★あけましておめでとうございます★!!
新年のご挨拶&今月の活動予定も
この1個前に投稿したので、
そちらもぜひ見てみてくださいネ~!
それでは今年最初のお話をどうぞ★!
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毎年、身体を乗り換える”体越し”を
楽しむ男ー。
彼の欲望は留まることを知らないー。
”昨年”の被害者は解放されて、その変化に戸惑いー
”今年”の被害者は身体を支配されて、絶望の1年が始まるー。
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「ーーーーなんだこりゃ…?」
帰宅したコンビニバイト・小野寺 美姫は
唖然とした表情を浮かべていたー。
”可愛らしいしっかり者”、
そんな雰囲気の美姫は、
大学卒業後、就職もせずに実家で堕落した生活を送っている
フリーターの女ー。
”外面”だけはとても良いために、
そんな風には見えず、
バイト仲間の坂口 達夫も、この美姫に想いを寄せているー。
がーー
「ーきったねぇ部屋だな…」
”今年の身体”を美姫の身体に決めて憑依した”体越しを楽しむ男”は、
美姫の家に帰宅して、美姫の部屋を見るなり
そう言葉を口にしたー。
「おいおい、いつ喰ったカップ麺だよこれー」
美姫はイヤそうな顔をしながら、部屋を見回すー。
時々、”思ったのと違う”相手に憑依してしまうことはあるー。
だがー、それもまた”体越し”の醍醐味ー。
1年の間に”どう変えていくか”
それこそが、楽しいのだー。
「ーーへへ
まぁいいかー顔はいいしー、
身体もいいしなー」
美姫はそう言いながら服を脱ぎ捨てると、
汚い部屋の中で嬉しそうに自分の身体のチェックを始めるー
「へへーここのほくろもいい味を出してるじゃねぇかー」
ニヤニヤと自分自身の身体を”品定め”するかのように
見つめる美姫ー。
そんな美姫のスマホに年明け直後、
一緒にカウントダウンイベントに来ていて、
美姫に放置されたままの友達が、
連絡をよこして来たー。
”ねぇ、美姫ー、急にどこ行っちゃったのー?”
そんなメッセージを確認して笑みを浮かべる美姫ー。
憑依された美姫は、それを無視して、
絶頂を迎えるまで自分の身体を弄ぶと、
その余韻に浸りながら
”イっちゃったー”と、だけ友達に返信を返したー。
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「ーーーーー本当にー…本当に記憶がないのー」
焦り切った様子でそう言うのはーー
女社長の雫ー
”昨日まで”ーー
2024年の間、憑依され続けていた彼女は
意識を取り戻したあと、”共に起業した親友”である
麻奈美に連絡を入れて、麻奈美の態度の豹変に驚いていた。
「ーーふざけないで!会社を滅茶苦茶にして!!
今更なに???
”記憶なかったの~!ごめ~ん!”ってーー
あたしを馬鹿にしてるの!?」
麻奈美が怒りの形相で叫ぶー。
がー、雫には本当に記憶がないー。
涙目で「ー何があったのー…?お願いだから、教えてー」と、
そう言葉を口にするー。
麻奈美は「そんな手には乗らないー。絶対にー」と、
なおも怒りを露わにすると、
パソコンを操作して、”雫”が憑依されている間の
会見や発表イベント、そして雫自身が嬉しそうに
出演しているAVの画像を見せたー。
「ーーーーーな…に… これ…」
雫がこの世の”おわり”からのような表情を浮かべて、
その場に膝を折って崩れ落ちるー。
まさに、放心状態という様子に麻奈美も
”演技でそこまでするの?”と、唖然としながら
「ーちょっとー…いい加減にー!」と、雫に声を掛けるー。
しかし、雫はその場で子供のように泣き出してしまい、
会話がままならないー。
麻奈美はそんな雫の姿を見つめながら
「な、泣きたいのはこっちなんだけど!あたしが1年間どれだけー」
と、そんな言葉を投げかけるー。
がー、その時だったー。
「ーーー…お取込み中にすみませんー」
そこに現れたのは、雫と麻奈美の会社で働く花凛ー
雫の豹変後も、麻奈美側について細々と過ごしていた彼女は
”社長である雫”の突然の豹変に強い違和感を感じていたー。
かつて、アイドル”かりん”として活動していた彼女は
前にも”似たようなこと”を経験したからだー。
「ーー社長は、本当に記憶がないのかもしれませんー」
花凛がそう言うと、麻奈美は「どういうことー?」と、
泣きじゃくる雫を見つめながら、そう言葉を口にするー。
花凛は、自分が元アイドルであることや、
アイドル仲間だった”あかり”が豹変したことー、
その”あかり”が、その後精神錯乱状態で”人の命を奪い”、
現在も服役中であることを説明ー、
さらには”雫”の豹変に、”あかり”の豹変と近いものを感じたことを説明するー。
「ーーーー…雫も、同じだって言うの?」
麻奈美が言うと、
花凛は「何が起きてるのかは分かりませんーでもー」と、
そう言葉を口にしながら、悲しそうな目で麻奈美を見つめるー。
「社長の話、聞いてあげて下さいー」
とー。
”わたしは、”あかりちゃん”の話を聞いてあげられなかったからー”
花凛は、そんなことを心の中で呟くー
2022年の年明けー
”「ーーわ、、わたし…何も、覚えてなくてー…
わたし…いったい…何があったの?」”
あかりは、震えながら
涙目でそう言ったー。
”「ー性欲に溺れちゃったんでしょ?自分でそう言ってたじゃない」”
花凛は、当時、あかりに失望してそう言葉を返したー
”「ー今更、また復帰したいとか、都合よすぎじゃない?
あんたの裏切りで、わたしたちがどれだけ苦労したか、分かってるの?」”
その後、あかりは”狂って”しまったー。
何も関係が無さそうな家族を襲撃して、逮捕されて服役中のあかりは、
恐らくもう、出て来ることはできないー
実際にはあかりは”自分に憑依していた体越しを楽しむ男”を
血眼になって探し、”憑依されている人間”を襲撃したー…というのが真相であるものの
世間からすれば、”元アイドルが、無関係の家族を襲撃して殺した”という風に
しか見えていないー。
逮捕後、
”わたしは、アイツを許さないー 絶対に許さない”
と、取り調べに対して支離滅裂なことばかり口にしているあかりー。
もしー
もしもーーー
”あの時”
”わたしが、あかりの話をちゃんと聞いてあげていれば”
と、花凛は後悔していたー。
だからーー
「ーーだから、二人にはそうなってほしくないんですー
”今”ならまだ間に合うと思いますからー」
花凛がそう言うと、
泣き崩れたままの雫を見て、麻奈美は少しだけ表情を歪めるー
一緒に起業したころのことを思い出しながら
麻奈美はため息をつくと、
「ー雫ー…話、聞かせてー」と、そう言葉を口にしたー。
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お正月ー。
コンビニのバイトに”初出勤”した美姫は、
髪もボサボサのまま、バイトにやってきていたー。
「ーーーえ…」
呆然とするバイト仲間の達夫ー。
「え…?小野寺さんー…今日はずいぶんとー」
達夫がそう言うと、美姫は「あぁ~ははー…」と、笑いながら
スマホを手に、”こいつのきったねぇ部屋でも見せてやるかー”と、
写真を達夫に見せ付けたー。
「ーー!?」
混乱する達夫ー
「これ、この女ー、あ、いや”わたし”の家なんですー
ふふー
わたし、実家暮らしで部屋に引き籠ってる
だらしな~い女なんですよぉ」
ヘラヘラと笑いながらそう答える美姫に、
達夫は「え…?えっと、え…?お正月になんかあったー?」
と、そう戸惑いの言葉を口にするー。
そんな達夫を見つめると、美姫は笑みを浮かべたー。
「ー去年は”女社長”としてそれなりに忙しかったんでー
今年はダラダラしようかなぁってー」
美姫のその言葉の意味が達夫にはサッパリ分からないー。
が、そんなギャップにもドキドキしていると、
美姫に憑依している”体越し”を楽しむ男は
それに気づいたのか、少しだけ笑みを浮かべてから、
「ー今日、バイトが終わったら、わたしとヤリますか?」と、
クスクスと笑いながらそう言葉を口にしたー。
”どんな感じか、色々試すのも楽しみの一つだからなー”
美姫に憑依している男は、ニヤッと笑うと、
顔を赤らめながら頷く達夫を見て、”馬鹿なやつー”と内心で蔑んだー。
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「ーーーーー」
”彼は、わたしの兄ー”
三本 慶介は、白髪交じりの髪を気にしながら自虐的に笑うー。
慶介は”まだ”本来ならそういう年ではないー。
が、大学生時代の彼女・梨花が憑依されて自殺ー、
その後、”男”を追い続けて疲れ果てて、
年齢よりも老けてしまっているー。
「梨花ー…今の俺を見たらー…梨花はどう思うのかなー…?」
慶介は少しだけ寂しそうに笑うー。
だがー”手がかり”は手に入れたー。
”男”の妹を名乗るあの女から聞かされた
”男の名前”ー
「ーーーーー絶対に許さないからなー…」
その名前が書かれたメモを握りしめながら慶介はそう呟くー
一方ー…
”2020年”に娘の咲が憑依されて、
人生を壊された父・達昭も帰宅すると大きくため息をついたー。
”体越し”を楽しむ男の妹ー。
それを昨日、聞かされた時、達昭は怒りの感情を彼女にぶつけたー。
がーー
彼女もまた”2012年”に憑依されて人生を滅茶苦茶にされた被害者でー、
兄を止めようと、10年以上も執念深く兄を追っていることを知り、
達昭は謝罪したー。
しかしー
”裏を返せば”ー…
妹である彼女が10年以上追い続けても、”男”は野放しのままということー
「ーーーーー!」
達昭は、娘の咲が帰宅したことに気付き、少し驚いた表情を浮かべるー。
金髪で完全に”ギャル”のようになってしまった咲ー。
憑依されていた時の心の傷が、咲をこんな風にしてしまったのだと、
達昭はそう思っているー。
「ーー何?あたしに文句あんの?」
今年は”高校受験”の年ー。
けれど、咲は憑依された後から自暴自棄になり、
すっかり荒れ果ててしまっているー。
「ーーーー…」
”咲”に文句はないー
文句があるのはーーー
「ーーーー」
達昭は歯軋りしながら、きっと今年もまた”新たな身体”に憑依したであろう
男に激しい怒りを燃やすのだったー。
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ポテトチップスを綺麗な手で掴み、
素手でボリボリと食べながら
コーラを飲み干す美姫ー
「へへへへー」
堕落した姿で、スマホをいじるー。
「去年は、仮にも”女社長”として
たーっぷり、働いたからなー…
今年はゆ~っくりサボらせてもらうぜー」
ポテトチップスをボリボリと食べながら
そんな言葉を口にする美姫ー。
”まぁ、このペースでだらしない生活を送ってたらー
この女の見た目も、年末にはやべぇことになってそうだけどな”
美姫はニヤッと笑みを浮かべながら笑うー。
そしてー、
スマホである”ニュース”を見つめるー。
”下校中に女子高生転落死”
半年ほど前のニュースだー。
”後藤 早苗さんは、帰宅中に階段で足を滑らせて転落ー
頭を強く打ち付けて死亡しー…”
「ーーーー」
美姫はニヤッと笑うー。
”俺が憑依した人間の周囲は不幸になるー”
そんなことを噛みしめつつ、笑うー。
本来、今年は2023年に憑依した聡美をいじめていた
後藤 早苗に憑依するつもりだったー。
が、その早苗は死んでしまったー。
「ー事故死になってるけどー…
そうじゃないかもなー」
美姫は笑うと、そのままスマホを机に置くー。
”後藤 早苗”は、聡美が正気に戻ったあと、
”また”聡美をイジメ始めていたー。
恐らく、あの後もいじめは続いたのだろうー。
既に家族を殺されて絶望していた聡美が、
後藤早苗を突き飛ばしても不思議ではないー。
当時、雨が降っていて、後藤 早苗が勝手に
足を滑らせて死んだことになってはいるもののー
もしかしたらー…
「ーーーま…”そのうち”様子を見に行くのも面白いかもなー」
コーラを飲み干して、美穂は汚らしい笑みを浮かべると、
「ーさてと、この身体で今年は好き放題させてもらうかなー」と、
そんな言葉を口にしたー。
”年末”は男にとっては”別れ”のときー。
使っていた身体と、その周囲の人間たちとお別れする時期だー。
そして”新年”は男にとって”出会い”のときー
新しい身体に、そして乗っ取った身体の周囲の人間にー、
”出会う”時期だー。
「ーへへー」
美姫の身体を触りながら、男は笑みを浮かべるー。
今年が終わる時ー、
堕落した生活を送り続けた美姫がどうなっているか、
楽しみだー。
男はそう思いつつ、
”無駄なあがき”を続ける、これまでの被害者とその周辺の人々を
心の中であざ笑いながら、
ポテトチップスを美姫の手で口に運ぶのだったー。
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”女”は、夜のお店で働き、今日も1日を終えたー。
この数年、彼女は”自分の美貌”を磨きに磨きまくっていたー。
元々は、そんなタイプの子ではなかったものの、
彼女は”ある目的”のために執念に燃えていたー。
この仕事をしたいわけじゃない、自分が綺麗になりたいわけじゃないー。
彼女はー…
2017年にー、そして、2022年にー
憑依された”2度”も憑依された被害者・横山 優亜(よこやま ゆあ)ー
”記憶のない年”が2年もあるー。
2度目に正気を取り戻した時は、”彼氏”に、酷い目に遭わされたー
しかし、
優亜は、その後、”誰かがわたしの身体を使っていた”ことを確信していたー。
そしてーーー
「ーーーー」
優亜は”3度目に憑依されること”を心待ちにしていたー。
美貌を磨き続けているのはー
そのためー
”また憑依されること”を、心待ちにしているためー。
何故ならーその時こそーー
”ーーーわたしの身体ごと、そいつを終わらせることができるからー”
おわり
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コメント
今年最初の更新デス~!
改めて、あけましておめでとうございます~~!★
また、体越しは今年の年末のお楽しみデス…!笑
今年も、楽しく創作活動を続けていくので、
皆様にも、少しでもワクワクやドキドキをお届けできれば
嬉しいデス~!!
今年もよろしくお願いします~!★
コメント
雫もあかりちゃんみたいに絶望のどん底になると思ったら、被害者の関係者である花凛ちゃんがいたおかげで思ったよりはマシなまだ救いのある展開ですね。
とはいえ、やっぱり傷口は小さくはなさそうですよね。例え、麻奈美との関係を修復出来たとしても、会社は滅茶苦茶で自分はAVに出演してますし、これからが大変です。
早苗の事件は結局、真相ははっきりしないままでしたね。聡美ちゃんが今、どうなっているのか気になります。
優亜は2度も憑依されたからかもしれませんが、自分で憑依の事実に気付いたっぽいのは凄いですよね。
あかりちゃんとは別の形で復讐を狙っているようですが、もし憑依してる身体が死んでも憑依人が死なないタイプの憑依だった場合、優亜はただの犬死になりそうですが。
前の話の描写を見る限り、そのタイプの憑依の可能性が濃厚そうですし。
それにしても、年を重ねるごとに憑依人を追いかける復讐者がどんどん増えていきますよね。
来年が今から楽しみです☆
感想ありがとうございます~~!★
どんどん関係者が増えて、どんどん退場して…
最後に何が待っているかドキドキですネ~!笑
優亜ちゃんに何か秘策がなければ…
そのまま無駄に命を落とすことになっちゃいますネ~!
来年出て来るのか、その先なのかは
まだまだお楽しみデス~!
また続きは来年…★!