<憑依>束縛お姉さま~③の没バージョン~

”束縛お姉さま”の
「③」の没バージョンデス~!
(2019年の作品ですが、没バージョンはこちらでは載せてなかったので…)

※中盤までは③と同じですが、没案では後半の展開が異なります☆
※①と②(本編)を先にお読みください~!

※本日(10/17)の更新はこれとは別に用意しています!これはおまけデス!
※いつも通りお昼前後ぐらいに更新します

⇒本編はこちらからご覧ください~!

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姉の明香里の部屋ー

そこには部屋の主である明香里と、
その弟・健人ー

そして、ここにいるはずのない、
健人の彼女・琴美がいたー

琴美は操り人形のように立ったまま
明香里の横に控えている。

「---新垣さん!新垣さん!」
健人が琴美を呼びかける。

しかし、琴美の視線は、虚空を見つめていて
反応はないー

「新垣さんに何をしたんだ!」
健人が叫ぶと、
明香里は、とある容器を取り出して
健人に見せた

「-ふふふ、これ、なんだか知ってる?」
明香里が笑う。

その目は、狂気に染まっていた。

愛する弟に拒絶されたことー
弟に彼女が出来たことー

色々なことが積み重なって、明香里は暴走していたー

もう、後戻りできないほどに

「なんだよ、それ…!」
健人が言うと、
明香里は微笑んだ。

「これね、憑依薬って言うの。
見ててご覧」

明香里がそう言うと、
琴美にキスをした。

「ちょ!?何してるんだよ!?」
女同士のキス。

健人はドキドキしながらその光景に見入ってしまう。

そしてー
明香里がガス状に変形すると、
そのまま琴美に吸い込まれた。

「--!?」
驚く健人。

うつろな目をしていた琴美が
笑みを浮かべた。

「--どう?わたしがこの女をこうやって乗っ取ることができるの!」
琴美が両手を広げて嬉しそうに叫ぶ。

「う…嘘だろ?」
健人は唖然とした。

憑依薬なんて、そんなものがこの世にあるのかー。

「--嘘じゃないわよ!
ほら、見て!」

琴美が制服のボタンを外して、
下着をチラ見せする。

「--あぁぁ~ピンク色の下着なんかつけちゃってぇ~!」
琴美が笑いながら言う

「ちょ!やめろよ!」
健人が叫ぶと、
琴美はニヤァ、と笑みを浮かべて健人を見た。

「この子が、こんなことする?」
琴美の言葉に、健人は唖然とする。

琴美は、こんなことはしない、はずだ、と
健人は思いながら、
姉の明香里が憑依しているという話を
信じざるをえなかった。

「---ね、、姉さん…まさか」
健人が言うと、
琴美は微笑んだ。

「せいか~い!少し前から、わたし、
この女に憑依してるの!
ふふふ…
あんたに彼女なんて必要ない!
あんたにはわたしがいるんだから」

「--ふざけるな!」
健人が叫んだ。

「新垣さんは何も悪くないだろ!
そんな風に好き勝手にして…!

姉さんは最低だよ!」

健人の言葉を聞いて
琴美はショックを受けたかのような表情を浮かべる。

「--新垣さんの身体を返せ!
二度と新垣さんに近づくな!」

健人は怒り心頭だった。

姉のことは嫌いじゃないし、仲良しだった。

けれどー
こんなことをするなんて。

健人はショックを受けながら叫んだ。

「---こんなことする姉さんのことなんて、
大っ嫌いだ!」

健人の叫びを聞いて
琴美は表情を歪めた。

そして、ヒクヒクしながら口からガスのようなものを吐きだす。

口から出てきた明香里は
鬼のような形相を浮かべていた。

「---健人!わたしとエッチして!」
明香里が叫ぶ。

「しないよ!」
健人が叫ぶ。

明香里ははぁ、はぁ言いながら続ける。

「わたし、あんたのこと大好きなの。
弟としても見てるし、異性としても見てる!
ねぇ、お願い!わたしと…!」

明香里の言葉に
健人は、心底”気持ち悪い”そう思った。

そして、吐き捨てるようにして言った。

「変態…!」

と。

「---チッ」
明香里が舌打ちした。

「--ねぇ」
明香里が琴美の方を見る。

琴美はまたうつろな目でそのまま立っている。

「--あんたのせいで
健人が惑わされてる」

そう呟くと、
明香里は琴美の方を見て、叫んだ。

「---許せない…!
滅茶苦茶にしてやる…!」

明香里が叫ぶと
琴美は「お姉さまのご命令であれば…」と呟き、
机にあったハサミを手にした。

「ちょ、、ちょっと!」
健人が叫ぶ。

明香里がにやりと笑みを浮かべた。

「健人~?
わたしとエッチしないなら、
この子を滅茶苦茶にするわよ」

明香里の言葉に健人は反論した。

「ふ…ふざけるなよ!
姉さんのやってることは犯罪だぞ!」

「--ふふ、違うわよ!
この子は”自分で勝手にやってる”んだもん
わたしは関係ないわ!」

明香里はそう言うと、
琴美の方を見た

「まずは、、そうね…
裸になってもらおうかしら」

明香里がそう言うと、
琴美は「はい…」と呟いて
ハサミで自分の制服を切り刻み始めた。

「お…おい!やめろって!」
健人が叫ぶ。

制服が切られていき、
綺麗な肌が見えてくるー

スカートが床に落ちて、
綺麗な脚が晒されたー

「---やめろよ!」
健人は、琴美を止めようとした。

しかしー

「どけ!」
琴美は、健人を乱暴に振り払って、
制服を切り終えると、
また、人形のように立ち尽くした。

「ふふ~綺麗な身体ね」
明香里が、下着姿の琴美を見て笑う。

「さぁ、健人。わたしとエッチする?しない?」
明香里の言葉に、
健人は、反論した。

「--そっかそっか、僕に彼女が出来たことを
嫉妬してるんだよな?」

健人は、目の前の姉に愛想を尽かし始めていた。

そして、叫ぶ。

「この嫉妬女…!」

健人が吐き捨てるように叫ぶと、
明香里は舌打ちをした。

「許せない」

明香里は、琴美の方を見ると、
叫んだ。

「--スマホで自撮りして、
自分のSNSにその写真をアップしなさい」

「--はい」

琴美は、鞄からスマホを取り出し、
下着姿の自分を撮影する。

「---おい!やめろって!」
健人が叫ぶ。

「---表情が固いわね。
笑って楽しそうに、写真を撮りなさい」

明香里が言うと、琴美は嬉しそうに笑いだして
下着姿のままピースしたり、微笑んだりして
写真を撮影している。

「そうね…
じゃあ~
その写真を、自分のツイッターでアップしなさい

文章は”わたし、実は痴女で~す☆”なんて
面白いかしら」

明香里が言うと、
琴美は「お姉さまの言うとおりにします」と
呟き、スマホをいじる。

「やめろおおおおお!」
健人は叫んだ。

そして、姉の明香里に突進した。

「きゃっ!」
明香里が健人に押し倒される。

下着姿をツイッターにUPなんてしてしまったら
琴美の人生はそれこそ終わりだ。
健人が倒れた明香里の胸倉をつかんで叫ぶ。

「今すぐ!やめさせろ!」
仰向けになった明香里の上で
怒りの形相を浮かべる健人。

「あぁ…健人♡」
明香里は、押し倒されたような格好になったことで、
興奮を隠せずに居た。

「---!?」
健人が、何かが落ちたような音が聞こえて
横を見ると、琴美が、興奮しているのか、身体から
液体をぽたぽたと流していた。

明香里の興奮が洗脳されている琴美にも伝わっている。

琴美が、ツイッターにアクセスしている。

「おい!今すぐやめさせろ!」
健人が明香里に向かって叫ぶ。

「ーーあぁぁあ♡ 健人~!」
明香里が興奮した様子で叫ぶ。

「--早く!新垣さんの人生を壊す気か!
今すぐやめさせろ!」

健人が必死の思いで叫ぶ。

しかし、明香里は、健人に押し倒されて
自分に向かって叫んでいる現状に興奮していて
もはや話が通じる状況ではなかった。

「--やめさせろ!!!」

健人は琴美の方を見る。
今まさに、自分の写真をツイートしようとしている状態。

「やめろーーー!」
健人は、明香里から離れて、琴美の方に突進した。

「--きゃっ!?」
琴美が吹き飛ばされて、
可愛らしいスマホが宙を舞う。

健人がそのスマホをキャッチすると、
ツイート直前だった琴美の写真を削除して、
明香里の方を睨みつけた。

「--な、、なんてことするんだ!」
健人が叫ぶと、
明香里が言った。

「--私と健人の愛を邪魔するんだもん
当然じゃない」

明香里が言う。

「--う、、、ぼ、、僕は…
僕は、姉さんのこと、尊敬してたー

でも、、でも!
ショックだよ!
こんなことするなんて!

もうお前なんか、姉さんじゃない!」

健人は、心底、姉の明香里に失望していた。

そしてー
決別の言葉を口にした。

「--じゃあ…
力づくでも従わせてあげる」

明香里がそう言うと、
背後にいた琴美が健人を羽交い絞めにした。

下着姿の琴美に動けなくされる健人。

「お、、、おい!やめろってば!」
もがく健人。

しかし、琴美はうつろな目をした人形のように
何も言わない。

「---ふっふふふ~
け~んと!わたしとエッチしよ!」

明香里が服を脱ぎ始める。

「やめろ!姉さん!自分のしてることが分かってるのか!」

健人が叫ぶ。

健人のズボンを無理やり下ろす明香里。

明香里は「はぁ、はぁ」と言いながら
健人のソレを咥えようとする。

「---…ごめん!」
健人はそう叫ぶと、背後にいた琴美を力づくで
振り払った。

そして、アレを咥えようとしていた明香里を突き飛ばす。

「---ううううう!健人ぉぉぉおお!」
明香里が怒りに満ちた表情で叫ぶ。

「---…」
健人は、琴美の方を見た。

うつろな目で、ゾンビのように起き上がり、
また健人を羽交い絞めにしようとする。

健人は意を決した。

「わかったよ…
姉さんとエッチするから…

だから…
新垣さんだけは解放してやってくれ」

健人が土下座をする。

健人の目から涙が零れ落ちる。

それを見て、明香里は
”弟を泣かせてしまった”という事実に愕然とする。

「---ご、、ごめん、、健人」
明香里は、健人に抱き着いた。

「ごめん…そんなつもりじゃ…
わたし、健人のことが好きで好きで」

明香里が健人を抱きしめながら言う。

「---…わかった…」

明香里はそう言うと、立ち上がって
琴美に対して言った。

「---もう、解放するわ」

明香里がブツブツと呟くようにして言う。

明香里の目には、狂気が宿っていた。

「---琴美!そのまま外に飛び出して
あんたの身体を見せつけてやりなさい!」

明香里が叫んだ。

「は?ふ、、ふざけるな!
新垣さんの人生を何だと思ってるんだ!」

叫ぶ健人ー

が、琴美はにっこりとほほ笑むと
そのまま明香里の部屋から立ち去ってしまう。

家の玄関の方に向かう琴美。

このままじゃ、琴美の人生が壊されてしまう。

「--やめろ!今すぐやめさせろ!」

健人が怒り狂って叫ぶ。

しかし、明香里は笑うだけ。

「--わたしと健人の愛の邪魔をする人間は
排除するの
人の愛を邪魔する略奪女に与える、罰よ!」

明香里が叫んだ。

健人はどうにか琴美を止めようと周囲を
見渡すー

そしてー
気付いた。

”ある”

1つだけ、方法がー

「--!?」
突然走り出した健人。

そしてー
健人の手には、明香里が健人に先ほど見せびらかした
憑依薬が握られていた。

「--け、、健人♡」
明香里は思わず甘い声を出してしまう。

健人がわたしの身体を支配しようとしているー

ゾクゾクするー

「うふふ…そっか!わたしと、、わたしと
ひとつになりたいんだね!」

明香里が嬉しそうに微笑む。

しかしー
憑依薬を飲んだ健人はーー
明香里を無視して走った。

「---!!」

しばらくするとーー
部屋に誰かが戻ってきた。

戻ってきたのは、
下着姿の琴美だった。

「---ま、、まさか」
明香里が唖然とする。

「---姉さん…
いいや、、あんたはもう他人だ。
僕は…新垣さんを守る為に
こうするしかなかったんだ」

健人が思いついた方法ー
それは、琴美に憑依して、
明香里の意のままにされている琴美を
守ることー

「---け、、健人!
そんな女の身体から、早く出なさい!」

明香里が言う。

「---いやだ」
琴美ははっきりと言った。

「新垣さんは、絶対に傷つけさせないし、
僕は、もう、あんたと一緒に暮らしたくない」

琴美は吐き捨てるようにして言う。

「---さよなら」
琴美は明香里の部屋の服を勝手に漁ると
それをそのまま着て、外へと歩いていく。

「ま…待って!」
明香里の言葉は、健人には届かないー

明香里は、最愛の弟を失ってしまった。

「い…いやあああああああああ!」
泣き叫ぶ明香里。

異常な愛が、弟を遠ざけてしまった。

もう、二度とー
その愛は、届かない

おわり

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コメント

「束縛お姉さま」の本編は別の終わり方をしましたが、
このB案も考えていました(笑)

こんな未来もあったかもしれない~
と、いうことですネ…!

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憑依<束縛お姉さま>

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