<憑依>ダイエットサポーター

”憑依能力”には、数多の応用方法が存在する。

とある町の裏路地には、
”憑依能力”を使ったダイエットビジネスが
展開されていたー。

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「--はぁ~~~痩せたいなぁ」
女子大生の竜原 樹奈(たつやま きな)が、呟くと、
近くにいた友達の春江(はるえ)が、思わず笑みを浮かべたー

「いやいや、樹奈、全然太ってないでしょ」
春江の言葉に、樹奈は「これでも体重、すこし増えたの!」と、
春江の方を見て不満そうに呟いたー

「いやいやいやいや、樹奈の体型で痩せたいなぁ~とか
 言われても説得力ないよ!」

樹奈は周囲から見れば決して太っている感じではないー
確かにやせ型でもないものの、
春江からすれば、気にするレベルには、とても思えなかったー

「ーーう~~~」
考える人かのように、考え込んでしまっている樹奈を見て
苦笑いした春江は、
「そんなに気にするならダイエットすればいいじゃん」と、笑うー。

「したよ~~…でも、どれもうまくいかないの!」

体重を気にしている樹奈は、これまでに
色々なダイエットに挑戦したー。

食べる量を減らすー
これは、無理だったー
元々そこまでは食べていないし、食欲に勝つことはできないー

運動するー
これも、無理だった。
純粋に運動音痴な樹奈には、そんなことは続かないー。

「バルーンフィットRPG」という、流行の
フィットネスゲームも買ってみたー。
けど、三日坊主でやめてしまったー。

「--は、はははは…じゃあ、諦めるしかないよ~」
春江が笑うー。

「--う~~なんか、楽して痩せる方法ないのかなぁ~…」
樹奈の言葉に、春江は
「ないない、そんな方法があったらーーー」と言いかけて「あ!!!!」と叫んだー

「-ちょ!?急に叫ばないでよ!?何なの?」
樹奈がビクッとして春江の方を見ると、
「-甲野先輩って知ってる!?」と、叫んだー。

「-甲野先輩?あぁ、うん、知ってるけど」

甲野先輩を思い浮かべる樹奈ー
甲野先輩の巨体が思い浮かぶー。

恐らく、この大学の女子で一番”重い”女子だと思うー。

樹奈は、その甲野先輩と直接接点はなかったものの、
そのインパクトからか、記憶にあったー。

「見て」
春江はスマホを手に、
甲野先輩のものと思われるツイッターアカウントをみせて来るー。

「---」
樹奈がその画面を見つめると、そこにはー
スラリとした”美人女性”が写っていたー。

「--だれこれ?」
樹奈が言うと、

「甲野先輩」
と、春江は答えたー

「だうと」
樹奈が冷静にそう呟くと

「いや、ホントだって!これ、今の甲野先輩!」
と、春江はそう叫んだー

「-マジ?別人すぎでしょ?」
樹奈が言うと、春江は、
「--甲野先輩、”奇跡のダイエット”で痩せたんだって!
 少し前に数週間休んでたのは、それに参加してたからなんだって!」
と、目をキラキラさせながら呟いたー。

「--ほ、本当に?」
樹奈の言葉に、春江は頷くー

「--ほら、これー」
再びスマホの画面を見せつけて来る春江ー。

そこにはー
”ダイエットサポーター”と、表示されていたー。

”寝てるだけで痩せる究極のダイエット”
”怠け者でも安心!絶対に痩せる”
”あのCMのダイエットを超越した”

大口を叩いているようにしか見えないー

だがー

「ふぅん」と、言いながらも樹奈は、
”ダイエット・サポーター”のことが気になり始めていたー。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

後日ー
”ダイエット・サポーター”なるサービスを展開している
施設へと向かうと、優しそうな女性が、出迎えてくれたー。

丁寧に説明を始める女性ー。
聞けば、その女性が、社長なのだというー。

「--それで、本当に痩せられるんですか?」
その言葉に、社長は、頷いたー

妙に若く、同年齢ぐらいにも見えるー。

「はい。最初は、わたしがやせようと思って考えた方法ですしー。
 わたしも怠け者なので、なかなか痩せらなくて」

社長とは、同年代ぐらいだからか、
樹奈とはとても話が合ったー

「-それで”寝てるだけ”で、やせられるというのはー?」
樹奈が尋ねると、社長は立ち上がって、
”こちらへどうぞ”と、樹奈を奥の通路へと案内したー。

そこではー
太った男性が、カプセルのようなものに入って
眠っていたー。

「----1週間ー
 ”特殊な装置で寝る”
 それだけで、痩せることができるんです。

 余計な栄養を一切補給せず、
 装置を通じて、不健康な痩せ方をしないように栄養を供給ー

 そしてー」

社長が微笑むー。
カプセルが突然動き出しー
眠っている男性を揺らすー。

「特殊な動作で眠っている人間のエネルギー消費を促して、
 ”効率的に痩せる”
 それが、わたしのダイエットサポーターの、ダイエット方法ですー

 もちろん、企業秘密なので細かい技術については
 お話できませんがー
 あなたはただ、寝ているだけで痩せることできんるんですー」

女社長は説明を終えると、
通路から再び受付のような部屋に戻ったー。

”寝て、目を覚ます”

「それだけで、あなたは痩せますー
 健康にも何も問題はありませんし、
 カプセルは、施錠するので、何か変なことを
 させる心配もありませんー。

 一度カプセルに入れば、自動的にリラックスして
 睡眠に入れるように、特殊な成分を出しますので
 本当に、一瞬で痩せますよ」

「--…すごい」
嬉しそうにそう呟く樹奈ー。

樹奈は、スタッフが女性ばかりなことにも、少し安心感を覚えて、
「-来週から、ちょうど大学が1週間ちょっとお休みなので、
 その時期で予約できますか?」と笑みを浮かべたー。

料金はたったの1万円ー。
1週間で1万円ー。

あまりの安さに樹奈は「安すぎませんか!?」と突っ込んだがー
「装置に入れて寝てもらうだけで、あとはオートですから…」と、
女社長は静かに微笑んだー。

確かに、人を寝かせて痩せさせるだけで1万円なら
利益は上がるのかもしれないー

そんな風に思いつつ、樹奈は、予約を取ると
頭を下げて、お店を後にしたー

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「---ふふふふふふ」
ダイエットサポーターの女社長は笑みを浮かべるー

「-”この身体”のほうが客が油断してくれるからな」
女社長はー”憑依”されて奪われた女子大生の身体だー。

そして、スタッフも全員、
”憑依で奪った女性の身体”で過ごしているー。

ダイエットサポーターの社員たちは
元々、”暴走族”だったー。

だが、裏社会で”憑依薬”を入手した彼らはー
こうした”ビジネス”を思いついたのだー

手始めに好みの女を乗っ取り、
次に、経営の勉強をしー
そして、”ダイエット”に目をつけたー。

”欲望”
”金”
”顧客に対する成果”

その3つを、憑依で生み出す錬金術ーー

女社長は”カプセルに入った太った男”を見つめたー

これは”偽の説明用”だー。
こんなもので痩せるわけがないー
太った男は、女社長に憑依している男の実の父親だー。

特殊な薬で眠らせて、あのカプセルに放り込んであるー。

ダイエットとは、何も関係ないー。

「---くくくく まぁ、何も知らないまま乗っ取られて
 結果、痩せることができるんだから、WinWinだろ?」
女社長はそう呟くと、無気味な笑みを浮かべたー。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

1週間後ー

樹奈は、”ダイエットサポーター”の施設を訪れたー。

「じゃあ、よろしくお願いします」
樹奈が言うと、女社長は「こちらこそー」と、頭を下げたー。

そして、樹奈を奥の部屋に案内するー。
”カプセル型のベッド”が配置された部屋だー

実は、このカプセル型のベッドは”何の意味もない演出”
であり、”ダイエット”とは直接関係ないー

だが、客は、本当の理由を知る必要も、ないー。

「---すぐに1週間経ちますからーー
 おやすみなさい」
女社長の優しい言葉に、樹奈はベッドに横たわると、
その直後、意識が飛んだー。

「--へへへ」
直後ー、
樹奈が笑いながらカプセルから出て来るー

すぐに女社長も戻ってくると
「さ、行くぞ」と、笑みを浮かべたー。

移動したのは、さらに奥の部屋ー
樹奈はダイエットサポーターの”スタッフ”に
憑依されていたー。

そしてー、
奥で待機していた元暴走族の男たちが
笑みを浮かべるー

”女に憑依して、受付などを担当している係”と
”元の自分の身体のまま、直接ダイエットを担当する係”の
2通りが、ダイエットサポーターには存在したー。

その、”直接ダイエットを担当する男たち”が
笑みを浮かべながら、乗っ取られた樹奈に近づいていくー

「----へへへへ 今から1週間、やりたい放題だ!
 望み通り、この女を”欲望のスポーツ”で痩せさせてやりな!」
女社長はそう叫ぶと、
憑依されてしまった樹奈は、笑いながら男たちと乱交を始めたー。

「-ほとんど飲まず食わずで1週間もヤリ続けりゃ、そりゃ痩せるだろうからな へへ」
女社長は笑いながら、その様子を見つめるー。

元暴走族の男たちー
今はダイエットサポーターの社員として働く男たちと、
”憑依担当”の男に憑依された樹奈が激しく”お楽しみ”をしているー。

樹奈本人は”何も知らず”に、1週間後には痩せているー
”社員”の男たちは樹奈の身体で存分に欲望を満たせるー
”憑依担当”の社員も、樹奈の身体自体で楽しめるー

そして、会社としても、エッチなことをしているだけで利益が上がるー。

樹奈から受け取った1万ー
それ以外にも、樹奈と”ヤレる”権利を裏社会の客に売ったり、
憑依薬の実践データを売ったりすることで、莫大な利益を上げることが出来るー。

これが、新世代のダイエットだー。

樹奈の喘ぎ声が響き渡る中ー
女社長は笑みを浮かべながら、
その部屋を後にしたー。

”他の部屋”でも、樹奈以外の”客”が同じように別の男に
憑依されてエッチを繰り返しているー

「---最高の憑依ビジネスだぜー」

”客”は、まさか自分が憑依されて1週間エッチをさせられているなどとは
夢にも思わず、痩せたことを喜ぶー

こっちは、金を手に入れ、欲を満たすことが出来るー

「これがWin-Win-
 商売ってもんだぜ」

女社長はそう呟くと、ゆっくりと廊下を歩きだしたー

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

1週間後ー

「---おはよう」
女社長が、樹奈を起こしたー

樹奈は、自分が1週間憑依されていたとは夢にも思わず、
”何の意味もないカプセル”の中で目を覚まし、
自分が特殊なカプセルの中で1週間眠っていたと思い込んでいるー

「--す、すごい…!一気にこんなに体重が減るなんて…!
 何もしてないのに!」
樹奈が言うー。

不審に思われないように、
最終日である昨日の午後からは、
食事をある程度取り、身体も休ませているー。
疲れ切った身体を回復させるための、特殊な技術も使っているー。

だから、樹奈は不審には思わないー。

「---ふふふ、これがわたしたちの新ダイエット方法ー

 あ、でも、
 暴食したりすればリバウンドはするから、気を付けるのよ?」

女社長の言葉に、
樹奈は「はい!」と嬉しそうに言いながら、
去り際に「あ、でも!また体重が気になったらここに来ますから大丈夫です!」と、
笑いながら呟いたー

「ふふ、またのご利用をお待ちしています」
女社長はそう言いながら笑みを浮かべたー。

樹奈は自分が1週間ー
あんなことやこんなことをさせられて、しゃぶりつくされたことを
夢にも思わず

”痩せられてラッキー”と、
嬉しそうにその施設を後にしたー。

「--人間、知らなければ、幸せなこともあるのよー」
女社長は、幸せそうに立ち去っていく樹奈を見つめながら、静かに微笑んだー

おわり

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コメント

1話完結のお話でした~!
当初は2話か3話の通常サイズ(?)で書く予定の作品だったのですが、
「そこまでじゃないかな…?」ということで没になり気味だったネタでした…!

でも、没にするのももったいないので…と、いうことで
今回、1話完結になりましたが、こうして表に出て来ることが出来ました~!

お読み下さりありがとうございました~!

小説
憑依空間NEO

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