弟に対する異常なまでの愛情。
姉・明香里は、
弟にできた彼女・琴美を利用して、
弟に迫る…。
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姉の明香里の部屋ー
そこには部屋の主である明香里と、
その弟・健人ー
そして、ここにいるはずのない、
健人の彼女・琴美がいたー
琴美は操り人形のように立ったまま
明香里の横に控えている。
「---新垣さん!新垣さん!」
健人が琴美を呼びかける。
しかし、琴美の視線は、虚空を見つめていて
反応はないー
「新垣さんに何をしたんだ!」
健人が叫ぶと、
明香里は、とある容器を取り出して
健人に見せた
「-ふふふ、これ、なんだか知ってる?」
明香里が笑う。
その目は、狂気に染まっていた。
愛する弟に拒絶されたことー
弟に彼女が出来たことー
色々なことが積み重なって、明香里は暴走していたー
もう、後戻りできないほどに
「なんだよ、それ…!」
健人が言うと、
明香里は微笑んだ。
「これね、憑依薬って言うの。
見ててご覧」
明香里がそう言うと、
琴美にキスをした。
「ちょ!?何してるんだよ!?」
女同士のキス。
健人はドキドキしながらその光景に見入ってしまう。
そしてー
明香里がガス状に変形すると、
そのまま琴美に吸い込まれた。
「--!?」
驚く健人。
うつろな目をしていた琴美が
笑みを浮かべた。
「--どう?わたしがこの女をこうやって乗っ取ることができるの!」
琴美が両手を広げて嬉しそうに叫ぶ。
「う…嘘だろ?」
健人は唖然とした。
憑依薬なんて、そんなものがこの世にあるのかー。
「--嘘じゃないわよ!
ほら、見て!」
琴美が制服のボタンを外して、
下着をチラ見せする。
「--あぁぁ~ピンク色の下着なんかつけちゃってぇ~!」
琴美が笑いながら言う
「ちょ!やめろよ!」
健人が叫ぶと、
琴美はニヤァ、と笑みを浮かべて健人を見た。
「この子が、こんなことする?」
琴美の言葉に、健人は唖然とする。
琴美は、こんなことはしない、はずだ、と
健人は思いながら、
姉の明香里が憑依しているという話を
信じざるをえなかった。
「---ね、、姉さん…まさか」
健人が言うと、
琴美は微笑んだ。
「せいか~い!少し前から、わたし、
この女に憑依してるの!
ふふふ…
あんたに彼女なんて必要ない!
あんたにはわたしがいるんだから」
「--ふざけるな!」
健人が叫んだ。
「新垣さんは何も悪くないだろ!
そんな風に好き勝手にして…!
姉さんは最低だよ!」
健人の言葉を聞いて
琴美はショックを受けたかのような表情を浮かべる。
「--新垣さんの身体を返せ!
二度と新垣さんに近づくな!」
健人は怒り心頭だった。
姉のことは嫌いじゃないし、仲良しだった。
けれどー
こんなことをするなんて。
健人はショックを受けながら叫んだ。
「---こんなことする姉さんのことなんて、
大っ嫌いだ!」
健人の叫びを聞いて
琴美は表情を歪めた。
そして、ヒクヒクしながら口からガスのようなものを吐きだす。
口から出てきた明香里は
鬼のような形相を浮かべていた。
「---健人!わたしとエッチして!」
明香里が叫ぶ。
「しないよ!」
健人が叫ぶ。
明香里ははぁ、はぁ言いながら続ける。
「わたし、あんたのこと大好きなの。
弟としても見てるし、異性としても見てる!
ねぇ、お願い!わたしと…!」
明香里の言葉に
健人は、心底”気持ち悪い”そう思った。
そして、吐き捨てるようにして言った。
「変態…!」
と。
「---チッ」
明香里が舌打ちした。
「--ねぇ」
明香里が琴美の方を見る。
琴美はまたうつろな目でそのまま立っている。
「--あんたのせいで
健人が惑わされてる」
そう呟くと、
明香里は琴美の方を見て、叫んだ。
「---許せない…!
滅茶苦茶にしてやる…!」
明香里が叫ぶと
琴美は「お姉さまのご命令であれば…」と呟き、
机にあったハサミを手にした。
「ちょ、、ちょっと!」
健人が叫ぶ。
明香里がにやりと笑みを浮かべた。
「健人~?
わたしとエッチしないなら、
この子を滅茶苦茶にするわよ」
明香里の言葉に健人は反論した。
「ふ…ふざけるなよ!
姉さんのやってることは犯罪だぞ!」
「--ふふ、違うわよ!
この子は”自分で勝手にやってる”んだもん
わたしは関係ないわ!」
明香里はそう言うと、
琴美の方を見た
「まずは、、そうね…
裸になってもらおうかしら」
明香里がそう言うと、
琴美は「はい…」と呟いて
ハサミで自分の制服を切り刻み始めた。
「お…おい!やめろって!」
健人が叫ぶ。
制服が切られていき、
綺麗な肌が見えてくるー
スカートが床に落ちて、
綺麗な脚が晒されたー
「---やめろよ!」
健人は、琴美を止めようとした。
しかしー
「どけ!」
琴美は、健人を乱暴に振り払って、
制服を切り終えると、
また、人形のように立ち尽くした。
「ふふ~綺麗な身体ね」
明香里が、下着姿の琴美を見て笑う。
「さぁ、健人。わたしとエッチする?しない?」
明香里の言葉に、
健人は、反論した。
「--そっかそっか、僕に彼女が出来たことを
嫉妬してるんだよな?」
健人は、目の前の姉に愛想を尽かし始めていた。
そして、叫ぶ。
「この嫉妬女…!」
健人が吐き捨てるように叫ぶと、
明香里は舌打ちをした。
「許せない」
明香里は、琴美の方を見ると、
叫んだ。
「--スマホで自撮りして、
自分のSNSにその写真をアップしなさい」
「--はい」
琴美は、鞄からスマホを取り出し、
下着姿の自分を撮影する。
「---おい!やめろって!」
健人が叫ぶ。
「---表情が固いわね。
笑って楽しそうに、写真を撮りなさい」
明香里が言うと、琴美は嬉しそうに笑いだして
下着姿のままピースしたり、微笑んだりして
写真を撮影している。
「そうね…
じゃあ~
その写真を、自分のツイッターでアップしなさい
文章は”わたし、実は痴女で~す☆”なんて
面白いかしら」
明香里が言うと、
琴美は「お姉さまの言うとおりにします」と
呟き、スマホをいじる。
「やめろおおおおお!」
健人は叫んだ。
そして、姉の明香里に突進した。
「きゃっ!」
明香里が健人に押し倒される。
下着姿をツイッターにUPなんてしてしまったら
琴美の人生はそれこそ終わりだ。
健人が倒れた明香里の胸倉をつかんで叫ぶ。
「今すぐ!やめさせろ!」
仰向けになった明香里の上で
怒りの形相を浮かべる健人。
「あぁ…健人♡」
明香里は、押し倒されたような格好になったことで、
興奮を隠せずに居た。
「---!?」
健人が、何かが落ちたような音が聞こえて
横を見ると、琴美が、興奮しているのか、身体から
液体をぽたぽたと流していた。
明香里の興奮が洗脳されている琴美にも伝わっている。
琴美が、ツイッターにアクセスしている。
「おい!今すぐやめさせろ!」
健人が明香里に向かって叫ぶ。
「ーーあぁぁあ♡ 健人~!」
明香里が興奮した様子で叫ぶ。
「--早く!新垣さんの人生を壊す気か!
今すぐやめさせろ!」
健人が必死の思いで叫ぶ。
しかし、明香里は、健人に押し倒されて
自分に向かって叫んでいる現状に興奮していて
もはや話が通じる状況ではなかった。
「--やめさせろ!!!」
健人は琴美の方を見る。
今まさに、自分の写真をツイートしようとしている状態。
「やめろーーー!」
健人は、明香里から離れて、琴美の方に突進した。
「--きゃっ!?」
琴美が吹き飛ばされて、
可愛らしいスマホが宙を舞う。
健人がそのスマホをキャッチすると、
ツイート直前だった琴美の写真を削除して、
明香里の方を睨みつけた。
「--な、、なんてことするんだ!」
健人が叫ぶと、
明香里が言った。
「--私と健人の愛を邪魔するんだもん
当然じゃない」
明香里が言う。
「--う、、、ぼ、、僕は…
僕は、姉さんのこと、尊敬してたー
でも、、でも!
ショックだよ!
こんなことするなんて!
もうお前なんか、姉さんじゃない!」
健人は、心底、姉の明香里に失望していた。
そしてー
決別の言葉を口にした。
「--じゃあ…
力づくでも従わせてあげる」
明香里がそう言うと、
背後にいた琴美が健人を羽交い絞めにした。
下着姿の琴美に動けなくされる健人。
「お、、、おい!やめろってば!」
もがく健人。
しかし、琴美はうつろな目をした人形のように
何も言わない。
「---ふっふふふ~
け~んと!わたしとエッチしよ!」
明香里が服を脱ぎ始める。
「やめろ!姉さん!自分のしてることが分かってるのか!」
健人が叫ぶ。
健人のズボンを無理やり下ろす明香里。
明香里は「はぁ、はぁ」と言いながら
健人のソレを咥えようとする。
「---…ごめん!」
健人はそう叫ぶと、背後にいた琴美を力づくで
振り払った。
そして、アレを咥えようとしていた明香里を突き飛ばす。
「---ううううう!健人ぉぉぉおお!」
明香里が怒りに満ちた表情で叫ぶ。
「---…」
健人は、琴美の方を見た。
うつろな目で、ゾンビのように起き上がり、
また健人を羽交い絞めにしようとする。
健人は意を決した。
「わかったよ…
姉さんとエッチするから…
だから…
新垣さんだけは解放してやってくれ」
健人が土下座をする。
健人の目から涙が零れ落ちる。
それを見て、明香里は
”弟を泣かせてしまった”という事実に愕然とする。
「---ご、、ごめん、、健人」
明香里は、健人に抱き着いた。
「ごめん…そんなつもりじゃ…
わたし、健人のことが好きで好きで」
明香里が健人を抱きしめながら言う。
「---…わかった…」
明香里はそう言うと、立ち上がって
自分の私服を選んで琴美に手渡した。
ブラウスとスカートを身に着ける琴美。
琴美の制服は、明香里が命令して、
切らせてしまった。
だから、代わりに琴美に服を渡したのだった。
「制服も弁償しなくちゃね」
明香里はそう呟くと、
琴美に対して言った。
「---もう、解放するわ」
明香里がブツブツと呟くようにして言う。
その直後、
琴美は目の輝きを取り戻した
「あ…あれ!?わたし?」
驚いた表情で言う琴美
「---に、新垣さん!」
混乱する様子の琴美に、健人は語りかける。
「---せ、、説明は、、明日するから、
とにかく今日はもう帰って!」
健人はなるべく早く琴美を逃がそうとした。
ここにいれば、また明香里が何か
し始めるかもしれない。
「…わ、、わかった」
琴美はそう言うと、足早に立ち去って行く。
「----」
明香里がため息をつく。
「---ドジなところも可愛い」
「--!?」
健人が、明香里の意味深な言葉に驚く。
「わたしね、気づいたの。
あなたがわたしに振り向いてくれないなら、
わたしがあなたになればいいって」
「---!?」
明香里は憑依薬を手に笑っている。
「まだ半分残ってるもん」
無邪気に笑う明香里ー
無邪気に笑ってはいるが、
その目は、狂気に染まっているー
「---ま、、まさか…!」
健人は悪寒を感じたー
姉は、自分に憑依する気だー
「--あとさ」
明香里が憑依薬を飲み終えると
容器を放り投げて笑う。
「--琴美ちゃん、ずいぶんあっさり帰って行ったと思わない?」
「--?!」
健人ははっとするー
普通、自分が、彼氏の家に急にいて、
しかも、服を着替えさせられていたらー
”明日説明する”
の一言だけで納得するかー?
いや、しないー
「---琴美ちゃんにはね、
”解放”を命令したの」
「---な…どういう…!?」
健人は冷や汗をかきはじめる
「----ホント、ドジね…ふふふ」
・・・・・・・・・・・・・・・・・
琴美はにこにこしながら
スキップしていた。
「--えへへ♡ えへへ♡」
輝きを取り戻した目ー
しかしー
その目は、”正気”ではなかったー
「えへへへへへ~!」
琴美は繁華街までやってくると叫んだ。
「解放~~~☆」
琴美は嬉しそうに全ての衣類を脱ぎ捨てる。
明香里が指示したのは
衣類からの解放ー
繁華街が騒然としたー
琴美は、堂々と、
得意げな表情で、全ての服を脱ぎ捨てて
微笑んだ
・・・・・・・・・・・・・・・・・
「--琴美!」
部屋から飛び出そうとする健人。
しかし、そんな健人に
明香里が抱き着いた。
「--ひとつに、なろ?♡」
明香里が囁く。
そして、明香里は健人にキスをした。
「や、、やめ…あ」
「ブチュウ…クチュウうううう!」
明香里は健人に激しいキスをするー
「あ…」
明香里がガスのようになって、
健人の中に入って行くー
しばらく放心状態だった健人は、少しして
笑みを浮かべたー
「けんとぉぉ♡
ようやく、、ようやく一つになれたよぉ♡」
健人は破裂しそうになったズボンを見つめて微笑む。
「あぁあああ~わたしが健人~ぁああ♡」
「あぁああはんぁぁあ♡」
健人は、不気味なうめき声を上げながら、
自らを抱きしめたー
健人の心に、もう、自由はないー
これからは、姉に、束縛され続けるのだからー。
ずっと、ずっと、
永遠にー
おわり
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
コメント
お姉さまが健人君になってしまいました~汗
ここまでお読み下さりありがとうございました~!
最終話は”憑依で変えられちゃった”描写が
多くなっちゃいましたネ汗
コメント
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このラストのオチがたまりませんねぇ~~
好きな人に憑依してその人そのものになりきるのはある意味究極の愛…!
男に憑依する話は少ないですけど、女の子が好きな男に憑依してあれこれしちゃう話は私は好きだったりします。
SECRET: 0
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> このラストのオチがたまりませんねぇ~~
> 好きな人に憑依してその人そのものになりきるのはある意味究極の愛…!
> 男に憑依する話は少ないですけど、女の子が好きな男に憑依してあれこれしちゃう話は私は好きだったりします。
ありがとうございます~☆
この続きも機会があれば、短編で書いてみるかも、デス☆