姉は、弟を溺愛していた。
ある日、弟は言った。
「姉さん、僕、彼女が出来たんだ!」と。
「彼女が出来た?
そう?よかったね~!」
明るく返事をした姉。 しかし…
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3度の飯より弟が好きだ。
杉崎 明香里(すぎさき あかり)は、
弟を溺愛していた。
大学1年の明香里には、
彼氏がいない。
モテないわけではない。
しかしー
明香里にとって、彼氏など、必要ないのだ。
明香里は浮気をしない。
想い人がいるから、
彼氏は作らない。
「あぁ…健人…(けんと)」
弟の健人の写真を見つめながら
明香里は顔を赤らめていた。
健人の写真を鏡に貼りつけて
それにキスをする明香里。
健人のことを思い浮かべながら毎晩のように
エッチをしている。
それほどまでに、健人が好きだ。
「--お姉ちゃんが、守ってあげるからね。
永遠にー。
うふ、うふ♡ うふふふふふふ♡」
だがー
そんな愛を抱いているのはー
姉の明香里だけだったー
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「--ぼ、、僕、、、新垣(にいがき)さんのこと…」
放課後の図書室ー
弟の健人は、
同じ図書委員のクラスメイト、
新垣 琴美(にいがき ことみ)に告白していたー
眼鏡がよく似合う、
綺麗な黒髪が特徴的な琴美ー。
半年間ずっと、想いつづけて、
今日、ようやく告白する勇気を手に入れたー
「----え」
琴美は顔を赤らめながら健人を見た。
「---え、、え~っと」
琴美が困ったような表情を浮かべる。
健人は”やっぱり駄目だよな…”なんて
思いながら返事を待つ。
秒数にすれば、ほんのわずかな時間だったと思う。
でも、健人にはその時間が永遠のものに感じられるほど
長かった。
そしてー
「---…わ、、わたし、、男子から告白されたのとか、
は、、はじめてで」
琴美が顔を真っ赤にしながら
ようやく呟いた。
「そ、、その、、何て言ったらいいのかな…
え、、えっと、、その、、お、、お願いします」
琴美は恥ずかしそうに頭を下げた。
「---え…」
健人は唖然とした。
”僕と付き合ってください”と何故か
同級生に敬語で叫んだ健人。
Noと言われるのは覚悟していた。
がーー
返事は、Yesだった。
「--え、、い、、いいの?」
「う、、うん…わ、、わたしこそ、わたしなんかで大丈夫?」
琴美が言う。
「--だ、、大丈夫大丈夫大丈夫!
えぇぇ!やったあああああ!」
健人は思わず図書室でカエルのように
ぴょんぴょんと飛び跳ねた。
「--そ、そんなに喜ぶことなのかなぁ~?」
琴美が顔を赤らめながら微笑んだ。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「たっだいま~♪」
健人が嬉しそうに帰宅する。
姉の明香里は先に帰宅していた。
大学1年の明香里と
高校1年の健人。
2人は仲良しだった。
「あ、おかえり健人~!」
明香里が嬉しそうに言う。
「あ、姉さん!ただいま~!」
健人は洗面所に向かい、手を洗う。
鼻歌まで歌っていて、上機嫌な健人を見た
明香里は、”嬉しそうな健人を見てるとわたしも嬉しくなっちゃう”
などと思いながら健人に話しかけた。
「嬉しそうだね~?何かあったの?」
明香里は聞いた。
そして、その返事は姉の明香里が
想像もしていなかったもので、
姉の明香里にとっては地獄のような返事だった。
「姉さん、僕、彼女が出来たんだ!」と。
世界が、壊れたー。
明香里の世界が、壊れたー。
「彼女が出来た?
そう?よかったね~!」
明香里は笑顔でそう言うと、
明香里の思いを知らない健人は「うん!ありがとう!」と嬉しそうに叫んだ。
「---ーーー」
明香里は部屋へと戻る。
「--けんとに…かのじょ…?」
明香里は部屋にへなへなと座り込む。
誰?
誰…?
まだ、健人と一度もエッチしてないのにー
誰???
わたしと健人の愛を邪魔するのは、誰?
明香里は混乱していた。
目から涙を流しながら明香里は叫ぶ
「うああああああああああああ!」
明香里は部屋で狂ったように暴れはじめた。
「--はぁ…はぁ…はぁぁあああああ!」
近くにあったノートをビリビリに破り捨てると
明香里は、髪をぼさぼさにしながら微笑んだ
涙を目に浮かべながら微笑む明香里は、
スマホを手にして、
闇サイトであるものを注文したー
それはー
”憑依薬”と呼ばれる薬。
元々、弟の健人とひとつになりたい、と考えて
探していたものだったが
健人に彼女が出来たのなら話は別だ。
「---健人を奪う女は、、ぜったいに許さない」
明香里はそう呟いた。
・・・・・・・・・・・・・・・・・
3日後ー
「--新垣さんって本当に優しいなぁ~」
健人がデレデレしながら笑っている
「--えぇぇ」
琴美も照れながら顔を赤らめている。
2人は、付き合いたてのカップル特有の
デレデレ状態になっていた。
「--そういえばさ、僕の姉さんも
彼女が出来て良かったね、って喜んでくれたよ」
健人が言うと、
琴美が「そうなんだ~」と微笑む。
「わたし、2つ下の妹がいるんだけど、
妹は無反応だったよ~」
琴美が苦笑いしながら言うと、
健人は「ははは、そっか~!」と笑いながら
幸せをかみしめた。
憧れの琴美ちゃんと付き合えるなんて、
夢みたいだ~!
とー。
「----ふぅん」
背後から、二人を尾行していた姉の明香里が呟いた。
サングラスとマスク、全身ジャージというやばい姿で
2人を尾行していた明香里は笑みを浮かべる
「あれが、、わたしの敵ね…」
・・・・・・・・・・・・・・・
翌朝ー
昨日、弟の健人と彼女の琴美が
歩いていた場所で、待ち伏せをしていた。
”憑依薬”は既に飲んだ。
あとはー
「健人は、渡さないわ」
明香里は笑みを浮かべた。
明香里は昨日、琴美を見てこう思った。
”わたしの方が、可愛いじゃない”と。
明香里は確かに、スタイルも良く美人ではあるが
そういう問題ではない。
そもそも、弟の健人にとっては、
大事な姉ではあるが、恋愛対象ではないのだ。
「---きた!」
琴美が歩いてきたのを確認した明香里は
路地から飛び出した。
「---すみません~!」
明香里が笑みを浮かべて琴美に話しかける。
「え?あ、はい?」
琴美が不思議そうな表情で返事をする。
明香里は周囲を見渡した後に微笑んだ。
「--健人の姉の明香里です」
そう言うと、琴美は
「え、あ、杉崎くんのお姉さんですか?」
と微笑んだ。
「ちょっと、お話があるんだけど、いいかしら?」
明香里は高圧的に言い放つと、
琴美は可愛らしい腕時計を見つめた。
琴美は、早めに登校しているから、まだ時間はある
明香里に連れられて、少し道から外れた場所へとやってくる。
「---あの…何か御用ですか?」
琴美が言うと、
明香里は笑みを浮かべた。
「人の弟を盗んでおいて、
ふてぶてしい態度ね」
明香里は優しい口調でそう言った。
「え?」
琴美には、明香里が何を言いたいのか
よく分からなかった。
健人と付き合い始めたことは確かだが
”盗んだ”なんて言われる筋合いはない
「---ほら、そういう態度。
どうやって弟を誘惑したの?」
明香里が怒りっぽい口調で言う。
「え…そ、、その、誘惑だなんて」
琴美は困った表情を浮かべる。
しかし、明香里には、そんな反応も
面白くなかった。
「--盗まれたら盗み返す…」
明香里が呟く。
「--!?」
琴美が不安そうな表情で明香里を見つめる。
するとー
明香里が突然、琴美に抱き着いた。
「---ひっ!?や、やめてください」
抱き着かれた琴美がもがく。
明香里はそんな琴美を無視して、
ぎゅっと琴美を抱きしめて
耳元で小さく囁いた。
「--あなたの身体、貰うわね」
「--?!」
琴美が驚きの表情を浮かべると同時に
明香里は琴美にキスをした。
「んっ…え…んんんん!」
琴美が明香里を振り払うことができずに
されるがままにされてしまう。
「クチュ…クチュクチュ…♡」
明香里は不気味な笑みを浮かべながら
舌を絡めていくー
イヤらしい音が裏路地に響き渡りー
そしてー
やがて、明香里がガスのようになって
琴美の中に吸い込まれた。
「はぁ…、、はぁ…、はぁ」
琴美が苦しそうに息を吐きだしているー
「はぁ… はぁ♡ はぁ♡」
苦しそうだった息はだんだんと甘い吐息に変わって行く
「はぁぁ…健人…
健人は誰にも渡さない…」
琴美はくふふ…と笑いながら、いつものように
歩きはじめた…。
・・・・・・・・・・・・・・
「新垣さん、おはよう!」
健人が嬉しそうに琴美に挨拶する
「あぁ、健人…おはよ!」
琴美が嬉しそうに返事をする。
「--え」
健人はそう言われて照れてしまった。
付き合い始めてまだ数日。
いきなり下の名前で呼んでくれるなんて
思ってもみなかったからだ。
「---あ…い、、今、健人って…」
健人が顔を赤らめながら言うと、
琴美はにっこりとほほ笑んだ。
「だって、わたしたちカップルじゃない!
ふふ♡ ふふふ♡
だったら、、ふふふ♡
下の名前で呼んだっていいよね?」
琴美が変な笑い声を出しながら
健人を見つめる
「う、、うん…!も、、、もちろん!」
健人は顔を真っ赤にして微笑んだ。
・・・・・・・・・・・・・・・・
「---ふざけんな!」
休み時間ー
琴美は、荒い息を吐きながら
お手洗いで鏡を叩いていた。
「はぁ…はぁ…!」
琴美は健人の顔を思い浮かべる。
顔を真っ赤にして、照れていた健人の顔を。
「--あんな顔…見たことない…!」
琴美は怒り心頭だった。
「この女には、ああいう顔をするのね…」
琴美の中にいる明香里は嫉妬に狂っていた。
姉である自分には、
あんな顔はしない
「--許せない…許せないわ…!」
いつもおしとやかな琴美は
鬼のような形相で鏡を見つめた。
放課後ー
図書室の片づけをしながら琴美が呟く。
「ねぇ、健人」
琴美に呼ばれて健人は琴美の方を
嬉しそうに見つめた。
「ん?どうしたの?新垣さん」
健人がそう言うと、
琴美が微笑んだ。
「今度さ、わたしとエッチなことしない?」
琴美がそんなこと言いだすとは思わなかった。
健人は心臓が飛び出そうになりそうなほど
ドキドキしながらやっとの思いで答えた。
「えぇぇ…!でも、ぼ、僕にそんな経験はないし」
健人が言うと、
琴美は満面の笑みを浮かべた
”知ってるわよ”と内心で思いながら
「わたしもないなぁ~」と琴美のふりをしながら笑う。
”あぁ、こうして学校でも弟と一緒に居られる幸せ”
琴美は興奮しながら呟く。
「---健人って、お姉さんいたよね?」
琴美が言うと、
健人は頷いた。
「いるいる、結構仲良しなんだよ~」
健人の言葉を聞いて、
琴美は思わず涎を垂らしそうになった。
”仲良し”
”なかよし”
えへぇ♡
しかし、冷静に振る舞う。
「---お姉さんと、エッチの練習してみたら、どうかな?」
琴美の言葉に、
健人は「えぇ?」と言いながら戸惑う。
「---いや、ほら、お姉さんにお願いして
教えてもらいなよ、って意味ね。
最後までじゃなくてもいいから」
琴美が言うと、
健人は「そ、、それなら聞いてみようかな」と
笑みを浮かべた。
「--どんな感じか、明日教えて!」
琴美が言うと、
健人は苦笑いしながら答えた。
「えぇ?今日、姉さんとエッチな話してこいってこと?」
健人の言葉に、
琴美は甘い声で、健人に顔を近づけながら囁いた。
「--わたしからのお・ね・が・い♡」
その声に健人はドキッとして
「わ、、わ、わかったよ、約束する」と答えたー。
その後、2人は図書室から出て、他愛のない話をしながら
2人は別れた。
「また明日~!」
手を振り終えた琴美はにやりと笑みを浮かべる。
「--さて…この女の身体じゃ、放課後、健人と一緒に
いられないから…」
琴美がビクンとして、口から煙のようなものを吐きだすー
そしてー
吐きだされた煙は、健人の姉・明香里の姿になっていく。
「--ねぇ」
明香里は、琴美の顎を掴んだ。
琴美はまだうつろな目をしている。
「ーー今日からわたしがあんたのお姉さまよ。
わたしの言うとおりにしなさい」
そう言うと、
琴美は
「はい…おねえさま」と虚ろな目で呟く。
明香里の持つ憑依薬では、一度憑依した人間は
意のままに操ることもできる。
「--明日朝、また今日と同じ路地裏で
あんたの身体貰うから。
それまで普通にしてなさい」
「はい…」
琴美はそう言うと、いつも通り、家へと帰る為に
歩きはじめた。
「ふふ…盗人女は、これで私のものよ」
明香里はそう呟くと、弟が待つ家へと向かった。
・・・・・・・・・・・・・・・・・
夜ー
健人がいつ、自分にエッチなことを教わりに来るか
ワクワクしながら明香里は部屋で待っていた。
勝負下着を身に着けて、
ミニスカートをはいて、健人が部屋に入ってくるのを待つ明香里。
しかしー
9時になっても、
10時になっても
健人は自分の部屋から出てこない。
「---?」
明香里はソワソワする。
琴美と約束したはずだ。
姉でエッチの練習をすると。
一度初めてしまえばこっちのもの。
最後まで…
「姉さん」
健人が部屋をノックしてきた
「ん?なぁに?」
明香里は顔を真っ赤にしながら
”入っていいよ”という合図を送ると
健人が部屋に入ってきた。
しかしー
明香里の色っぽい服装には何の反応もせず、
健人は言った。
「--僕の飲みかけのお茶知らない?」
健人の言葉に、明香里はドキッとする。
弟の飲みかけのお茶を昨日、勝手に
冷蔵庫から取り出して部屋に運び込んで
間接キスして、喜んでいるとは言えない
「し、知らない~」
明香里が言うと、健人は「そっか」と言いながら
部屋から出て行こうとする
「あっ!ちょっと!健人!
大事なこと忘れてない?」
明香里が言うと、
健人は首をかしげた。
そして
「いいや、別に」
と苦笑いしながら部屋から立ち去って行く。
「え…」
明香里は唖然としながら
部屋の入り口を見つめた。
「--わたしとエッチするんじゃないの?」
明香里は放心状態で呟く…。
そして、すぐに怒りの形相を浮かべた。
「わたしと…約束したのにっ…!」
学校で約束したはずだ。
姉に今日、エッチを教わると。
なのに、
どうして?
明香里は、叫んだ。
「健人!」
部屋のすぐ外に居た健人が
「どうしたの?」とまた部屋に戻ってくる。
「こ、、琴美ちゃんから聞いたんだけど、
今夜、健人がわたしにエッチを教わりたいって…」
明香里がそう言うと、
健人は失笑した。
「あぁ~…
新垣さんのお願いは断れなくてさ。
でも、安心してよ
姉さんとエッチする気なんてないし、
気持ち悪いじゃん」
笑いながら健人はそう呟くと
「明日、適当に誤魔化しておくから」と
だけ言って、そのまま部屋から立ち去ってしまった。
「---…気持ち悪い?」
明香里の目に怒りが浮かび上がった。
「あ~~そう。
…あの女に惑わされてるのね…
許せない!」
明香里は怒りの形相で、弟の写真を見つめた…
②へ続く
・・・・・・・・・・・・・・・・・
コメント
弟くん大好きなお姉さん!
果たしてどうなってしまうのでしょうか~
コメント
SECRET: 0
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ヤンデレ姉は私の大好物!
姉が弟の彼女に憑依するなんて、ぞくぞくしちゃいますねぇ……
続きが気になります♪
SECRET: 0
PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
> ヤンデレ姉は私の大好物!
> 姉が弟の彼女に憑依するなんて、ぞくぞくしちゃいますねぇ……
> 続きが気になります♪
コメントありがとうございます~!
ふふふ…
楽しみにしていてくださいネ~