<入れ替わり>痴L★O女③~これから~(完)

入れ替わってしまった二人は
結局、元に戻る方法が分からないまま、
お互いの職場と学校に行くことになってしまうー。

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大学ー
ソワソワした様子で聡美(萌)が、
大学にやってくるー。

聡美が持っている中で、一番長いスカートを選びー、
髪型やメイクは、聡美本人に教えてもらいながら、
なんとか整えたー。

同じ女であるはずなのに、
まるで、異性に教わっているかのような”そんな感覚を
覚えてしまうぐらいに、萌と聡美の考え方は違ったー

「ーーーー…あれ?今日は随分、地味じゃない?」
友人の美晴が、聡美(萌)を見つけて声を掛けてくるー。

「あ…!え!?あ、はいー!美晴さん!」
聡美(萌)は急に話しかけられて、そんな反応をしてしまうー

「み、美晴さんー?
 ど…どうしたの聡美?」
美晴は少し困惑の表情を浮かべながらもー
「ーーな~んか、今日は元気ないねー」と、苦笑いするー

「え…えっ…え!そうかなぁ…?」

「ーーそうだよ~!だっていつもだったら、
 おはようより前に下心が溢れる感じだし」
と、美晴が笑うー。

「ーおはようより前に下心!?」
聡美(萌)は、顔を真っ赤にしながらそう叫ぶと、
「ーーえぇぇ…なになに、何か逆に怖いんだけどー」
と、美晴は戸惑うー。

「ーーなんか、今日の聡美は性欲が全部抜けちゃった感じだね」

そう笑いながら美晴は、「あ!そろそろ行かなくちゃーまたあとで!」と、
手を振りながら立ち去って行ったー

「ーーふ…普段この子…どんな生活送ってるのー…?」
困惑しながら聡美(萌)は、自分の手を見つめたー。

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「ーーえっ!?」

イケメンな先輩男性社員が、
職場にやってきた萌(聡美)を見て驚くー

地味な髪が、おしゃれな髪に、
地味なメイクが、職場でのマナーは配慮した上で、おしゃれなメイクにー
そして、何よりー
明るい表情の”萌”に、驚いたのだー。

「ーーあ、おはようございます~♡」

”すごい…イケメンー”
萌(聡美)はイケメン男性社員に甘い声であいさつすると、
イケメン男性社員が少し顔を赤らめるー

”え?どうしたの、真壁さんー?”

”え?真壁さん可愛すぎでしょ”

”あんな綺麗だったなんてー”

”彼氏でもできたのかなー?”

周囲の社員たちが一斉に戸惑うー

萌(聡美)は
「ーも~どうしたんですか?そんなに見つめて!」と、
視線を感じて、ゾクゾクしながら、
「は~~~…このOLって感じの服装に…
 この…おっぱい…たまんない…♡」と、
思わず、萌の身体を見下ろして、笑みを浮かべてしまうー。

「ーーそういえばー…」
萌(聡美)は、聡美になった萌から、昨日、説明を受けた際に、
”隣の部署の部長はセクハラ部長だから気を付けて”と
言われていたことを思い出すー。

「ーセクハラ部長ー」
じゅるり、と涎を垂らしそうになる萌(聡美)ー

「ーいやでも、こんなお尻を前にしたら…ねぇ ふふふ」
椅子でもじもじしながら、萌(聡美)はニヤニヤしていると、
おばさんの社員から「ーど…どうしたの?」と、
不安そうに声を掛けられてしまったー

「ーあ、いえ!何でも!ありません!」
萌(聡美)はそう叫ぶと、”集中集中”と、仕事に集中し始めるのだったー

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”相手に成りすました状態”での初日が終わりー、
萌(聡美)と聡美(萌)は聡美の家で
情報交換を続けていたー。

「ーーわたしたち、いつ元に戻れるんでしょう…?」
聡美(萌)が不安そうに言うと、
萌(聡美)は、生足を大胆に晒したショートパンツ姿で
太ももを撫でながら「ーーう~ん…」と呟くー。

「ーーー」
自分の生足に恥ずかしそうに目をそらしながら
聡美(萌)は「っていうより…普段、どんな生活してるんですかー?」と、
思わず聞いてしまうー

「え…?」
萌(聡美)は太ももをすりすりしていた手を止めると、
「ーーあ、いえ、大学の友達のー…美晴さんとお話してたら
 なんかこう…」

と、聡美(萌)が恥ずかしそうに言うのを見て

「あ~!美晴にはよく痴女って言われますね!
 あと、生まれてくる性別間違えてるとか 
 前世はおっさん!とか、色々!」

笑いながら、萌(聡美)はそう説明するー

「ち…ち…ち…地上女子ってなんですか!?」
聡美(萌)が戸惑いながら叫ぶー。

萌は、恋愛や、Hなことが絡む話にとても疎い。
友人の涼子から”合コン”に誘われた時にも
”何かのコントローラー?”
”大根みたいな野菜?”
と、聞き返したぐらいだー

「ーーちじょうじょし…?」
萌(聡美)は逆に困惑しながらそう呟くとー
「ーー痴女ですよ 痴女ー
 まぁ、簡単に言えば変体ってことですねー」
と、笑いながら言うー。

「ーへ…へ…へんたい…?」
ぷしゅ~、と音を立てながら思考が追い付かなくなるー
そんな気分になった聡美(萌)ー。

「ーーでも実際、元に戻れないと、このまま生活を
 続けるしかないですよねぇ…」
萌(聡美)は「っていうか、この足エロイなー」と、独り言を
呟きながらそう言うと、
「ーー…まぁ…そうですね…」と、不安そうに聡美(萌)は呟いたー。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

翌日もー
その次の日も元に戻れないままー。

やがて、”萌の家”をずっと留守にするわけにはいかないー、
と、やがて二人は週に数回、どっちかの家で二人で過ごすことに決め、
別々に過ごし始めたー。

「ーーーあ~~~~~」
萌(聡美)は、初めて萌の家にやってくると、
萌の部屋を見渡しながら
「ーーやっぱり真壁さんの部屋ってこんな感じだよね~」と、
想像していた通りの部屋に、思わず笑みを浮かべるー

「ーーーでも…
 すっごい可愛いのにー」
萌(聡美)は、「名前も萌えるし」と、ニヤニヤしながら
呟くと、色々なことを妄想しながら、一人笑みを浮かべたー。

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入れ替わってから1週間が経過したー。

聡美になった萌は、聡美と相談して、
”萌が耐えられる服装”を色々購入することにしたー。

「ーーごめんなさいー…おしゃれが好きな聡美ちゃんの身体で
 こんな地味な格好をしてー」

「ーーいえいえ、萌さんも辛いでしょうし、いいですよー」

二人で買い物をする休日ー。

聡美(萌)は、地味な雰囲気の服装ー
萌(聡美)は、目をそらしてしまうぐらいにおしゃれな雰囲気になっているー

「ーわたしだって…萌さんの身体でおしゃれしちゃってますしー」
萌(聡美)がそう言うと、
「ー眩しすぎて…見えないですー」
と、恥ずかしそうに目を逸らすー

ずっと地味に生きてきた萌にとって
”自分のおしゃれな姿”を見るのは、妙に恥ずかしい、というか
正直、苦痛だったー。

一方の聡美からすれば”地味になった自分”を見るのは
ある意味新鮮で悪い気はしなかったー。

入れ替わってから1週間ー
妙な出会いで、二人はだんだん親しくなり、
今はお互いに”萌さん”
”聡美ちゃん”と、呼んでいるー

「ーそういえば昨日、電車でおじさんに足触られて少し興奮ー」

「ーーえ?」
聡美(萌)の戸惑いの反応に、
萌(聡美)は何度か咳をしてから「いえ、なんでもないですー」と、
話を逸らすー。

”わたしの身体でなんか変なことしてそう…”
そんなことを思いながらも、服を選び終えると、
「ーー周囲に変な風に思われちゃったら…ごめんなさい」と、
聡美(萌)が言うー。

萌(聡美)は「いえ、わたしもたぶん、急におしゃれになって!、とか
思われてますし、お互い様ですよ」と、答えるー

入れ替わった以上、ある程度は仕方ないー
しかも”ずっと”このままの可能性もあるー

お互いに、ある程度、”自分流に、相手の身体と人生”を変えていくしかないー。

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入れ替わってから1か月が経過したー。

「ーーーもうこれ、萌さんとわたし、元に戻れない系のやつじゃないですか?」
萌になった聡美が苦笑いしながら言うー。

入れ替わって1か月、”萌”は、
すっかりおしゃれになって、まるで別人のように明るくなっているー。
会社でも急な豹変に驚かれているようだったが、
萌になった聡美の話によれば、同僚たちも
明るくなった萌に対して好意的なのだと言うー。

一方、聡美になった萌は急に穏やかになり、
親友の美晴を始め、”大丈夫?”というような感じに
なっているものの、入れ替わる前に聡美が半分揶揄う意味で
アプローチを続けていた男子生徒”川田くん”とイイ感じに
なっているのだと言うー。

「ーーそれで…あの…そのー」
ジャージ姿の聡美(萌)が言うー。

「ーー川田くんから…告白されたんですけどー…」
聡美(萌)が言うー。

”他人の身体で告白される”
そんな経験に聡美(萌)は戸惑っていたー

そもそも萌は告白などされたことがないー。
だから、余計に、だー。

「ーーえぇっ!?あの川田くんに!?」
萌(聡美)は、驚きながらも、
少し考えてからー

「ーーーー元に戻れるかどうかも分かりませんし、
 萌さんの好きにしていいですよ」
と、笑うー。

「ーーー…」
顏を赤らめながら聡美(萌)は頷くとー
「ーー…じ…じゃあー……その…お付き合いしてみようと思いますー」と
恥ずかしそうに答えたー。

萌(聡美)は、
”川田くん、わたしにたまたま触れちゃっただけで赤くなるような
 可愛い男のコだったし、萌さんにはちょうど良さそう”と、笑うー。

そしてー
部屋の隅で、バニーガール姿の自撮りを始める萌(聡美)ー

萌になった聡美は、少し前に、聡美になった萌に許可を取りー、
元々聡美がしていたのと同じように”過激な自撮り”をしているー。

「ーーなんか、見られてるって思うと興奮しちゃってー」
萌(聡美)の言葉に、聡美(萌)はものすごく恥ずかしそうにしながらも、
「聡美ちゃんって…なんかすごいー」と、
”自分ではありえなかった身体の使い方”に、戸惑いながらも
感心している様子だったー。

”見られると興奮しちゃうOLです!”
などというプロフィールで裏垢まで始めている萌(聡美)ー

聡美のやりたい放題ぶりに、戸惑いながらも、
だからこそ、聡美になった萌も、色々聡美にお願いしやすかったし、
聡美自身、”わたしも、萌さんの身体で色々好きにさせちゃってもらってますから、
萌さんも、わたしの身体を萌さん好みに使っていいですよ!”という感じで、
やりやすいと言えばやりやすかったー。

「ーーーでも、こんなことしちゃって、元に戻った時、
 お互いどうしましょうね?」
萌(聡美)は、そんなことを言いながら、
鏡の前で、タイツを色っぽく触りながら自撮りをしているー。

「ーーー…」
恥ずかしそうに、そんな”元自分”の姿を見つめながら
聡美(萌)は「そ…その時はその時でー…いいんじゃないですか?」と、
控えめに呟くー

正直なところ、元に戻る方法は分からないしー、
元に戻れるのかどうかも分からないー。

最初のうちは”元に戻った場合”を考えて、
二人とも控えめな生活をしていたものの、
”1か月も元に戻れない”と、なると、
”元に戻れないことを視野に入れた生活”をしていく必要があるー

痴女な女子大生だった聡美は、痴女なOL・萌としてー、
堅物なOLだった萌は、堅物な女子大生・聡美として、
それぞれ生き方も考えていく必要があるー。

半年もー
何年もー
”元に戻った時のことを考えながら”
生活していたらー
ずっと”不自由な人生”のまま終わってしまうかもしれないー。

だからー

「ーーやばっ!好きです!だって!ゾクゾクしちゃう!」
萌(聡美)が興奮しながら叫ぶー。

すっかり痴女になってしまった萌の身体ー。

「ーーー…」
聡美(萌)はそんな”元自分”を見つめながらも、
”この入れ替わりがなかったら、たぶんずっと、真面目に仕事をしながら
 そのまま恋愛もすることなく、おばあさんになっただろうしー”
と、こんな人生も、悪くはないのかな…と、
バニーガール姿の”元自分”を見つながら、
少しだけ、静かに微笑んだー

おわり

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コメント

”とあるトラブル”が起きる展開も
考えていたのですが、
それをやると、⑥ぐらいまで必要になるので、
穏やかなお話で組み立てました~!☆

もしかしたら、トラブル編も、いつかお届けできるかもしれませんネ~!

お読みくださりありがとうございました!☆

今日は「憑依空間5周年」なので、
記念小説も掲載しています~!☆
この記事の1個下に「5周年記念トップページ」も載せたので
そこからチェックしてみてください★!

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入れ替わり<痴L★O女>

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