<憑依>金さえあれば思いのまま①~欲望~

”幽霊屋”
そんな、不気味な名前のサイトが存在したー。

”お金”さえ払えば誰にでも憑依して、
好きなようにさせてくれるというその男のサイトには
今日も多くの人間が集まっていたー…。

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「ーーへへへへー夢みたいだー」
”モテる”とは程遠い雰囲気の男が、
笑みを浮かべながら、そう言葉を口にするー。

彼は今、
行きつけのメイドカフェのメイド・藍(あい)と
お楽しみをしている最中だったー。

「ーーへへへへ…
 この前まで、”お店のルールでそういうのは禁止されてるんです”
 とか言ってたよな?」
ニヤニヤしながら、その男ー、和夫(かずお)はそう呟くと、
メイド服姿の藍は、
「わたし、お店のルールなんかどうでもよくなっちゃうぐらいー
 和夫さんのことが好きになっちゃったんですー」と、
顔を赤らめながらそう言葉を口にするー。

「クククク…それじゃー、
 その綺麗なお口で俺の息子を楽しませてもらおうかー」
和夫は下品な笑みを浮かべながら平気でそんな言葉を口にするー。

が、メイドの藍は嫌がる素振りも見せずに
「うふふふーわたしの口で気持ちよくしてあげますねー」と、
そう微笑むー。

和夫はー、
あるメイドカフェの常連客であった40代の男ー。
当初は”熱心な利用客”の範囲内であったものの
やがてその想いは歪み、ルールを逸脱し始めたー。

そして、和夫はそのメイドカフェで一番のお気に入りであった
メイド・藍に執着するようになったー。

藍に対して告白したり、
身体の関係を迫るようなことまでし始めたのだー。

当然、藍は拒んだー。

”お店のルールでそういったことは禁止されているんですー”と、
”やんわりと”断った。

当然、お店のルール関係なく、
藍自身もそんなことをしたくはなかった。

けれど、それでも和夫は藍にしつこく恋人関係や
身体の関係を迫り続けて、
やがてお店から”出禁”となった。

しかし今、その藍は嬉しそうに
和夫の”息子”を口に咥えて、不敵な笑みを浮かべているー。

決して、和夫に無理矢理そうさせられているようには
見えないほどの嬉しそうな笑みー。
どんどん大きくなっていく和夫のそれを見て
「きゃ~~!♡ すっご~い♡」などと
満面の笑みを浮かべている藍。

和夫はゲラゲラと笑いながら
「お前の口の中に俺のミルクをぶち込んでやるぜ」などと
そう叫ぶー。

”こう”なったのは何故かー。
それはーー…

”幽霊屋”と呼ばれる謎のサイトが
原因だったー。

今、喜んで和夫のミルクを飲み込んでいる藍は、
”憑依”されているー。
”幽霊屋”と呼ばれるサイトの運営者の男にー。

「ぐへへへへーほら、床のも舐めろよ」
和夫がそう言いながら指を指すー。

メイドカフェを出禁になってしまった和夫は
”幽霊屋”と呼ばれるサイトの存在を知ったー。

そこは、”金さえ払えば”どんな相手にでも憑依して
意のままに欲望を満たさせてくれる相手だ。

和夫のように、単純な欲望をぶつけるような依頼は勿論、
単に”一緒に過ごしたい”などの比較的平和な依頼も受け付けているー。

基本的には”自由”ー。
その相手とヤりたい、であっても
何であっても、”金”さえ払えば”幽霊屋”は事情も聞かずに
淡々と注文通り、それをこなしてくれるー。

ただーー
”禁止事項”を破ることだけは許されない。
幽霊屋は事前に示している禁止事項を破れば、
その時はーー…

和夫は、気持ちよさそうに喘ぐ藍と存分に楽しみ尽くすと、
満足そうに笑みを浮かべた。

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「ーーーーーあ、あっ…あっ…ありがとうー」

とある高校ー。
男子高校生の滝口 修也(たきぐち しゅうや)が
挙動不審な反応を見せながらそんな言葉を口にするー。

「ーどういたしましてー」
そんな修也を前に、嫌そうな表情一つ見せず、
クラスメイトの女子生徒、浅沼 香織(あさぬま かおり)は
笑みを浮かべて自分の座席へと戻っていくー。

そんな香織の後ろ姿を見つめる修也ー。

修也は、いつも一人でいるタイプの男子生徒で、
友達がいないタイプの子ー。

が、よく独り言をブツブツと言ったり、
大好きなアニメや漫画の内容を頭の中で妄想して
一人でケラケラ笑ったりしているために、
クラスメイトの一部からは避けられているー。

が、そんな修也に対しても優しいー、
誰にでも優しい女子生徒、香織は
修也にとっても憧れだったー。

けれどー…

自分のような人間が、香織に振り向いて貰えるはずがないー。
そんなことも分かっていたー。

しかし、修也は一部のクラスメイトからは気持ち悪がられている程度で、
ほとんどの生徒からはそこまで”危険視”はされていなかったー。

が、彼は、
大人しいながらも”狂気”を内側に秘めている男子生徒だったー。

帰宅するとクラスの集合写真の香織の部分を拡大した写真を手に、
その写真にキスをしたり、舐めたり、
ニオイを嗅いだりを繰り返していたー…

香織が写っているとは言え、その写真のニオイを嗅いでも、
するのは紙のニオイと、部屋のニオイと、
あとは修也自身がたった今、その写真を舐め回したばかりであったために、
修也の唾液のニオイがするだけだったー。

そんな写真のニオイを満足そうに嗅ぎ回った上で、
パソコンを起動すると、
今度は、自分自身が作っている最中の”ゲーム”を起動した。

ゲームと言っても、販売するようなレベルのものではなく、
完全に趣味の範疇のゲームだ。

そのゲームを起動すると、修也はゾクゾクしながら笑みを浮かべる。

そのゲームの内容は…
”修也”という名前の主人公が”香織”という名前のヒロインと
結ばれるというものー。

「ふへへー…へへへへへー」
もちろん、彼自身と憧れのクラスメイト・香織のことを
イメージしたキャラクターたちだ。

ニヤニヤしながら修也はそんな自作のゲームを
プレイするー。

もちろんー、周囲が見たり、
本人が見たりすればその行動は引いてしまう行動ー。

ただ、”ここまで”であれば、
修也本人が、外で誰かに話したりしなければ
修也一人で完結することだったし、
香織本人も、修也の異様な行動を知りさえしなければ
少なくとも、香織に実害が生じることはなかったー。

がーー…
彼は出会ってしまったー。

偶然、ネットの世界を徘徊している時に
”それ”を見つけてしまったー。

そう、”幽霊屋”をー。
金さえ払えば、どんな相手にでも憑依し、
注文通りの行動をし、そして注文通りに何でもさせてくれるー。
そんな存在だー。

「ーー…ど、どんな相手でも意のままにー…」
ゴクリと唾を飲み込む修也ー。

これを使えば、憧れのクラスメイト・香織とも
何だってできるー…

そう思うと、修也は早速、”幽霊屋”に問い合わせをしたー。

”ー幽霊屋だ”
電話の向こうから聞こえて来たのは”女”の声。

女性に対する耐性がない修也は少しビクッとしながら
「お、お、女の人だとは思いませんでしたー」と、
緊張した様子でそう言葉を吐き出すと、
”そう思うか?”と、そう聞き返されたー。

「ーえっ… あ…」
元々コミュニケーションが苦手な修也は
受け答えが出来なくなってしまい、そう呟くと、
”まぁいいー。それで問い合わせ内容は何だ?
 話すのが苦手ならサイトの問い合わせページからの
 問い合わせでも構わないー。どうする?”と、
可愛らしい女の声で”幽霊屋”はそう言葉を口にしたー。

修也は深呼吸してから、
「く、クラスメイトとー
 クラスメイトの浅沼さんとーー
 し、したいんだ!」と、そう叫ぶー。

”ほぅー。なるほど”
幽霊屋はそう言葉を口にすると、
”つまり、俺がソイツに憑依して、お前にヤらせてやればいいんだな?”と、
単刀直入にそんな言葉を返して来たー。

「ーーえっ…ぁっ…えっー」
つい勢いで言ってしまったものの、修也は困惑した表情を
浮かべながら挙動不審な受け答えをしてしまうー。

”ーなんだ?怖気づいたのかー?”
電話相手の女の声が笑うー。

”そうしたいからこそ、俺に電話をしてきたのだろう?
 なぁに、安心しろー
 今、お前が聞いている声の通りー
 俺は自由に他人の身体を乗っ取ることができるー”

幽霊屋を名乗る人物が、女の声でそう言葉を口にしながら笑うー。

”誰であろうと、俺は憑依できるし、
 どんなことだってさせることができるー。
 ただー…その見返りとして”金”は相応に必要になるがな”

幽霊屋はそう言うと、
修也はゴクリ、と唾を飲み込むー。

そして、「お、怖気づいてなんかない」と、
それだけ言葉を口にすると、
ブツブツと乗っ取って欲しい相手ー…香織のことを口にし始めるー。

集合写真の香織の写真を拡大コピーしてキスしていることや、
自分と香織の名前を使ったキャラクターを作り、
ゲームで二人の愛を実現していることなどを早口で語るー。

”ークククーそうかー。
 まぁ、お前の自分語りには興味はない。
 早速”依頼”の話をしようかー。

 料金について、決行する日時、
 憑依したあと何をして欲しいのか、どんな風に振る舞って欲しいのかー。
 それとー…禁止事項とそれを破った場合のペナルティについてー。
 この辺をちゃんと説明しておかなくちゃいけないからな”

電話相手の女の声はそう言葉を口にするー。

修也はニヤニヤすると同時に、
ドキドキが止まらない様子で手を震わせるー。

ようやく、深呼吸して息を整えると、
修也はちょうど”両親が夜遅くまで帰ってこない日”を狙って
その日を指定ー…
”幽霊屋”に憑依された香織とヤる日を指定するのだったー。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

数日後ー

修也が指定した日は”土曜日”ー
朝から晩まで両親はおらずー、
家の中であれば何だってできる自由な日ー。

その日の朝ー
”幽霊屋”は自身の憑依能力を使うと、
修也が指定した相手”香織”に憑依しようと、
霊体の状態のまま、香織の近くまで
やってきていたー。

”なるほどー。この女かー。
 聞いていた通り、人気が出そうな感じだなー。
 ま、彼氏もいたりするのかもしれないがー、
 仕事は仕事だ。悪く思うなよ”

幽霊屋はそんなことを思いながら、香織に容赦なく憑依するとー、
出かける準備をしていたように見えた香織が「ぁ…」と、
小さく声を漏らしたー。

すぐに、香織の身体が幽霊屋のものになり、
ニヤリと笑うと、
そのまま外に出かける準備をするー。

”依頼人”である修也の元へと向かうためだー。

「ーー香織ー?もう出かけるのー?」
ふと、香織の母親が、出かけようとしている香織を
見つけてそう言葉を口にすると、
”幽霊屋”に憑依されてしまった香織は
少しだけ笑いながら
「うんー。帰りはー、夕方以降になると思うよー」と、
そう言葉を口にしたー。

この母親は、まさか目の前にいる娘が
憑依されていて、これから本人の中では
全く想像もしていないであろう相手と
肉体関係を持つことになるなんて
夢にも思っていないだろうー。

しかしー…

「人間、知らない方がいいこともあるからなー」
憑依された香織は、母親の前から立ち去りながら
ニヤリと笑みを浮かべると、そのまま家の外に向かって歩き出したー。

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一方、”幽霊屋”に憑依された香織が到着するのを
一人待っていた修也は、ドキドキのあまり
集合写真に写っている香織に対して、
一人で話しかけるという、奇妙な行動を繰り返してしまっていたー。

そうこうしているうちに、インターホンが鳴るー。

「ーあひぃっ!?」
修也は緊張のあまり変な声を出してしまうと、
そのまま”誰がやってきたのか”を画面越しに確認するー。

すると、憧れのクラスメイトである香織が
笑みを浮かべながら
”滝口くんー約束通り、遊びに来たよー”と、
そう修也のことを呼んだー

「あっ、あっ、あっ、あっ、あっー
 あっ あああー あっ!」
修也本人としては、ちゃんと応対しているつもりで
あったものの、”あ”しか言えておらず、
全く意味が伝わらないー

”ほら、約束通り、わたしとしよ?”
香織がそう言葉を口にすると、
修也は「あっ! あっ! あー!!!」と、
そう返事をしたー。

”ーーー”
香織はニコニコしたまま、インターホンの前で
困惑しているー。

なおも、あ~あ~言い続ける修也に対して
”いいから、早く開けてほしいな♡”と、
甘い声ながら苛立ちを感じているような香織の様子に、
修也は「はひっ!?」と、そう言葉を口にすると
慌てて玄関へと向かうのだったー。

②へ続く

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コメント

欲望たっぷり(?)の憑依の物語デス~!!

今回のお話は、特典による
む~やん様からのリクエストを元にした作品デス~!!

リクエストの原文は、ネタバレする部分もあるので
最終回の時にご紹介しますネ~!!

続きはまた明日デス~!!

続けて②をみる!

「金さえあれば思いのまま」目次

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