに義信のこと気になるの?」
優奈が苦笑いしながら言う。
「--ねぇ」
智香は、真剣な表情で続けた。
「ーーー義信くんと恋愛関係になれて、
調子に乗ってるんだと思うけどさ」
智香の突然の強い口調に、
優奈は戸惑った。
智香の中に潜む理紗は、智香に憑依してから
半月間、穏便に、優奈と義信を別れさせようとしていた。
しかし、
二人の絆は持ったよりも固く、
別れさせようとしても、別れなかった。
「--わ、私、別に調子に乗ってなんか」
優奈が困り果てた様子で言う。
「---これが”最後の通告”よ」
智香が、眼鏡を不気味に輝かせながら言った。
「--3日以内に、義信くんと別れなさい。
でなければわたしは、優奈の人生を
滅茶苦茶にする」
智香の鋭い目つきに、
優奈は恐怖した。
そして、やっとの思いで口を開いた
「ね、ねぇ、、どうしちゃったの…
智香…??
わ、、わたし、智香に何かした?」
優奈は目に涙を浮かべて行った。
いつも、仲良しだった智香。
しかし、このところ、何か様子が変だ。
自分が、義信の元彼女・理紗に憑依されている間に、
彼女に酷いことをしてしまったのだろうか?
でも、義信の話を聞く限りそんなこともなさそうだ。
だったら、何故?
「-----そんなことはどうでもいいの!
いい!別れるのよ?」
それだけ言うと、智香は不機嫌そうに
そのまま立ち去ってしまった。
「--智香…」
優奈は不安そうに、その後ろ姿を見つめた…。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
その日の夕方。
優奈と義信は二人で、夕食をとることにして、
道を歩いていた。
「--どうした?元気ないな?」
義信が言うと、
優奈が無理して微笑んだ。
「…何かあったのか?」
義信が言うと、
優奈がやっとの思いで口を開いた。
「--智香に、別れろ、って言われたの」
優奈の言葉に、義信が首をかしげる。
「--あの子に?」
義信は、優奈の友達である智香のことを思い浮かべる。
義信とはあまり接点はないが、
優奈とは本当に仲が良さそうで、
良好な関係と言う印象だった。
優奈に彼氏ができたことへの嫉妬だろうか?
「--3日以内に別れないと、
私の人生を滅茶苦茶にする、って
そう言ってた…。
最後の通告だって」
義信は、優奈の言葉を聞いて、
嫌な感じを覚えた。
前の彼女・理紗…。
彼女が以前、義信に言った言葉を思い出した。
”これは最後通告だから…”
復縁を迫る理紗と連絡を絶った時、
理紗はそう言ってきたのだった。
義信は、まさか…と思う。
優奈に憑依していた理紗は、優奈から抜けて
消えたはず…。
優奈に憑依した理紗は、自分の肉体が
死んでしまい、帰るべき身体を失っているのだ。
だからー。
いや、待て。
優奈の身体から抜けたからと言って、
理紗が消えるとは限らない。
もしかしたら、今度は智香と言うコに…
「--明日、その子と話してみるよ」
義信は、そう呟いた。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
翌日。
学食を食べている優奈のところに
智香がやってきた。
派手な髪型で、智香らしくない格好だった。
ため息をつきながら智香が優奈を睨むと、
口を開いた。
「--義信くんとは、別れた?」
智香が言う。
「--え、、う、、ううん、、、
わ、、私は分かれるつもりなんてないから…!」
優奈が言うと、智香は舌打ちをした。
そしてー
机をガンと叩いた。
「調子乗るんじゃないわよ!
いい?早く別れろっつってんの!
義信は、お前みたいな女のものじゃないのよ!」
智香が、激しい口調で優奈を罵った。
優奈は恐怖で返す言葉も見つからなかった。
「---どうして、そんなに俺と優奈を
別れさせたいんだ?宮川さん」
そこに、義信がやってきた。
智香を待ち伏せしていたのだ。
「--義信…!」
智香が、悲しそうな表情を浮かべる。
義信は、疑問に思う。
この智香と言う子とは、ほとんど接点がない。
なのにどうして、自分のことを舌の名前で呼ぶ?
「---お前、理紗か?」
義信が、智香を見つめながら言った。
「え…?」
優奈は戸惑っている。
「--り、理紗?何を言ってるの?
ふふふ、バッカじゃないの!」
智香はそう言いながらも、目が泳いでいる。
義信は確信した。
この子はー憑依されている。
「---おい、理紗…いいか?
俺と優奈は何があっても別れないー。
それに、その子は無関係だ。巻き込むな」
義信の言葉に、智香は悔しそうな表情で
二人を睨んだ。
そしてー
「ーーこれ以上、そういうことをするなら、
俺は、理紗のことを永遠に軽蔑する…
永遠に…!」
義信の強い言葉に、智香は「ふん!」と言って
不機嫌そうに立ち去ってしまった。
「ね、、ねぇ、、智香…もしかして」
優奈が不安そうに言う。
「あぁ…多分、理紗のやつに憑依されてる」
そう呟いて、義信は不安そうにつぶやいた。
・・・・・・・・・・・・・・・・・
夜。
智香は自分の部屋で怒り狂って、
暴れていた。
「くそっ!許さない!
あの女・・・!」
怒りの形相で、自分の部屋のものを
滅茶苦茶に投げ飛ばしている。
「--義信!!義信!!
わたしは、義信を愛しているのに…!」
壁を殴りつけて
何度も何度も、義信の名前を呟く。
「---!?」
ふと、智香に憑依している理紗は違和感を感じた。
そしてー
”あること”に気付いたー
「---くふふふ…」
智香は不気味な笑みを浮かべた。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
翌日。
「--ん?」
スマホにサークルの後輩、
三条 奈津子(さんじょう なつこ)から連絡が入った。
”大事なお話しがあります”
「--何だろう?」
義信は、空いた時間を見つけて、
奈津子の元へと向かった。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「--はぁ…」
一人で昼食を食べていた優奈は
ため息をついていた。
確かに、ここ最近の智香の様子は
おかしかった。
義信の元彼女・理紗が憑依しているというのなら
納得だ。
でも、どうすれば良いのか…。
「-どうしたの?」
男の声がして、
優奈が振り向くと、
先輩の久保田 将司(くぼた まさし)が居た。
優しい笑顔と低い物腰で人気の、
恋愛アドベンチャーゲームに出てきそうなイケメンだ。
「--え?あ、だいじょうぶです…ちょっと考え事してて…」
先輩の将司に対して丁寧に返事をする。
しかし、優しい将司は、
優奈が何かに困っていることを感じ取った。
「--僕で良ければ、相談に乗るけど?」
将司は、そう微笑みかけた。
そんな様子を少し離れた場所から見ていた
智香は不気味にほほ笑んだ。
「--義信とあんたの関係、
引き裂いてあげる…くくく…」
②へ続く
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コメント
元カノの報復!
初期に書いた作品の一つですね!
続編を希望するお声をいただいたので、
続編を書いてみることにしました!
明日もお楽しみに~!
コメント
SECRET: 1
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リクエスト
高校野球の季節なので
甲子園に全国から応援しに来る女子に片っ端から乗り移る
シチュエショーンが思い付き過ぎて具体的な要望が出来ませんが・・・お任せします
自分の都道府県高校の応援もせずこういう事ばっか考えてるとは俺かなり疲れてるらしい