<憑依>生き返った彼氏~亡霊編~前編

事故に遭い、命を落とした彼氏が、
幼馴染の身体に憑依した状態で生き返ったー!

彼は、”この身体を返さないと”と、幼馴染の身体から
出て行こうとしていたものの、
彼女はそれを阻止しようとして…?

※生き返った彼氏の後日談デス!
 先に本編⇒こちらを読んでくださいネ~!

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同じ大学に通っているカップルの
西崎 伸明(にしざき のぶあき)と、吉井 茉莉(よしい まり)ー

しかしある日、彼氏の伸明が、
運転手の急病により暴走した車に追突されて死亡ー、
残された彼女の茉莉は失意のどん底にいたー。

そんな中、茉莉は伸明の葬式で、
見覚えのある子の姿を見つけたー。

その相手は福山 加奈(ふくやま かな)ー。
伸明や茉莉の高校時代のクラスメイトで、
今は違う大学に通っているものの、
伸明の幼馴染でもあるために、伸明の葬儀にやってきていたのだー。

加奈と会話を交わす茉莉ー。
が、葬式の最中に加奈は”伸明”の霊に憑依されてしまったー。

”他人の身体”とは言え、彼氏である伸明が帰って来た!と、
喜びを露わにする茉莉ー。
しかし、当の伸明は、そんなことをするつもりではなかったらしく
”福山さんに身体を返さないと”と、必死に、加奈の身体から
抜け出そうとしたー。

けれど、どうしても伸明と別れたくない茉莉は
”それを妨害”したー。

結果ー、加奈の身体から抜け出して、自分の遺体に戻る前に
自分の身体が埋葬されてしまったことで、
伸明の魂は加奈の身体に定着ー、
加奈に身体を返すことができなくなってしまっていたー。

酷く落ち込む加奈になってしまった伸明ー。

茉莉は、そんな”彼氏”の様子を目の当たりにしながらも
”時間が経てば、伸明も元気になるでしょ”と楽観的に考えー、
”女同士になっちゃったのは残念だけど、これからも一緒にいられる”
などと、喜びの言葉さえ口にしていたー。

しかしーーー
茉莉は気づいていなかったー。

結果的に、伸明に身体を奪われてしまう形となった”加奈”の魂は、
加奈自身の身体から追い出されて、浮遊していたことをー。

「ひっ!?!?!?」
ビクッと震えて、持っていた食器を落とす茉莉ー。

「ーーーーーぁ…」
しばらくすると、茉莉は少しだけ笑みを浮かべながら
静かに言葉を口にしたー。

「ーーわたしの身体、吉井さんのせいで取られちゃったからー…
 わたしは代わりに、吉井さんの身体、貰うねー」
加奈に憑依された茉莉はニヤッと笑みを浮かべるとー、
「ーーさよならー吉井さんー」と、静かにそう言葉を口にしたー。

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♪~~~

不本意な状態で、幼馴染の加奈に憑依してしまい、
その加奈の身体に”定着”してしまった伸明は
失意のどん底にいたー。

「ーーーー…俺のせいで、福山さんがー」
加奈の身を案じる伸明ー。

もちろん、伸明と加奈は”幼馴染”というだけで
互いに恋愛感情は存在していなかったー。
伸明本人にも浮気をするつもりなど全くないし、
考えたこともないー。
彼女である茉莉のことを本当に大事にしていたし、
これからもそのつもりだったー。

けれどー…こんな風に幼馴染の身体を勝手に奪ってしまう
結果になったことに、伸明は強く心を痛めていたー。

”加奈だから”ではないー。
仮に相手が彼女の茉莉だろうと、友達だろうと、
見知らぬ人であろうと、
伸明には、他人の人生を奪うということ自体が
我慢ならなかったー。

「ーーくそっ…なんでこんなことにー」
加奈の声でそう呟くー。

加奈に憑依してしまった伸明は、茉莉とも距離を置いているー。
元々、伸明は加奈に身体を返すつもりだったし、
自分の身体が火葬されてしまう前に、自分の身体に戻って
そのまま自分の運命を受け入れるつもりだったー。

しかしー…伸明は茉莉に妨害された結果、
加奈に身体を返すことができなかったのだー。

「ーーーーー…何とか、福山さんに身体を返す方法を
 見つけないとー
 …俺だって、死にたくはなかったけど、
 でも、この身体は俺の身体じゃないし、
 死んだ人間が生きてる人間の身体を奪うなんてー」

そんな風に言葉を口にしながら立ち上がる加奈ー。
落ち込むのは終わりだー。

とにかく、加奈に身体を返すためにー、と、
伸明は意を決して、”身体を返す方法”を探り始めるー。

しかしー…その時だったー

♪~~~
インターホンが鳴り、加奈は少しだけ表情を歪めるー。

そして、相手をモニター越しに確認すると
そこには、彼女の茉莉の姿があったー。

「ま…茉莉ー…?」
困惑の表情を浮かべる香菜ー。

がー、茉莉はクスッと笑うと、
”西崎くんー”と、そう言葉を口にしたー。

「ーーえ」
加奈に憑依している状態の伸明は
困惑の表情を浮かべるー。

それもそのはずー。
茉莉は伸明のことを”伸明”と呼ぶし、
名字で呼ぶことなど、普段はないからだー。

「ーーーー……え、えっとー…」
加奈が戸惑いながら言うと、
茉莉は静かに言葉を続けたー

”ーーー吉井さんのせいで、身体を失っちゃったからー…
 吉井さんの身体を貰ったのー”

とー。

「ーーえ!?」
驚く加奈ー。

”吉井さん”とは、伸明の彼女である茉莉自身のことー。
その彼女が、自分のことを他人のように言いながら
玄関の前に立っているー。

「ーーーい、いったい、それはどういうー?」
加奈の身体で、伸明がそう返事をすると、
玄関の前にいる茉莉は言葉を続けたー。

「あのー…わたしー福山ー…
 福山 加奈だからー」
と、そう言葉を口にしたー。

伸明自身が奪う結果になってしまった
幼馴染の福山 加奈ー。

家までやってきた彼女の茉莉が
その名前を名乗ったことで、
加奈に憑依している伸明は、混乱しながらも
「ちょ、ちょっと待ってー」と、そう言葉を口にすると
そのまま玄関から顔を出したー。

「ーーま、茉莉ー…?
 い、いったいどういうー?」
加奈の身体のまま、伸明はそう言うと、
加奈は「吉井さんじゃないー。わたしは福山加奈ー」と、
自分の名前を再度、口にしたー。

「ーー…ほ、ほ、ホントに、福山さんなのかー?」
加奈の身体でそう言葉を口にする伸明ー。

ここにいるのは”加奈”と”茉莉”ー。

しかし、実際には
”加奈”の身体を使っている伸明と、
”茉莉”の身体を使っている加奈がここにいるー。

「ーー嘘をついてどうするのー?」
茉莉に憑依している加奈が少し悲しそうに言うと、
”幼馴染の加奈”しか知らないようなことを
口にしたー。

「ーーー…ほ、本当に福山さんー…なんだなー」
茉莉に憑依している加奈はそう言葉を口にすると、
”とりあえず、中にー”と、
玄関に立ったままではなく、
中に入ってゆっくりと話そう、と、そう言葉を口にするー。

そして、部屋の中にやってくると、
加奈に憑依している伸明は、
まず、”謝罪”の言葉を口にしたー。

「福山さんーごめんー
 身体を奪ってしまってー

 言い訳にしか聞こえないかもしれないけど
 俺、福山さんに身体を返そうとしたんだけどー…
 ーーーできなくてー」

加奈に憑依している伸明が
心底申し訳なさそうに言うー。

伸明は本気で加奈に身体を返すつもりだったー。
しかし、彼女である茉莉に妨害されてしまい、
それは、叶わぬ夢となってしまったー。

「ーーー…ううんー。大丈夫ー。
 西崎くんは、何も悪くないからー。
 わたし、ちゃんと見てたもんー」

茉莉に憑依している加奈はそう言葉を口にするとー
「悪いのはー吉井さんー。許せないのは、吉井さんー」と、
恨みの言葉を吐き出したー。

「ーだから、吉井さんの身体を貰ったのー」
そう言葉を口にしながら、茉莉に憑依している加奈は、
加奈に憑依している伸明の方を見つめるー。

加奈に憑依している伸明は、戸惑いの表情を浮かべつつも、
「ーー本当に、ごめんー」と、謝罪の言葉を繰り返すー。

「ーー謝らなくて大丈夫だってばー…
 吉井さんとどんな話をしてたか、見てたしー、
 西崎くんはわたしに身体を返そうとしてくれてたー
 それは、ちゃんと分かってるー」
茉莉の身体で、加奈がそう言葉を口にすると、
加奈の身体で、伸明は「でも、止められなかったー」と、
彼女の茉莉の暴走を止められなかったことを
悔やむような言葉を口にしたー。

「ーーもういいよー。過ぎたことだしー…」
茉莉の身体で、加奈はそう言葉を口にするー。

大人しい性格の加奈が、”茉莉”になると、
いつもの茉莉よりどこかミステリアスで
大人びたような、そんな印象になるー。

”中身”が違うだけで、
同じ見た目、同じ身体でも、印象がガラリと
変わってしまうー。

改めて、そんなことを思いつつ
幼馴染・加奈に憑依された彼女・茉莉の方を見つめるー。

「ーーーそういうことだからー
 とりあえず、西崎くんには伝えておこうと思ってー…」
茉莉に憑依した加奈はそれだけ言葉を口にすると、
立ち去ろうとするー。

「ーあ、”彼女”ではいられなくなっちゃうけど、ごめんねー…

 でも、分からないことがあったら教えてあげるから
 その時は連絡してー」

茉莉の身体で、加奈はそう言葉を口にするー。

伸明と加奈は”幼馴染”同士で恋愛感情は互いにないー。
ただ、幼馴染としての絆はあって、
その加奈の身体になってしまった伸明に、
今後、分からないことがあれば協力してくれると、
そんな申し出を茉莉になった加奈はしてきたー。

「ーー…あ、で、でもー」
加奈になった伸明が戸惑いながら言葉を口にするー。

「ーーー”わたしの身体”で分からないことがあったらー
 何でも教えるからー
 あ、変な意味じゃなくて、
 人間関係とか、普段こういうときどうしてるかとか、
 そういうことねー?」

茉莉に憑依している加奈は苦笑いしながら
そう言うと、
「それとー…わたしは女同士の憑依だからいいけどー、
 西崎くんは男だったからー、色々、女の身体で
 分からないこととかもあるでしょ?
 だから、困ったらいつでも連絡してー」
と、そう言葉を付け加えたー。

それだけ伝えると、満足そうに立ち去ろうとする
茉莉に憑依した加奈ー。

がー、加奈に憑依した伸明は「あ、いや、ちょっと待ってくれ」と、
そう言葉を口にするとー、
「ー”やっぱ”このままじゃダメだー」と、そう続けたー。

「ーーーダメ?なにがー?」
不思議そうに振り返る茉莉に憑依した加奈ー。

そんな彼女に対して、
加奈に憑依した伸明は言うー。

「ー俺も、福山さんも、そして茉莉も、
 このままじゃダメだと思うんだー

 やっぱり、死んだのは俺だし、
 俺が何とか福山さんに身体を返して、
 それで、福山さんは茉莉に身体を返してー、
 それが一番正しい姿だと思うんだー」

加奈に憑依した伸明の言葉に、
茉莉に憑依している加奈は少しだけ表情を歪めるー。

今のままではなく、
本来、死んでいる伸明が、加奈に身体を返しー、
そして、伸明に憑依されたことで身体を追い出されてしまった加奈が
自分の身体に戻るー。

そうすれば、伸明は”死んだ人間”として本来進むべき道を進みー、
加奈と茉莉は自分の身体と人生を取り戻すことができるー。

そう説明する加奈に憑依した伸明ー。

しかしー

「ーそれって、吉井さんのためー?」
茉莉に憑依している加奈は、少し不満そうに言葉を口にするー。

伸明からすれば彼女の茉莉を助けるために、
そんなことを言っているのではないかと、そう思っているのだー。

しかし、加奈に憑依している伸明は
首を横に振ったー。

「ーもちろん茉莉のためでもあるけどー、
 福山さんのためでもあるし、
 俺のためでもあるんだー」

加奈に憑依している伸明が言うと、
「葬儀の時、福山さんの身体に憑依しちゃったときの俺、
 見てたんだろー?」と、そう言葉を口にするー。

加奈は”見ていた”とさっき言っていたー。

茉莉に憑依している加奈は静かに頷くと、
「ー俺を”身体泥棒”にしないでほしいー
 茉莉にも言った通りだー。
 それとー」
と、加奈に憑依している伸明は言葉を続けたー。

「ー福山さんのことも、俺のせいで”身体泥棒”になってほしくないんだー

 だから、俺がちゃんと成仏して、福山さんに身体を返すのが一番なんだー」

とー。

「ーーー…」
茉莉に憑依している加奈は、少しだけ表情を曇らせるー。

がー、やがて、
「西崎くんらしいねー」と、
少しだけ微笑むと、
「いいよー。元に戻る方法、探そー」と、
そんな言葉を口にしたー。

伸明は成仏するためにー、
加奈は茉莉から抜けて元の身体に戻るためにー、
その方法を二人で探し始めるのだったー

<後編>へ続く

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コメント

”生き返った彼氏”の後日談デス~!!

読みたいというご希望を結構前に頂いたので、
こうして書いてみました~★!

毎週火曜日の作品は、予約投稿の都合上で
続きはいつも通り、来週になってしまいますが、
のんびりと待っていて下さいネ~!!

今日もありがとうございました~!★

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憑依<生き返った彼氏>

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