<憑依>束縛お姉さま①~姉の想い~

姉は、弟を溺愛していた。

ある日、弟は言った。
「姉さん、僕、彼女が出来たんだ!」と。

「彼女が出来た?
 そう?よかったね~!」
明るく返事をした姉。 しかし…

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3度の飯より弟が好きだ。

杉崎 明香里(すぎさき あかり)は、
弟を溺愛していた。

大学1年の明香里には、
彼氏がいない。

モテないわけではない。

しかしー
明香里にとって、彼氏など、必要ないのだ。

明香里は浮気をしない。

想い人がいるから、
彼氏は作らない。

「あぁ…健人…(けんと)」

弟の健人の写真を見つめながら
明香里は顔を赤らめていた。

健人の写真を鏡に貼りつけて
それにキスをする明香里。

健人のことを思い浮かべながら毎晩のように
エッチをしている。

それほどまでに、健人が好きだ。

「--お姉ちゃんが、守ってあげるからね。
 永遠にー。
 うふ、うふ♡ うふふふふふふ♡」

だがー
そんな愛を抱いているのはー
姉の明香里だけだったー

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「--ぼ、、僕、、、新垣(にいがき)さんのこと…」

放課後の図書室ー

弟の健人は、
同じ図書委員のクラスメイト、
新垣 琴美(にいがき ことみ)に告白していたー

眼鏡がよく似合う、
綺麗な黒髪が特徴的な琴美ー。

半年間ずっと、想いつづけて、
今日、ようやく告白する勇気を手に入れたー

「----え」
琴美は顔を赤らめながら健人を見た。

「---え、、え~っと」
琴美が困ったような表情を浮かべる。

健人は”やっぱり駄目だよな…”なんて
思いながら返事を待つ。

秒数にすれば、ほんのわずかな時間だったと思う。
でも、健人にはその時間が永遠のものに感じられるほど
長かった。

そしてー

「---…わ、、わたし、、男子から告白されたのとか、
 は、、はじめてで」

琴美が顔を真っ赤にしながら
ようやく呟いた。

「そ、、その、、何て言ったらいいのかな…
 え、、えっと、、その、、お、、お願いします」

琴美は恥ずかしそうに頭を下げた。

「---え…」
健人は唖然とした。

”僕と付き合ってください”と何故か
同級生に敬語で叫んだ健人。

Noと言われるのは覚悟していた。

がーー
返事は、Yesだった。

「--え、、い、、いいの?」

「う、、うん…わ、、わたしこそ、わたしなんかで大丈夫?」
琴美が言う。

「--だ、、大丈夫大丈夫大丈夫!
 えぇぇ!やったあああああ!」

健人は思わず図書室でカエルのように
ぴょんぴょんと飛び跳ねた。

「--そ、そんなに喜ぶことなのかなぁ~?」
琴美が顔を赤らめながら微笑んだ。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「たっだいま~♪」
健人が嬉しそうに帰宅する。

姉の明香里は先に帰宅していた。

大学1年の明香里と
高校1年の健人。
2人は仲良しだった。

「あ、おかえり健人~!」
明香里が嬉しそうに言う。

「あ、姉さん!ただいま~!」
健人は洗面所に向かい、手を洗う。

鼻歌まで歌っていて、上機嫌な健人を見た
明香里は、”嬉しそうな健人を見てるとわたしも嬉しくなっちゃう”
などと思いながら健人に話しかけた。

「嬉しそうだね~?何かあったの?」
明香里は聞いた。

そして、その返事は姉の明香里が
想像もしていなかったもので、
姉の明香里にとっては地獄のような返事だった。

「姉さん、僕、彼女が出来たんだ!」と。

世界が、壊れたー。

明香里の世界が、壊れたー。

「彼女が出来た?
 そう?よかったね~!」

明香里は笑顔でそう言うと、
明香里の思いを知らない健人は「うん!ありがとう!」と嬉しそうに叫んだ。

「---ーーー」

明香里は部屋へと戻る。

「--けんとに…かのじょ…?」
明香里は部屋にへなへなと座り込む。

誰?

誰…?

まだ、健人と一度もエッチしてないのにー

誰???

わたしと健人の愛を邪魔するのは、誰?

明香里は混乱していた。
目から涙を流しながら明香里は叫ぶ

「うああああああああああああ!」
明香里は部屋で狂ったように暴れはじめた。

「--はぁ…はぁ…はぁぁあああああ!」
近くにあったノートをビリビリに破り捨てると
明香里は、髪をぼさぼさにしながら微笑んだ

涙を目に浮かべながら微笑む明香里は、
スマホを手にして、
闇サイトであるものを注文したー

それはー
”憑依薬”と呼ばれる薬。

元々、弟の健人とひとつになりたい、と考えて
探していたものだったが
健人に彼女が出来たのなら話は別だ。

「---健人を奪う女は、、ぜったいに許さない」
明香里はそう呟いた。

・・・・・・・・・・・・・・・・・

3日後ー

「--新垣さんって本当に優しいなぁ~」

健人がデレデレしながら笑っている

「--えぇぇ」
琴美も照れながら顔を赤らめている。

2人は、付き合いたてのカップル特有の
デレデレ状態になっていた。

「--そういえばさ、僕の姉さんも
 彼女が出来て良かったね、って喜んでくれたよ」
健人が言うと、
琴美が「そうなんだ~」と微笑む。

「わたし、2つ下の妹がいるんだけど、
 妹は無反応だったよ~」

琴美が苦笑いしながら言うと、
健人は「ははは、そっか~!」と笑いながら
幸せをかみしめた。

憧れの琴美ちゃんと付き合えるなんて、
夢みたいだ~!

とー。

「----ふぅん」
背後から、二人を尾行していた姉の明香里が呟いた。

サングラスとマスク、全身ジャージというやばい姿で
2人を尾行していた明香里は笑みを浮かべる

「あれが、、わたしの敵ね…」

・・・・・・・・・・・・・・・

翌朝ー

昨日、弟の健人と彼女の琴美が
歩いていた場所で、待ち伏せをしていた。

”憑依薬”は既に飲んだ。

あとはー

「健人は、渡さないわ」
明香里は笑みを浮かべた。

明香里は昨日、琴美を見てこう思った。

”わたしの方が、可愛いじゃない”と。

明香里は確かに、スタイルも良く美人ではあるが
そういう問題ではない。

そもそも、弟の健人にとっては、
大事な姉ではあるが、恋愛対象ではないのだ。

「---きた!」
琴美が歩いてきたのを確認した明香里は
路地から飛び出した。

「---すみません~!」
明香里が笑みを浮かべて琴美に話しかける。

「え?あ、はい?」
琴美が不思議そうな表情で返事をする。

明香里は周囲を見渡した後に微笑んだ。

「--健人の姉の明香里です」

そう言うと、琴美は
「え、あ、杉崎くんのお姉さんですか?」
と微笑んだ。

「ちょっと、お話があるんだけど、いいかしら?」
明香里は高圧的に言い放つと、
琴美は可愛らしい腕時計を見つめた。

琴美は、早めに登校しているから、まだ時間はある
明香里に連れられて、少し道から外れた場所へとやってくる。

「---あの…何か御用ですか?」
琴美が言うと、
明香里は笑みを浮かべた。

「人の弟を盗んでおいて、
 ふてぶてしい態度ね」

明香里は優しい口調でそう言った。

「え?」
琴美には、明香里が何を言いたいのか
よく分からなかった。

健人と付き合い始めたことは確かだが
”盗んだ”なんて言われる筋合いはない

「---ほら、そういう態度。
 どうやって弟を誘惑したの?」
明香里が怒りっぽい口調で言う。

「え…そ、、その、誘惑だなんて」
琴美は困った表情を浮かべる。

しかし、明香里には、そんな反応も
面白くなかった。

「--盗まれたら盗み返す…」
明香里が呟く。

「--!?」
琴美が不安そうな表情で明香里を見つめる。

するとー
明香里が突然、琴美に抱き着いた。

「---ひっ!?や、やめてください」
抱き着かれた琴美がもがく。

明香里はそんな琴美を無視して、
ぎゅっと琴美を抱きしめて
耳元で小さく囁いた。

「--あなたの身体、貰うわね」

「--?!」

琴美が驚きの表情を浮かべると同時に
明香里は琴美にキスをした。

「んっ…え…んんんん!」
琴美が明香里を振り払うことができずに
されるがままにされてしまう。

「クチュ…クチュクチュ…♡」
明香里は不気味な笑みを浮かべながら
舌を絡めていくー

イヤらしい音が裏路地に響き渡りー

そしてー
やがて、明香里がガスのようになって
琴美の中に吸い込まれた。

「はぁ…、、はぁ…、はぁ」
琴美が苦しそうに息を吐きだしているー

「はぁ… はぁ♡ はぁ♡」
苦しそうだった息はだんだんと甘い吐息に変わって行く

「はぁぁ…健人…
 健人は誰にも渡さない…」
琴美はくふふ…と笑いながら、いつものように
歩きはじめた…。

・・・・・・・・・・・・・・

「新垣さん、おはよう!」
健人が嬉しそうに琴美に挨拶する

「あぁ、健人…おはよ!」
琴美が嬉しそうに返事をする。

「--え」
健人はそう言われて照れてしまった。

付き合い始めてまだ数日。

いきなり下の名前で呼んでくれるなんて
思ってもみなかったからだ。

「---あ…い、、今、健人って…」
健人が顔を赤らめながら言うと、
琴美はにっこりとほほ笑んだ。

「だって、わたしたちカップルじゃない!
 ふふ♡ ふふふ♡
 だったら、、ふふふ♡
 下の名前で呼んだっていいよね?」

琴美が変な笑い声を出しながら
健人を見つめる

「う、、うん…!も、、、もちろん!」

健人は顔を真っ赤にして微笑んだ。

・・・・・・・・・・・・・・・・

「---ふざけんな!」

休み時間ー

琴美は、荒い息を吐きながら
お手洗いで鏡を叩いていた。

「はぁ…はぁ…!」

琴美は健人の顔を思い浮かべる。

顔を真っ赤にして、照れていた健人の顔を。

「--あんな顔…見たことない…!」

琴美は怒り心頭だった。

「この女には、ああいう顔をするのね…」
琴美の中にいる明香里は嫉妬に狂っていた。

姉である自分には、
あんな顔はしない

「--許せない…許せないわ…!」
いつもおしとやかな琴美は
鬼のような形相で鏡を見つめた。

放課後ー

図書室の片づけをしながら琴美が呟く。

「ねぇ、健人」
琴美に呼ばれて健人は琴美の方を
嬉しそうに見つめた。

「ん?どうしたの?新垣さん」

健人がそう言うと、
琴美が微笑んだ。

「今度さ、わたしとエッチなことしない?」

琴美がそんなこと言いだすとは思わなかった。
健人は心臓が飛び出そうになりそうなほど
ドキドキしながらやっとの思いで答えた。

「えぇぇ…!でも、ぼ、僕にそんな経験はないし」

健人が言うと、
琴美は満面の笑みを浮かべた

”知ってるわよ”と内心で思いながら
「わたしもないなぁ~」と琴美のふりをしながら笑う。

”あぁ、こうして学校でも弟と一緒に居られる幸せ”

琴美は興奮しながら呟く。

「---健人って、お姉さんいたよね?」
琴美が言うと、
健人は頷いた。

「いるいる、結構仲良しなんだよ~」
健人の言葉を聞いて、
琴美は思わず涎を垂らしそうになった。

”仲良し”

”なかよし”

えへぇ♡

しかし、冷静に振る舞う。

「---お姉さんと、エッチの練習してみたら、どうかな?」

琴美の言葉に、
健人は「えぇ?」と言いながら戸惑う。

「---いや、ほら、お姉さんにお願いして
 教えてもらいなよ、って意味ね。
 最後までじゃなくてもいいから」

琴美が言うと、
健人は「そ、、それなら聞いてみようかな」と
笑みを浮かべた。

「--どんな感じか、明日教えて!」
琴美が言うと、
健人は苦笑いしながら答えた。

「えぇ?今日、姉さんとエッチな話してこいってこと?」
健人の言葉に、
琴美は甘い声で、健人に顔を近づけながら囁いた。

「--わたしからのお・ね・が・い♡」

その声に健人はドキッとして

「わ、、わ、わかったよ、約束する」と答えたー。

その後、2人は図書室から出て、他愛のない話をしながら
2人は別れた。

「また明日~!」
手を振り終えた琴美はにやりと笑みを浮かべる。

「--さて…この女の身体じゃ、放課後、健人と一緒に
 いられないから…」

琴美がビクンとして、口から煙のようなものを吐きだすー

そしてー
吐きだされた煙は、健人の姉・明香里の姿になっていく。

「--ねぇ」
明香里は、琴美の顎を掴んだ。

琴美はまだうつろな目をしている。

「ーー今日からわたしがあんたのお姉さまよ。
 わたしの言うとおりにしなさい」

そう言うと、
琴美は
「はい…おねえさま」と虚ろな目で呟く。

明香里の持つ憑依薬では、一度憑依した人間は
意のままに操ることもできる。

「--明日朝、また今日と同じ路地裏で 
 あんたの身体貰うから。
 それまで普通にしてなさい」

「はい…」

琴美はそう言うと、いつも通り、家へと帰る為に
歩きはじめた。

「ふふ…盗人女は、これで私のものよ」
明香里はそう呟くと、弟が待つ家へと向かった。

・・・・・・・・・・・・・・・・・

夜ー

健人がいつ、自分にエッチなことを教わりに来るか
ワクワクしながら明香里は部屋で待っていた。

勝負下着を身に着けて、
ミニスカートをはいて、健人が部屋に入ってくるのを待つ明香里。

しかしー
9時になっても、
10時になっても
健人は自分の部屋から出てこない。

「---?」
明香里はソワソワする。

琴美と約束したはずだ。
姉でエッチの練習をすると。

一度初めてしまえばこっちのもの。

最後まで…

「姉さん」
健人が部屋をノックしてきた

「ん?なぁに?」
明香里は顔を真っ赤にしながら
”入っていいよ”という合図を送ると
健人が部屋に入ってきた。

しかしー
明香里の色っぽい服装には何の反応もせず、
健人は言った。

「--僕の飲みかけのお茶知らない?」
健人の言葉に、明香里はドキッとする。

弟の飲みかけのお茶を昨日、勝手に
冷蔵庫から取り出して部屋に運び込んで
間接キスして、喜んでいるとは言えない

「し、知らない~」
明香里が言うと、健人は「そっか」と言いながら
部屋から出て行こうとする

「あっ!ちょっと!健人!
 大事なこと忘れてない?」

明香里が言うと、
健人は首をかしげた。

そして

「いいや、別に」

と苦笑いしながら部屋から立ち去って行く。

「え…」
明香里は唖然としながら
部屋の入り口を見つめた。

「--わたしとエッチするんじゃないの?」
明香里は放心状態で呟く…。

そして、すぐに怒りの形相を浮かべた。

「わたしと…約束したのにっ…!」

学校で約束したはずだ。
姉に今日、エッチを教わると。

なのに、
どうして?

明香里は、叫んだ。

「健人!」

部屋のすぐ外に居た健人が
「どうしたの?」とまた部屋に戻ってくる。

「こ、、琴美ちゃんから聞いたんだけど、
 今夜、健人がわたしにエッチを教わりたいって…」

明香里がそう言うと、
健人は失笑した。

「あぁ~…
 新垣さんのお願いは断れなくてさ。

 でも、安心してよ
 姉さんとエッチする気なんてないし、
 気持ち悪いじゃん」

笑いながら健人はそう呟くと
「明日、適当に誤魔化しておくから」と
だけ言って、そのまま部屋から立ち去ってしまった。

「---…気持ち悪い?」
明香里の目に怒りが浮かび上がった。

「あ~~そう。
 …あの女に惑わされてるのね…
 許せない!」

明香里は怒りの形相で、弟の写真を見つめた…

②へ続く

・・・・・・・・・・・・・・・・・

コメント

弟くん大好きなお姉さん!
果たしてどうなってしまうのでしょうか~

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憑依<束縛お姉さま>

コメント

  1. 飛龍 より:

    SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    ヤンデレ姉は私の大好物!
    姉が弟の彼女に憑依するなんて、ぞくぞくしちゃいますねぇ……
    続きが気になります♪

  2. 無名 より:

    SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    > ヤンデレ姉は私の大好物!
    > 姉が弟の彼女に憑依するなんて、ぞくぞくしちゃいますねぇ……
    > 続きが気になります♪

    コメントありがとうございます~!
    ふふふ…
    楽しみにしていてくださいネ~