31万アクセス記念短編「くノ一のクリスマスイヴ」

憑依空間が31万アクセスを達成しました!
おかげさまで順調です!ありがとうございます!

今回は、以前の作品、くノ一の後日談。
(過去のくノ一はこちら

12月なので、くノ一のクリスマスイヴ をお送りします!

あまり時系列は気にする必要はないですが、
「本編」と「バレンタインデー」の間の話です!
それではどうぞ!

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遊園地。

高校生の城ケ崎圭吾と、その幼馴染で彼女の妹尾愛衣と
一緒に、クリスマスデートにやってきていた。

彼女の愛衣は一見すると普通の女子高生。

しかしー
彼女はとある悪徳企業の社長、加賀によって
戦国時代の女忍者の魂が憑依させられてしまい、
あれから数か月が経った今でも、
愛衣は女忍者に体を乗っ取られたままだった。

だが、圭吾は次第にその女忍者に惹かれていき、
愛衣を元に戻そうとしないまま、数か月が過ぎていた。

「---な、、なんだよその格好」

夜の遊園地にやってきた愛衣を見て、
圭吾が笑う。

冬の夜なのに、ショートパンツ姿で、とても寒そうにしている。

「---寒いでしょ?
 どうしてそんな格好してくるんだよ?」

圭吾が言うと、愛衣は言った

「さ、寒くなんてない!
 私は忍として動きやすい恰好の方が慣れているんだ!」

愛衣が言う。

圭吾は、愛衣はこんな格好しなかったなぁ、と思いつつ、
「でも、震えてるけど?」と意地悪そうに言う。

「う、うるさい!」
愛衣が顔を赤らめながら叫ぶ。

そして、愛衣は周囲をキョロキョロする。

「---ここは一体なんなんだ?
 無駄に光ってるし、、、
 この乗り物は…?」

愛衣が言うと、圭吾は笑った。

「ーーそういえば、まだ教えてなかったね。
 ここは遊園地って言って、乗り物に乗って遊ぶところだよ。」

圭吾が言うと愛衣は
「今の時代にはおかしなものもあるのだな」と
呟いた。

「--怖い乗り物もあるよ?
 愛衣ちゃんに乗れるかなぁ?」

圭吾はわざとらしく挑発気味に言う。

「怖い?私が?
 私を愚弄しているのか!」

愛衣がムキになって言う。

「--ううん、でもホラ、
 あれとか、怖そうでしょ?」
圭吾がジェットコースターを指さす。

「--ーーー」
愛衣がジェットコースターを見つめた。

そして、言い放つ。
「私に怖いものなんてあるものか!
 そんなでは、忍は務まらない!」

そう言うと、ジェットコースターに向かって
走り出した。

忍のくせなのか。
愛衣はよく走る。

「あはは…また走ってるよ」
圭吾も仕方なく、夜の遊園地を疾走する―。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「きゃああああああああああああっ!」
愛衣が悲鳴を上げて、目に涙を浮かべながら
圭吾にしがみついている。

ジェットコースター。

女忍者であった彼女が生きた時代にこんなものは
無かった。

怖がって当然かもしれない。

ジェットコースターから降りても、
愛衣はまだ涙ぐんで、圭吾にしがみついていた。

「--ほら、終わったよ」
圭吾が言うと、
愛衣は慌てて圭吾を振り払う

「バ…バカ…!」
愛衣は顔を赤らめて目に涙を浮かべている。

「あはは…!やっぱ怖いでしょ?」
圭吾が言うと、
愛衣は涙を慌てて拭いて、

「うるさい!次はどれだ!」と言って、
圭吾に次の乗り物に案内するよう促した。

コーヒーカップ。
回し方の加減が分からない愛衣は、回転させ続けて、
目を回してしまうー。

ゴーカート。
車になじみのない愛衣は変な乗り方をして、
係員に注意されてしまう。

メリーゴーランド。
「この時代の馬は、ずいぶん固いのだな」と、愛衣がつぶやき、
圭吾はくすくすと笑うー。

お化け屋敷。
「ひっ…さ、、、先に行け!」と愛衣が強がって圭吾を先に行かせて
背中にしがみつきながら進む。

ーーーそして、観覧車。

クリスマスの遊園地はネオンで輝いていた。

ふと、愛衣が口を開く。

「わたしの生きた時代にはー
 こんなものはなかった」

圭吾が愛衣の方を見る。

戦国の世で、
くノ一として生きていた彼女。

確かに、彼女から見れば、今の世は別世界だろう。

「---毎日のように戦が起こり、
 私も殿の命に従って戦場に赴いた。

 時には相手の城に潜入したり、
 任務のために体を売ったこともあった。

 私の生きた世の中はそういう世の中だ」

愛衣が淡々と語る。

「---愛衣ちゃん」
圭吾が真面目な表情で話を聞いている。

「だが、私は、自分の生きた時代が嫌いではない。
 
 私の生きた時代が、あるから、今の、この世界が
 あるのだからなー…。

 私たちのしたことは無駄ではなかった」

愛衣の言葉に
圭吾が笑って頷く。

愛衣は観覧車の外を見つめながら言う

「ーーー良いものだな、遊園地って」

愛衣の顔に、笑みが浮かんだ。
女忍者の初めての心からの笑顔ー。

「---あ、、愛衣ちゃんの笑顔、久しぶりに見たよ!」
圭吾が言う。

「なっ…」
愛衣が顔を赤らめる。

「やっぱ笑ってる方が可愛いよ!」
圭吾がからかうようにして言うと、
愛衣は顔を真っ赤にして「う、、うるさい!今の話は忘れろ!」と叫んだ。

圭吾は笑いながら言う。

「---来年も、また来ようね」と。

愛衣は
顔を赤らめながら、頷いた。

そして、愛衣は窓の外を見ながら思う。

ーーーこの世界は、自分が居て良い世界なのだろうかー。

”来年”

そのとき、わたしはこの世界に居るのだろうかー。

と…。

光り輝くイルミネーション。

それを見つめながら、愛衣に憑依しているくノ一は、
自分に待ち構える未来はどうなっているのだろう… と
不安を感じるのだった。

おわり

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

コメント

くノ一の愛衣と圭吾に
クリスマスデートをしてもらいました(笑)

せっかくのクリスマスシーズンですからネ!

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憑依<くノ一>

コメント

  1. 匿名 より:

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    くノ一ほんとかわいい

  2. 無名 より:

    SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    > くノ一ほんとかわいい

    楽しんでいただけてよかったです!
    またそのうち登場すると思います^^

  3. 匿名 より:

    SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    母親が乗っ取らるやつお願いします

  4. 無名 より:

    SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    > 母親が乗っ取らるやつお願いします

    リクエストに入れておきます^^