<入れ替わり>痴L★O女~トラブル編~(中編)

痴女な女子大生と、
堅物なOLの入れ替わり…

入れ替わってしまったままの二人の生活の行方は…?

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「ーーえぇ…大丈夫なんですか…?」
聡美(萌)は困惑しながらそう言葉を口にすると、
スマホの向こうから萌(聡美)は笑いながら
”大丈夫大丈夫ー 特におじさんたちが味方してくれてますし”と、
そう言葉を口にするー。

職場のおばさん・芳江から睨まれてしまったことを、
萌(聡美)から聞かされた聡美(萌)は戸惑いながら、
”厚谷さん…そういう人嫌いそうだったもんね…”と、
心の中で呟くー。

芳江が、悪い人じゃないのは、聡美(萌)はよく知っているー。
自分のような堅物なOLにも、明るく接してくれて
何かと気遣ってくれたー。

そんな”親切なおばさん”のイメージしかないだけに、
聡美(萌)は、今の現状を少し苦々しく思いながら
「ーーあまり、厚谷さんを困らせるようなことはしないでくださいねー…?」と、
そう言葉を口にするー。

”ーー何だかごめんなさいーわたしのせいでー。
 色々萌さんがお世話になった人だっていうのは分かるんですけどー、
 わたしとは相性が合わないみたいでー”

萌(聡美)が電話の向こうで申し訳なさそうに言葉を口にすると、
聡美(萌)は「いえー…」と、言葉を口にしながら、
「わたしもそういうことあるんでー」と、そう呟いたー。

”聡美”は、痴女な女子大生ライフを送っていたせいか、
未だに、”変な先輩男子”に絡まれたりすることが時々あるー。

”急に真面目ぶっちゃってよー”
とか、”また触らせてくれよ~”とか、
”何で最近、ああいう服、着なくなっちゃったの?”とか、
そんなことを言われることもしばしばー。

しかし、聡美の側に確認すると、
どの相手も”いい人”なのだというー。

”いい人”の基準は、人によって変わるー。

Aにとって良い人であっても、その人はBにとっては最悪な人間かもしれないー。

人間には相性があるのだと、
嫌でも思い知らされたー。

そんな、気がしたー。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

そんなある日ー

萌(聡美)が、いつものように職場から帰宅しようとしていると、
ふと、背後に気配を感じたー。

「ーーー」
少しだけ笑みを浮かべる萌(聡美)ー

”痴漢かな?”
痴女な聡美は、痴漢に臆することなく、
少しだけニヤニヤと笑みを浮かべるー。

友達の”美晴”からも入れ替わる前は
よく呆れられていたー

”普通じゃない”
とー。

確かに、普通、今のような状況であれば、
怯えるだろうし、恐怖を感じると思うー。

自分のように、”喜ぶ”人間なんて、滅多にいないー。
変わり者である自覚はあるー。

しかしー、人間、男女関係なくー
変わり者もいるし、変態もいるのだー。

そういえばー、大学の同級生の中にも
”女子に変態がいるなんて思わなかった”みたいなことを
言ってる男子もいたー。

”女子と関わりなさすぎでしょ。変態なんて普通にいるよ”と、
言ったこともあったー。

そんなことを思い出しながら、
萌(聡美)が今一度背後の気配を探るー。

がー、既に気配は消えて居たー

「ーなぁんだ…」
ため息をつく萌(聡美)ー。

不審者かと思ったが、違ったようだー。
痴女な聡美の場合”普通とは逆の意味”で自意識過剰になっているー。

過剰に怖がって警戒しすぎているーのではなく、
ちょっと楽しいことができるかもしれないと期待してしまって、
過剰に反応しているー。

そんな状態ー。

萌(聡美)は「ふぅ」とため息をつきながら、
そのままその場を後にしたー。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「それじゃ、また明日ー」

数日後ー。

彼氏の川田 哲郎(かわだ てつろう)が、
笑いながら手を振るー。

「あ、はいー。
 また、明日もよろしくお願いしますー」

ぺこりと頭を下げる聡美(萌)ー

ひたすら堅物に生きて来た”萌”は
恋愛経験も乏しく、
入れ替わった後に付き合い始めた”川田”という男子大学生を前にしても、
ずっと、どこか距離感を間違えているような付き合い方を続けていたー。

元々、この”川田”という子は、入れ替わる前に痴女な聡美が
揶揄うつもりでアプローチとかけていた大人しい男子生徒ー。

それが原因で、入れ替わった後に、何の事情も知らない哲郎の方から
聡美(萌)に告白、付き合いが始まって今に至っているー。

”う~ん、話が弾まないー。絶対、つまらないって思われてそうー”
萌は内心でそんなことを思いながらゆっくり歩きだすー。

今日はこのあとー、
萌(聡美)と会う約束もしていてー、
一緒に晩御飯を食べるつもりだー。

こういう機会でも作らないと、
”大学生”と”OL”ー
立場の違う二人が会う機会はなかなかないし、
会わないままでいると、
お互い、”元々の自分”とのつながりのようなものが切れてしまうような、
そんな気がして、定期的にご飯を食べに行ったり、するようにしているー。

”そういえばー、会社の方の件は大丈夫かなぁー”
少し前に、萌(聡美)から聞かされた、
”職場のおばさん”と揉めている件ー。
そのことを心配しながら夜道を歩いていると、聡美(萌)は、
ふと気配を感じたー。

「ーーーーーー…え?」
背後を振り返る聡美(萌)ー。

だが、誰の気配もないー。

ぶるっと、少し恐怖心を感じながら
足早に歩き始めるー。

以前の”聡美”なら喜んだかもしれないー。
けれど、今の”聡美”は、もう、喜ぶことはないー。

中身が”痴女”から”堅物”に変わったのだからー。

そしてー、
家の近くの道にたどり着いたその時だったー。

「ーーーーー!」
目の前に、突然男が姿を現したー

「え…?誰…ですか?」
聡美(萌)が困惑しながら言うと、
「ようやく見つけたよー。僕の女神ー」と、
気色の悪い笑顔を浮かべながら、男はそう言葉を口にしたー

「ーーど…どちら様ですかー?」
聡美(萌)がそう言うと、男は答えたー。

「ーー電車でいつも”一緒に”楽しんだじゃないかー」
男はニヤッと笑うー。

彼は入れ替わる前ー”聡美”がまだ痴女だった時、
聡美と同じ電車によく乗っていた人物ー。

そしてー、聡美に”痴漢行為”をしていた人物ー。
しかし、触られた聡美は嬉しそうにしていてー、
何も文句を言わなかったため、
以降、彼は聡美を見つけては聡美に近付いて、
聡美で楽しんでいたー。

”痴女”な聡美は、そんな状況に興奮して、
親友の美晴にそのことを説明しては、美晴に呆れられていたー

入れ替わる少し前にも、

”「電車で変なおっさんにスカートの中、
 触られたの!」”

などと、嬉しそうに報告していたー。

その男がー、
今、聡美(萌)の前に立っているー。

「ーどうして、電車を使わなくなったんだいー?」
笑みを浮かべる男ー。

聡美(萌)は「え…」と、戸惑うー。

入れ替わって、”萌”が”聡美”になってから、
通学のスタイルを萌は変えていたー。

堅物な萌は”30分前には”大学についていないと
気が済まないタイプで、元々の聡美の乗っている電車では
そもそも”萌の思い通りの時間”には大学に到着できないー。

さらに、萌は通勤電車がそもそも嫌いだったため、
”できれば乗りたくない”と考えていてー
OL時代は、距離的にやむを得ず電車に乗っていたものの、
大学では、距離的に自転車でも移動できることから
聡美になってからは、自転車で大学に行くようになっていたー。

しかしー、男からすれば
”いつも触らせてくれる僕の女神”が急にいなくなってしまった状態ー

男は”聡美”を探し当て、今日、こうして聡美(萌)の前に
姿を現したのだったー。

「ーーー…苦労したよー
 なんか、雰囲気変わったよねー」

男が笑みを浮かべるー。

それはそうだー。
萌が聡美になってから服装も髪型も、髪の色も変えたー。

事情を知らない人間からすれば
”変わった”と思うのは無理もないことだー。

「ーーー…でも、ようやく見つけたよー。
 ーえへへへー落ち着いた服装も悪くはないなぁ」

男は、”当たり前”と言わんばかりに聡美(萌)に近付くと、
聡美(萌)を触ろうとしたー。

がー

「ち、ちょっと!何するんですか!」
聡美(萌)が男を振り払い、「警察を呼びますよ!」と、
声を上げると、男はニヤニヤしながら、
「どうしてそんなこと言うんだよー。今まで嬉しそうにしてたのにー」
と、そんな言葉を口にしたー。

「ーーひっ……ほ、ホントに、警…」
聡美(萌)は、困惑しながら後ずさるー。

痴女だった聡美なら喜んだのかもしれないー。
けれど、今の聡美ー…萌と入れ替わって”堅物”になった聡美は、
もう、痴女ではないー。

震えながら後ずさる聡美(萌)を見て、
男はニヤニヤしながら「そういう演技もいいねぇ!」と、
狂った笑みを浮かべるーー。

「ーーーや…やめて…来ないで!」
聡美(萌)が声を上げたその時だったー。

「ーちょっと!何してるの!?!?」
背後から、聞き覚えのある声が響いたー。

「ーーえ…?」
聡美(萌)が振り返ると、そこには萌(聡美)の姿があったー。

「ーさ、聡美ちゃんー」
聡美(萌)が戸惑いながら言うと、
萌(聡美)は「待ち合わせ場所に来るのが遅かったのでー」と、
待ち合せ場所に聡美(萌)がたどり着くのが遅いことを心配して、
こうして様子を見に来てくれたらしいー。

「ーなんだなんだ?僕と、僕の女神の時間を邪魔するつもりか!?」
男がそう言葉を口にするー。

聡美(萌)は困惑しながら
「ーあの人、ヤバい感じだから、早く逃げた方がー」と、
一緒に逃げることを提案するー。

しかしー、
萌(聡美)は笑みを浮かべると、
突然、男の方を見て、ニヤニヤしながら叫んだー。

「ー触りたいなら、わたしを触って!」
とー。

「ーーーは???」
男は、表情を歪めるー。

「ーー聞こえなかった?触りたいんでしょ?
 ならわたしを触ってー。
 最近、なかなか刺激が足りないから、
 欲求不満なの」

萌(聡美)の言葉に、男は逆に引いた様子で、
「な…な、なんだお前は!」と、そう言葉を口にするー。

しかし、萌(聡美)は、
それでも引き下がる様子を見せずに、
「ほら、どこを触りたいの?」と、クスクス笑うと、
「胸?それとも髪?あ、スカートの中?」と、
挑発的な笑みを浮かべるー。

その言葉に、男は逆に戸惑いながら
「こ、この変態女め!」と言いながら走り去っていくー。

「ーふんー。変態はお互い様でしょ」
萌(聡美)は不満そうに逃げていく男に対して
そう言い放つと、
「萌さんー大丈夫でしたか?」と、
少し心配そうにそんな言葉を口にしたー。

助けられた聡美(萌)は
「あ…だ、大丈夫ですー」と、そう言葉を口にすると、
萌(聡美)は「わたしのせいで、ごめんなさいー」と、
そんな言葉を口にしたー。

「ーーあ…いえー…」
聡美(萌)が、まだ怯えた様子でそう言葉を口にすると、
萌(聡美)は「痴女やってるとああいうのがくっついてくるんですよね」と、
申し訳なさそうに言葉を口にしたー。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

変質者を撃退した二人は、
当初の予定通り、そのまま一緒に晩御飯を食べるため、
近くのお店へと立ち寄るー。

すると、萌(聡美)は少し申し訳なさそうにしながら、
言葉を口にしたー。

「ーー学生の頃と、社会人はやっぱり違いますねー」
とー。

「ーーえ…?あ~…うんーそうですねー。
 やっぱり色々と違うことはあったかもー」
聡美(萌)が、自分が学生から社会人になった時のことを
思い出しながらそう言葉を口にすると、
萌(聡美)は少し間を置いてから、言葉を口にしたー

「会社でも学生気分で触られて喜んでたらー
 どんどん会社の空気が悪くなっちゃってー…
 厚谷さんには睨まれたままだし、
 色々他にも問題が起きちゃっててー」

萌(聡美)がそう言うと、
聡美(萌)は、戸惑いの様子を見せるー。

”堅物”だった萌が入れ替わって”痴女”になったことで
色々トラブルが起きているのだろうー。

しかし、聡美(萌)にはどうすることもできないー。

そう思っていると、萌(聡美)が、ふと言葉を口にしたー。

「ーあの…わたしー、あの会社、辞めようと考えてますー」
とー。

その言葉に、聡美(萌)は
困惑の表情を浮かべながら、萌(聡美)の方を見つめたー…

<後編>へ続く

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次回が痴L★O女の最後のお話デス~!☆

トラブルと、未来に繋がるお話を
描いていきますネ~!

今日もお読み下さりありがとうございました~~!

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入れ替わり<痴L★O女>

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